概要・あらすじ
釣り好きの漫画家である矢口は、釣り仲間である西沢とともにバス釣りに訪れたY湖で、見惚れるようなセンスとテクニックでバスを釣る少年に出会う。少年の名は坂本永久。Qちゃんと呼ばれるその少年と、陶芸家であるというQちゃんの祖父に興味を持った矢口と西沢は、湖岸にある工房を訪れる。
登場人物・キャラクター
坂本 永久 (さかもと えいきゅう)
湖畔で祖父や姉らと暮らしている天才釣り少年。外見は10代前半で、瞳の大きな元気な男の子。白い帽子、首元に赤字に白の水玉のバンダナを巻き、ジーンズにビーチサンダルといういでたち。バス釣りの師匠であるビル・ダンスに教えを乞いながら、独自のタックルでバス釣りに励んでいる。一人称は「おら」。なお、コミックス巻末に収録された作者のあとがきによると、本編には登場しないが、勉強はできるが釣りはあまりしない兄がいるほか、両親は都会に住んでいて、父の職業は医者となっている。
矢口 (やぐち)
釣りが好きな男性漫画家。釣り漫画の第一人者で、坂本永久(Qちゃん)も彼の大ファン。JGFA(NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会)の名誉会長でもある。西沢と共に釣りに訪れたY湖でQちゃんと出会う。作者である矢口高雄がモデル。
西沢 (にしざわ)
矢口の釣り仲間。「LOVE FISH」と書かれた帽子を被った中年の男性。矢口とバス釣りに訪れたY湖で坂本永久(Qちゃん)と出会う。矢口高雄のアユ釣り仲間である西沢雄介がモデル。なお、この西沢雄介氏のニックネームが「Qちゃん」で、Qちゃんのネーミングの元ネタとなっている。
ビル・ダンス (びるだんす)
坂本永久(Qちゃん)のバス釣りの師匠を務めるアメリカ人の男性。かつてアメリカのクラシックトーナメントで3年連続チャンピオンに輝いたバスプロ。Qちゃんの釣りの才能に惚れこみ、バス釣りの指導をしている。また、Qちゃんの祖父である久右衛門に弟子入りして、陶芸家を目指している。日本語はペラペラ。立派な陶芸家になることと、Qちゃんをいつかアメリカのバスプロチャンピオンにすることが夢。
久右衛門
坂本永久(Qちゃん)の祖父。Y湖の近くで久右衛門窯という工房を営む人間国宝の陶芸家。6代目の久右衛門。Qちゃんの「永久」という名の名付け親。渓流専門だが、三度のメシより釣りが好きで、Qちゃんと同じく矢口が描く釣り漫画の大ファン。
坂本 雪子 (さかもと ゆきこ)
坂本永久(Qちゃん)の姉。久右衛門窯で人間国宝の陶芸家である祖父といっしょに皿などを作っている。年の離れた弟のQちゃんの釣り好きにも理解のある優しい姉。しっかり者で、矢口に送った手紙では達筆ぶりを披露。
黒田 元 (くろだ げん)
Y湖を訪れた青年。日本のトップ3に数えられるバスプロで、坂本永久(Qちゃん)もグラビアでその存在を知っているほど有名。Qちゃんのバス釣りの才能を見抜き、自作のルアーをプレゼントした。
その他キーワード
タックル
竿やリール、仕掛けなど、釣りで使う道具一式のことをいう。坂本永久(Qちゃん)の使うタックルは、リールがただの糸車という原始的なもの。この糸車に指を突っ込んで回して糸を巻き取るため、これで大物を釣り上げるのは至難の業。作者のあとがきによると、シンプルで原始的なタックルで大物釣りに挑戦するからこそ読者がワクワクできる、さらに最新のタックルを使うアングラーと対等に闘うことが痛快、と語っている。 また、西沢のモデルとなった人物は、このQちゃんの使うタックルの実物を試作している。