ああ播磨灘外伝 ISAO

ああ播磨灘外伝 ISAO

中学3年生の主人公を中心に展開する喧嘩漫画。主人公はさだやす圭の相撲漫画『ああ播磨灘』に登場する最強の横綱である播磨灘と同一人物であり、本作『ああ播磨灘外伝 ISAO』はそんな『ああ播磨灘』の前日譚となっている。「イブニング」2001年10月号から2005年7月号にかけて連載された作品。

正式名称
ああ播磨灘外伝 ISAO
ふりがな
ああはりまなだがいでん いさお
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
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概要・あらすじ

山縣イサオは、巨大な身体と大人でも敵わないほどのパワーを持つ規格外の中学3年生。行く先々で暴力沙汰を起こしては転校を繰り返した彼が最終的に流れ着いたのは、小学生の頃に過ごしたことのある馴染みの土地だった。その見た目からただでさえ不良に目をつけられてしまうイサオは、引っ越した初日に錦成高等学校のNo.3である竹之内をボコボコにしたことで、地元では負け知らずの甲山を怒らせ、目をつけられてしまう。

そのことを人づてに聞いたイサオは不敵な笑みを浮かべ、こともあろうに自ら甲山を呼び出すという行動に出る。

登場人物・キャラクター

山縣 イサオ (やまがた いさお)

中学3年生の15歳の男子。巨大な身体と、威嚇するだけで見る者を圧倒する雰囲気を持ち、これまでに何度も暴力沙汰を起こしては転校を繰り返している。壁に穴をあけるほどのパンチ力と、自転車で逃げる相手にも走って追いつくことのできる脚力を持ち併せた、まさに人間離れした身体能力の持ち主。性格は大胆不敵で、自分が最も強いことを信じて疑っていない。 相手が誰であろうと喧嘩を買い、自分がどんなに不利な状況にあってもひるむことのない、強靭な精神力を持つ肝の据わった人物。

甲山 (こうざん)

錦成高等学校のNo.1と目される男子生徒。地元では負け知らずで、ヤクザからスカウトされるほどの実力者。ナイフで腹を刺されてもうめき声1つ上げないほど根性が座っている。仲間からの信頼も厚い。

竹之内 (たけのうち)

錦成高等学校のNo.3の地位にある男子生徒。山縣イサオが引っ越してきた初日に揉め、分が悪いと自転車で逃げだしたものの直ぐに追いつかれてボコボコにされてしまった運の悪い人物。その際にイサオのことを「ムチャクチャ強うて、でかいうえに足が速い」と評していた。

京 春樹 (きょう はるき)

かつて錦成高等学校でNo.1の地位についていた男子生徒。傷害事件を起こした影響で警察からマークされ、四国に身を移して学校も休学していたが、再び地元へ戻って来た。現在は甲山にNo.1の座を譲っているが、力関係は甲山よりも上。武器の木刀を持つと顔つきが豹変するが、山縣イサオいわく、木刀がなければ甲山の足元にも及ばない力量。

とん平 (とんぺい)

茜中学校に通う男子生徒。本名が「富平」のため「とん平」と呼ばれることが多いが、そのあだ名を本人は気に入っていない。甲山と繋がっており、上納金を払う際は後ろ盾となってもらっている。上納金は同じ学校に通う気の弱そうな男子生徒からカツアゲすることでまかなっているが、あくまで小悪党止まりで大きなことはできない小心者。小学生の頃には山縣イサオとも交流があった。

信楽 剛 (しがらき つよし)

茜中学校に通う男子生徒。茜中学校のNo.1で、最近転校してきて挨拶もない山縣イサオを快く思っていない。そのため、台風の日にイサオを防波堤に呼び出し大波が来た際に先に逃げた方が敗北するという「チキンレース」で勝負を挑んだ。足の速さに自信を持っている。

(しん)

