概要・あらすじ
口ばかり達者な安達真琴(マコト)は、転校先で歴戦のヤンキーと自らを偽っていた。真の力を持つ男に憧れ「主役になりたい」と願っていたある日、彼は修学旅行先の神社で自分が描かれている謎の千円札を拾う。その不思議な力に導かれるように川の中に落ちると、なんとそこは幕末期の京都だった。偶然に新選組局長の近藤勇を助けたマコトは、隊士として新選組に参加する。
そしてマコトは、千円札の不思議な力と持ち前の達者なハッタリを駆使し、歴史を変えていくほどの男に成長していく。
登場人物・キャラクター
安達 真琴 (あだち まこと)
前の学校ではいじめられっ子だったが、転校したことをきっかけに自分のことを修羅場をくぐり抜けてきた男だと偽り、華々しくデビューを飾った少年。嘘で固めた自分に嫌気が差していたところ、修学旅行先で見つけた謎の千円札に導かれて幕末期の京都へタイムスリップし、新選組の見習い隊士となる。当初は周囲からその存在を疎まれていたが、数々の功績をあげて、やがて歴史にはない新選組十一番隊の組長へと上り詰めていく。
高階 蓮 (たかしな れん)
安達真琴(マコト)と同じクラスに転校してきた帰国子女。幕末期の侍が大好きな歴女で、京都では歴史にまつわる場所の写真を多数撮っていた。マコトと一緒にタイムスリップしてしまい、浪士たちに襲われたところを救われて新選組のもとで暮らすことになる。豊富な歴史の知識を活かして、歴史を変えようとするマコトを陰ながらサポートしていく。
近藤 勇 (こんどう いさみ)
新選組局長を務める偉丈夫。一振りで相対する敵の片腕を切り落とす優れた剣術を扱えるだけでなく、安達真琴が何か特別な存在であることを本能的に見抜く感性の鋭さも併せ持つ。懐の深い性格で、問題児揃いの新選組隊士たちからも慕われている。実在した人物、近藤勇がモデル。
土方 歳三 (ひじかた としぞう)
新選組副長で、その冷徹な性格から「鬼」と評されている。近藤勇とは幼少期から兄弟のように育ってきた仲で、悪態をつきながらもその絶対的な信頼関係はゆるがない。安達真琴が新選組に仇なす存在ではないかと疑い、彼の行動に常に目を光らせている。実在した人物、土方歳三がモデル。
山南 敬助 (やまなみ けいすけ)
新選組の総長。男装した女性で、隊士内の紅一点。包容力のある性格で、幕末期において異質な存在である安達真琴や高階蓮もすんなりと受け入れた。武士として生きることを決意しており普段は凛としているが、蓮のブラジャーを密かにつけるなど女性らしい一面も持つ。実在した人物、山南敬助がモデル。
沖田 総司 (おきた そうじ)
新選組の副長助勤兼一番隊組長。剣術の師範も務めているが、手加減ができない性格でたびたび稽古相手を気絶させてしまう。天才的な剣術とは裏腹に、恋愛方面は非常に奥手。当初は山南敬助に想いを寄せていたが、吉原で出会った半井唯に心惹かれるようになる。実在した人物、沖田総司がモデル。
斎藤 一 (さいとう はじめ)
「魔剣の剣士」や「夜叉」など、数々の通り名を持つ新選組三番隊組長。新選組における闇の任務である、暗殺役を一手に引き受けている。相対する者は容赦なく切り捨てる非情な性格で、剣を抜かない安達真琴を土方歳三の命令でつけ狙う。実在した人物、斎藤一がモデル。
永倉 新八 (ながくら しんぱち)
新選組二番隊組長。新選組隊士の中でも大柄で、剣の腕前は新選組でも1、2を争うほど。性格はいわゆる兄貴肌で、周囲からも頼りにされている。酔っ払うとお銚子を股間にはさむという、謎の行動を始める。実在した人物、永倉新八がモデル。
井上 源三郎 (いのうえ げんざぶろう)
新選組六番隊組長。新選組の中でも特に古株で、若い隊士たちにとっては父親代わりのような存在。どんな時でも常に冷静沈着で、激昂する土方歳三を優しくたしなめている。実在した人物、井上源三郎がモデル。
藤堂 平助 (とうどう へいすけ)
新選組八番隊組長。強者揃いの新選組において、特別優れた剣の腕前を持つわけではないが、修羅場に真っ先に切り込む命知らずな性格。気合だけは誰にも負けないと豪語している。その柄の悪い風貌は、現代日本のヤンキーや極道者に匹敵する。実在した人物、藤堂平助がモデル。
原田 左之助 (はらだ さのすけ)
口が軽くお調子者の新選組十番隊組長。過去に一度切腹を試みた経験があり、その際に負った腹部の傷を自慢にしている変わり者。剣だけでなく槍が得意で、間合いを問わずに戦うことができる。実在した人物、原田左之助がモデル。
大石 鍬次郎 (おおいし くわじろう)
