あらすじ
第1巻
国立博物館の学芸員である押海祐介は、翌年に予定されている企画展に出品される掛軸の修復を依頼するため、国宝修理装潢(そうこう)師の五條武士のもとを訪れるが、ようやく5回目にして対面を果たす。仕事の話もそこそこに武士と連れ添って先約があるという家に向かうと、依頼主はごくふつうの老婆で、家宝の掛軸の修復を依頼していた。そこで武士の仕事ぶりを目の当たりにした祐介は、さらなる熱意をもって武士にあらためて修復を依頼する。その後、武士は水害で小学校に保存されている、文化財の修復を引き受ける。しかし一人では手に負えない規模の仕事であったため、武士は祐介にサポートを求め、祐介は関連機関に依頼して伊駒を派遣してもらう。この事業で実際に修復の作業にあたるのは、数多くのボランティアスタッフだった。それを知った祐介は、自分もその作業に参加したいと申し出る。
登場人物・キャラクター
五條 武士 (ごじょう たけし)
国宝修理装潢(そうこう)師の青年。祖父が高名な装潢師であり、五條武士自身も若くしてこの道に入った。有能なために輝かしい修理実績を誇るが、自由奔放でつかみどころのない性格をしている。文化財の重要度にはまったくこだわらず、個人の所蔵物をはじめ誰からの仕事でも気軽に引き受ける。作業に集中すると糖分を欲するために極度の甘党で、プリンやケーキが大好き。
押海 祐介 (おしみ ゆうすけ)
国立博物館の学芸員を務める青年。もともとその名声に惹かれて五條武士に仕事を依頼したが、その仕事ぶりを見るにつれ、武士に心酔するようになる。武士のリクエストで手土産はいつも甘味だが、押海祐介自身は別に甘党ではない。
伊駒 (いこま)
保存科学研究室の研究員を務める若い女性。損傷した史料や美術品などの保存に関する研究も手掛けている。甘党のために五條武士と気が合い、押海祐介も交えて自らガイドを務めるスイーツツアーを決行する。
書誌情報
国宝のお医者さん 全2巻 KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉
第1巻
(2019-05-02発行、 978-4040655673)
第2巻
(2020-06-08発行、 978-4040643069)