概要・あらすじ
落語好きの祖父と茶の師匠の祖母のもとで育った外山達也は、18歳で噺家を目指して師匠に弟子入りを果たした。それから3年、達也は口下手な従兄弟に頼み込まれ、祖母と住む吉祥寺の家で落語教室を開くことになる。そこに集まったのは、一癖も二癖もある「話下手」な人たちだった。
登場人物・キャラクター
外山 達也 (とやま たつや)
26歳の噺家の男性。赤ん坊の時に両親を亡くし、現在はお茶を教える祖母と二人暮らし。噺家を志し、今昔亭小山文に18歳で弟子入りし、現在は二ツ目。思ったことがすぐ口に出てしまううえ、血気盛んな性格で失敗も多い。自分の落語の在り方に悩んでいる。ふとしたことから、落語教室を開くことになる。
戸河 五月 (とかわ さつき)
アルバイトで事務員をしている女性。美人だが、ぶっきらぼうで滅多に笑わない。今昔亭小山文が行った話し方教室のゲスト講演に不満を抱き、途中退出する。その後、外山達也と言い合いになるが、「なんだかしゃべりやすい」という理由で、達也の落語教室に参加することになる。
村林 優 (むらばやし まさる)
外山達也の従兄弟。テニススクールでコーチをしていたが、見た目の良さと内気さから女性にからかわれ、治っていたはずの吃音が再発してしまう。コートに出ると緊張してしまうため、落語を通して話がうまくなれるよう達也にコーチを依頼する。
綾丸 良 (あやまる りょう)
関西から東京に引っ越して来た小学5年生の男子。明るく元気な性格で、熱狂的な阪神ファン。母親が村林優がコーチを務めるテニススクールの生徒であったことから、落語教室に参加することになる。母親は関西弁が原因でいじめられていると訴えるが、本人は否定。
湯河原 太一 (ゆがわら たいち)
外山達也の祖母が開く茶道教室に通う生徒の親戚の男性。いかつい見た目で、当初は顔を隠していた。元プロ野球選手で、いくつもの球団を渡り歩いた代打の名手だが、昨年引退した。その後、解説者に転向したが、視聴者を気にするあまり本来の毒舌が出せず、綾丸良に解説が下手、と酷評されてしまう。
今昔亭小山文 (こんじゃくていこさんもん)
外山達也の落語の師匠。喫煙者の老年男性。格式ばったことが大嫌いで、いつも飄々としている。稽古をつける約束をすっぽかすなど適当なところもあるが、基本的に弟子には助言は惜しまないタイプ。達也の他に弟子を2人とっている。十八番は「茶の湯」。
草原亭白馬 (そうげんていはくば)
今昔亭小山文の弟弟子。古典落語を中心に演じているが、枠にとらわれることなく、新作落語やタレント活動なども自由に行っており、人気も高い。サングラスやアロハシャツなど、噺家らしくない破天荒な恰好をしている。
その他キーワード
二ツ目 (ふたつめ)
東京での噺家の序列の1つ。入門直後は前座、その後、二ツ目、真打ちへと昇進していく。なお、上方落語には現在序列は存在していない。
クレジット
- 原作
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佐藤多佳子