概要・あらすじ
小学5年生の桜咲朱音(あかね)は、噺家の父・阿良川志ん太の噺が大好きだった。稽古をしている志ん太は一人なのに、喋り方や声が違う何人もの"人"が見えるのだ。あかねは、父の魔法のような話術に魅せられていた。そんな志ん太ではあるが、弟子入りから13年、恐ろしいほど目が出ず、いまだ(3つに分かれた落語家の階級のうち真ん中である、二ツ目に甘んじていた。ろくな稼ぎもないため、美容師をしている妻の「ヒモ」だと陰口を叩かれていたのだ。早く落語家の最高位である真打になって、家族を楽にしてやりたい。そんな思いを抱く志ん太は、来週の「阿良川流真打昇進試験」に賭けていた。それは、公開で行われる試験で、観客と師匠連中の審査結果の集計で合否が決まるのだ。そして昇進試験当日。あかねや妻が見ている前で、志ん太はこれまで培った技も人生も、何もかもを注ぎ込み、観客の喝采を得た。いよいよ真打になれる。そんな思いで結果を待つ志ん太とあかね。しかし、審査委員長の阿良川一生は、試験に望んだ5人の落語家全員に「破門」を言い渡す。観客や関係者が騒然とする中、昇進試験は終了。破門の理由は告げられないまま、昇進試験の受験者5人は、後日正式に破門となった。こうして志ん太の落語家人生は終わったのだ。志ん太は一般の会社に就職し、暮らしも楽になった。しかし、あかねは父の落語が二度と聞けないことを悲しみ、そして父の落語が否定されたことがたまらなく悔しかった。そしてついに、あかねは自分が真打になって、父の落語がすごかったことを証明しようと決意する。あかねは、父の師匠だった阿良川志ぐまに頼み込み、稽古をつけてもらうようになった。それから6年が経ち、17歳になったあかねは、改めて阿良川一門に弟子入りすることを、志ぐまに願い出るのであった。
登場人物・キャラクター
桜咲 朱音 (おうさき あかね)
17歳の女子高生。元二ツ目の落語家、阿良川志ん太(桜咲徹)の娘。幼い頃から父の落語に心酔し、よくまねをしていた。志ん太が破門になったあと、父がなれなかった落語家の最高位・真打を目指す。小学校5年生から6年間、阿良川志ぐまに稽古をつけてもらい、高校卒業後は志ぐまに弟子入りすることが内定している。演技力に優れ、周囲も一目置くほどの技術を持つ。高座名は「あかね」。
阿良川 志ん太 (あらかわ しんた)
桜咲朱音の父親。ボサボサ頭に丸い眼鏡が特徴。阿良川志ぐまに弟子入りし、13年間研鑽(けんさん)を積む。演技力があり、人物描写に優れている。「阿良川流真打昇進試験」で、志ぐまの兄弟子・阿良川一生に破門され、噺家を辞める。その後はコンクリートを販売する会社に就職する。当時の高座名は「阿良川志ん太」。本名は「桜咲徹」。
阿良川 志ぐま (あらかわ しぐま)
阿良川志ん太の元師匠。阿良川一門のナンバー2で「泣きの志ぐま」と呼ばれる人情噺の名手。オールバックの白髪がダンディな高齢男性。小学5年生の桜咲朱音(あかね)に頼み込まれ、6年間稽古をつける。高校卒業後のあかねを弟子に取る予定。
阿良川 一生 (あらかわ いっしょう)
落語界を牽引する噺家。阿良川一門のトップで、阿良川志ぐまの兄弟子。ボサボサで長めの白髪とあごひげが特徴の高齢男性。6年前の「阿良川流真打昇進試験」で、阿良川志ん太をはじめとする5名の二ツ目を全員破門にして世間を騒がせた。
クレジット
- 原作
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末永 裕樹
書誌情報
あかね噺 14巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-06-03発行、 978-4088831503)
第2巻
(2022-08-04発行、 978-4088831930)
第3巻
(2022-10-04発行、 978-4088832609)
第4巻
(2022-12-02発行、 978-4088834191)
第5巻
(2023-03-03発行、 978-4088834276)
第6巻
(2023-06-02発行、 978-4088834924)
第7巻
(2023-08-04発行、 978-4088835921)
第8巻
(2023-10-04発行、 978-4088836911)
第9巻
(2023-12-04発行、 978-4088837918)
第10巻
(2024-03-04発行、 978-4088838229)
第11巻
(2024-05-02発行、 978-4088840239)
第12巻
(2024-07-04発行、 978-4088841144)
第13巻
(2024-09-04発行、 978-4088841656)
第14巻
(2024-11-01発行、 978-4088842844)