おもちゃ箱革命

おもちゃ箱革命

高校に入学し、初めて心惹かれる男子に出会った小林園子だったが、相手には既に微妙な関係の女子がいた。さらには初恋の相手の双子の弟も登場するなど、複雑に絡み合っていく園子の初めての恋を描くラブストーリー。「なかよし」1988年3月号から1990年4月号にかけて連載された作品。

正式名称
おもちゃ箱革命
ふりがな
おもちゃばこかくめい
作者
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概要・あらすじ

遅刻癖のある小林園子は、高校受験の日にも寝坊をしてしまい、1科目目の試験を受けることができなかった。しかも、そのことをたまたま近くにいた見知らぬ男子・野崎拓実にからかわれてしまう。意気消沈し、不合格を覚悟していた園子だったが、なんと奇跡的に合格を果たす。その合格発表の日に園子は拓実と再会し、さらに入学式でも拓実と顔を合わせることになる。

こうして、顔を合わせるたびに何かとからかわれ続ける園子だったが、次第に拓実のことが何となく気になっていく。そんな折、中学時代から拓実に恋心を寄せている江口弥生の存在を知る。さらに拓実の双子の弟である野崎達矢が園子と同じクラスに編入し、何かと関わってくることで状況はどんどん複雑化していく。

しかも達矢は園子の親友である篠原美奈子がずっと探していた一目惚れの相手だったと判明し、園子の初めての恋の行方は、ますます混迷を深めていく。

登場人物・キャラクター

小林 園子 (こばやし そのこ)

私立中央学園高等部1年K組に所属する女子。家族構成は父親と園子の母、園子の兄の4人。のほほんとした母親の性格を受け継いだらしく、遅刻癖がある。第1志望である私立中央学園高等部の入試の日も遅刻をしてしまい、1教科受けることができなかった。状況は絶望的かと思いきや奇跡的に合格を果たす。遅刻したことを同じクラスにいた男子・野崎拓実にからかわれてしまい、高校の入学式の際にも拓実と会い、「いつも時間ギリギリだ」とからかわれてしまう。 一方的に拓実を嫌な奴だと思っていたが、校舎内で迷っていた時に助けてもらった縁で会話をするようになり、自然と接する機会が増えていく。そして、いつの間にか拓実に淡い恋心を抱くようになるが、中学時代から拓実に片想いをしている江口弥生の牽制や妨害によりなかなか状況は進展しない。 入試試験の得点が低い者が集まるK組には所属しているが、これは1教科受けることができなかったためであり、実際は学年女子の中でもトップクラスの学力の持ち主でもある。

野崎 拓実 (のざき たくみ)

私立中央学園高等部1年A組に所属する男子で、野崎達矢の双子の兄。入試では男子でトップの成績を取った成績優秀な少年ではあるものの、いわゆるガリ勉タイプではなくごく普通の少年である。容姿も爽やかなことから女子に好意を寄せられることが多く、男子たちからも人気が高い。江口弥生からは中学時代から思いを寄せられているが、はっきりと答えていない。 入試日も入学式も遅刻または遅刻ギリギリの小林園子と鉢合わせたことから、「おもしろい奴」と興味を抱き、園子と仲良くなる。単にからかいの対象とするだけでなく、園子が困っている時は助けるなど面倒見の良さも発揮している。

野崎 達矢 (のざき たつや)

私立中央学園高等部1年K組に所属する男子で、野崎拓実の双子の弟。本来は1年E組だったが入学式の後に事故に遭い、入院した。夏休みの補習で出席日数をクリアし、改めてK組に編入して来た。篠原美奈子が入学式の時に一目惚れをした相手でもある。小林園子とは同じ中学出身ではあるが、お互いに存在は知らなかった。

江口 弥生 (えぐち やよい)

私立中央学園高等部1年A組に所属する女子。入試では女子でトップの成績を取っている。同じ中学出身の野崎拓実に片想いをしているが、なかなか気持ちが伝えられずにいる。しかし、江口弥生の気持ちを知っている者は多く、周囲の友達からは「お似合いだ」などと言われ、本人もまんざらではない。中学の卒業式で第2ボタンをもらった経緯もあり、両想いだと確信していたものの、高校に入学してから急接近している拓実と小林園子の関係を不安に感じ、園子に対して一方的にライバル意識を抱いている。 同時に、K組所属であり、瀬川早紀映のような不良っぽい外見の友達のいる園子を内心見下している節がある。

