映画大好きフランちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES

映画大好きフランちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES

杉谷庄吾の『映画大好きポンポさん』のスピンオフ作品。このシリーズでは著者名として、別のペンネームである【人間プラモ】も並記している。女優を志望する少女のフランチェスカ・マッツェンティーニは、天才映画プロデューサーのジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットとの出会いをきっかけに、複数の映画業界人と知り合う。女優に必要な心構えや知識を吸収し成長するフランチェスカの姿を描くヒューマンドラマ。「ジーンピクシブ」に2018年7月から掲載の作品。

正式名称
映画大好きフランちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES
ふりがな
えいがだいすきふらんちゃん にゃりうっど すたじおす しりーず
作者
ジャンル
俳優・女優
 
ヒューマンドラマ
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あらすじ

女優を志すフランチェスカ・マッツェンティーニは、オーディションに何度も落選し続けていたが、その原因もわからないまま、ただがむしゃらにオーディションに挑み続けていた。そんなある日、フランチェスカがウェイトレスとして働くダイナーに、天才映画プロデューサーとして知られるジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットが食事にやって来る。ポンポネットとの出会いをきっかけに、作曲家のキャロル・ロンシュタットや脚本家のマーリン・ユーチノフとも知り合い、フランチェスカは女優として必要な知識や心構えを学んでいく。しかしそれでもオーディションに落ち続け、後輩のカーナ・スワンソンに先にデビューされて落ち込むフランチェスカに、ポンポネットは強い言葉で夢に対する彼女の姿勢を非難する。

連載経緯

本作『映画大好きフランちゃん』は、杉谷庄吾が担当編集者から「1話10ページ程度のボリュームで『映画大好きポンポさん』のスピンオフを書かないか」と持ちかけられたことから連載が決定した。当初はダイナーで、女子が映画談義をしているだけの気軽に読める作品にする予定だったが、当時の杉谷は『映画大好きポンポさん』の第2巻を同時進行で描いていたため、「作品間につながりを持たせたい」と考えた末に、フランチェスカ・マッツェンティーニの成長物語として構成された。

登場人物・キャラクター

フランチェスカ・マッツェンティーニ

女優志望の少女。ダイナーでウェイトレスとして働いている。腰下まであるストレートの黒髪をツインテールでまとめている。何度も映画のオーディションを受けているが、自分の作り上げた役柄に固執しすぎる余り、素直に相手の意見を受け入れられず、オーディションに落ち続けていた。ダイナーに食事に来たジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットやマーリン・ユーチノフと出会うことで、相手の意見を受け入れる素直さや本を読むことの大切さを教えられた。ただし、人を見た目で判断するところがあり、初対面のポンポネットを子供扱いし、キャロル・ロンシュタットを不良だと決めつけて店から追い出そうとしたことがある。また、ダイナーの店長であるユーゲン・マイルスジャックが役者であることにも気づいていない。自分がどんな映画女優になりたいかを明確に言葉にできたことをきっかけに、ポンポネットが企画したコメディ映画「Lunch Waggon」で主演のブリジット役に抜擢(ばってき)された。好きな映画は『プリティ・プリンセス』『奇跡のシンフォニー』『チャーリーとチョコレート工場』などの、王道シンデレラストーリーの作品。

ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット

天才映画プロデューサーの少女。ペーターゼンフィルム社の社長を務めている。周囲からは「ポンポさん」と呼ばれている。波打つ金髪をツインテールでまとめている。ダイナーの常連であり、キャロル・ロンシュタットやマーリン・ユーチノフと会う際にもダイナーを使用している。フランチェスカ・マッツェンティーニの素直さや容姿のかわいらしさは評価しているが、女優志望なのに周囲が見えていないところや知識不足である点を問題視しており、カーナ・スワンソンがフランチェスカより先に女優デビューしたことをきっかけに、ほかのオーディション参加者の演技をしっかり見るようアドバイスした。好きな映画は『セッション』『デス・プルーフinグラインドハウス』『フランケンウィニー』で、映画オタクの監督が自らのルーツに徹底的に向き合った作品。キャロルからは「ポンさん」と呼ばれている。

