のら犬の丘

のら犬の丘

不良が集まる天馬が丘学院で喧嘩の毎日を繰り返す団虎太が、剣持次郎や教官の桜庭陽一郎と関わり、ボクサーとしての道を歩んでいく熱血青春漫画。「まんが王」に1968年に掲載された作品。

正式名称
のら犬の丘
ふりがな
のらいぬのおか
原作者
真樹 日佐夫
漫画
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

中学生の団虎太はラーメン屋の屋台を盗んで警察に逮捕される。しかし保護者代わりである叔父の団作太郎は姿を見せず、「感化院に送ってほしい」という手紙だけが届く。その結果、虎太は「のら犬の丘」と呼ばれる天馬が丘学院に収容されることになる。そこで虎太は、室長の大田黒や寮長の熊田を喧嘩で打ち倒し、ついには大番長である剣持次郎にも勝利し、大番長の座に就く。

そんなある日、桜庭陽一郎が教官として感化院に就任する。桜庭に反感を抱く虎太だったが、どうしても彼には勝つことができず、小さな衝突を繰り返していた。虎太が新入りの梅宮明彦に手を出してしまったことをきっかけに、彼の運命は大きく動き出すことになる。

登場人物・キャラクター

団 虎太 (だん とらた)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている中学生の男子。喧嘩が強く義理堅い性格の持ち主。両親は既に亡くなっているため、叔父である団作太郎のもとに身を寄せていた。しかし、作太郎の言葉に騙されてラーメン屋の屋台を盗んだため、感化院送りとなる。同時期に感化院に送られた青井真吉や、拳を交えた剣持次郎とは強い信頼関係で結ばれている。 教官であり、自分たちのことを「半端もの」だと言い放つ、桜庭陽一郎には敵意を抱きながらも、桜庭の強さに憧れている。

青井 真吉 (あおい しんきち)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている中学生の男子。穏やかな顔立ちをした物静かな性格の持ち主。高校に行きたいがために同級生の授業料を盗んだため、感化院送りとなった。積極的に喧嘩をすることはなく、自分が喧嘩に巻き込まれると、団虎太が代わって喧嘩をすることが度々あり、そんな虎太を気遣っている。

桜庭 陽一郎 (さくらば よういちろう)

感化院「天馬が丘学院」で教官を務める青年。足に障害があるため、常に杖をついて歩いている。大学を出た後、プロのボクシング選手「ハリケーン桜庭」としてその名をとどろかせていたが、ボクシングの試合で人を殺してしまったため引退し、感化院の教官として赴任して来た。団虎太に何度も戦いを挑まれながら、その度に退けており、虎太からは目の敵にされながらも、信頼される存在となっていく。 一方の桜庭陽一郎自身も、そんな虎太を、ボクシングを通じて更正させようと考えるようになる。のちに感化院を離れることになってからは、ボクシングジム「ハリケーンジム」を設立し、虎太にボクシングを教える。

剣持 次郎 (けんもち じろう)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている男子。髪が長く、左頬に傷がある。団虎太がやって来る前の大番長で、熊田を子分として可愛がっていた。喧嘩が強く、特に剣や木刀を持たせれば絶大な強さを発揮する。しかし、カナヅチという弱点が災いして虎太に敗れ、潔く大番長の座を明け渡す。その後、虎太とは感化院を出てからも強い信頼関係を築く親友になる。

谷 六助 (たに ろくすけ)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている狐顔の男子。最初は室長である大田黒の側近を務めていたが、団虎太の方が強いとわかると、今度は虎太の側近となる。その後、ジョニー市木田が大番長の座に就いたが、その際は虎太の側を離れなかった。

大田黒 (おおたくろ)

感化院天馬が丘学院に収容されている男子。丸坊主で、人一倍大きな体をしている。団虎太が収容された部屋の室長であったが、虎太が籍を置いたその日の晩に、あっさりと敗北。それ以来威勢を張ることもなくなる。

