あらすじ
第1巻
女子高校生の七瀬萌里菜は、近所にあるイタリア料理店、トラットリア「フェスタ」でアルバイトを始める。その店には、小学生ながら店長代理を務める天才シェフの男の子である北原マロをはじめ、経理を担当するセクシーな女性の藤木瑠梨、腕のいいシェフながら重度の食材フェチである近野桐秀、フェミニストなナンパ男でドルチェ担当の折木衛など、個性豊かなメンツがそろっていた。軽い気持ちでアルバイトを始めた萌里菜だったが、個性的ながら料理に対して真摯に向き合い、自分の仕事に誇りを持つみんなに刺激され、自分もイタリアンのシェフを目指すことを決意する。(第1章「フェスタ入店」。ほか、4エピソード収録)
第2巻
イタリア料理店、トラットリア「フェスタ」がかかわる海の家の立ち退きを賭けて、フェスタと高級料亭「祭礼」とのイタリアン勝負が始まる。「食前酒」の部門では、祭礼が勝利。続く「前菜」では、折木衛が作った枝豆のパテ、プロシュート添えでフェスタが勝利する。さらに第一の皿、第二の皿と勝負は続き、結果は2勝2敗の引き分けとなり、勝敗は七瀬萌里菜が担当するドルチェ勝負で決することとなる。(第6章「イタリアン勝負」。ほか、4エピソード収録)
メディアミックス
TVアニメ
2017年1月、本作『ピアシェ ~私のイタリアン~』のTVアニメ版『ピアシェ ~私のイタリアン~』が、5分枠の短編アニメとしてTOKYO MX、サンテレビで放送された。キャラクターデザインと作画監督は、漫画版の作者である渡辺敦子が務めている。キャストは、七瀬萌里菜を千本木彩花、北原マロを米内佑希、藤木瑠梨を日笠陽子、近野桐秀を阿座上洋平、折木衛を八代拓が演じている。
登場人物・キャラクター
七瀬 萌里菜 (ななせ もりな)
イタリア料理店、トラットリア「フェスタ」でアルバイトとして働くことになった女子高校生。年齢は16歳。緑色の長い髪をツインテールにしている。お店がかわいいという理由と家から近いことから、夏休みだけのアルバイトとして軽い気持ちで応募した。イタリアンのことはまったく知らず、手先も不器用。しかし、店員たちの料理への熱意と愛情に、七瀬萌里菜自身もイタリアンのシェフになると宣言するほど感化される。名前の「七瀬萌里菜」は、小麦粉の一種であるセモリナ粉に由来している。
北原 マロ (きたはら まろ)
天才シェフとしての顔を持つ、小学生の男子。イタリアに夜逃げした父親の代わりに、店長代理としてイタリア料理店、トラットリア「フェスタ」で働いている。口も態度も悪いが、料理に対しては誰よりも真摯に取り組んでおり、腕前も確か。名前の「北原マロ」は、パスタの一種であるマッケローニ・アッラ・キターラに由来している。
藤木 瑠梨 (ふじき るり)
イタリア料理店、トラットリア「フェスタ」で副店長を務めるセクシーな女性。金髪のボブヘアで、おでこの部分にヘアバンドをつけている。店長不在の中、店の経営を切り盛りしている。お酒とお金が大好き。名前の「藤木瑠梨」は、パスタの一種であるフジッリ・ルンギに由来している。
近野 桐秀 (こんの きりひで)
イタリア料理店、トラットリア「フェスタ」でメイン担当のシェフを務める男性。青色の少し長い髪で、前髪と襟足をヘアバンドで止めている。シェフとしての腕前は確かながら重度の食材フェチで、安い食材だと元気がなくなって老人のようになってしまう。逆に高級食材だと、小学生のように若返って元気いっぱいになる。名前の「近野桐秀」は、ショートパスタの一種であるコンキリエッテに由来している。
折木 衛 (おれき えい)
イタリア料理店、トラットリア「フェスタ」でドルチェ担当のシェフを務める男性。女好きのイケメン。もともとはイタリアでシェフをしており、北原マロの父親ともいっしょに働いていた。名前の「折木衛」は、生パスタの一種であるオレッキエッテに由来している。
帝莉 煮座 (ていり にざ)
高級日本料亭「祭礼」の13代店主を務める老齢な男性。白髪のおかっぱ頭で口ひげを生やし、和服を着ている。愛する孫娘の帝莉沙羅を連れてイタリア料理店、トラットリア「フェスタ」へ客として訪れることがあるのだが、食通のためにフェスタの店員たちからは恐れられている。
帝莉 沙羅 (ていり さら)
小学生の女子で、帝莉煮座の孫娘。お人形のような美少女で、年齢は10歳。お嬢様風の縦ロールの髪型で和服を着ている。北原マロとは小学校のクラスメート。イタリアンは低俗な料理だという考えだったが、七瀬萌里菜によってその考えを改めさせられる。一見するとお嬢様特有の高飛車でプライドが高いが、自分の誤りを素直に認める潔さもある。名前の「帝莉沙羅」は、パスタの一種であるシャラティエッリから由来している。
花月 李依 (かげつ りい)
七瀬萌里菜の友達で、海の家でアルバイトをしている女子。年齢は17歳。金髪のショートカットで、小麦色に焼けた明るい性格のギャル。好きなものはイクラで、嫌いなものはもずく。趣味はイケメンハンティング、ショッピング、カラオケ。
リーガ・トニー
無精ひげにスーツ姿の食通の青年で、ボサボサの髪に眼鏡を掛けている。年に500軒以上を食べ歩き、ブログのアクセス数は数百万で、関連本はすべてベストセラーになっている人気者。「リーガ・トニー」は本名ではなく芸名。高級日本料亭「祭礼」とトラットリア「フェスタ」によるイタリアン勝負の開催にあたり、帝莉煮座に呼ばれて審査員として参加した。祭礼の大ファン。