開口一番!

開口一番!

ひょうきん者を演じることで自分の居場所を得ていた、高校3年生の佐藤太郎。人を笑わせていたつもりが、笑われていただけだということに気づいた太郎は、たまたま出合った落語にのめり込んでいく。センスも素質も運もないと自認する少年が、落語家の内弟子修業から成り上がっていく姿を描いた、青春ストーリー。監修を、落語家の入船亭小辰が務める。小学館「月刊! スピリッツ」2019年2月号より連載開始。

正式名称
開口一番!
ふりがな
かいこういちばん
作者
ジャンル
落語
 
青春
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概要・あらすじ

高校3年生の佐藤太郎は、ふざけて人を笑わすことに一所懸命だった。笑われ役を買って出れば敵を作らない。「ひょうきん」であることは彼の処世術だった。ところがある日、太郎は友人たちの陰口を耳にしてしまう。「騒がしい」「面白いというより下品」など、友人たちは、太郎のことを嘲笑していた。太郎は人を笑わせていたわけではなく、笑われていただけなのだ。気落ちしながら新宿を歩く太郎に声をかけたのは、寄席の呼び込みだった。初めて寄席に足を踏み入れた太郎は、そこで俊足亭ユリシーズという落語家の噺に爆笑し、感銘を受ける。そして、一旦は就職を決意する太郎だったが、結局ユリシーズへの弟子入りを願う。太郎の弟子入りを断るユリシーズは、出待ちや車を全速力で追いかけてくる太郎の熱意に負け、弟子入りを許す。その後、反対する母も説き伏せ、高校卒業後に太郎はユリシーズの弟子になった。こうして太郎は「与太郎」という名前をもらい、内弟子修業に励むことになった。やっと落語ができると思っていた太郎だったが、「見習い」である太郎の仕事は、家事や雑用だけだった。そして弟子入りから4か月がたった。要領が悪く、雑用でも失敗が多い太郎の扱いに困っていたユリシーズは、彼を部屋に呼びつけ、落語を一席やれという。これで師匠に気に入られなかったら、破門かもしれない。太郎は腹を決めて「船徳」というネタを披露するのであった。

登場人物・キャラクター

佐藤 太郎 (さとう たろう)

初登場時は高校3年生。茶髪にソバカスが特徴の青年。「ひょうきんでいることが処世術」を信条にしていたが、ある日友人たちからバカにされているだけだということに気づく。そんな時に出会った、俊足亭ユリシーズの落語に惹かれ、彼に弟子入する。不器用で、素質もセンスも運もないと自覚しているが、熱意だけは一人前以上。

俊足亭ユリシーズ (しゅんそくていゆりしーず)

落語家の中年男性。ボサボサ頭に無精ひげ、ギョロッとした大きな目玉が特徴。事務所に履歴書を送ってきた佐藤太郎の弟子入りを一度は断るが、その熱意にほだされて内弟子にする。酒とタバコが好き。

クレジット

監修

入船亭小辰

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