概要・あらすじ
人間の少女の姿をして言葉も話せる「アニマルガール」が暮らしているジャパリパーク。念願の飼育員となった菜々は、夢であり憧れだった「フレンズ」のお世話ができることに胸を躍らせていたが、担当となったキタキツネはワガママ放題なうえに、菜々の言うことをまるで聞かない問題児で、初日から彼女の自由気ままな言動に振り回されてしまうことになる。
翌朝、冷蔵庫から大量の肉まんを盗んだキタキツネに業を煮やした菜々は、意を決して彼女のなわばりまで出向き、ルールを守らないキタキツネの行為を諫めるのだった。
登場人物・キャラクター
菜々 (なな)
ジャパリパークの職員として採用されたばかりの新人飼育員。バイタリティあふれる明るい女性。「フレンズ」のお世話をすることに憧れを抱いており、入所後はサーバルとキタキツネの担当になった。当初はワガママで非協力的なキタキツネの振る舞いに手を焼いていたが、何度も衝突を繰り返すうちに、徐々に心を通わせていくようになる。 「フレンズ」を、人間と動物の架け橋になる存在だと思っている理想家。「フレンズ」を守ろうとする気持ちは人一倍強い。
キタキツネ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」の少女。栗色のロングヘアをした美しい「アニマルガール」。管理されることを嫌う自由気ままな性格で、担当飼育員となった菜々に対しても、突き放すようなそっけない態度をとっていた。ジャパリパークのルールを守らせようとする菜々に、感情的な反発を繰り返していたが、彼女の「フレンズ」に対する想いを知って、少しずつ態度が軟化していく。 ずっと自分のなわばりで暮らし、周囲に興味を持っていなかったため、かなりの世間知らず。ジャパリパーク内に都市があることや、貨幣制度が存在することも知らなかった。のちに菜々の宿舎に出入りして、自身の家のようにくつろぐようになる。肉まんが大好物。
サーバル
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。金髪のショートボブの髪型をした美少女。明るく素直で、誰からも好かれる朗らかな「アニマルガール」。社交性も高く、園内のあちこちに友達がいる。新たに担当飼育員となった菜々とも、一目で馴染んでいた。また、走るのを大の得意としており、1kmをわずか35秒で走破できる健脚の持ち主。 涼めるハイキングの場所として、雪山をチョイスして遭難しかけたり、草ばかり食べている草食動物が栄養失調にならないことを心配するなど、若干天然な性格をしている。なお、本人いわく、好きな言葉は「ゲーム」で、特技も「ゲーム」だが、「ゲーム」が具体的に何を指しているかは定かでない。
トキ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に小さな羽根が生えている美少女。ジャパリパーク内では名の知られた歌好きの「アニマルガール」。大空を飛翔しながら歌声を届けて回っている。しかし、他の「フレンズ」から「耳がもげる」とまで言わしめるほど理解不能な音痴であるため、その歌声を聴いた者は、一様にグロッキー状態に陥ってしまう。 菜々からは「10億人に1人くらいの割合で評価してくれる人がいる個性的な歌」という、ほぼフォローにならないフォローを入れられていた。自身の歌で誰かを幸せにしたいと考えているため、そのギャップに日々悩んでいる。
ツチノコ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部をすっぽりとフードで覆っている少女。人里を離れた洞窟を住処にしており、飼育員に頼らずに自活しているクールな性格の「アニマルガール」。そのため、外部の出来事については無知だが、ミミズが地表に出てきた翌日には雨が降るといった、実践的な知識を蓄えている。洞窟に迷い込んだキタキツネから、一生に一度も見ることができないレア扱いされていた。 遭遇した者すべてに驚かれ、逃げられてしまった過去を持つため、自身の容姿が皆を怖がらせてしまうと思っている。初めて地上に出た際にトキに出会い、彼女の歌を聴いて「いい歌だったな」という感想を漏らす。本人いわく、「幸せを求めて地上に出て来た」とのこと。
ミライ
ジャパリパークの職員。園内のガイドを担当している眼鏡をかけた女性。両側に羽根の付いたサファリハットと、サファリジャケットを着用しているのが特徴。新人飼育員となった菜々を、サーバルとキタキツネに引き合わせていた。物腰が柔らかく、鷹揚な性格をした大人の女性だが、そのせいでキタキツネからは少し甘くみられていた。 菜々や「フレンズ」からは「ガイドさん」と呼ばれている。
