あかね噺

あかね噺

『オレゴラッソ』で知られる馬上鷹が作画を担当した連載作品。原作担当の末永裕樹にとっては初連載作品となる。現代日本の落語界を舞台に、破門された父を持つ高校生の少女、朱音が、父の落語の魅力を世に認めさせるため「真打」を目指して奮闘する物語。朱音は、父の師匠だった志ぐまに弟子入りを志願し、"阿良川あかね"の芸名を得て正式に弟子となる。一癖も二癖もある先達との修行や新人競争会での挑戦を通じて、様々な困難にぶつかりながらも少しずつ落語家として成長を果たしていく。本作は落語を題材とした青春ドラマである。少年漫画誌である「週刊少年ジャンプ」では異例といえる「落語」という題材を、女性を主人公として描いている点が特徴的。また、本職の落語家の監修により、実在する落語界がリアルに反映されており、高座の臨場感や落語の細かい仕草も丁寧に描写されている。集英社「週刊少年ジャンプ」2022年11号から連載。2022年に「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第3位、「このマンガがすごい!2023」オトコ編第4位、2023年に「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」第3位、「マンガ大賞2023」第2位に選出された。

正式名称
あかね噺
ふりがな
あかねばなし
原作者
末永 裕樹
作画
ジャンル
落語
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊19巻
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作品の概要

基本情報

『オレゴラッソ』で知られる馬上鷹が作画を担当した連載作品。原作担当の末永裕樹にとっては初連載作品となる。

要旨と舞台設定

現代日本の落語界を舞台に、破門された父の代わりに落語家を目指す高校生の少女の奮闘と成長を描く。落語家の阿良川志ん太こと桜咲徹の娘である小学生の朱音は、父の落語に魅せられて育った。そんな中、父は13年間真打に上がれないまま、一門の長である阿良川一生に破門を言い渡されて引退してしまう。朱音は、父の落語の魅力を世に認めさせようと決意し、父の師匠だった阿良川志ぐまに弟子入りを願い出る。

ストーリー展開

高校を卒業した朱音は、"阿良川あかね"の芸名を得て正式に志ぐまの弟子となる。本格的に前座修業を始めた朱音は、様々な困難にぶつかりながら、一癖も二癖もある先達を相手に修行を積み重ねていく。時に成す術もなく跳ね返され、時に自分に期待する人々の助けを借りて困難を乗り越えながら、朱音は少しずつ落語家としての成長を果たしていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は落語を題材とした青春ドラマである。少年漫画誌である「週刊少年ジャンプ」では異例といえる「落語」という題材を、女性を主人公として描いている点が特徴的。また、本職の落語家の監修により、落語の世界がリアルに描写されている。

世界観の構築と設定

阿良川一門を軸に、実在する落語界をリアルに反映している。弟子制度や真打昇進試験など伝統的な制度を背景に、芸の継承と革新の対立が描かれる。一門内での師弟関係や兄弟弟子の関係性、さらには他の一門との競争関係が物語の基盤となっている。

