くちびる ためいき さくらいろ

くちびる ためいき さくらいろ

好きになってはいけないはずの、女性を好きになってしまった女子高校生たちを描く青春グラフィティ。6つのエピソードで綴られる、オムニバス作品集。

正式名称
くちびる ためいき さくらいろ
ふりがな
くちびる ためいき さくらいろ
作者
ジャンル
百合
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概要・あらすじ

中学の頃に藤森瞳にキスをされて以来、疎遠になっていた小林奈々は、瞳と別の高校に通っていた。しかし、瞳がそばにいないことに不安感と寂しさを感じていた。そんなある日、高校からの帰り道で瞳と再会した奈々は、彼女を家に招いて好きだという気持ちを正直に伝える。(エピソード「くちびる ためいき さくらいろ」)

登場人物・キャラクター

小林 奈々 (こばやし なな)

エピソード「くちびる ためいき さくらいろ」に登場する。桜海女子高校に通っている女子高校生。中学の時に一番仲が良かった藤森瞳とキスをしたことがきっかけで疎遠になったことを気にしながらも、新しい友達と高校生活を送っていた。ある日瞳と再会し、小林奈々は瞳がいないとダメだと正直に告白する。それから瞳と恋人同士の関係となる。

加藤 なつか (かとう なつか)

エピソード「天国に一番近い夏」に登場する。桜海女子高校にいる幽霊の女の子。生前は小松と共に保健室登校を繰り返していた。体が弱いものの、やたら屋上に行きたがるアグレッシブさも持ち合わせている。幽霊になった今も小松の傍にいたいと思い、よく保健室に漂っている。

安倍 なるみ (あべ なるみ)

エピソード「キスと恋と王子様」に登場する。桜海女子高校の演劇部に所属する女子高校生。演劇部に入って初めて主役を務め、橘の相手役としてお姫様を演じることとなる。その練習の際に橘にキスをされ、それが芝居なのかそうでないのかわからなくなる。のちに橘から告白されることで不安は解消され、橘と付き合うことになる。

鈴木 千里 (すずき ちさと)

エピソード「いつかのこのこい」に登場する。桜海女子高校に通う女子高校生。中等部から持ち上がりの内部受験組で、高校からの外部受験者たちを遠巻きに見ている。優しい性格だがそれは弱さの裏返しでもあり、ちょっとしたことで傷つく。1年生の時に水城がキスマークを付けて登校してきた際に、ばんそうこうを渡そうとして断られたことをずっと気にしている。

ちはる

エピソード「くちびるにチェリー」に登場する。女子高校生で、絵里の親友。中等部から絵里のフルートの腕前に心酔しており、彼女が怪我でフルートを奏でられなくなった時は、大きなショックを受けた。今は絵里がおいしいお菓子を作ってくれることを楽しみにしているが、彼女への密かな想いを隠している。

野坂 (のさか)

エピソード「ホントのキモチ。」に登場する。文芸部の女子高校生。地味な格好で、男性と話す機会もなく、頭の中は少女小説のことで一杯。ある日突然遠藤みちるに告白され、まずは友達からと付き合ってみるものの、みちるに女の子扱いされることに戸惑いを隠せずにいる。

藤森 瞳 (ふじもり ひとみ)

エピソード「くちびる ためいき さくらいろ」に登場する。東峰女子高校に通っている女子高校生。中学の時に友達だった小林奈々に想いが募り、キスをしてしまう。それがきっかけで奈々を忘れようとあえて別の高校に進学する。しかし、ある日の帰り道に奈々と再会し、藤森瞳の想いは成就することになる。

加賀見 (かがみ)

エピソード「くちびる ためいき さくらいろ」に登場する。藤森瞳の後輩の女子高校生。東峰女子高校のバスケットボール部所属で、同じ部の先輩である瞳を尊敬している。瞳のことが好きなのかと聞かれた際には、「好きなんていう汚い気持ちじゃない」と言い放って、小林奈々と付き合っている瞳を動揺させた。

坂井 千絵 (さかい ちえ)

エピソード「くちびる ためいき さくらいろ」に登場する。藤森瞳の同級生で、友人の女子高校生。東峰女子高校のバスケットボール部所属で、サバサバした性格。中学の頃、女子に告白されたことがあるが、疑似恋愛だろうと思い振ったことがある。瞳が真摯な思いで小林奈々と付き合っていることを知り、応援している。

井出 夏香 (いで なつか)

エピソード「天国に一番近い夏」に登場する。加藤なつかが乗り移った、桜海女子高校のバスケットボール部エースの女子高校生。快活だが先生と関わるのがあまり好きではない。怪我をして保健室に行き、小松に会った時も素っ気なく応対した。その様子が気に入らなかった加藤が文句を言おうとした拍子に、乗り移ってしまう。

小松 (こまつ)

エピソード「天国に一番近い夏」に登場する。加藤なつかが、生前から想いを寄せていた女性。桜海女子高校の養護教諭で、人当たりのいい性格。桜海女子高校のOGでもあり、現役生徒時代はクラスに馴染めずに保健室へ登校をしていた。その時に加藤に会い、仲を深めていく。養護教諭になってからは、保健室にくる生徒たちへの対応が手厚いと評判になる。

(たちばな)

エピソード「キスと恋と王子様」に登場する。桜海女子高校演劇部でスターの女子高校生。本人は無頓着だが、彼女のスター性を保つために同学年の演劇部員が必至で取り繕っている。演劇の練習中に、安倍なるみにいきなりキスをするが、何故そんなことをしたのか自分でもわからなくなる。安倍が役を交代するという話が出た時に、どうしてもそれが嫌だと気づき、安倍のことを好きだと自覚する。

水城 (みずき)

エピソード「いつかのこのこい」に登場する。桜海女子高校の女子高校生。中等部から持ち上がりの内部受験組ではなく、高校から入学してきた外部受験組で、同じ外部受験組の女の子たちと仲がいい。1年生の時にキスマークを付けて登校してしまったことがあるが、その時に鈴木千里がばんそうこうを渡してくれたのを拒否したことを、ずっと後悔している。

絵里 (えり)

エピソード「くちびるにチェリー」に登場する。ちはるの親友の女子高校生で、ちはるが密かに想いを寄せる女性。中等部時代はコンクールに出るほどのフルートの腕前だったものの、腕の怪我によってフルートを断念する。その後はお菓子作りに励むようになり、よくちはるやクラスメイトたちにふるまっている。

遠藤 みちる (えんどう みちる)

エピソード「ホントのキモチ。」に登場する。野坂に想いを寄せる少女で、文芸部の女子高校生。ふんわりとした髪で野坂曰く「花みたいな女の子」。文芸部の冊子で知った野坂のことを、現在では珍しく純朴な少女でレアな存在だと評価し、男より先に自分が射止めてみせると張り切っている。

場所

桜海女子高校 (おうみじょしこうこう)

小林奈々、井出夏香、安倍なるみ、橘、鈴木千里、水城が通っている高校。制服のセーラー服が可愛いことで人気が高い。藤森瞳はこの学校も受験はしたものの、もともと奈々と離れるために東峰女子高校に行こうと考えており、通うことはなかった。

東峰女子高校 (とうほうじょしこうこう)

藤森瞳、加賀見、坂井千絵の通っている高校。ブレザーが制服で、季節によっていくつかのパターンがある。小林奈々が瞳のバスケットボール部の試合をこっそり観戦するために、この高校の制服を着たことがある。その際奈々は夏物、瞳は冬物を着ていた。

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