アライグマ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。ショートボブの髪型をした少女。周囲から天然な変わり者の「フレンズ」扱いされているが、当人は自分が地味なアライグマであることに飽きており、もっと可愛い「アニマルガール」に生まれ代わりたいと思っている。そのため、各地にいる「フレンズ」のもとを尋ねて、その生き方を学んでいた。 菜々に対しては、新たな人生を歩むための資金として、とりあえず1兆円を要求している。ジャパリパークの園長を目指しており、その手始めとして、観光大使の選挙に立候補するなど、行動力は人一倍。
カラカル
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」の少女。常識的な性格をしたツッコミ気質の「アニマルガール」で、サーバルの親友。天然気味なうえに世間知らずなサーバルのよきパートナーであり、相談役となっていた。牛や馬が、食べた草を消化してアミノ酸を作り出せることを知っているなど、かなりの物知りでもある。
コアラ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に丸耳がついた少女。のんびりした性格をしており、運動全般が苦手。サーバルと共に挑んだ体力測定では、普通の人間を遥かに下回る記録しか残せなかった。傷を癒す能力の持ち主で、「パップ」と呼ばれる特製の傷薬を持ち歩いており、サーバルの足の怪我も瞬時に治していた。その製法は「世の中知らない方がいいこともある」というミライの判断によって、半ば秘密にされている。
トナカイ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に角が生えている少女。寒さには強く、雪山をなわばりにしている。ハイキング中に雪山で遭難し、凍えそうになっていたサーバルとカラカルに対し、周りをサウナだと思い込めばいいといった、精神論的なアドバイスをしていた。
マーゲイ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。眼鏡をかけて知的な雰囲気をした少女。「じゃぱりケーキ」というケーキ屋に勤めている。カップルに関しては優れた選択眼を発揮する「アニマルガール」。クリスマスに来店したカップルにケーキをプレゼントするイベントを企画し、カップルの萌え度を判定する役割を担っていた。萌え度の高いカップルを見ると、心拍数が上がってしまう。
アフリカゾウ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に大きなたれ耳を生やした少女。マイペースな性格で、ハロウィンの際にカラカルの家を訪れ、「トラック&トリートメント」という勘違いワードを発して、お菓子をもらおうとしていた。カラカルから、いろんな風習をアレンジして共有するのが、この国の民族性であると聞かされ、それに習って毎日をハロウィンにしようとする。
ピーチパンサー
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。園内にあるメイドカフェ風味の店「ジャパリカフェ」に勤めている少女。人手が足りないため、友人のカラカルとサーバルを店員として引き入れていた。メイドとしての接客に並々ならぬこだわりを持っており、メイドの格好に照れを見せたカラカルたちに、接客の心得を伝授していた。
タイリクオオカミ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。黒髪のロングヘアをした少女。上品かつおっとりとしたタイプで、その優雅な物腰を見た菜々に「美しくて礼儀正しくて素敵なお姉さま」という感想を抱かせ、いたく感激させていた。
キンシコウ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。ロングヘアをポニーテールにした少女。棒術の達人で、日々森に篭って鍛錬をしている、ストイックな「アニマルガール」。矢継ぎ早に突っ込み所満載の質問や、独り言を繰り返す変人でもあるため、一緒に初詣に行ったキタキツネからは、「ツッコミ5人くらい必要ありそうね」と言われていた。
チーター
