×××HOLiC・戻

×××HOLiC・戻

日本を舞台に、霊や妖怪を見ることができる高校生・四月一日君尋が、願いを叶える店の店主・壱原侑子の助手として様々な客の願いを叶える怪奇漫画。日本に古くから伝わるまじないや妖怪などが登場する。『×××HOLiC』、『×××HOLiC・籠』の続編にあたるが、前作で店主となっていた四月一日君尋の立場が、再び店のアルバイトに戻っている。『ツバサ-WoRLD CHRoNiCLE-ニライカナイ編』とハイパーリンクしており、双方の物語が深くかかわり合っている。

正式名称
×××HOLiC・戻
ふりがな
ほりっく れい
作者
ジャンル
怪談・伝奇
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊4巻
関連商品
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概要・あらすじ

「願いを叶える」でアルバイトをする四月一日君尋は、雇い主の壱原侑子の身の回りの世話やによってに持ち込まれる「願い」に取り組む日々を送っていた。作った食事を喜んでもらい、周囲にからかわれながらも穏やかに過ごす生活。しかしそんな中で、ふとした時に感じる目まいや違和感があった。試すような侑子の言葉、百目鬼静九軒ひまわりたちのどこかひっかかる物言い、いつの間にか覚えていたアヤカシの知識、自らを呼ぶ「ナニカ」の声。

どこかおかしい日常の中で、四月一日は様々な「願い」を叶えるために奔走する。

登場人物・キャラクター

四月一日 君尋 (わたぬき きみひろ)

ところどころはねた黒髪のショートカット、大きな青い猫目で眼鏡をかけた男子高校生。4月1日生まれ。強い霊能力を持ち、霊や妖怪などのアヤカシを視ることができる。幼い頃に両親を亡くし、現在は後見人が管理するアパートの1室で1人暮らしをしている。壱原侑子の構える「願いを叶える店」のアルバイトとして、舞い込んだ依頼の解決や侑子の身の回りの世話などに明け暮れる。 家事全般を得意とし、特に料理の技量は高く、侑子や百目鬼静に強請られて菓子や酒のアテをよく作っている。感情表現は豊かで大仰気味、くるくるとよく表情を変え、大振りな動きが目立つ。全身を使って食い気味に突っ込みを入れることが多い、作中でほぼ唯一の突っ込み役。

李 小狼 (り しゃおらん)

4月1日生まれの14歳。薄い茶の髪と瞳を持つ。四月一日君尋とは同じ存在で、彼のことを心から気にかけている。唯一、四月一日のことを「君尋」と名で呼ぶ人物。異世界を渡り歩く旅をしているが、モコナ=ソエル=モドキを通じて四月一日と連絡を取ることができる。

壱原 侑子 (いちはら ゆうこ)

次元の魔女、極東の魔女と呼ばれる強い力を持った存在。身の丈ほどの長い黒髪に赤い瞳を持ったスタイルの良い女性。女性としては長身で、豪奢な着物やスタイルを強調するドレスをよく着ている。かなりの酒豪で美食家。自堕落なところがあり、店に客が来ない時はソファや椅子に寝そべっていることが多い。 アヤカシや魔術に関する豊富な知識を持ち、店を訪れた客の依頼を解決するため四月一日にアドバイスを贈ることもある。

百目鬼 静 (どうめき しずか)

黒の短髪に橙色の瞳を持つ、三白眼の男子高校生。3月3日生まれ。表情が固く、友人の四月一日君尋からは「鉄面皮」と呼ばれることもある。長身でがっしりした体格をしている。古くから続く寺の息子で、アヤカシを視ることはできないが、アヤカシを祓うことができる清浄な気の持ち主。 そのため四月一日の依頼解決を手伝うことが多い。壱原侑子と負けず劣らずの酒豪で美食家。ぶっきらぼうな態度が多いが、目上の人に対しては礼儀正しい振る舞いをする。九軒ひまわりと共に、何かと無茶をする四月一日を気にかけている。四月一日の携帯電話には「ど阿呆」の名で登録されていた。

九軒 ひまわり (くのぎ ひまわり)

ひざまで伸びる長い黒髪をツインテールにしている女子高校生。四月一日君尋とはクラスメイトで仲が良く、昼食は百目鬼静も合わせ3人で四月一日手製の弁当を食べている。百目鬼と共に、何かと無茶をする四月一日を気にかけており、「百目鬼には言いにくいことがあったら電話をしてほしい」と伝えた。 四月一日と百目鬼の言い争いを「夫婦漫才」と言って楽しんでいる。