佐山 ひとみ (さやま ひとみ)

私立中央学園高等部1年K組に所属する女子。小林園子と同じ組になり、課外授業でたまたま同じ班になったことから仲良くなる。しっかりした性格で、中学時代から仲良しで少々ドジな篠原美奈子の世話を焼いている。学校内では園子、美奈子、瀬川早紀映と4人組で行動している。美奈子が派手に転んだのに巻き込まれて倒れた際に、先輩の田嶋に助けてもらい、一目惚れをしてしまう。

篠原 美奈子 (しのはら みなこ)

私立中央学園高等部1年K組に所属する女子。佐山ひとみとは中学時代からの付き合いで、自身のドジな部分をひとみにフォローされている。やや幼い性格であり、運動や勉強は苦手。小林園子と同じ組になり、親しい間柄になる。学校内では園子、ひとみ、瀬川早紀映と4人組で行動している。入学式で野崎達矢に一目惚れしたもののなかなか再会できなかったが、2学期に入り達矢がK組に編入して来たことで距離が縮まる。

瀬川 早紀映 (せがわ さきえ)

私立中央学園高等部1年K組に所属する女子。合格発表の日に小林園子と出会うが、再会した時には覚えていなかった。クールな美人で口数は少ないものの、自分の考えや主張ははっきりと口にするタイプ。思いやりもあり、園子がピンチの際には手助けをすることも多い。目立つ容姿から不良と勘違いされやすく、3年生から目を付けられ呼び出された際に園子が助けたことで、佐山ひとみ、篠原美奈子を交えた4人組で行動するようになる。

田嶋 (たじま)

私立中央学園高等部に通う男子高校生。小林園子たちの先輩にあたり、園子の兄の友達である。そのため、園子と会うと気さくに声をかけてくる。成績優秀で落ち着いた性格をしており、見た目もさわやかであることから女子から人気が高い。佐山ひとみが一目惚れした相手でもある。

小田 (おだ)

私立中央学園高等部1年K組の担任を務める眼鏡をかけた男性教師。小林園子が入試日に遅刻をした際の監督試験官でもあり、彼が担任となったことで園子は気まずい思いをすることとなった。ニコニコと穏やかな表情で基本的に優しい性格だが、学園生活のルールには厳しい。

石山 (いしやま)

私立中央学園高等部の生徒指導を行っている女性教師。基本的に規律には厳しいものの、特に入試の成績が低い者たちが集まっているK組の者には厳しい口調で注意をする。同じ規則違反であっても、K組とそれ以外の組とでは扱いが違うなど、所属するクラスにより態度を変えている節がある。

園子の兄 (そのこのあに)

小林園子の実兄で高校生。しっかりとした性格であり、適当な園子が許せず苦言を呈することが多い。それらは愛情の裏返しであり、実際は妹想いの良い兄である。私立中央学園高等部に友達の田嶋がいる。

園子の母 (そのこのはは)

小林園子の母親。受験に遅刻してしまった園子にも怒らず、「結果はどちらでもいいじゃないの」と言うほど、のほほんとした気楽で大らかな性格。そのため、しっかり者の園子の兄に呆れられることもたびたびある。

みるく

園子の兄が拾ってきた白いネコ。反対されることを予測した園子の兄がこっそり飼うつもりであったが、小林園子に見つかり、その後すぐに園子の母にも見つかり小林家で飼われることとなった。実はみるくが捨てられていた現場に瀬川早紀映もおり、美人の早紀映を前にして恰好をつけた園子の兄が拾ってきたという経緯がある。

千恵美 (ちえみ)

小林園子の中学校時代からの親友。園子とは別の女子校へと進学したが、変わらぬ友情を築いている。園子の進学先である私立中央学園高等部は共学であることから、男子を紹介してもらえるのではないかと密かに期待している。

場所

私立中央学園高等部 (しりつちゅうおうがくえんこうとうぶ)

小林園子が進学した高校。園子の出身中学校から進学する者はほとんどいない。共学でクラスも男女一緒である。アルファベットのAからKまでのクラス編成となっており、入試の得点による成績順になっている。Aがトップの生徒、Kは一番得点が低かった生徒たちのクラスだが、園子はそのことを知らずに入学した。

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