あらすじ
第1巻
中年サラリーマンの「ダンディ」こと壇鉄馬は、ベイエリアにデザインする物件の建築予定地視察を予定より早めに終え、会社に首尾を報告。社長の天王寺澪に直帰の許可をもらったダンディは、その足でふらりと運河に突き出した海上公園を訪れる。そして、シーバス狙いと見受けられる高校生カップルのとなりで、つねに持ち歩いている釣り具で釣りを開始し、さっそく小さなメバルを釣り上げる。その後、ポイントを移動しようと人気のないところを歩いていたダンディは、その途中で水面に大きな魚影を発見。魚を刺激しないよう、身を隠しながらのぞき込むと、その魚影は超大物の黒鯛のものだった。ダンディは、はやる気持ちを抑えながらすぐさま黒鯛用に仕掛けを変えていくが、唯一エサだけは、手持ちのものでは黒鯛には簡単に見抜かれてしまうため、対応ができない。困り果てたダンディは、先日、小料理屋「夕まづめ」の女将から聞いた、「生き物ですらないあるモノ」をエサにするという話を思い出す。(第1話「運河公園のデカい魚(ヤツ)」。ほか、8エピソード収録)
登場人物・キャラクター
ダンディ
天王寺建設設計事務所で課長を務める中年男性。イケメンというわけではないが、髪をソフトバックにして口ひげとあごひげをきれいに整え、眼鏡を掛けた、誠実なジェントルマン。本名は「壇鉄馬」だが、周囲には「ダンディ」と呼ばれている。仕事においてはフットワークの軽いやり手として、社長の天王寺澪からの信頼は非常に厚い。一方で、周囲からも呆れられるほどの釣り好きで、外回りや出張仕事の際には、必ず釣り具一式を携えている。その仕事ぶりから、天王寺にも商談成立後は直帰することが許されており、その時間を利用して外回り先で釣りを楽しむことをライフワークとしている。周囲にそれを強いることはないが、自分に対しては釣り人としてのマナーを厳しく課し、汚れている釣り場のゴミ拾いなども積極的にこなしているが、ダンディ本人は当然のことと考えており、それほど重くとらえてはいない。子供や女性が悲しむ姿に弱い。
天王寺 澪 (てんのうじ みお)
天王寺建設設計事務所の社長を務める若い女性。明るい色のセミロングヘアで、眼鏡を掛けている。抜群のスタイルを持つ美人で、言葉づかいも非常に丁寧。「できる社員にはご褒美を出す」がモットーで、優秀な仕事ぶりを見せるダンディに対しては、その釣り癖にも目こぼしをしている。建築士としての腕はもちろん、その清濁併せ呑む器の大きなリーダー資質においても、ダンディに尊敬されている。
女将
小料理屋「夕まづめ」の女将を務める若い女性。黒髪のボブヘアで垂れ目のかわいらしい顔立ちをしており、店ではいつも和装でいる。先代の女将から店を継いで7年、ダンディをはじめとする常連客に支えられ、店を守ってきた。職業柄、魚のことに詳しく、釣りも得意でダンディも知らないような情報をもたらすこともある。実はコスプレが趣味で、イベント会場に迷い込んだダンディと思いがけず鉢合わせたこともあるが、そのコスプレの完成度の高さ故に彼には女将であると気づかれることはなかった。ふだんは服装のためにわかりにくいが、実は非常にスタイルがいい。
書誌情報
ちょい釣りダンディ 4巻 秋田書店〈ヤングチャンピオン・コミックス〉
第3巻
(2022-06-20発行、 978-4253145886)
第4巻
(2024-07-19発行、 978-4253145916)