波打際のむろみさん

ある日、近所の堤防で釣りをしていたところ、竿に掛かったのは人魚だった。釣り好き少年・向島拓朗と、むろみと名乗る人魚の面白おかしい交流を描いた、名島啓二の代表作品。

正式名称
波打際のむろみさん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
釣り
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
全11巻
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

聖ピスタチオ学園に通う高校生・向島拓朗は、学内で唯一のフィッシング部員。その日もひとり釣り竿を担ぎ、近場の堤防で糸を垂れていた。ところが拓朗が釣り上げたのは大魚ならぬ人魚。むろみという名のその人魚は、拓朗を気に入り、その後もしょっちゅう堤防に遊びに来るようになる。さらに、むろみの友達の人魚たちをはじめ、様々な存在が訪れるようになって、静かな堤防は一転、賑やかスポットに。

拓朗むろみを中心とした奇妙な日常が幕を開ける。

登場人物・キャラクター

むろみ

見た目は十代後半だが、推定年齢8桁以上の人魚である。ただし、精神年齢は18歳くらい。地元が福岡県の小倉近辺らしく、流暢な博多弁でまくしたてるように話すのが特徴。向島拓朗の釣り竿に掛かったことをきっかけに、彼と知り合いになった。普段は気ままに世界中を渡り歩いているが、凄まじい速度(本気を出せば1日で地球一周できるらしい)で泳げることから、拓朗お気に入りの釣り場である堤防にしょっちゅう出現している。 人魚のなかではとりわけ地上や人間に関心が高く、沿岸部はおろかヒマラヤ山脈にも分け入るほどの行動力を発揮。さらには月にも行ったことがあるらしい。人目につくことにもまるで無頓着で、フツーにコンビニで買い物していたりするが、豪放磊落な人好きのする性格であるため、交流を持った人間または人外には大抵好感を抱かれる。 ただし恋愛関係は引きずるタイプ。漁師の網にもしょっちゅうかかったりするが、むろみが網にかかると大漁になることから、気味悪がられるどころか、むしろ網にかかることを懇願されるほど。ちなみに、髪飾りにしている二枚貝は、右側が携帯電話、左側が四次元ポケット的な小物入れになっている。

向島 拓朗 (むこうじま たくろう)

聖ピスタチオ学園に通う高校生で、学園でただ一人フィッシング部に所属している。釣りが趣味で天候が悪い日以外はほぼ毎日、近場の堤防で釣りを楽しんでいるが、腕前はそれほど高くない。その堤防で、むろみを釣り上げてしまったことから、拓朗の物静かに釣りを楽しむ日々は一変。 堤防はむろみが友達と会うための待ち合わせ場所に指定され、人魚やイエティなど人外のものどもが頻繁に訪れる騒がしい場所になってしまった。拓朗自身はあまり物怖じしない性格で、はじめてむろみを釣り上げたときも驚いたのは最初だけで、その後は冷静に会話したりツッコミを入れるほど。思考や言動も年の割に大人びており、むろみの身体を張ったギャグにも冷めた態度で応対することが多い。 また、自分に対してむろみが寄せている好意については、基本的に煩わしそうな態度を取るものの、まんざらでもないといったところ。しばらくの間は友情以上のものは感じていなかったが、次第にむろみの天真爛漫さに惹かれていく。

リヴァイア

『波打際のむろみさん』に登場する人外の存在。見た目は人魚のカタチをしているが、それはかりそめの姿で、実際には太古から存在する超巨大な海竜・リヴァイアサンである。その力は作中の時代において地球最強であり、本気を出せば地球の破壊も可能。かつては神々に仕えていて、前の世界の終末戦争に参加した経験も。その終戦後に神々とともに滅びる予定だったが、幼少時代のむろみに説得され、生き延びて新しい世界を見守る道を選んだ。 破壊の権化と言われるほどの恐るべき力を秘めた存在だが、作中でのリヴァイアは基本的に「陽気でイベント好きな大酒飲みの姉ちゃん」。ただし、その力はいささかも損なわれておらず、怒らせるとヤバい。ちなみに、本人曰く福岡県の小倉出身で、むろみと同じく博多弁で喋るのが特徴。 むろみの紹介では「地元の先輩」となっているが、出自から考えるととてもあやしい。

