かさねと昴

かさねと昴

テレビドラマ化もされた初連載作『あせとせっけん』に次ぐ山田金鉄の連載作品。現代の日本を舞台に、ボーイッシュな女性・柴田かさねが、同僚の男性・榎田昴から女装が趣味だと打ち明けられたことをきっかけに、徐々に恋愛関係へと進展していく、不器用ながらも誠実な恋愛模様を描いたラブコメディ。各種電子書籍配信サービスで2022年1月26日より配信が開始されたあと、講談社「コミックDAYS」にて2023年7月から2024年7月まで連載。

正式名称
かさねと昴
ふりがな
かさねとすばる
作者
ジャンル
その他職業・ビジネス
 
ラブコメ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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天真爛漫な元気系女子×高身長女装男子

ボーイッシュな女性・柴田かさねは、ある出来事をきっかけに、同僚の女装男性・榎田昴のお尻に触れ、その柔らかさと心地よさに心を奪われてしまう。それ以降、天真爛漫なかさねと、内気で他人の視線を気にする昴は、昴の女装癖という秘密を共有することを通じて、互いを異性として意識し始める。そして交流を重ねる中で、二人はそれぞれの性格や趣味、考え方の違いを認識しながら、穏やかで温かい恋愛関係を築いていく。

好みの違いから生まれるジレンマ

かさねと昴は、趣味嗜好や価値観がまったく異なる。幼少期から戦隊ヒーローの怪人・シロベンガルにあこがれを抱いているかさねは、クライアントから「女性らしいかわいらしさを強調したデザイン」を求められ、苦悩することになるが、「性別による先入観や決めつけ」に対する考えに昴から共感を得られたことで、励まされる。しかし、かさねの好みに昴がついていけず、ほかの同僚との親密さに嫉妬する場面も見受けられる。好みや考え方の違いから生じるジレンマや些細な衝突が、作品に独特なアクセントを加えている。

性行為が大きな壁

柴田かさねと榎田昴にとって大きな障壁は、かさねの性行為に対する意識の低さである。かさねは付き合う前から昴の自宅で自由気ままに過ごしていたが、昴と付き合い始めてからも性行為についてはまったく意識していなかった。実はかさねは大学時代の恋人との思い出がトラウマとなり、性行為において女性らしい反応ができないのではないかという不安から、無意識に性行為に対して消極的になっていた。昴が関係をゆっくり進展させようと努力する一方で、そんな昴に甘えてしまいそうになる自分に焦りを感じるかさねの姿が、情感豊かに描かれる。

登場人物・キャラクター

柴田 かさね (しばた かさね)

株式会社マゼルハウスに勤務する女性。グラフィックデザイナーを務めている。ショートボブヘアで、パンツスタイルを好んで着用している。とあるきっかけで同僚の榎田昴のお尻の柔らかさを知って以来、昴を意識するようになる。ちなみに、その柔らかさはデパートのヒーローショーで出会ったシロベンガルの着ぐるみの感触に似ている。当初は昴の恋愛対象が女性か男性か分からなかったため、昴が女装しているあいだは極力女友達として接するように心掛けていた。昴と付き合うようになってからは、昴のやりたいことを最優先し、その活動を全力で応援している。また、昴があこがれる女装男子・マサムネが昴に恋愛感情を抱いていることを見抜いたうえで、昴とマサムネの交友関係が続くことを願っている。

榎田 昴 (えのきだ すばる)

株式会社マゼルハウスに勤務する男性。3Dモデラーおよび造形士を務めている。身長183センチのスリムな体型で、眼鏡をかけている。以前は大手ゲーム会社に勤めていたが、連日15時間以上の過酷な労働環境にさらされる中で、女装趣味に目覚めた。ある日、柴田かさねにお尻を触られたことがきっかけで、かさねにだけ女装趣味を打ち明けた。次第にかさねを異性として意識するようになるが、かさねから「お尻推し」と言われたことで、彼女の好意は恋愛感情ではなく、あこがれのようなものなのかと悩むようになる。かさねと付き合うようになってからも、手探りで距離を縮めていく。女装のカリスマ的存在である女装男子・マサムネにあこがれを抱いているが、彼から恋愛感情を寄せられていることには気づいていない。

書誌情報

かさねと昴 5巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2023-05-23発行、 978-4065316450)

第2巻

(2023-10-11発行、 978-4065333426)

第3巻

(2024-01-10発行、 978-4065342275)

第4巻

(2024-05-08発行、 978-4065355817)

第5巻

(2024-09-11発行、 978-4065367926)

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