概要・あらすじ
アダルトグッズショップでアルバイトをしている柿口啓吾は、電車で痴漢と間違えられたことをきっかけに、女子高生の森高円と出会う。円は家庭関係がうまくいっておらず、家出する場所を探していた。そこで痴漢疑惑の弱味に付け込ん、で円は柿口を利用しようと、柿口の家へと向かう。しかし、そこで円は等身大の女性型人形を制作している柿口の姿を目撃する。
円は、柿口が生身の人間との触れ合いに嫌悪感を抱いており、理想の体型の人形を作ることを目標としていることを知る。そこで、自らの身体を人形のモデルとすることを申し入れ、半強制的に同居を決める。こうして、歪んだ男女の同居生活が始まることとなる。タイムリミットと定めた人形が完成するまでの間に、2人の周りには歪(いびつ)な人間たちが入り乱れ、柿口と円は次第にお互いの存在を確かめ合っていく。
登場人物・キャラクター
柿口 啓吾 (かきぐち けいご)
アダルトグッズショップ「ファンシー」でアルバイトをしている男性。年齢は22歳。天然パーマの髪型で、常に変な言葉が書かれたシャツを着用している。小柄で童顔なため、初対面の人には子供だと思われてしまうこともある。勤務態度は真面目で、店長のアケミからは信頼されている。趣味は等身大の人形作りで、自分の理想とする体形の女性の人形を作ることを目標としている。 森高円と出会ってからは円のプロポーションに魅了され、彼女をモデルとした人形作りを始めた。柿口啓吾自身は他人と触れ合うことを苦手としており、他人の体温を感じることに強い生理的嫌悪を示す。円と同居するようになってからは、時折円の肉体に欲情することがあっても、それは無機質な「パーツ」としてしか見ておらず、円に襲い掛かったり、触れたりすることは基本的にはない。
森高 円 (もりたか まどか)
17歳の女子高校生。長い黒髪にスレンダーな体型の美少女。人当たりがあまり良くなく、太田メグ以外とは、常に一線を引いた人付き合いをしている。メグとは同じクラスになった縁で、メグの方から半ば強引に友達となった。その人懐っこい性格に惹かれていき、現在では心の許せる数少ない存在となっている。学校では男子からの人気は高いものの、その素っ気無い対応により、孤高の存在と見なされている。 柿口啓吾と出会い、人間を求めず肉体というパーツだけを求める柿口の純粋な欲望に魅了され、柿口とともに生活することを決意。両親との仲が悪いこともあり、家出同然で柿口の家へ転がり込んだ。少々斜に構えた性格をしており、柿口に対してはサディスティックな面を見せることが多い。 柿口との同居生活が始まってからは、感情を表に出すようになったものの、柿口以外の人の前では、普段通りの冷徹な表情に戻る。出会った当初は、柿口が自分自身を人形のように扱うことに快楽を覚えていたが、共同生活が続くにつれ、自分を女性として見てもらえないことに嫉妬心を抱くようになっていく。
太田 メグ (おおた めぐ)
17歳の女子高校生。森高円のクラスメイト。ウェーブのかかった薄い色の髪に、小柄な体型をしている。年相応の天真爛漫な性格の持ち主で、同じクラスになったことをきっかけに円に話しかけ、それから仲の良い親友となった。以降は学校内だけでなく、放課後や休みの日もともに過ごしている。円が柿口啓吾と同居を始めた際には一番に知らされたが、周囲に言いふらしたりはせず、円の貞操を心配しつつ見守る姿勢を見せた。 途中から赴任した東に恋心を抱いている。東の本性を知っている円から警告をされるが、聞き入れず、暴走気味になっている。
東 (あずま)
森高円の通う高校へ臨時教諭として赴任した男性教師。口元にほくろがある。物腰の柔らかいイケメンで、女子生徒からは「さわやかクン」と呼ばれて人気も高い。赴任する以前までは、アダルトグッズショップ「ファンシー」に客としてよく通っており、柿口啓吾とも面識があった。怪我をした柿口の代わりに出勤した円に一目惚れし、その日から円に性的な嫌がらせをするようになる。 実は歪んだ性癖を持つ変態。円を自分のものにするために、彼女の親友である太田メグと関係を持ち、さらには柿口にまで危害を加える、というサディスティックな一面を持つ。
ヒロシ
17歳の男子高校生。森高円のクラスメイト。短髪で、がっしりした体格をしている。軟派な雰囲気で、いつも円にアタックしているが、すげなくかわされている。太田メグを通じて円のメールアドレスや電話番号などの情報を盗む。それ以後は、柿口啓吾と同居していることや、その関係などについて脅迫し始める。
アケミ
アダルトグッズショップ「ファンシー」のオーナーを務める女性。ウェーブのかかった長い髪で、グラマーな体型をしている。年齢や経歴は一切不明だが、その言動から、さまざまな人生経験を積んできたことがうかがえる。彼氏がおり、店にある怪しげなアイテムを使おうとしたり、浮気が判明すると貞操帯を用いて追及するなど、サディスティックな一面がある。 柿口啓吾によれば「怒ると手が付けられない」らしく、アケミの発言は絶対である。
深見 (ふかみ)
アダルトグッズショップ「ファンシー」で、新たに雇われたアルバイトの男性。柿口啓吾が怪我などでの休みがちになった際、アケミが雇った。柿口に負けないほど小柄で、操り人形のような容姿をしており、語尾に「でち」を付けてしゃべる。「ファンシー」のホームページで、オナホールのレビューをしている柿口に憧れて入店したという経緯がある。 柿口が女性経験が豊富であるという見栄と噓を真に受けて、女性経験を得るため風俗店へ行き、そのままハマって店の売り上げを盗んで逃げてしまった。
場所
ファンシー
柿口啓吾がアルバイトをしているアダルトグッズショップ。雑居ビル内にあり、2階まで店舗スペースとなっている。オナホールから拘束具、貞操帯、媚薬まで何でもそろっており、マニアックな客も多い。オーナーはアケミだが、基本的には柿口が店番をしていることが多い。
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