『ぬらりひょんの孫』の特別編
本作は『ぬらりひょんの孫』の特別正史読み切りから成る全4話の短編集で、本編で主人公を務めたリクオとその仲間たちを巡る秘話が、バトルアクションを交えて展開される。本編は妖怪同士の勢力争いを描いた妖怪任侠活劇として人気を博し、テレビアニメ化やドラマCD化をはじめとするメディア化が多数展開されている。
大妖怪・ぬらりひょんの血を継ぐ少年
本作は現代日本を舞台にしているが、人間と妖怪が共存する世界で、多くの妖怪たちが闇社会を生きる極道のような集団に所属している。リクオは、「奴良組」の総大将として敬われる大妖怪、ぬらりひょんの孫として生まれるが、人間としての生活を望んでいた。だが、妖怪同士の勢力争いに巻き起まれ、妖怪たちを束ねる三代目総大将に成長していく。本作の第1話では、まだ小学生のリクオが遭遇した妖怪の油取りが起こす怪事件を通して、彼の小学生時代と共に奴良組の日常を掘り下げたエピソードが楽しめる。
本編で描かれなかったエピソード
本作は作者の椎橋寛のお気に入りのキャラクターたちの過去やその後の物語が展開され、エピソードごとにメインキャラクターや時系列が異なる。第2話は花開院家の闇、第3話はリクオの父親・鯉伴の過去、第4話はリクオが中学2年生に進級したあとの時系列で、本編では語られなかったキャラクターの活躍や、過去が見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
奴良 リクオ (ぬら りくお)
浮世絵中学校に通う男子。妖怪集団「奴良組」三代目総大将を務める少年。赤茶色のショートヘアで、眼鏡をかけている。一見、ふつうの中学生に見えるが、実は大妖怪、ぬらりひょんの孫で妖怪の血を4分の1受け継いでいる。その血の影響から傷の治りが早かったり、夜になると妖怪に覚醒することもあり、妖怪になると容姿や性格が一変する。かつては奴良組を継ぐことを拒否していたが、過去の事件をきっかけに後継者としての自覚を持つようになり、妖怪と人間の平穏な暮らしを守るために仲間と共に厳しい戦いを乗り越え、立派な総大将に成長した。誕生日は1995年9月23日。
奴良 鯉伴 (ぬら りはん)
妖怪集団「奴良組」二代目総大将を務める男性。リクオの父親。初代総大将のぬらりひょんと珱姫のあいだに生まれた半妖で、片目を閉じていることが多い。二代目総大将になった江戸時代から現代まで、関東妖怪勢力を傘下に治めるなど、奴良組全盛期に活躍した偉大な人物。母親の珱姫の治癒能力を引き継いでいるほか、幼少期から妖力を使いこなす。部下の首無からは「妖怪を照らす光のような人」と評されている。リクオの幼少期に殺害され、これが奴良組の弱体化にもつながっていく。誕生日は1604年4月9日。
ベース
ぬらりひょんの孫 (ぬらりひょんのまご)
椎橋寛の代表作。大妖怪ぬらりひょんの孫である奴良リクオが、妖怪たちの起こす騒動や勢力争いに巻き込まれながらも、祖父が築いた奴良組をまとめ成長していく姿を描く。任侠の世界をモデルとして、現代における妖怪... 関連ページ:ぬらりひょんの孫