キャロル・ロンシュタット

映画音楽の作曲家を務める少女。ストレートロングヘアを左右で白と紫で染め分けている。劇伴に求められる音楽が、紋切り型で個性のないものばかりであることに不満を抱き、音楽が主役の映画を作りたいと望んでいる。フランチェスカ・マッツェンティーニとはケンカ友達ながら彼女を大切に思っており、「Lunch Waggon」の撮影初日にフランチェスカが緊張しているのを見かね、助け船を出すような優しい一面がある。好きな映画は『ベルベット・ゴールドマイン』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』『ロード・オブ・ドッグタウン』など、音楽が印象的な作品。

マーリン・ユーチノフ

脚本家の少女。金髪ロングヘアで、毛皮の帽子とコートを着用している。非常に寒がりで暖かいものを好むが猫舌で、冷ましてからしか飲食することができない。フランチェスカ・マッツェンティーニに本を読むことを勧めたり、努力だけでつかめる夢はたいした夢じゃないと諭すなど、映画業界の先輩として的確なアドバイスを送っている。容姿端麗なお金持ちで、圧倒的な才能を持っている年上男性を好んでいる。好きな映画は『シラノ・ド・ベルジュラック』『ジェルミナル』『フォート・サガン』など、ジェラール・ドパルデューが主演を務め、かつ古典や歴史に関係した作品。

カーナ・スワンソン

女優志望の少女。フランチェスカ・マッツェンティーニの後輩で、ウェーブがかった紫色の髪をツインテールにしている。フランチェスカに懐いているが抜け目がない一面があり、ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットやキャロル・ロンシュタットからは侮れない人物として認識されている。フランチェスカよりも先に女優デビューし、特技であるイラストをサインに盛り込むなど工夫している。好きな映画は『鉄ワン・アンダードッグ』『キング・オブ・キックボクサー ファイナル』『太陽は光り輝く』など、日本では知名度が低い名作。

ユーゲン・マイルスジャック

ダイナーの雇われ店長を務める中年の男性。売れない役者で、頰が痩けており、無精ひげを生やしている。若い頃はオーディションに落ち続けていたが、ある日、若い頃のコルベットからアドバイスを受けたことで端役ながら役者になれた。好きな映画は『ベルリン・天使の詩』『ノスタルジア』『フィッシャー・キング』など、一見癖があるように見えるがシンプルなメッセージが込められている作品。

コルベット

ペーターゼンフィルム社で映画監督を務める男性。ミディアムボブヘアにしている。ふくよかな体型で、レンズの分厚い眼鏡をかけている。ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットの右腕としても知られており、腕の立つ職人監督として認識されている。好きな映画は『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』『楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星』『若おかみは小学生!』など、ボーイミーツガールを主軸にドラマが展開されるアニメ作品。

場所

ペーターゼンフィルム社 (ぺーたーぜんふぃるむしゃ)

ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットが社長を務める映画会社。フランチェスカ・マッツェンティーニがウェイトレスを務めるダイナーの向かい側にある。社屋、社用車共にかなりくたびれており、キャロル・ロンシュタットからは新社屋の建設予定はないのかと心配されている。フランチェスカを主演にした映画「Lunch Waggon」もペーターゼンフィルム社が撮影、編集、配給を行った。

その他キーワード

Lunch Waggon (らんちわごん)

ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットがフランチェスカ・マッツェンティーニを主演に起用して製作した映画。ヒロイン「ブリジット」が働くダイナーは、フランチェスカが働くダイナーをそのままロケ地として使用しており、ユーゲン・マイルスジャックも出演している。ダイナーにやって来る客と従業員たちの爆笑ギャグが目白押しながらも、ブリジットの成長物語としても退屈させないシチュエーションコメディとなっている。邦題は「恋人たちのクランクイン」というタイトルが付けられている。

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