概要・あらすじ
兄の死がトラウマになっている楓は、自分の部屋にある家財をすべて売り払い、憧れの久松が住むカナダへ留学することにした。カナダの地に降り立った楓はすぐに久松に会いに行きたかったが、彼女を出迎えたのはホストマザーのブレンダだった。ブレンダはすでに留学の手続きをすべて代行してくれていた。しかし、移動中に出会ったシェリーから「ブレンダの家はやっかいよ」と忠告を受けるも、ブレンダの態度からは問題が感じられず、その忠告を聞き流す。
楓は順調なスタートを切ることになったが、カナダにいるはずの久松にはいつまでも会うことができず、徐々に楓の中で不安が大きくなっていく。
登場人物・キャラクター
楓 (かえで)
18歳の日本人の女の子。兄を亡くしたことをきっかけに、カナダへ留学することを決意する。過去に家庭教師をしてもらった久松に憧れており、彼からもらった英和辞典と手紙を大事に持っている。基本的には明るい性格だが、兄の死因を自分が作ったと思い込んでいる。また久松に依存しがちで、それ以外の相手には基本的に心を開かない。
久松 (ひさまつ)
カナダで教師を務めている日本人の男性。楓の兄の友人であり、楓の家庭教師を務めた経験がある。責任感や教師としての自覚が強く、間違った道に進もうとしている相手にはきちんと向き合うことができる人格者。厳しいところもあるが、努力する人間にはサポートを惜しまない。
シェリー
カナダ人の女性で、カナダにやって来た楓と知り合う。スレンダーボディで男性に人気があり、言いたいことは言わないと収まらないサバサバした性格。ブレンダの家に住みづらさを感じ始めた楓を自分の家に誘うなど、姉御肌な一面もある。楓と同様に久松に好意を寄せている。
ブレンダ
カナダ人の女性で、楓のホストマザー。気配り上手で、異国の地に戸惑う楓のためにさまざまな世話をした。すべての話を聞かなくても、ある程度の事情を察することができる鋭い勘の持ち主。マイクに好意を持っているが、彼が楓に手を出そうとしたため仲たがいしてしまう。
マイク
カナダ人の男性。ブレンダのボーイフレンドで、毎週週末になるとブレンダの家にやって来る。大柄でブロンドの長髪が特徴で、ブレンダ以外の女性とも遊んでいるプレイボーイ。楓が寝込んでいる時に襲おうとするが、その事実が明るみに出たことでブレンダと破局。しかし、髪を切ると同時に心を入れ替え、ブレンダとの復縁を目指す。