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。ロングヘアの少女。冬眠中と称し、自宅でリッチにぬくぬくするため、菜々に身の回りの世話をさせようとしていた。足が非常に速く、「私の手から逃れられたモノはいまだかつてないのよ」が決め台詞。初対面の菜々をいきなり愚民扱いするなど、強烈な女王様気質でもある。
クロサイ
ジャパリパークに新たにやって来た「フレンズ」。甲冑のような服を着込んでいる少女。戦士の一族出身で、武人のような堅苦しい喋り方が特徴。素朴で人を疑うことを知らないため、女王様のために命がけで戦うことが戦士の本懐である、というキタキツネの言にうまく丸め込まれ、彼女の別荘をたった1人で建てさせられていた。
シーサー
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。南国の「リウキウチホー」をなわばりにしている少女。露出度の高い、ビキニのような服を着用している。「メンソーレ(いらっしゃい)」、「ハジミティヤーサイ(はじめまして)」など、リウキウチホー特有の方言を使うのが特徴で、観光ガイドとして旅行客をもてなしている。シーサーいわく、自分たちがいれば、どんな災いも振り払えるとのこと。
アラスカラッコ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。海をなわばりにしている少女。パークを股にかけるトレジャーハンター・「お宝王」を自称している。海に遊びに来ていたサーバルを見初め、お宝として奪おうとしたが、それは誘拐であるとキタキツネに諫められて中止。代わりに皆の水着を奪おうとする。
イワトビ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。メッシュの入った髪が特徴の、さばさばした性格の少女。アイドルユニット「PPP」のメンバーの1人。気風のいい姉御肌な性格をしており、音痴で苦しんでいたトキの相談にのってあげた際は、「ロック魂全開でドーンとぶっ放すんだ」と、ストレートなアドバイスを贈っていた。
ショウジョウトキ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に羽根が生えた少女。容姿はトキとよく似ているが、より髪の色が濃くなっている。トキと同じく、音痴な歌好き。イワトビの計らいでトキとユニットを組むことになり、息の合った絶妙なハーモニーによって皆を沸かせていた。
オコジョ
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。向上心のある少女。ジャパリ女学園大学への進学を目指す受験生で、日々勉強に励んでいた。クリスマスの日に勝手に自宅に上がりこんできたキタキツネとサーバルによって、勉強を邪魔されてしまう。遊んでばかりのキタキツネたちを、「おバカなフレンズ」扱いして馬鹿にしていた。 ところが、なし崩し的に始まったパーティーの最中にはっちゃけ、「私だってね、遊んで遊んで遊んで遊びつくす人生がいいのよ」と、本音をぶちまけていた。
クジャク
ジャパリパークで暮らしている「フレンズ」。頭部に羽根が生えているロングヘアの美少女。お姫様のような風貌と頭の良さで、多くの「フレンズ」から人望を集めており、ジャパリパーク観光大使の次期No.1候補と見込まれている人気者。のちに観光大使の座をアライグマと争うことになった。
場所
ジャパリパーク
「フレンズ」が住んでいる大型のテーマパーク。広大な園内にはサバンナや雪山など、さまざまなロケーションがあり、土地柄に適した「フレンズ」が、それぞれをなわばりにしている。大きな都市があったり、「リウキウチホー」と呼ばれる、電車で行ける南国地方が存在するなど、単なるテーマパークにとどまらない圧倒的なスケールの大きさを特徴としている。
その他キーワード
フレンズ
特殊な動物「アニマルガール」を指す言葉。人間の少女の姿をして、言葉も話せるという。その種類は多種多様で、長い耳やしっぽが生えているなど、元となる動物の特徴がある程度表れた容姿をしており、適した環境の土地を自身のなわばりにしている。個人差はあるが、基本的に身体能力が非常に高く、人間なら軽く1時間はかかる起伏のある岩山を、約1分で往復したり、重さ300kgもある岩を10m以上投げることができる。 性質や言動は多感な人間の少女そのもので、とてもおとなしいタイプから、ワガママ放題なタイプまで、さまざまな「フレンズ」が存在する。
クレジット
- 企画
-
けものフレンズプロジェクト