茶臼山学園高等学校の1年生の男子。江口に完全勝利し、1年生の実質No.1の地位に君臨している。しかし、千日高等学校を退学となり流れてきた山縣イサオに格の違いを見せつけられて完全敗北し、その座を明け渡した。武器は鉄板入りの学生カバンと、学ランの裏ポケットに忍ばせている折り畳みナイフ。

江口 (えぐち)

茶臼山学園高等学校の1年生の男子。1年生の中では一、二を争う実力者として知られているが、秦との1年生No.1決定戦において完全敗北した。武器はハンマーで、学ランの内ポケットに潜ませている。

服部 (はっとり)

茶臼山学園高等学校の1年生の男子。山縣イサオが転入してきてから彼の喧嘩の強さにいち早く目をつけ、自分の弁当を差し出して媚を売るなど世渡り上手な人物。イサオとは同じクラスで席も近い。

木ノ実 (このみ)

茶臼山学園高等学校の2年生を仕切る男子の1人。巨体の持ち主で、体重は120キロ。上級生と下級生の上下関係を何より大切にしており、上級生に敬意をはらわない山縣イサオを快く思っておらず、制裁を加えようと目論む。しかしイサオと戦った際には、腹を両腕で締め上げられて完敗を喫してしまう。

花咲 薫 (はなさき かおる)

茶臼山学園高等学校の2年生を仕切る男子の1人。2メートルを超す長身の持ち主。怒りだしたら誰も止めることができない、短気にして凶暴な性格で、話し合いがまったく通用しない厄介な人物。武器は自転車のチェーンで、相手に叩きつけたり首を絞めあげたりする。

山田 誠 (やまだ まこと)

茶臼山学園高等学校の2年生の男子。以前千日高等学校の生徒だった頃に山縣イサオと喧嘩となり、腕を折られた。実家の青果店を手伝いもせずに売り上げを盗むなど素行は悪いが、無断外泊だけは一度もしたことがない。イサオに腕を折られたことで完全にビビってしまい、2年生ながらイサオに従っている。

鳥飼 修二 (とりかい しゅうじ)

茶臼山学園高等学校の3年生。その名の通り飼っている鳥といつも一緒にいるが、鳥が自分以外の者に懐いた場合は容赦なく殺してしまう残虐な性格。毎日体を鍛錬しており、ガードしても骨の芯まで響くと言われるキックの破壊力は凄まじい。近々に、キックボクシングでリングデビューすることも決まっている。

原田 (はらだ)

茶臼山学園高等学校の3年生で、No.1の立場で実質的に学校を取り仕切っている男子。No.1の特権として「服装の自由」の権利を与えられており、普段は学ランではなくチャイナ服を着用している。自分の目的のためにはどんな手段も辞さないという狂気の人物。山縣イサオ相手に少年院送致覚悟で、日本刀を持ち出して勝負を挑んだ。

九条 さゆり (くじょう さゆり)

榊原女子高等学校でNo.1の立場にある女子生徒。原田の彼女であるが強い男性が大好きで、1年生ながら茶臼山学園高等学校で異例の快進撃を続ける山縣イサオに興味を持ち心が揺らいでいる。事あるごとにイサオの情報を聞きつけては彼の前に現れて、熱心なアプローチを繰り返す。武器はカミソリ。

山縣 松子 (やまがた まつこ)

保険の営業をしている山縣イサオの母親。女手一つでイサオを育てている気丈な女性。暴力沙汰を起こしては転校を繰り返しているイサオに頭を悩ませながらも、決して見捨てることなく息子の身を案じ続けている。実は不良の高校生複数人を相手取っても同等以上に渡りあうほど喧嘩が強い。

鳥飼 武士 (とりかい たけし)

鳥飼修二の兄で20歳。中学を出てすぐに働き始めたので高校は卒業していない。幼い頃に両親に捨てられ、修二と2人で生きてきたために修二を立派に成長させるのが自分の役目だと思っている。現在は暴力団のような組織を作り、何十人もの人間を従えるほどのカリスマ性を持つ。修二がキックボクシングの世界でのし上がることを夢見ている。

大田原 (おおたわら)

