ふつつかすぎる嫁ですが

ふつつかすぎる嫁ですが

バリバリのキャリアウーマンである赤坂瞳は、年下の夫と結婚し、夫の実家に同居する事になった。古風な考えを持つ姑と瞳とのあいだで繰り広げられる日常のバトルを、一話完結方式で描いたヒューマンコメディ。

正式名称
ふつつかすぎる嫁ですが
ふりがな
ふつつかすぎるよめですが
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

第1巻

ヴェルデ化粧品に勤めるバリバリのキャリアウーマン、赤坂瞳は、恋人である5歳年下の平泉司と結婚する事になった。だが瞳は、仕事のせいで司の両親への挨拶に遅刻してしまい、最悪な第一印象を与えてしまう。しかも司の母親、平泉静絵は昔風の考えの持ち主で、結婚するなら専業主婦になり、早く子供を生むべきだと思っていた。そして、瞳を平泉家の立派な嫁に仕立て上げようと決意した静絵は、司と瞳夫婦に同居を迫る。当初は拒否するつもりだったものの、静絵が自分達夫婦の事を心から思っている事を知った瞳は、同居を受け入れる。こうして、正反対の性格を持つ嫁姑によるドタバタな同居生活がスタートする事になった。(第1話)

ある日、瞳はヴェルデ化粧品の発行するPR誌の一般モデルに、司の家のお向かいに住む御手洗曜子が応募していた事を知る。だが、モデルに選ばれた曜子は、自分に厳しい姑、御手洗の事を気にして辞退しようとする。一計を案じた瞳は、近所の奥様達を平泉家のホームパーティーに招き、そこにモデルとして変身した曜子を登場させるが、御手洗はそんな曜子を見ても冷たい言葉で罵倒するのだった。そんな中、曜子は意気消沈するものの、御手洗家でボヤ騒ぎが発生する。(第2話)

司の昔の知り合い、内藤理沙は、結婚したもののバツイチになって出戻っており、司の紹介で泉ハイツに引っ越して来る事になった。理沙は以前から司に対して思いを寄せており、またキャリアウーマンである自分の母親とは対照的な、家庭的な静絵に対して尊敬の念を抱いていた。理沙の気持ちを知った静絵は、司を取られないよう注意しなさいと、瞳にプレッシャーをかけ始める。(第3話)

瞳がいつまでも仕事を辞めず、家庭に入らない事を不満に思っている静絵は、ある日、家事の最中にぎっくり腰になってしまう。歩く事もできない静絵のために、瞳は仕事を休んで看病と家事をする事を決意するものの、会社の事が気になって仕方がない。一方の静絵は、これを機に瞳に家庭に入ってほしいと考え、痛みが治まってからも仮病を続ける。(第4話)

瞳は仕事の関係で、かつての恋人である緒方と再会していた。それを知った静絵は動揺するが、司は特に気にも留めず、余裕で軽く受け流す。それからしばらく経ち、仕事のあとの飲み会で酔いが回った緒方をはじめ瞳の仕事仲間達が、平泉家におしかけて来る事になる。緒方がまだ瞳に気持ちを残していると勘違いした静絵は、彼に対して瞳をあきらめるように説教を始めてしまう。(第5話)

第2巻

平泉家では平泉静絵の提案で、赤坂瞳の実家、赤坂畳店に古い畳の新調を依頼する事となった。こうして瞳と平泉司、静絵の三人は瞳の父の家を訪れるが、そこで話の流れから、瞳の父が自身の結婚記念日を覚えていない事が発覚。この事を言及されて腹を立てた瞳の父は、八つ当たり気味に瞳の母に対して暴言を吐く。静絵はこれを黙って見ていられず、瞳の母を平泉家に連れて帰るのだった。瞳の母も意固地になっており、夫が頭を下げて迎えに来るまでは帰らないと、平泉家に留まる事となった。家出が本格化してしまった事で、瞳ら周囲の人間はおろおろするばかり。そんな中、畳替えの仕事のため、瞳の父が平泉家にやって来る。(第6話)