連載状況

集英社「週刊少年ジャンプ」2022年11号から連載。

受賞歴

2022年「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第3位。

2022年「このマンガがすごい!2023」オトコ編第4位。

2023年「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」第3位。

2023年「マンガ大賞2023」第2位。

あらすじ

小学5年生の桜咲朱音(あかね)は、噺家の父・阿良川志ん太の噺が大好きだった。稽古をしている志ん太は一人なのに、喋り方や声が違う何人もの"人"が見えるのだ。あかねは、父の魔法のような話術に魅せられていた。そんな志ん太ではあるが、弟子入りから13年、恐ろしいほど目が出ず、いまだ(3つに分かれた落語家の階級のうち真ん中である、二ツ目に甘んじていた。ろくな稼ぎもないため、美容師をしている妻の「ヒモ」だと陰口を叩かれていたのだ。早く落語家の最高位である真打になって、家族を楽にしてやりたい。そんな思いを抱く志ん太は、来週の「阿良川流真打昇進試験」に賭けていた。それは、公開で行われる試験で、観客と師匠連中の審査結果の集計で合否が決まるのだ。そして昇進試験当日。あかねや妻が見ている前で、志ん太はこれまで培った技も人生も、何もかもを注ぎ込み、観客の喝采を得た。いよいよ真打になれる。そんな思いで結果を待つ志ん太とあかね。しかし、審査委員長の阿良川一生は、試験に望んだ5人の落語家全員に「破門」を言い渡す。観客や関係者が騒然とする中、昇進試験は終了。破門の理由は告げられないまま、昇進試験の受験者5人は、後日正式に破門となった。こうして志ん太の落語家人生は終わったのだ。志ん太は一般の会社に就職し、暮らしも楽になった。しかし、あかねは父の落語が二度と聞けないことを悲しみ、そして父の落語が否定されたことがたまらなく悔しかった。そしてついに、あかねは自分が真打になって、父の落語がすごかったことを証明しようと決意する。あかねは、父の師匠だった阿良川志ぐまに頼み込み、稽古をつけてもらうようになった。それから6年が経ち、17歳になったあかねは、改めて阿良川一門に弟子入りすることを、志ぐまに願い出るのであった。

登場人物・キャラクター

桜咲 朱音 (おうさき あかね)

17歳の女子高生。元二ツ目の落語家、阿良川志ん太(桜咲徹)の娘。幼い頃から父の落語に心酔し、よくまねをしていた。志ん太が破門になったあと、父がなれなかった落語家の最高位・真打を目指す。小学校5年生から6年間、阿良川志ぐまに稽古をつけてもらい、高校卒業後は志ぐまに弟子入りすることが内定している。演技力に優れ、周囲も一目置くほどの技術を持つ。高座名は「あかね」。

阿良川 志ん太 (あらかわ しんた)

桜咲朱音の父親。ボサボサ頭に丸い眼鏡が特徴。阿良川志ぐまに弟子入りし、13年間研鑽(けんさん)を積む。演技力があり、人物描写に優れている。「阿良川流真打昇進試験」で、志ぐまの兄弟子・阿良川一生に破門され、噺家を辞める。その後はコンクリートを販売する会社に就職する。当時の高座名は「阿良川志ん太」。本名は「桜咲徹」。

阿良川 志ぐま (あらかわ しぐま)

阿良川志ん太の元師匠。阿良川一門のナンバー2で「泣きの志ぐま」と呼ばれる人情噺の名手。オールバックの白髪がダンディな高齢男性。小学5年生の桜咲朱音(あかね)に頼み込まれ、6年間稽古をつける。高校卒業後のあかねを弟子に取る予定。

阿良川 一生 (あらかわ いっしょう)

落語界を牽引する噺家。阿良川一門のトップで、阿良川志ぐまの兄弟子。ボサボサで長めの白髪とあごひげが特徴の高齢男性。6年前の「阿良川流真打昇進試験」で、阿良川志ん太をはじめとする5名の二ツ目を全員破門にして世間を騒がせた。

クレジット

原作

末永 裕樹

書誌情報

あかね噺 19巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2022-06-03発行、978-4088831503)

第2巻

(2022-08-04発行、978-4088831930)

第3巻

(2022-10-04発行、978-4088832609)

第4巻

(2022-12-02発行、978-4088834191)

第5巻

(2023-03-03発行、978-4088834276)

第6巻

(2023-06-02発行、978-4088834924)

第7巻

(2023-08-04発行、978-4088835921)

第8巻

(2023-10-04発行、978-4088836911)

第9巻

(2023-12-04発行、978-4088837918)

第10巻

(2024-03-04発行、978-4088838229)

第11巻

(2024-05-02発行、978-4088840239)

第12巻

(2024-07-04発行、978-4088841144)

第13巻

(2024-09-04発行、978-4088841656)

第14巻

(2024-11-01発行、978-4088842844)

第15巻

(2025-02-04発行、978-4088844312)

第16巻

(2025-04-04発行、978-4088844497)

第17巻

(2025-06-04発行、978-4088845593)

第18巻

(2025-09-04発行、978-4088846507)

第19巻

(2025-11-04発行、978-4088847399)

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