山縣イサオと山縣松子の引っ越し先の家を斡旋した老人。資金も潤沢にあり、もしもの時があれば、お金を用立てるという旨を松子に伝えている。松子のことを気に入り何かと力添えをしているが、その好意の裏には下心が透けている。

辰吾郎 (たつごろう)

大田原に恩義がある中年男性。地元ではかなり怖い人物として知られ、気に入らない相手を瓦で叩きのめすことから、「カワラのおっさん」という異名が付いている。草相撲の大関で、瓦も砕く頭の固さを持つ。大田原に何かと盾突いているイサオに勝負を挑むが、最終的に得意の頭突き勝負で敗れてしまう。

スナック「大穴」のママ (すなっくおおあなのまま)

スナック「大穴」でママを務める女性。もともとは甲山と付き合っていたが、四国から地元へ戻って来た京春樹に錦成高等学校の権力争いで甲山が敗れたため、自分の意志とは関係なく、嫌々春樹の女にされている。

郡山 (こおりやま)

千日高等学校の男性教師。山縣イサオの走る姿を見て、まるで「黒ヒョウが走り抜けたようだ」と感銘を受け、日本一のスプリンターに育てるために試験の解答に細工をしてまで千日高等学校へ入学させた人物。結果的に試験に細工はしたものの、イサオに付きっきりで勉強を教えるなど教育熱心な一面もある。

唐木 (とうぼく)

茶臼山学園高等学校の男性教師。まるでヤクザと見間違えるような強面で、雪駄履きで学内を練り歩いている。生活指導を担当しており、ヤンチャそうな新入生を見かけると肩をつかんでアイアンクローを見舞い、反応を見ることにしている。

賠償 (ばいしょう)

茶臼山学園高等学校の女性養護教諭。唐木から好意を寄せられているが、本人はその好意にまったく気づいていない。もめ事が絶えず怪我人が多く運ばれてくる保健室で文句一つ言わずに治療にあたる、茶臼山学園高等学校を支える影の功労者。

ミスター・ハーン (みすたーはーん)

かつてプロレスラーだった大男。酒と女で身を持ち崩してはいるが、そのパワーは規格外の破壊力を誇る。現在は金をもらい人を痛めつけることを生業としており、場合によっては殺人も行う。鳥飼武士の始末を依頼されたが、歯を折られて返り討ちに遭う。

場所

大穴 (おおあな)

錦成高等学校の不良たちのたまり場となっているスナック。甲山はこのスナックのママと付き合っているが、のちに京春樹との権力争いに敗れママを奪われている。店舗は1階がスナックで2階がママの自宅となっている。

錦成高等学校 (にしきなりこうとうがっこう)

地元では有数のワルが集まる不良学校。以前は京春樹がNo.1だったが、現在は甲山がNo.1の立場にある。学校の空き部室の他、スナック「大穴」をたまり場にしている。

千日高等学校 (せんにちこうとうがっこう)

山縣イサオが入学した高校。超一流の進学校として知られる大阪の公立高校で、東大や京大への進学者を毎年輩出している。地元では一目置かれている高校で、地元の不良たちの間でも「小突くと後で面倒」と見なされており、この高校の生徒に手を出す者は少ない。

茶臼山学園高等学校 (ちゃうすやまがくえんこうとうがっこう)

千日高等学校を退学処分となった山縣イサオが、最後に行きついた大阪の高校。通称「チャボ」。偏差値はないに等しく、金さえ払えば入学でき、大阪のワルが一堂に会するため非常に荒れている高校として有名。一方で上級生と下級生の上下関係はしっかりしており、「下級生は上級生を敬い上級生は下級生を慈しむ」という50年以上続く不文律がある。

餃子の大王 (ぎょうざのだいおう)

餃子が売りの、リーズナブルな大衆料理店。店員は制服として、「大王」とロゴの入ったチャイナ服を着用している。山縣イサオら1年生の生徒が、3年生のNo.1である原田をおちょくるためにこのチャイナ服を着用して登校した。

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