赴任先のロンドンから、平泉基とその妻の平泉百合香、そして二人のあいだに生まれた赤ん坊の平泉勇樹が日本へ戻って来る事になった。初孫に会える喜びに静絵は狂喜乱舞する。しかし百合香は、慣れない外国暮らしと慣れない育児のせいで、ノイローゼに陥っていた。百合香に休養を取らせようと、瞳と静絵は必死にサポートするが、連日の夜泣きにまいってしまう。そんな中、百合香が何事も一人で抱えてしまいがちな事を知った瞳は、基にも父親としてもっと育児に参加してもらってはどうかと提案。一方の基も育児に協力したいと考えながらも、百合香に遠慮していたという事が発覚する。(第7話)

瞳の昔からの友達である蘭子は4回目の結婚をしたが、蘭子の夫である春彦が自分の両親との同居を希望した事で、ケンカになってしまう。瞳はそんな蘭子から相談を受けるが、静絵が聞き耳を立てていた事もあり、蘭子の気持ちに寄り添う事ができなかった。後日、話はさらにこじれ、蘭子は春彦と別居してホテル住まいを始めてしまう。今度こそ蘭子の味方になろうと決意した瞳は、蘭子と共にホテルに立てこもる。ところが迎えに来た春彦に同居をやめるように説得しているところを静絵に聞かれ、今度は瞳が修羅場を迎える事となる。(第8話)

会社でその仕事ぶりを認められた瞳は、大きなプロジェクトを任される事になった。静絵はそんな事情を苦々しく思っていたが、そんな中、蘭子が勝手に紛れ込ませた静絵の写真が、一般女性の読者モデルのオーディションを通過してしまう。当然のごとく静絵は断ろうとするが、静絵の魅力が必要なのだと頭を下げる瞳と、司や司の父の勧めに負けて、挑戦してみる事となった。無事に審査も通過し、静絵はポスター撮影のためにヴェルデ化粧品へ赴くが、そこでふと自分の功績で瞳が出世してしまうのではないかと考える。そのせいで瞳が仕事を辞められなくなっては元も子もないと、途中で帰ろうとする静絵だったが、その無責任さを瞳に一喝される。(第9話)

仕事で多忙な日が続き、司とのすれ違いの生活を申し訳なく感じた瞳は、有休を取って久しぶりに旅行を計画する。しかしそれを聞いた静絵は、四人での家族旅行だと勘違いしてしまう。旅行当日、すっかり行く気満々の静絵に本当の事を告げる気になれなかった瞳は、司、静絵、司の父の四人で、平泉家の持ち物である蓼科の別荘へと向かう。静絵と司の父の楽しそうな顔を見て、瞳は四人で来てよかったと考えていたが、そんな中、実は二人きりの旅行を計画していた事が静絵に発覚。拗ねた静絵は一人で東京に帰ろうとし、あとを追って来た瞳と共に道に迷ってしまう。(第10話)

第3巻

赤坂瞳の勤務するヴェルデ化粧品の広報課に、椎名ユキ高瀬友明という二人の新入社員がやって来た。椎名は瞳にあこがれており、瞳のような女性になりたいと強く思っていた。一方の高瀬は空気を読まず、思った事をすぐに口にするタイプ。瞳がキャリアウーマンとしてバリバリに仕事をしていられるのも、平泉司が瞳にとって都合のいい男だからだと平泉静絵から指摘され、罪悪感を抱えていた瞳は、椎名と高瀬が同じような内容を噂しているところに出くわしてしまう。しかしそこに居合わせた司は、瞳の力になれる事がうれしいと発言し、瞳を感動させるのだった。(第11話)

静絵は親友の栗田冴子から、息子の嫁との付き合い方を相談されていた。冴子はバリバリ働く嫁から孫の世話を頼まれ、遠慮して断れないでいたのである。そんな冴子のために一肌脱ぐと約束した静絵は、瞳も巻き込もうと画策。瞳はよその家庭問題に首を突っ込む事を敬遠していたものの、折しも当の本人である栗田麻子が瞳の勤務先に生命保険の勧誘にやって来たため、瞳は彼女を食事に誘って話を聞き出すのだった。これにより栗田家では、嫁と姑が互いに遠慮し合っている状態にある事が発覚する。(第12話)

瞳は、親友の蘭子が妊娠したという知らせを耳にした。だが蘭子は姑である春彦の母から、孫のために仕事を辞めろと迫られる事を恐れ、妊娠したのは自分ではなく瞳だと噓をついたのだという。巡り巡ってその噂は司と静絵の耳にも届き、二人は瞳が妊娠したと勘違いして大喜び。司の誤解はすぐに解いたものの、彼をがっかりさせてしまった事に罪悪感を抱いた瞳は、本気で子作りを考え始める。だが、仕事との両立、果ては静絵からのプレッシャーを予想するうちに、躊躇してしまう。一方、おめでただと勘違いしたままの静絵は、瞳の意思を尊重し、仕事を続ける事を認めると発言する。(第13話)

司の父がこっそり隠し持っていた、かつての部下とその子供の写真を見て、静絵は司の父が自分に隠し事をしているのではないかと疑いを持つ。直接問いただそうとした静絵だったが、帰宅したきり顔色が悪く元気がない様子の司の父を見て、話を切り出す事ができない。次の日になって無理やり写真の事を問いただすと、司の父は珍しく感情を害し、静絵の妄想はどんどん悪い方向へ広がってしまう。そんな憂さを晴らすため、静絵は瞳をお供にして銀座へと繰り出すのだった。(第14話)

妊娠3か月でつわりを抱えながら仕事をしている蘭子は、姑だけでなく世間からの、身重なら早く仕事を辞めるべきだ、というプレッシャーに押し潰されそうになっていた。弱気になっている蘭子に対し、瞳はこれからも頑張って仕事を続けるべきだと助言をするが、古い考えの静絵は、瞳こそ仕事を辞めて本気で子作りすべきだ、とプレッシャーをかける。それを聞いた瞳の父が瞳をかばった事で静絵とのケンカに発展し、事態は修羅場の様相を呈し始める。そんな中、静絵は、たとえ仕事を辞めなくても、孫ができなくても、瞳は大切な嫁なのだと宣言して瞳の父を絶句させる。(第15話)

第4巻

今度こそ本当に赤坂瞳が妊娠したという知らせを受け、平泉静絵は狂喜乱舞せんばかりに大喜び。もちろん仕事を辞めるつもりがない瞳は、これまで通り出勤を続けていた。数か月後に産休に入る事を考えると、やるべき事は山積みで、後輩指導にも熱が入る。自然と仕事の帰りも遅くなり、静絵はそんな瞳の事が心配でたまらない。瞳を無理やり休ませたり、瞳の母性をかきたてて仕事から遠ざけようとする静絵だったが、一方の瞳は初めての妊娠で不安な事も多く、マタニティブルーも手伝って、ついイライラしてしまう。そんな中、蘭子がつわりで倒れたという報せが入る。(第16話)

もうすぐ臨月という時期になっても、瞳は仕事に精を出していた。また、出産後も仕事を続けるためには、保育園に入れる事は必要不可欠。そんな事情から、平泉家での同居を解消しようと考えていた瞳と平泉司は、平泉基平泉百合香夫妻がもうすぐロンドンから戻って来るという知らせを受け、平泉家から出て行く事を決意する。一方の静絵は、瞳が仕事を辞めて家庭に入るには、自分の手助けがない方がいいのではないかと考え、最初こそ同居解消を反対していたものの、大人しく引き下がるのだった。だが、瞳が保育園を探しているという話を聞きつけ、静絵は怒りを爆発させる。(第17話)

瞳は平泉あすかを出産し、一児の母になった。そこへロンドンから基と百合香が戻って来る。しかし基達は平泉家に同居しないと宣言し、瞳らにこれまで通りの同居を勧める。寝耳に水の瞳は、平泉家での同居を基と譲り合い始める。みんなが同居を望んでいない事を知った静絵は、傷ついたあまり、基にも瞳にも別居を許さないと宣言する。そんな中、新居の近くで保育園を確保した瞳は、基ともう一度腹を割って話し合い、基が百合香の実家に入ろうと考えていた事を知る。長男である基が養子になる事は承諾できないが、百合香の実家での同居を認めた静絵は、その代わりに瞳と司との同居を続け、瞳が生まれてくる孫を保育園に入れて働き続ける事を承諾する。(第18話)

生後2か月のあすかを保育園に預け、瞳は職場復帰を果たした。その事を快く思っていない静絵のもとに、蘭子の姑である春彦の母が訪ねて来る。彼女もまた蘭子がまだ生後間もない赤ちゃんを保育園に預け、働いている事を快く思っていなかった。そんな春彦の母に対して静絵は、嫁に仕事を辞めてほしいからこそ、孫の世話を焼き過ぎるべきではないと持論を展開させる。そして静絵は、復帰初日から残業で保育園に迎えにいけない瞳と司に対し、心を鬼にしてあすかの引き取りを拒否するのだった。だが、保育園に連絡した静絵は、あすかが何者かに連れ去られたと知らされ、パニックになってしまう。(第19話)

あすかの育児に協力的で、時には仕事すら犠牲にする司に対し、静絵や唐沢はなんともいえない焦りを感じていた。しかし当の司は、妻と子供が一番大切という信条から、アメリカへの1年間の留学を断ってしまう。それを知った唐沢は、司と飲んだ帰りに平泉家におしかけ、その事をぶちまける。驚いた静絵と瞳は、司のためにアメリカ行きを勧めるが、司はかたくなに拒否。とうとう瞳と司は、売り言葉に買い言葉でケンカに発展してしまう。(第20話)

第5巻

大学の先輩である青山から、雑誌の取材のためにキャリアウーマンを紹介してほしいと頼まれた椎名ユキは、赤坂瞳を推薦する。しかし世間から瞳がキャリアウーマンとして認められる事に危機感を抱いた平泉静絵は、取材のために家に訪れた青山と椎名の前で事実とは異なる話をし、なおかつ瞳が仕事を辞めるつもりだという噓までついてしまう。瞳が仕事を辞めるという噂は、椎名からヴェルデ化粧品に広まり、大きな混乱を巻き起こすが、それを知った瞳は、これからもますます仕事に精を出す事を宣言して、情けない同僚達を叱り飛ばすのだった。(第21話)

平泉あすかの育児と仕事の両立で忙しくも充実している瞳に対し、静絵は二人目の赤ちゃんの催促を始める。正直に自分の気持ちを話すよりも、次の子作りの意思があると噓をついた方が平和だ、と蘭子にそそのかされた瞳は、静絵を都合よく勘違いさせたまま口をつぐむ。以降、静絵は子供の事には口を挟まないと決めたものの、近所の人達に都合よく解釈した妄想を吹聴していた。静絵が2台目のベビーベッドを購入しようとする姿を見てとうとう黙っていられなくなった瞳は、誤解を解いて正直な気持ちを打ち明ける。(第22話)

静絵に対して苦手意識を抱いている瞳の父は、瞳があすかを出産した日に感動の涙を流したところを静絵に見られて以来、ますます気まずい思いを抱いていた。しかしそんな気持ちには気づかず、瞳の父と仲よくなりたいと考えた静絵は、何度も瞳の実家に顔を出し、関係はこじれる一方。そんな中、あすかが高いところから落ちてケガをしてしまう。あすかのケガは大した事はなかったが、孫を心配する気持ちで意気投合した静絵と瞳の父の距離は少しだけ縮まったのだった。(第23話)