熊田 (くまだ)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている男子。細面で背が高い。団虎太が在籍する寮の寮長で、大田黒を倒した虎太に目をつける。虎太に雑巾がけを命じたうえに、彼と一緒にいた青井真吉に暴力を振るって虎太を怒らせ、その晩に敗北を味わうことになる。

梅宮 明彦 (うめみや あきひこ)

新たに感化院「天馬が丘学院」に収容された男子。鼻が高く、眼鏡をかけている。金持ちのボンボンで、お金を渡していた不良グループが自動車泥棒をしたため、その共犯にされて感化院に送られて来た。金持ちを鼻にかけていたことが団虎太の反感を買い、入所したその日に痛い目に遭わされる。

中藤 (なかふじ)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている男子。ひょろりとした見た目で、基本的に自分から喧嘩を仕掛けるタイプではない。団虎太が感化院から脱走した後に退院した。その後、虎太や剣持次郎と再会し、桜庭陽一郎が感化院をクビになりそうな状態にあることを伝えた。

ジョニー市木田 (じょにーいちきだ)

感化院「天馬が丘学院」に収容されている男子高校生。色黒で大柄な体格をした、全国高校ボクシングの重量級チャンピオン。酒を飲んで大暴れし、3人に重傷を負わせて感化院に送られて来た。団虎太が脱走している後に大番長になった。一度は虎太に敗北したが、リベンジを申し出て勝利を収め、虎太をボクシングの道に進ませるきっかけを作った。

脇田 正三郎 (わきた しょうさぶろう)

感化院「天馬が丘学院」の院長を務める初老の男性。口ひげを生やしており、髪が薄く簾のようになっている。そのため、団虎太ら院生たちから「スダレ」というあだ名で呼ばれている。いつもにこやかで、温厚な人物。

野津 (のづ)

感化院「天馬が丘学院」の教官を務める壮年男性。感化院では古株の教官の1人で、顎のラインが細い。団虎太たちから「毒まん」と呼ばれており、彼らの日ごろの行動に手を焼いている。

羽黒 豪介 (はぐろ ごうすけ)

感化院「天馬が丘学院」の教官を務める壮年男性。大柄な体格、四角い輪郭で、目の下から頬にかけて深いしわがある。団虎太をはじめ感化院にいる院生の態度を徹底的に叩き直そうと、スパルタ教育を行なっている。怪力術の使い手で、団虎太をあっさりと負かす実力の持ち主。教育方針が合わないことから桜庭陽一郎とも衝突する。

桜庭 リツ子 (さくらば りつこ)

感化院「天馬が丘学院」で音楽を教える少女。桜庭陽一郎の妹で、住み込みで働いている。のちに桜庭が設立したボクシングジム「ハリケーンジム」で、彼や団虎太と一緒に暮らすことになる。寝食をともにしていくうちに、虎太は、自分の身の回りの世話をしてくれるリツ子に恋心を抱くようになる。

呉内 勇人 (くれない はやと)

渋谷少年紅団を仕切る青年。ガッシリとした体格で、いつもスーツを着ている。感化院を脱走して来た団虎太を気に入って、仕事の手伝いをさせていたが、ヤクザとの抗争の末に命を落とす。虎太に男の死に様や、この世の中をどう生きていくかを教えた人物。

集団・組織

渋谷少年紅団 (しぶやしょうねんくれないだん)

木刀一本でヤクザや愚連隊から渋谷を守る団体。呉内勇人が仕切っている。剣持次郎はもともとこの団体に所属していた。団体の活動でヤクザを半殺しにしてしまったため、感化院「天馬が丘学院」に送られることとなった。

場所

天馬が丘学院 (てんまがおかがくいん)

団虎太や剣持次郎などの非行少年が収容されている感化院。全国でも指折りの悪名をとどろかせており、周辺の人々はそこに収容される非行少年たちを「野良犬」と呼ぶため、「のら犬の丘」の別名で知られている。院生のための寮は4つあり、それぞれが6つの部屋に分かれている。

ハリケーンジム

桜庭陽一郎が感化院「天馬が丘学院」を去った後に設立したボクシングジム。感化院を出た団虎太は、ここでプロボクサーを目指し、活動を開始する。

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