隅田 (すみだ)

『波打際のむろみさん』に登場する人魚。むろみと親しい人魚のひとりで、よく旅行に出かけたり、ガールズトークに華を咲かせたりしている。ポニーテールに巻貝(アッキガイ)の髪飾りを付けているのが特徴。ちなみにこの貝は携帯電話兼小物入れ兼モーニングスター(鈍器)になっている。地元は東京都の隅田川らしい。 恋に恋するいわゆる恋愛脳であり、常日頃から相手を積極的に探し続けるという不治の病に侵されている。見た目はとても可愛らしく、体型も上等、性格的にも大きな問題はないのだが、恋愛対象が壮年の人間男性に限られているせいか、彼女の恋が成就したことはない。失恋すると、むろみを巻き込んでヤケ酒→二日酔いとなるのがお約束。

富士 (ふじ)

『波打際のむろみさん』に登場する人魚。隅田の友達でむろみとは友達の友達、といった関係だが、人魚の中でも随一の美しさを誇っていたむろみの尾びれに、密かに憧れていた過去を持つ。だが、むろみが陸上に頻繁に上がるようになってからは、擦り切れて見るも無残な姿になってしまったため、かつての尾びれを復活させよう(水中だけでしばらく暮らせば元に戻る)と画策。 だが、当のむろみには有難迷惑にしか感じられていない。加えて、富士が見事な乳房の持ち主であることが、微乳を気にしているむろみの癪に障っており、会うたびに乳房をはたかれる。当初は高圧的な態度で何かと絡んでくるキャラクターだったが、乳房をはたかれ続けるうちに、アブノーマルな何かに目覚めていった。

ひい

『波打際のむろみさん』に登場する人魚。むろみと同じ地元で育った妹分的な存在で、むろみと同じく博多弁を喋る。極度の博愛主義者で、とくにイルカをはじめとする水棲哺乳類に対して強い思い入れを持つ。菜食主義者でもあるのだが、その理由も「イルカさんたちが食べる魚が減ってしまう」という徹底ぶり。かつて水棲哺乳類の恋人に振られたため水棲哺乳類に対して激しい敵愾心を抱くむろみとは、その一点でまったく反りが合わない。 そのため、度々水棲哺乳類嫌いを克服させようと試みるが、ことごとく失敗に終わっている。

淡路 (あわじ)

『波打際のむろみさん』に登場する人魚。懸賞金が掛かった魚類や水棲哺乳類を捕獲する狩人で、割れた腹筋が特徴。舎弟の明石、鳴門とともに瀬戸内三連星と称されている。生来の荒っぽい性格とハンターという稼業の性質から、海洋生物保護を掲げるミズーリら海域なき医師団とは反目しており、顔を合わせると常に揉めることに。 そして、双方に顔が利くむろみが仲裁するというのが定番のパターン。ちなみに、舎弟2人に対する扱いは傍らから見るとかなり厳しいが、実際には淡路なりに彼女たちのことを大切に思っている。

ミズーリ

『波打際のむろみさん』に登場する人魚。海洋生物の保護団体「海域なき医師団」に所属し、海洋生物の怪我・病気の治療に尽力。さらに淡路らハンターによる海洋生物捕獲の妨害活動などにも血道を上げている。大昔に大型爬虫類が絶滅するのを防げなかったことが、彼女の生命観に大きな影響を与えた。その思いが強すぎるせいか、命を救うことを第一に考えすぎて暴走することがある。

