極ラクゴ ~柳亭奇譚誘噺~

極ラクゴ ~柳亭奇譚誘噺~

並外れた話術と演技で、聴く者を演目の世界に惹き込んでしまうという伝説の噺家・柳亭奇譚の落語によって育まれる人間ドラマを描いた作品。原作は落語に造詣が深く、平松伸二の妻でもある漫画家・安江うにが担当している。「週刊漫画ゴラク」2010年7月から連載の作品。

正式名称
極ラクゴ ~柳亭奇譚誘噺~
ふりがな
ごくらくご りゅうていきたんいざないばなし
原作者
安江 うに
漫画
ジャンル
落語
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概要・あらすじ

柳亭奇譚は並外れた話術と演技によって、聴く者を演目の世界に惹き込んでしまうという伝説を持つ噺家。そんな技術を持ちながらも謙虚な彼は大きい舞台ではなく、小さな舞台で落語を演じている。そんな彼の魅力に取りつかれた小さな芸能事務所を営む。事務所の仕切りで彼に一席を設け、それをきっかけに成功を狙う優は所属する女優のモモ子を使って、奇譚との交渉を始める。

登場人物・キャラクター

柳亭 奇譚 (りゅうてい きたん)

噺家の男性。長い黒髪で中性的な容姿、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。並外れた話術と演技によって、聴く者を演目の世界に惹き込んでしまうという伝説を持つ。彼の落語を聴くために首相ですらも足繁く通うほどの腕前を誇る。しかし、名声には興味がなく、大きい舞台での演目よりも1人1人の人生を変え、支えるための落語を演じることを信条としている。 義理人情に厚く、困っている人を放っておけない性格。

曼荼羅 (まんだら)

柳亭奇譚の付き人をしており、彼を「奇譚師匠」と呼び慕っている短い黒髪の男性。奇譚の演目のスケジュール管理から、彼が移動の際に乗る人力車を引くことなども行っており、奇譚の生活全般をサポートしている。

(ゆう)

小さな芸能プロダクションを営んでいる短い黒髪の男性。もともとは大手の芸能事務所の社員だったが、解雇されて自分の芸能事務所を立ち上げ、そこでの成功を夢見ている。その目的のためには所属の女優であるモモ子に枕営業をさせるなど手段を選ばない。柳亭奇譚の演目を見て以来、彼を成功の足掛かりにしようと奇譚に協力を願い出る。

モモ子 (ももこ)

優の経営する芸能プロダクションに所属する女性。セミロングの髪型をした美女だが、実は優に言われるがままに顔を整形し、胸にシリコンを入れている。優とは愛人関係にあるうえ、彼の身の上に同情しているため、優の言うことには逆らわない。実家が農業を営んでおり、モモ子自身も野菜などを育てることが得意。柳亭奇譚の落語を聞いて考えを改めた優と結婚、その後は実家へ帰って優と一緒に農業を営む。

板垣 (いたがき)

日本の内閣総理大臣を務める老齢で眼鏡をかけた男性。柳亭奇譚の落語を聞くために彼のもとへと足繁く通っており、落語を聞いて涙を流すほど感動する。若い頃から名人上手の高座を何度となく見ているほどの落語好きで、中でも奇譚の噺家としての技量に一目置いている。

柳亭 風天

噺家の男性。老齢で古い着物を着ている。いまでは若い者にも何かと目を掛けている粋な老人だが、若い頃は放蕩三昧の毎日を過ごしていた。その頃の罪を償おうと受刑者の慰問やボランティアの高座にも積極的に上がっている。受刑者の慰問で生き別れの息子である小林オサムに再会し、彼の借金返済を手伝うべく内臓や皮膚、目の角膜までも売って金銭を作った挙句に交通事故で亡くなってしまう。

小林 オサム (こばやし おさむ)

受刑者の男性。丸坊主で囚人服を着ている。幼少の頃に実の父親である柳亭風天と別離、母親の再婚相手である義父から酷い虐待を受けて育った。その後、積年の恨みから義父を包丁で刺し、刑務所に服役することとなった。実の父親である風天と再会した後も彼には心を開かず、借金の返済を押し付けた。しかし、柳亭奇譚の落語を聞いて、父親の愛情に気付く。 それ以降は態度を改め、刑務所を出所後は風天の墓参りに行く。

マーサ

黒髪の外国人女性で輸入雑貨の会社を営んでおり、幼い頃に消息を絶った母親の行方を探している。母親らしき人物を尋ね、アトリイと出会う。しかし、アトリイが最後まで母親を名乗らなかったため、彼女も追及しなかった。最後にアトリイへ故郷の写真を送っている。

アトリイ

風俗街で働く外国人女性。老齢でくたびれた外見をしている。若い頃、混乱の最中にあった祖国を捨てる決意をし、難民として単身で日本へやって来た。しかし、パスポートなどを持たず身分が不確かなことから、不法な風俗店へと身をやつした。老齢になって実の娘であるマーサと再会するも、自分の変わり果てた姿から母親であることを名乗らなかった。 死ぬ間際、マーサから故郷の写真を送られて涙を流した。

欽造

風俗店を経営している禿頭の男性。パスポートを持たない身分不確かな外国人女性を何人も雇っている。女性を食い物にしている下衆な人物で、女性に対する暴力もいとわない。母親を探しにやって来たマーサの気持ちを利用してアトリイの情報と引き換えに彼女と一夜を過ごした。そのため、アトリイの恨みを買って鋭い傘の先で首元を刺されてしまう。

クレジット

原作

安江 うに

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