マルダシ

床を引きずるほど長い水色の髪をツインテールにし、モロダシと対になる悪魔系のゴシック服を着ている少女。愛称は「マル」。純粋で悪戯好きな性格。店のマスコット的な存在で、客の出迎えや、壱原侑子の着替え、四月一日君尋の家事を手伝うといった軽作業を行っている。侑子に作られた魂のない存在のため、言動は対であるモロダシとほぼ同じになっている。

モロダシ

セミロングの桃色の髪で、マルダシと対になる天使系のロリータ服を着ている少女。愛称は「モロ」。純粋で悪戯好きな性格。店のマスコット的な存在で、客の出迎えや、壱原侑子の着替え、四月一日君尋の家事を手伝うといった軽作業を行っている。侑子に作られた魂のない存在のため、言動は対であるマルダシとほぼ同じになっている。

夜雀 (よすずめ)

日本古来の妖怪の一種で、夜道に「チッチッチ」と雀のような鳴き声をしながら人の後をついてくる。憑かれると夜目が利かなくなるという言い伝えもある。また、山狗の先触れといわれている。幼い少女のような姿をしているが、かなりの酒豪で年寄。尖った耳に細い瞳孔、蝶の翅のような帯に蛾の触角のような帯飾りを付け、ぽっくりに似た底の厚い下駄を履いている。 大変な方向音痴で泣き虫。山狗を統べるものを助けてほしいという「願い」から店を訪れた。

山狗を統べるもの (やまいぬをすべるもの)

日本古来の妖怪の一種である山狗を統べる、神に等しい存在。巨大な樹の内に宿り、体中から植物が生えた大きな狼の姿で描かれている。山狗は山に宿る気が凝ることで形を成したもののため、人間からの敬意が薄れた昨今では弱体化している。

モコナ=ラーグ=モドキ (もこならーぐもどき)

作中では単に「モコナ」と呼ばれる。大きさは掌に乗る程度で、全身の色は黒。ウサギに似た長い耳を持ち、額には青い石が埋まっている。普段は糸のような細目だが、危機を察したり物を転送する際は「めきょっ」という擬音と共に見開かれる。無邪気でいたずら好きな男の子で、見た目に反してかなりの酒豪。現在の持ち主である四月一日君尋をいじりながらも心配している。 『ツバサ-WoRLD CHRoNiCLE-ニライカナイ編』に登場する白いモコナ=モドキ、モコナ=ソエル=モドキと対の存在で、異世界においても音声と映像の通信や物のやり取りが可能。ともに『魔法騎士レイアース』に登場するモコナを模して、壱原侑子とクロウ・リードによって創られた。

百目鬼 遙 (どうめき はるか)

百目鬼静の祖父にあたる。すでに故人であるが、強い力を持つ故に四月一日君尋の夢にたびたび姿を現し、彼の相談に乗っている。その際は若かりし頃の姿を取っており、外見は若干髪が短いものの百目鬼静と瓜二つ。短い黒髪に三白眼だが、百目鬼静と違い柔和な雰囲気で、不敵に微笑むことも多い。 巻きたばこをくわえていることもある。

その他キーワード

アヤカシ

『×××HOLiC・戻』の用語。幽霊や妖怪など、人ならざるものを総称した言葉。明確な形をとらぬ思念体や生霊のようなものも含まれる。

(みせ)

『×××HOLiC・戻』の用語。壱原侑子が構える客の「願い」を叶える店のこと。「願い」を持って店を訪れた客は、相応の対価を支払うことで願いを叶えられる。ただしその「願い」は望んだとおりに叶わない場合もある。侑子が客の話を聞き、アルバイトである四月一日君尋が実際に行動をしている。

(きゃく)

『×××HOLiC・戻』の用語。店を訪ねてくる「願い」を持つ者のこと。「願い」がなければ店を認識することすらできないため、店を訪れる資格を持つ者という意味でもある。本人に「願い」がある自覚がない場合もある。

前作

XXXHOLiC (ほりっく)

願いを叶える店の主人である壱原侑子と、男子高校生の四月一日君尋が不思議な出来事に遭遇していくオカルトファンタジー。週刊ヤングマガジン2003年13号~2010年16号、別冊少年マガジン2010年7月号... 関連ページ:XXXHOLiC

書誌情報

×××HOLiC・戻 4巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2013-10-23発行、 978-4063768978)

第2巻

(2014-04-23発行、 978-4063769661)

第3巻

(2014-08-20発行、 978-4063770476)

第4巻

(2016-10-06発行、 978-4063930252)

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