イエティ

『波打際のむろみさん』に登場する人外の存在。ヒマラヤ山脈の奥深くに住まう、いわゆる雪男。小さな子供のような可愛らしい外見と動物的な耳、手足をもち、世間一般の伝承とはだいぶ姿が異なる。同じ種族で構成される村を出て長らく独り暮らしをしていたが、氷漬けになっていたむろみを拾ったことから交流が始まり、後に向島拓朗やハーピー、ハーピーの鳥仲間などとも親しくなった。 日本を訪れた際に見かけた日本刀を、見よう見まねで製作(切れ味は本物以上)するなど、手先が器用で創作意欲が旺盛。また大変な酒豪でもあり、リヴァイアと互角以上に渡り合える唯一の存在でもある。

ハーピー

『波打際のむろみさん』に登場する人外の存在。ギリシャ神話に登場する半人半鳥の怪物・ハルピュイアの一族で、罠に掛かっていたところをイエティに救われたことから、共に暮らすようになる。鳥頭なため、三歩進む(距離ではなく歩数が重要)と物事を忘れてしまう。鳥類の本能で、魚類とあらば見境なく捕食対象とし、むろみもその餌食となっていたが、向島拓朗の餌付けやイエティの教育の甲斐があって、どうにか我慢することを覚えた。 ワイズマンによってネットスラングを仕込まれており、会話の端々に用いている。

乙姫 (おとひめ)

『波打際のむろみさん』に登場する元人間。大昔に知り合った人魚によって、不老の身体と水中で生活できる能力を与えられたことから、生活拠点を海に変えて竜宮城を建設。歓楽の殿堂として一時代を築いた。しかし、生来の高飛車な性格による悪評と、時代の移り変わりにより次第に経営が悪化してしまう。その後、関東大震災による城の倒壊を受けて破綻した。 当初は人魚たちに再興資金の融資を頼んだが、無碍に断られたことから、人魚を憎悪するようになる。やむなく自力で資金を獲得すべく地上に戻り、おつきという偽名で職を転々。ある釣具店で働いていたときに向島拓朗に正体を看破され、以後知り合いとなる。

川端 (かわばた)

『波打際のむろみさん』に登場する河童。強面にマッチョな肉体という威圧感を抱かせる風貌と、口数の少ない無愛想な性格をしている。このため気難しいイメージを与えやすいが、実はとてもいいヤツ。仁義に篤く、かつて世話になったむろみや宝満には生涯をかけて恩返ししようと考えている。外見とは裏腹に学者肌な一面を持ち、とくに薬学に明るく、花粉症を完治させる薬を作った。

宝満 (ほうまん)

『波打際のむろみさん』に登場するツチノコ。九州某所の山奥に住んでおり、山の環境を整えている。むろみや川端の長年の友人。毎年彼女らに毒キノコ狩りを手伝ってもらっている。川端にとって大恩のある相手らしいが、過去に何があったのかは語られていない。

ワイズマン

『波打際のむろみさん』に登場する宇宙人。太古の昔に、宇宙船の燃料切れで故郷に帰れなくなったため、地球で暮らすようになった。人類を遥かに凌ぐ超科学テクノロジーを有しており、寿命を延ばすために肉体を機械化。さらに知能のバックアップを大量に作成しているため、多少破壊されても死なない。また、人魚たちが有する携帯電話や小物入れは彼の手によるものである。

書誌情報

波打際のむろみさん 全11巻 講談社〈講談社コミックス〉 完結

第1巻

(2010年2月発行、 978-4063842586)

第2巻

(2010年6月発行、 978-4063843187)

第3巻

(2011年1月発行、 978-4063844337)

第4巻

(2011年7月発行、 978-4063845242)

第5巻

(2011年12月発行、 978-4063846058)

第6巻

(2012年4月発行、 978-4063846584)

第7巻

(2012年10月発行、 978-4063847413)

第8巻

(2013年3月発行、 978-4063848298)

第9巻

(2013年8月発行、 978-4063949155)

第10巻

(2014年2月発行、 978-4063950120)

第11巻

(2014年7月発行、 978-4063951271)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo