おどろ町モノノケ録

おどろ町モノノケ録

人間とオバケが共存する「おどろ町」に住む少年の貝と、彼を取り巻くさまざまなオバケたちの、少し暢気でなんとなくただれた交流の日々を描く。ちょっとホラーチックなギャグ漫画。

正式名称
おどろ町モノノケ録
ふりがな
おどろちょうもののけろく
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
KADOKAWA
巻数
既刊2巻
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あらすじ

第1巻

なかよし共存計画」という和約によって人間とオバケが共存する特殊な地域「おどろ町」。そこに住む少年のは些細な事でオバケに絡まれては、理不尽な目に遭わされるという不幸な日々を送っていた。大のオバケ嫌いとなり、ストレスから逃れるために、母親である岩子の財布からお金をくすねて買い食いを繰り返していた貝は、ある日オバケからカツアゲされているところを、ノブオという熊のぬいぐるみのようなオバケに助けられる。意気投合して友人となった二人は、さっそくいっしょに買い食いを繰り返すが、その現場に岩子が血相を変えて乱入。岩子の金でアンパンを買ったという理不尽極まりない罪状で、オバケを専門に収監する「逢魔時プリズン」に送られてしまったノブオは、看守からの虐待や空腹に苦しみながらも、同部屋となったオバケとの交流を深めていく。一方、相も変わらず町で暮らしていた貝は、人間からの差別に苦しみながらも、自活しようと奮闘するオバケの実態を、友人の百子とのグルメ探索で学んだり、転校生のオバケである氷川狐子と接するうちに、徐々にオバケに対する耐性ができていく。そんなある日、刑期を終えて「逢魔時プリズン」から出所したノブオが、貝に会いに来る。面会やお迎えをせず、自分の事も忘れかけていた貝に対する鬱憤がたまっていたノブオは、貝の顔面に強烈なストレートパンチをお見舞いして恨みを晴らすが、人間に暴力を振るった罪で逮捕され、再び「逢魔時プリズン」に送られてしまう。そのショックで、貝は以前と同じオバケが嫌いな性格へと戻ってしまうのだった。

 

第2巻

 氷川狐子の父親である氷川王子之助岩子の交際に伴い、一つ屋根の下で暮らす事になった一家と氷川一家。しかし、財布からお金をくすねる貝を、狐子を使った暴力でこらしめていた岩子の教育方針に反発した王子之助が家を出て行ってしまい、ショックを受けた岩子と狐子も、一時的に家を離れてしまう。一人になり、呑気に自由を謳歌していた貝だったが、突如として町全体が停電。その直後に現れた、「不器用なる者たち」と呼ばれる、妖怪でもオバケでもない異形の怪物達の大群よって、町は大混乱に陥ってしまう。この危機的状況の中で百子ノブオと再会を果たした貝は、一連の事件の原因となっている「なかよし共存計画」を破棄しようと、町長のもとを訪れる。しかし、命の危険も顧みず、必死になって人間を守ろうとするオバケ達の姿を見た貝は、土壇場でこの作戦に反対するが、結局「なかよし共存計画」は廃止となり、それに伴い「不器用なる者たち」は異界へと帰還。人間を守ったオバケ達もまた、元いた世界へと帰ってしまう。人間しかいなくなった平凡な町で、退屈な日常を過ごしていた貝だったが、そんな折、多数の人間が凶暴化し、殺戮を繰り返すという謎の大事件が発生する。凶暴化した人間に嚙まれた人間もまた、理性を失った殺人鬼と化すという悪夢のような状況に、ただひたすら怯え、自宅で息をひそめて暮らしていた貝と岩子。彼らの体力と気力も限界に達していたある日、オバケの世界に帰っていたノブオが、貝達を助けるためにやって来る。オバケの世界に来るように促すノブオの提案を受け入れた貝は、わずかに生き残った人間達と共に人間界を去り、新天地で暮らす事になるのだった。

登場人物・キャラクター

(かい)

「おどろ町」に住む小学4年生の男子。人間には認識できないが、体からオバケを吸い寄せる何かを発しており、普通に生活しているだけで町内に住むオバケたちから妙な言いがかりをつけられたり、理不尽な暴力を振るわれたりと、つらい日々を送っている。そのため大のオバケ嫌い。なりは小さいがグルメな大食漢で、母親である岩子の財布からたびたびお金をくすねては買い食いを繰り返し、バレた後に岩子からきつい罰を与えられている。 独立心が旺盛で、岩子のせっかんに耐えかね、一人暮らしをするために不動産屋を訪れたこともあった。不摂生がたたり、体形は少々メタボ気味。

ノブオ

熊のぬいぐるみのような姿をしたマイペースな性格のオバケ。薄給な職務に従事し、いつもおなかをすかせている。オバケに絡まれていた貝を助けたことで彼の友人となった。しかし、岩子のお金で買い食いをしたという罪でオバケ専門の刑務所「逢魔時プリズン」に収監されてしまう。そのため、早く刑期を終えて貝と一緒に暮らし、自分を刑務所にぶちこんだ彼をボコボコにしておいしいものをおごってもらおうと考えている。

岩子 (いわこ)

貝の母親。不動産屋で働くシングルマザー。オンラインゲーム中毒で、少々だらしない性格ながら教育には厳しく、自分の財布からたびたびお金をくすねている貝に対してはきつい罰を与えている。実は腐女子でイケメンにからっきし弱く、オバケの氷川王子之助に一目惚れするや否や彼と再婚していた。

百子 (ももこ)

貝のお姉さん的な存在である同級生の小学生女子。貝がオバケにいじめられているのを見るや、「幽霊対策には霊媒師ではなく国家権力」であるとしてすぐに警察を呼ぶなど、小学生らしからぬアクティブさと冷静さを備える。貝とはプライベートでもよく遊ぶ仲だが恋愛対象としては見ておらず、「食い意地のはったクソ童貞」扱いしている。オバケの食文化に対する関心が強い。

氷川 狐子 (ひかわ ぎんこ)

貝のクラスに転校してきた狐の妖怪少女。貝の体から発せられるモノノケの血をざわつかせるニオイを嗅ぎ取り、出会って早々から彼に対する理不尽なイジメを繰り返す。凶暴かつサディスティックな性格。オバケの年収の低さから人間である貝との結婚を考えており、今からツバをつけておこうと執拗に彼につきまとっていた。のちに父親である氷川王子之助が岩子と再婚したため、義理の妹として貝と一緒に住むことになる。

氷川 王子之助 (ひかわ おうじのすけ)

氷川狐子の父親で狐の妖怪。容姿端麗なうえ、非常に礼儀正しい性格。岩子からBL作品の登場人物のようなイケメンであるとして、一目惚れされる。のちに岩子の猛アタックに根負けして結婚した。一家では唯一の常識人。

タタミ

「逢魔時プリズン」内で、ノブオと同室に収監されていた座敷わらしの少女。富を与えようと人間の家に居ついたところを不法侵入の罪で捕まった。同室の厄介な怨霊にも自ら進んで挨拶をして交流しようとするしっかり者。

その他キーワード

なかよし共存計画

人間とオバケの和約によって「おどろ町」で制定された協定。これにより「おどろ町」では人間とオバケが種族を超えて共存できるようになった。しかし、互いの感性や文化の違いから両者のあいだでトラブルが発生することも多く、人間側によるオバケに対する差別も後を絶たない。

書誌情報

おどろ町モノノケ録 2巻 KADOKAWA

第1巻

(2011-10-15発行、 978-4048860512)

第2巻

(2012-08-11発行、 978-4048869300)

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