あらすじ
第1巻
名古屋の大須に住む名古屋料理研究家の御園竜也は、起床した妻の御園さくらのため、いつものようにあんこのたっぷり乗ったトーストを作る。合わせて作った台湾ミンチを乗せたサラダは、雑誌の料理コラムのための新作メニューだった。さくらの高評価を得た台湾ミンチサラダは正式にコラム記事への採用が決まり、竜也は別の仕事のために新たなメニュー開発に取り掛かる。一方のさくらは、自分の働く喫茶店「ひばり」へと出勤し、そこで客からフジパンの「スナックサンド」を大量にもらうのだった。帰宅したさくらからスナックサンドを受け取った竜也は、山崎製パンの「ランチパック」とは似て非なるもので、むしろこのタイプのサンドイッチはスナックサンドが元祖であると熱く語り、そのスナックサンドを使って新たなメニューを考案する。(第1話「揚げ焼きホットサンド」。ほか、11エピソード収録)
登場人物・キャラクター
御園 さくら (みその さくら)
名古屋の大須に住む女性。御園竜也の妻で、年齢は28歳。小柄だが胸が非常に大きい。また、独特のファッションセンスの持ち主で、パジャマやパーカーなど、家の内外を問わず獣耳のフードの付いた服を着ていることが多い。ふだんは喫茶店「ひばり」で看板娘として働いており、招き猫のような珍妙な踊りをしては、客を呼び込んでいる。竜也とは結婚2年ということもあり、休日のたびにいっしょに出かけたりとラブラブで、スキンシップも激しい。もともと茨城県出身のため、名古屋特有の食文化には驚くことも多かったが、今ではかなり順応している。それもこれも、すべては名古屋の食文化に詳しい竜也の薫陶と、彼への愛の賜物である。食に対する執着が強く、竜也が仕事で作った試作メニューは必ず試食させるように求めるほか、竜也の買ったコーヒーチケットを勝手に自分と共用にするなど、ちゃっかりしたところもある。竜也の作った料理をはじめとした、おいしいものを食べた際には、恍惚とした表情で「うみゃー」と言うのが口癖。
御園 竜也 (みその たつや)
名古屋の大須に住む男性。御園さくらの夫で、年齢は33歳。さくらには「ダンナ」と呼ばれている。眼鏡を掛けていつもにこやかな笑みを浮かべており、「ひまつぶしにひつまぶし」「尾張名古屋はメシで持つ!」「エビフライは尻尾まで」など、名古屋ゆかりの奇妙な標語の書かれたTシャツをいつも着ている。料理研究家を生業としており、名古屋の食文化に関するコラムや、新たな名古屋めしのレシピ開発なども手がけている。職業柄、料理の腕もかなりのもので、御園家の炊事は御園竜也が担当している。また、新メニューを試作する際には、必ず試食させるようにさくらに求められている。名古屋育ちの生粋の名古屋人で、郷土愛が非常に強く、ちょっとしたことでスイッチが入ると、さくらをはじめとする周囲の人々に名古屋の食文化について熱く語り出すという癖がある。実は学生時代に喫茶店「ひばり」でアルバイトしていたことがあり、マスターとは顔なじみ。
マスター
喫茶店「ひばり」のマスターを務める初老の男性。穏やかな性格で、時に店の中でイチャイチャし始める従業員の御園さくらと、その夫である御園竜也のことも温かく見守っている。
守谷 すみれ (もりや すみれ)
御園さくらの従妹。大学院への進学を機に、名古屋に引っ越してきた。もともと、名古屋には観光するところすらないと冷めた目で見ていたが、御園竜也に名古屋めしの素晴らしさを叩き込まれ、さらにさくらにあちこち観光案内してもらったことで、あっという間に名古屋に染まる。以来、何かとさくらと行動を共にするようになり、名古屋の魅力にどっぷりとハマっていく。その際には、よく竜也とさくらの惚気に当てられているが、若干呆れながらも、二人の関係を微笑ましく見守っている。何かに興味を持つと、すぐにスマホで写真を撮る癖がある。ちなみにおいしいものを食べたときは、さくらとよく似た恍惚とした表情を浮かべる。
場所
ひばり
名古屋の大須にある喫茶店。御園さくらが働いており、マスターが店主を務める。名古屋の喫茶店の例にもれず、モーニングのコーヒーには無料で厚切りのトースト、ゆで卵、サラダが付く。さくらは知らなかったが、実は御園竜也もかつて喫茶店「ひばり」でアルバイトしていたことがあり、マスターとは旧知の仲。その縁もあってか、竜也は仕事の打ち合わせにもこの店をよく利用している。
クレジット
- 原作
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Swind