概要・あらすじ
2011年、南アフリカのケープタウンに、天まで伸びる正体不明の巨木が生えた。「豆の木(ビーンストーク)」と呼ばれるそれは破裂し、樹液を浴びた人々は即死、何十万人もの犠牲者が出た。さらに「豆の木」は増え続け、震災のあとの日本にも出現。わずか1年で世界中のいたるところに生え広がった。2015年、東京・深川。女子高生・杉浦渚とその一家はかつて、「豆の木」が生えるところを目の当たりにし、「世界の終わり」を意識してしまう。
登場人物・キャラクター
杉浦 渚 (すぎうら なぎさ)
高校二年生の女子。2012年のある日、家族と共に「豆の木」が生える瞬間を目撃してしまう。それ以降、「いつ死ぬかわからないから、何かしなければ」という思いに駆られている。中学まで続けていた陸上も辞め、自分を変えるために恋愛などさまざまなことに手を出しているが、空回りに終わっており、周囲からも馬鹿にされ気味。
杉浦 大地 (すぎうら だいち)
杉浦渚の弟。大人しい性格の少年。家族の中では祖母の杉浦久枝寄りの立場。
杉浦 祥子 (すぎうら しょうこ)
杉浦渚の母。明るい性格で、鼻にかかったような喋り方が特徴。巨乳。
杉浦 宙哉 (すぎうら ちゅうや)
杉浦渚の父。書店の店長。博識で、幼いころから渚を導いてきた。考え事に没頭すると我を忘れてしまうクセがある。
杉浦 久枝 (すぎうら ひさえ)
杉浦渚の祖母で、杉浦宙哉の実母。家族と同居中。偏屈で、渚や杉浦祥子との折り合いは悪い。
その他キーワード
豆の木 (びーんすとーく)
『なぎさにて』に登場する用語。天まで伸びる巨木。樹液(サップ)は、浴びると即死してしまうほどの毒性を持ち、地面に染み込んでさまざまな病を引き起こす。また、周囲には電波障害を引き起こし、携帯などが不通となる。2011年、南アフリカ共和国・ケープタウンに出現、破裂して50万人もの死者を出した。その後、人類の広がりをなぞるように増え、世界中に生え広がった。 日本には2012年の震災のあとに生え、若者たちの間では、「ニョロニョロ」とも呼ばれている。出現してからは「世界の終わり」を意識し自暴自棄になる者や、「何かしなければ」と焦り自分を見失う者が増加している。