概要・あらすじ
中学3年生の相模斗里は、高校見学の日に見かけた名前も知らない女子生徒に憧れている。彼女にもう一度会いたい一心で同じ学校に合格した斗里だったが、ようやく見つけた憧れの神結に、隠し撮り写真を所持していたことがばれてしまう。結に嫌われてしまったと絶望する斗里だったが、正直に想いを告白したことが思いがけないきっかけとなり、事態は意外な方向に転がり出していく。
登場人物・キャラクター
相模 斗里 (さがみ ますり)
土平高校「自動幻画倶楽部」の一員で、1年C組に所属する男子生徒。前髪を目の上で切り、肩につかない長さのボブヘアをした、女性のように可愛らしい容姿をしている。名前の漢字を「すもうとり」と読まれて本名を誤解されることがある。本来は土平高校に合格できる学力はなかったものの、学校見学の日に見かけた神結に憧れ、彼女と同じ学校に通いたい一心で結の隠し撮り写真を支えに猛勉強して合格にこぎつけた。 おっとりとした純朴な性格で、やや気が弱く流されやすい。しかしいざという時は思わぬ度胸を発揮し、周囲を驚かせることもある。「自動幻画倶楽部」では可愛らしい風貌から女装させられることも多い。女性的な容姿に反し、性器が人並み外れて大きいことを非常に気にしている。
神 結 (じん ゆい)
土平高校「自動幻画倶楽部」の一員で、3年A組に所属する女子生徒。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばした茶髪ストレートロングヘアをハーフアップにしている。3年生に進級してすぐ、相模斗里が自分に憧れるあまり隠し撮り写真を所持していたことを知り激怒するが、斗里の真剣な想いを知ってからは許し、親しくなっていく。 ある年上男性に長らく片想いをしており、そのためか年下の男性には関心が薄くやや厳しめ。ゆえに斗里にはついきつい態度を取りがちだが、内心申し訳なく思っており改めたいと思っている。斗里のことは当初恋愛対象には捉えていなかったが、次第に斗里に性的に関心を持つようになり、思い悩むようになる。土平高校へは併設の女子寮から通っており、三和ミカとはルームメイトの関係。 好みのタイプの男性は映画『フェイク』に出演した際のアル・パチーノ。
楽 千秋 (がく ちあき)
立のクラスメイトで、1年D組に所属する女子生徒。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、前下がりの刈り上げボブヘアをしている。元々相模斗里や立とは話したことがなかったが、「自動幻画倶楽部」の撮影に協力することになった際に知り合う。きつい性格に厳しい言動のサディストで、斗里や立のことを「ブタ」扱いしている。斗里の神結への想いを知ってからは、斗里に意地悪する目的で、「自動幻画倶楽部」の幽霊部員となる。 以来、斗里を執拗に性的にいじめるようになっていく。
見所 (みところ)
土平高校「自動幻画倶楽部」の部長で、3年生の男子生徒。3年生だが、卒業せず2回留年しているため、年齢は今年度で20歳になる。両サイドにだけ髪の毛を残した禿げ頭と、いつも閉じているように見える細い目、ちょびひげが特徴。語尾に「~だぎゃ」と付けて話す。映画が大好きで部活動には非常に熱心。また、女装の似合う可愛らしい少年が大好きで、撮影のためにも男子生徒を探しており、自分好みの容姿をした相模斗里を部に誘った。 部では監督も務めているが、好きが高じてゾンビ映画を撮ることが多い。お酒には弱いが、酔拳の使い手でもあり非常に強い。土平高校へは併設の男子寮から通っている。
勇見 (いさみ)
土平高校「自動幻画倶楽部」の一員で、2年生の男子。前髪を左右に向かって流して額を全開にし、髪の毛を2本の角のように立てた髪型をしている。猫目と割れた顎に、二人称が「ベイベー」だったりと横文字を多用する独特の口調が特徴。明るく気さくな性格で、夢はハリウッドでアクションスターになること。そのためか、撮影では無茶をしがちなところがある。
タマ
土平高校「自動幻画倶楽部」の一員で、2年生の男子。本名は不明。スキンヘッドで非常に大柄で、常に顔に映画『13日の金曜日』のジェイソンのようなホッケーマスクを被っている。寡黙でほとんど言葉を発することはないが、心優しい性格の持ち主。
立 (たて)
土平高校「自動幻画倶楽部」の一員で、1年D組に所属する男子生徒。前髪を眉上で短く切りそろえて刈り上げたおかっぱヘアをしている。映画の知識には長けるがやや他人を見下したところがあり、映画の知識に欠ける相模斗里にはやや冷たい。
三和 ミカ
神結の友人で、土平高校に通う3年生の女子生徒。結とは寮のルームメイトでもある。前髪を右寄りの位置で分け、襟足まで髪を伸ばしたショートカットヘアをしている。非常にセクシーな雰囲気で、年下の男の子が大好き。性の知識にも長けており、その方面に疎い結をからかうことも多い。部活動はバドミントン部に所属しており、以前「自動幻画倶楽部」の作品に出演したこともあるが、撮影中に道に迷い遭難した経験から、現在は「自動幻画倶楽部」を毛嫌いしている。 しかし見所に無理やり誘われる形で、結局出演させられることが多い。
集団・組織
自動幻画倶楽部 (じどうげんがくらぶ)
土平高校に存在する部活動。「自動幻画」とは映画のことを指し、主な部活動は映画撮影であることから「自動幻画倶楽部」は「映画部」と言い換えることもできる。部活動の傍ら、アルバイトとして他の生徒からの依頼による映画以外の撮影業務も行っており、アルバイトで得た収入は秘密裏に部費として活用している。