華のなまえ

華のなまえ

モデルとしての道を失いながらも、プロデューサー、峰岸晃司の手によって、新たに女優としての才能を開花していく久保梨花のサクセスストーリー。一方で、想いがすれ違っていた母娘が、同じ業界でぶつかり合い、確執を乗り越えていく成長物語でもある。「別冊マーガレット」1992年4月号から6月号にかけて連載された作品。

正式名称
華のなまえ
ふりがな
はなのなまえ
作者
ジャンル
俳優・女優
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概要・あらすじ

ショーモデルとして活躍する久保梨花は、幼い頃に父親を事故で亡くして以来、母親の桂木志保と2人で生きてきた。志保は知らない者はいないほどの大女優だったが、梨花にとっては、仕事ばかりを大切にして淋しい時にかまってくれなかった、冷たい母親の印象しかなかった。母親の気を引きたくて必死に甘えていた幼少期や、逆に反発して困らせようとした思春期にも、梨花は志保から邪魔者扱いしかされず、心に深い傷を負っていた。

そのため大人になりきれず、いつもイライラしていた梨花は、ある日、その中途半端な仕事ぶりを、プロデューサーの峰岸晃司に厳しく批判される。それからしばらく後、梨花は運転していた車で事故を起こし、ショーモデルとしての道が閉ざされるほどの怪我を、足に負ってしまう。

事故による悪いイメージもあり、モデルとしてのすべての仕事を干されてやけになっていた梨花だったが、もともと劇団を手掛けていた晃司は、彼女の女優としての才能を見出し、演劇の世界に引っ張り込むのだった。

登場人物・キャラクター

久保 梨花 (くぼ りか)

モデルをしている女性。芸名は「久保リカ」。身長が高く、雑誌だけでなくショーモデルとしてもやっていける素質の持ち主。一方で、わがままで自己顕示欲が非常に強く、周囲にちやほやされないと気が済まないところがある。母親は大女優の桂木志保で、幼い頃に父親を事故で亡くして以来、母娘二人で暮らしてきた。母親ではなく女優として生きている志保に対して、反発と愛されたい気持ち、という相反する思いを抱えている。

峰岸 晃司 (みねぎし こうじ)

プロデューサー兼演出家をしている男性。時に脚本家を務めることもある。なんでも器用にこなすので、俳優やモデル業などもしている。久保梨花とはCMのモデル撮影で知り合い、彼女の持つ女優としての才能を見抜き、演劇の世界に引き込んだ。少々強引なところがあり、口調も冷たいが、本当はとても優しい一面がある。

桂木 志保 (かつらぎ しほ)

久保梨花の母親。大女優として知られている。メディアには45歳と公表しているが、実は48歳。ドラマにはほとんど出演せず、映画を専門としている。女優としては一流だが、母親としては冷たい女性。反発したり問題を起こす梨花のことを持て余している。

ショーコ

峰岸晃司の劇団に所属している女性。正義感が強く、世話焼きなところがある。仕事を干されてやけになった久保梨花が、怪しい連中に薬を飲まされて襲われそうになったところに通りかかり、彼女を助けた。他人の意見に振り回されず、独自の価値観を持つ。

加藤 友紀 (かとう とものり)

俳優をしている男性。久保梨花の幼なじみ。父親は俳優、母親は加藤美幸、祖母は加藤シマで、どちらも女優という芸能人一家に生まれた。梨花と似たような境遇に育ちながらも、天真爛漫で明るい性格をしている。梨花のことが好きで、気持ちを打ち明けるが、フラれてしまう。

加藤 美幸 (かとう みゆき)

加藤友紀の母親で、女優。夫は俳優、義理の母親は女優の加藤シマ、息子も俳優として活動している芸能一家。久保梨花の亡くなった父親とも交流があり、かつては家族ぐるみの付き合いをしていた。明るくて、ちょっとドジなところがある愛嬌たっぷりの性格。

加藤 シマ (かとう しま)

加藤友紀の祖母で、女優。息子は俳優、義理の娘も女優の加藤美幸で、孫の友紀も俳優として活動している芸能一家。明るく、なんでもプラス思考に考える前向きな性格。桂木志保が夫を亡くしてから、女手一つで久保梨花を育ててきたことを高く評価している。

岡崎 (おかざき)

久保梨花のマネジャーを務める女性。眼鏡をかけており、梨花よりも年は上。梨花の才能や素質に期待している。梨花が事故に遭い、足を負傷したせいでショーモデルとしての未来が消えてしまった時は、誰よりも近くで慰めた。梨花の家庭の事情を理解していることもあり、梨花を甘やかしていた。

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