働き過ぎのため、平泉司は有給休暇を1週間取る事になった。そして、普段忙しい瞳に代わり、あすかの世話を一手に引き受ける。育児のプレッシャーから解放された瞳は、絶好調で仕事に精を出す。しかし本当は、司は瞳といっしょに休みを過ごしたいと考えていたのだった。その事実を知った静絵は、これが原因で二人のあいだにすれ違いが生じるのではないかと考え始め、心配で夜も眠れなくなってしまう。そして、夫の心を汲み取る努力をすべきだ、と瞳に迫るのだった。(第24話)

相変わらずバリバリ仕事を頑張る瞳に対して、静絵は一刻も早く仕事を辞めて専業主婦になってほしいと望んでいた。一方で司の父は、瞳の有能さをひそかに自慢に思っていた。そして、司の父が、人材コンサルティングの会社を経営する友人の田中に、酒の席で瞳の自慢をした事がきっかけとなり、彼女はヘッドハンティングされる事になる。それを聞きつけた静絵は激怒するが、司の父はキャリアウーマンとしての瞳を応援していると宣言。傷ついた静絵は家を飛び出し、慌ててあとを追った瞳は、静絵の希望を叶えたい気持ちはあるものの、これからも仕事と育児を両立していきたいと本心を語る。そんな瞳の思いを受け、静絵はとうとう彼女の仕事を認める。(第25話)

登場人物・キャラクター

赤坂 瞳 (あかさか ひとみ)

化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の広報課で主任を務める女性。平泉司の婚約者で、年齢は32歳。結婚後は「平泉」姓を名乗り、平泉家に同居する事になる。考えるよりも先に身体が動くタイプのバリバリのキャリアウーマンで、気が強く、なにごとも持ち前の度胸で乗り切っていく。義理の母である平泉静絵に対して気を使っている部分もあるが、仕事を続けたいという意志は明確であり、そこだけは譲れない。

平泉 司 (ひらいずみ つかさ)

大手建設会社で設計士をしている男性。赤坂瞳の婚約者で、年齢は27歳。お坊ちゃん育ちで、のほほんとしているように見えるが、なにがあっても動揺しないという意外とタフなところがあり、その事が瞳の父から気に入られている。次男で末っ子のせいか、穏やかで人懐っこい性格をしている。瞳に心底惚れており、瞳の望む事はなんでもしてやりたいと考えている。 母親の平泉静絵に対しては冷静で、静絵が暴走してもうまく受け流している。

平泉 静絵 (ひらいずみ しずえ)

平泉司の母親。いつも和服を着ている上品な女性。きつい性格で思い込みが激しく、自分の考えに固執しすぎるところがある。最初は赤坂瞳の事を司の伴侶としてあまり歓迎していなかったが、彼女との交流を続けるにつれ、次第に好感を持つようになっていく。瞳に対する口調は厳しいが、すべては彼女のためだという信念を持っている。空気を読むのが苦手で、いつもよけいな言動をしては、事態をよけいにこじれさせてしまう悪癖を持つが、平泉静絵本人はその事に気づいていない。

司の父 (つかさのちち)

平泉司の父親。穏やかな性格をしている。仕事を大事にする一方で、家の事は妻である平泉静絵に任せっきりで、彼女のやる事は基本的に傍観している。次男の嫁である赤坂瞳の仕事面での有能さをひそかに自慢に思っており、仕事と育児を両立するパワフルさを好ましく思っている。

平泉 あすか (ひらいずみ あすか)

赤坂瞳と平泉司とのあいだに生まれた女の赤ちゃん。あまり人見知りをせず、初めての保育園でもほとんど泣かずにしっかりお昼寝するなど、大物の片りんを見せる。寝返りの時期も比較的早かった。

瞳の父 (ひとみのちち)