新選組調役を務める隊士で、出世のためならプライドを捨て、新人の安達真琴にもごまをする。人を斬ることに悦びを感じる危ない性格で、「人斬り鍬次郎」という異名を持っているほか、近藤勇からは「快楽殺人者」と馬鹿にされている。実在した人物、大石鍬次郎がモデル。
御倉 伊勢武 (みくら いせたけ)
新選組の隊士だが、実は敵対関係にある長州藩が送り込んだスパイの一人。だが、過去の歴史を知っている高階蓮だけでなく、土方歳三をはじめとする新選組の幹部たちにもその素性は気づかれていた。実在した人物、御倉伊勢武がモデル。
岡田 以蔵 (おかだ いぞう)
土佐出身の浪士で、我流の暗殺剣を操る。崇拝していた「武市半平太」が投獄されてからは、一人で新選組狩りを続け、「人斬り以蔵」として恐れられていた。武市からも見限られて毒を盛られてしまい、死の淵をさまようことになるが、千円札の力で現代の日本に送られ、最新の医療技術によって一命を取り留める。再び幕末期にやってきた時には、命を救ってくれた安達真琴のために隊士「イクラ」として戦うことを決意する。 現代で何かあったのか、なぜか二次元アニメの美少女好きになっていた。実在した人物、岡田以蔵がモデル。
青葉 (あおば)
徳川家茂から、命を救ってくれたお礼として安達真琴(マコト)のもとに送られてきた少女。徳川家御庭番を務めるくノ一で、屈強な新選組幹部たちを手玉に取ってしまうほどの手練。主としてマコトの言うことを何でも聞くが、実は将軍後見役の一橋慶喜からマコトを始末するために送り込まれていた。しかし道具ではなく一人の人間としてマコトに忠誠を誓い、新選組隊士としての道を歩み始める。 世間知らずで冗談の通じない性格だが、少しずつ歳相応の少女らしい表情を見せるようになっていく。
坂本 龍馬 (さかもと りょうま)
「坂本龍馬」を騙っているが歴史上で実在した人物ではなく、安達真琴と同じく現代日本からタイムスリップしてきた男。日本に対して異常なまでの恨みを持っており、幕末期に大きな戦争を起こして日本そのものを消そうと暗躍している。なお本物の坂本龍馬は、現代日本で世界を股にかけて活躍中である。
半井 唯 (なからい ゆい)
安達真琴と沖田総司が吉原で出会った町医者の娘。自分を襲おうとした相手でも、助かる命ならば救おうとする性格。その強い信念で沖田の心を一瞬で奪った。労咳という重い病気にかかっており、余命はあと5年ほどと診断されている。
高杉 晋作 (たかすぎ しんさく)
長州藩に属する武士で、倒幕派の中心人物。どんな不利な状況でも一切怯むことのない胆力と、ガラスが降り注ぐ中でも一切傷を負わない圧倒的強運の持ち主。日本を変えることに情熱を燃やすあまり、異国と戦争を起こすことも厭わない。実在した人物、高杉晋作がモデル。
久坂 玄瑞 (くさか げんずい)
高杉晋作と同じく、長州藩倒幕派における中心人物。高杉を一撃で気絶させるほどの実力と、状況を冷静に判断する能力を併せ持ち、師匠の吉田松陰からは最も高い評価を受けていた。元医者で、人をじっくりと観察する癖がある。実在した人物、久坂玄瑞がモデル。
桂 小五郎 (かつら こごろう)
長州藩倒幕派の黒幕で、新選組にとっては宿敵とも呼べる存在。倒幕こそが最大の目的で、たとえ侍であろうと死ぬことを良しとしない。生き延びるためならばどんな汚い行動もためらわず、その驚異的な逃亡能力から「逃げの小五郎」という異名を持つ。実在した人物、桂小五郎がモデル。
伊藤 俊輔 (いとう しゅんすけ)
桂小五郎に付き従う長州藩士の少年。剣の腕が優れているわけではなく性格も気弱だが、その勤勉さを桂から高く評価され、英国への留学生に任命される。安達真琴と同じく千円札を拾ってから、大きく運命が変わり始める。実は、のちの初代内閣総理大臣「伊藤博文」。実在した人物、伊藤博文がモデル。
徳川 家茂 (とくがわ いえもち)
徳川家十四代目将軍。普段は弱気だが、大切な存在を守るためには臆することのない気概ある一面を見せる。大人しそうな外見とは裏腹に、股間には安達真琴(マコト)が驚愕するほど立派なものがぶら下がっている。一度の食事でまんじゅう数十個を平らげる超甘党。実在した人物、徳川家茂がモデル。
集団・組織
新選組 (しんせんぐみ)
近藤勇を中心とする浪士たちによって結成された、「壬生の人斬り狼」と恐れられる幕末最強の戦闘集団。常に死を覚悟する証として、切腹時と同じ浅葱色の羽織を纏いながら戦いに挑む。当初は十番隊までだったが、のちに安達真琴率いる十一番隊が編成される。
その他キーワード
千円札 (せんえんさつ)
安達真琴や偽の坂本龍馬が拾った謎のお札。手にした人間の未来の姿がお札に描かれており、歴史を変えるためにタイムスリップさせる力がある。また透かしの部分に光を当てると、未来の様子を暗示させるビジョンが浮かび上がる。