ふしぎの国のバード

ふしぎの国のバード

明治初期の日本を舞台とする。英国から来日した女性冒険家・イザベラ・バードが、東京から蝦夷ヶ島まで旅する姿を描いた旅行記漫画。KADOKAWA「ハルタ」Volume2(2013年3月)から連載。

正式名称
ふしぎの国のバード
ふりがな
ふしぎのくにのばーど
作者
ジャンル
時代劇
レーベル
ハルタコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊10巻
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概要・あらすじ

1878年、明治初期の日本を舞台に、イギリス人の女性冒険家・イザベラ・バードが東京から蝦夷ヶ島までを旅する姿を描く。様々なトラブルや人々の好奇の目に悩み、日本特有の文化や食事に戸惑いながらも、関わった人々の好意や興味深い日本文化を心から楽しむ姿を描いている。

登場人物・キャラクター

イザベラ・バード (いざべらばーど)

実在の人物。イギリス国籍の女性冒険家で、冒険記を複数出版しており、その人気は日本に滞在するイギリス人でも良く知られているほど。この来日では、西海岸ルートで東北方面を移動し、蝦夷ヶ島(北海道)でアイヌと交流をしたいと願っている。好奇心旺盛で明るく、タフな性格。 初めての日本でトラブルや好奇の目にめげることもあるが、日本文化や人々の好意を心から楽しんでいる。実在した冒険家、イザベラ・ルーシー・バードがモデル。

伊藤 鶴吉 (いとう つるきち)

実在の人物。イザベラ・バードの通訳ガイドをする日本人男性。英語がうまく、なぜそんなに英語がうまいのかというバードの質問に、子供の頃から西洋人の従者(ボーイ)をしていたからだと答えた。過去、チャールズ・マリーズの通訳として蝦夷へ渡ったことがある。 そのほか、以前、大阪で鉄道員をやっていたことがある、米国公使館で働いていたことがあるなど、経験豊富で旅に必要な知識も深い。淡々と喋る冷静な性格の持ち主で、あまり表情も変わらない。実在した人物、伊藤鶴吉がモデル。

ヘンリエッタ

イザベラ・バードの妹。バードがイギリスから日本へ出発する際、手紙を欲しいと願い、バードは毎日手紙を書くと約束する。実在した人物、ヘンリエッタがモデル。

ジェームス・ヘボン (じぇーむすへぼん)

実在の人物。イギリスから来日した医療宣教師。ヘボン式ローマ字の創始者。日本に滞在する西洋人としては最長老で、人望も厚い。イザベラ・バードから通訳を探すよう依頼され、面接の場などを設ける。歴史上の実在の人物、ジェームス・ヘボンがモデル。

サー・ハリー・パークス (さーはりーぱーくす)

駐日イギリス全権公使兼総領事をつとめる男性。彼の妻、ファニー・パークスの評価は「一度決めたことは必ずやり遂げる男」で、その評価通り、イザベラ・バードの希望通りのルートで旅行免除(パスポート)の交渉を成功させた。日本古来の文化が消えていくことに心を痛めており、バードが日本国内の文化を記録することを期待している。 歴史上の実在の人物、サー・ハリー・パークスがモデル。

ファニー・パークス (ふぁにーぱーくす)

落ち着いた雰囲気の聡明な女性。サー・ハリー・パークスの妻。ゴシップ好きの日本居留民が苦手。イザベラ・バードに携帯用の折りたたみ式のベッドをプレゼントする。歴史上の実在の人物、ファニー・パークスがモデル。

弥平 (やへい)

人力車夫の男性。東京から粕壁までイザベラ・バードを運ぶ。背中に刺青をしている。明るく優しい性格で、言葉が通じないながらも、バードを良く気にかけてくれ、慣れない日本での旅にへこたれそうになるバードの心の支えとなる。

お春 (おはる)

イザベラ・バードが日光で宿泊した民宿の娘。数えで13才(満12才)の少女だが、家業の手伝いを良くする。明るく、少女らしい性格の持ち主で、バードの願いに応じて町を案内した。バード滞在中に初潮を迎え、そのお祝いである髪上祝に彼女を招いた。

イザベラ・バードを訪問した居留民 (いざべらばーどをほうもんしたきょりゅうみん)

日本に滞在する西洋人。イザベラ・バードを一目見ようと、イギリス領事館に押しかけた。ゴシップ好きなため、総領事の妻・ファニー・パークスからは苦手に思われている。バードの旅行記に書かれたいという下心から、旅行に携帯してもらえればと様々な不用品を置いていく。

日光、鉢石で出会った西洋人夫婦 (にっこうはついしでであったせいようじんふうふ)

眼鏡をかけた妻と頑固そうな夫の西洋人夫婦。妻がイザベラ・バードのファンで、食事に誘った。夫は差別的な発言を厭わず、日本文化を低く見ている。

包み煎餅 (つつみせんぺい)

炒り糠と黒砂糖を混ぜ、煎餅状に焼いたものを三角にたたみ、その中に小さな玩具を隠したもの。イザベラ・フォーチュンは日光でお春という少女に町を案内してもらったさい、駄菓子屋に立ち寄り、これを口にした。

イベント・出来事

髪上祝 (かみあげいわい)

『ふしぎの国のバード』に登場する慶事。少女に初潮が来たことを祝い、祝膳を設ける。少女はこの日以降、髪を結い上げ、大人として扱われるようになる。イザベラ・バードは、日光でお春という少女の髪上祝に出席する機会を得た。

その他キーワード

旅行免除 (ぱすぽーと)

『ふしぎの国のバード』に登場する書類。特定のエリア以外立ち入りを禁止されている外国人が日本国内を旅行するために必須なもの。旅行のルートや旅行期間が記されている。これを日本国政府に申請し、了解を得て旅行可能となる。所持していないと逮捕される。イザベラ・バードの旅行免除は発行が困難と思われたが、サー・ハリー・パークスの手腕により無事許可が下りた。

蝉退 (せんたい)

『ふしぎの国のバード』に登場する薬。蝉の抜け殻を炙って粉状にしたもの。めまいに効く。イザベラ・バードが宿泊した民宿の娘、お春が服用していた。

書誌情報

ふしぎの国のバード 10巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉

第1巻

(2015-05-15発行、 978-4047305137)

第2巻

(2016-05-14発行、 978-4047341333)

第3巻

(2016-12-15発行、 978-4047343764)

第4巻

(2017-11-15発行、 978-4047348349)

第5巻

(2018-10-15発行、 978-4047353497)

第6巻

(2019-07-13発行、 978-4047357396)

第7巻

(2020-08-12発行、 978-4047361195)

第8巻

(2021-04-15発行、 978-4047366206)

第9巻

(2022-02-14発行、 978-4047367685)

第10巻

(2023-02-15発行、 978-4047371873)

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