赤坂瞳の父親。赤坂畳店を経営している。職人気質で口調もぶっきらぼうだが、根は優しく、平泉司の事を気に入っている。瞳がなかなか結婚しようとしないのを気にかけていたが、司と結婚する事になり安心している。口は悪いが、照れ屋なところがある。

瞳の母 (ひとみのはは)

赤坂瞳の母親。三人の子供に恵まれたが、長女である瞳がなかなか良縁に恵まれなかった事を心配していた。平泉司を気に入っているが、平泉静絵の性格のきつさを見抜いており、瞳の行く末を心配している。ノリがよく、勢いで行動してしまうところもあるが、基本的には頼れる下町の肝っ玉母さん的存在。

平泉 基 (ひらいずみ もとき)

平泉司の兄で、平泉家の長男。妻と子供がおり、現在は仕事でロンドンに在住している。眼鏡をかけた地味な外見をしている。自分達長男夫婦が不在のあいだに、両親と同居している司と赤坂瞳に対して感謝している。

平泉 百合香 (ひらいずみ ゆりか)

平泉基の妻で、平泉家の嫁。まだ若いが、結婚を機に仕事を辞めて専業主婦になり、夫の仕事の都合でいっしょにロンドンに住んでいる。その後、妊娠して出産した。慣れない外国で初めての出産と育児に神経が参ってしまい、感情をコントロールできなくなっている。

平泉 勇樹 (ひらいずみ ゆうき)

平泉基と平泉百合香のあいだに生まれた男の子。平泉家にとっては待望の初孫。よく泣く赤ちゃんだが、赤坂瞳に抱っこされると途端に寝てしまう。

赤坂 高志 (あかさか たかし)

赤坂瞳の弟。瞳の父が経営する赤坂畳店を手伝っており、ゆくゆくはあとを継ぐ予定。赤坂家にとっては長男なのだが、姉の瞳の迫力に押されて、おとなしい性質に育った。既婚者で、妻と共に両親と同居しており、男の子が二人いる。

笑子 (えみこ)

赤坂瞳の妹。結婚して実家の近所に住んでいる。子供が二人いる。

蘭子 (らんこ)

赤坂瞳子の親友。メーキャップアーティストをしている女性。3回の離婚経験があり、今は4回目の結婚生活をしている。二度目の結婚の時に、きつい性格のお姑さんを相手に無理に頑張り過ぎて、円形脱毛症になってしまったという経験を持つ。自由奔放に振る舞う事が多いが、本当はまじめで思い詰めてしまう性格。

春彦 (はるひこ)

蘭子の四人目の夫。大学の助教授を務めている。年老いた母親を気遣い、蘭子に対して自分の親と同居して欲しいと頼み、それがもとでケンカになってしまう。赤坂瞳の事を人間的に高く評価している。

春彦の母 (はるひこのはは)

春彦の母親で、蘭子にとっては義理の母親。蘭子が仕事を続ける事に反対しており、専業主婦になって家庭に入ってほしいと願っている。同じ考えを持っていると噂で聞いた平泉静絵のもとに突然来訪し、いかにして嫁を教育するかについての意見を求める。

椎名 ユキ (しいな ゆき)

化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の広報課に、新たに配属された新人女性社員。研修の時に会った赤坂瞳にあこがれ、瞳のようになりたいと思っている。大学時代に付き合っていた男性から、結婚したら専業主婦になって家庭に入ってほしいと言われ、別れたという過去を持つ。

高瀬 友明 (たかせ ともあき)

化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の広報課に、新たに配属された新人男性社員。遅刻しても悪びれず、思った事を素直に口に出す性格で、好奇心も旺盛。社会人としての自覚はまだないが、仕事に対する熱意は持っている。

課長 (かちょう)

化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の広報課で、課長を務める男性。赤坂瞳にとっては直属の上司にあたる。気が小さく、責任を取らされそうになると部下に転嫁するようなところはあるが、根は悪人ではない。婿養子という立場のせいか、家では立場が弱い。

常務 (じょうむ)

化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の常務取締役を務める男性。赤坂瞳の上司。瞳の実力を高く買っている。

緒方 (おがた)

出版社に勤務する男性。赤坂瞳とは大学時代の知り合いで、仕事の関係で再会した。女ったらしで、実は大学時代に瞳と付き合っていたが、別の女性と二股をかけた事で瞳にすっぱりふられた過去がある。

栗田 麻子 (くりた あさこ)

生命会社の営業として働いている女性。栗田冴子の息子の嫁であり、嫁姑の仲。夫とのあいだに子供が一人おり、同居している姑の冴子に世話を頼んでは仕事に集中している。美人で仕事においてはやり手だが、料理や掃除など家事があまり得意ではなく、その事にコンプレックスを抱いている。

栗田 冴子 (くりた さえこ)

平泉静絵の女学生時代の友達。栗田麻子にとっては義理の母。一見すると穏やかそうだが、にっこり微笑みながらズバリと言いたい事を言うなど、静絵とは似た者同士。息子の嫁である麻子に対して不満を抱いてはいるものの、嫌われたくないという気持ちからきつく当たる事は控えている。陶芸が趣味で、陶芸教室に通っている。

青山 (あおやま)

椎名ユキの大学時代の先輩。雑誌の編集の仕事をしている女性。自身もバリバリのキャリアウーマンで、社会で働く女性についての記事を書いている。

唐沢 (からさわ)

平泉司と同じ会社に勤務する男性。司とは同期の仲。仕事に情熱をかけており、家庭人でありながら仕事もできる司に対してコンプレックスを抱いている。独身で、付き合っている彼女もいない。

田中 (たなか)

司の父の大学時代の友人。大阪で人材コンサルティングの会社を経営している。関西弁を話す男性で、司の父から赤坂瞳の噂を聞き、彼女の有能さを知り、自身の会社に招きたいと願っている。

森本 一樹 (もりもと かずき)

人気アイドルの青年。年齢は22歳。若い女の子から大人の女性まで幅広いファンに愛されている。化粧品メーカー、ヴェルデ化粧品の新商品の香水「バーン」のイメージキャラクターに起用された。仕事に2時間遅刻して来ても悪びれる様子を見せない、図々しい性格。

御手洗 (みたらい)

平泉家の向かいに住んでいる中年の女性。自信家で見栄っ張り、さらにおしゃべりで噂好きな性格をしている。自分が一番でないと気が済まないため、何かにつけて家柄や財産で張り合おうとするところがあり、平泉静絵にとって一番かかわりたくない相手でもある。息子の嫁である御手洗曜子の事が気に入らず、いびっている。

御手洗 曜子 (みたらい ようこ)

御手洗家の嫁。おとなしい性格で、義理の母である御手洗に気に入られず、いびられているが、言い返す事ができない。夫とのあいだに男の子が一人いる。

内藤 理沙 (ないとう りさ)

平泉司が大学生時代、アルバイトで家庭教師をしていた少女。現在は22歳で、短大を卒業してすぐに結婚するが、2年で離婚。その後、アパート「泉ハイツ」に引っ越して来た。母親はバリバリのキャリアウーマンで、家庭的な平泉静絵に以前から憧れていた。

場所

ヴェルデ化粧品 (ゔぇるでけしょうひん)

赤坂瞳が勤務している化粧品メーカー。瞳は広報課に所属しており、主任として周囲からの信頼も厚い。瞳の直属の上司には課長、後輩には椎名ユキ、高瀬友明らがいる。

泉ハイツ (いずみはいつ)

税金対策のために、平泉家が裏庭に建てたオシャレなアパート。部屋はすべて埋まっており、内藤理沙は住人の一人。

赤坂畳店 (あかさかたたみてん)

瞳の父が経営し、瞳の母が切り盛りしている畳屋。赤坂瞳の実家でもある。瞳の弟であり、赤坂家の長男である赤坂高志があとを継ぐ事になっており、日々修行している。

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