あらすじ
第1巻
ある日、最下級の魔女であるルシカ・フェルトは、新しい魔法システムのテストのため、言ノ葉の書に呪文字を集めるという任務を言い渡され、地上に降り立った。同じ任務を課せられたスラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJと共に、マジ=モジルカ・ルルモの指揮のもと、三人は中学校に転入して言ノ葉の書に呪文字を集める事となる。スラガとモモヒメはそれぞれ独自に呪文字を集めようとするが、失敗してしまい、ルシカは任務を忘れて学生生活を満喫していた。しかしルシカは、田部優子と友情を育んだ事で、呪文字を一つ言ノ葉の書に定着する事に成功する。それを見たモモヒメは、ルシカの真似をしようとするが、失敗。しかしその中で、一行は負の感情から生まれた呪文字も言ノ葉の書に定着する事を知る。丁度、その頃に通り魔事件が起こった事もあり、呪文字を得るためモモヒメが人々を襲っていると考えたスラガは、犯人を捕まえる事を決意。捜査を進める事で犯行現場を見つけるが、犯人はモモヒメとはまったくの別人だった。スラガは通り魔に襲われ危機に陥るが、駆けつけたモモヒメの助けを借りて無事に犯人を捕まえる事に成功する。
第2巻
言ノ葉の書に呪文字を集めるには、心のこもった真実の言葉を集めるしかない。この事を突き止めた一行は、騒がしい学校生活の中で呪言葉を集めていく。しかし、順調なルシカ・フェルトとマ・リース・モモヒメ・PJとは対照的に、スラガ・キュアリはやる気が空回りし、未だに一つも呪言葉を集められずにいた。経過報告が迫る中、焦るスラガだったが、使い魔のクリアーヌの気遣いをきっかけに、少しだけ前向きになる。一方、ルシカは恋に興味津々で、マジ=モジルカ・ルルモがおしゃれして出かける姿を見て恋の気配を感じ、彼女を追跡する。そしてルシカは、ルルモの恋人である柴木耕太と出会う。耕太と触れ合っていくうちに、ルシカは初恋と失恋を同時に経験するのだった。ほろ苦い思いが覚めやらぬ中、ルシカはルルモに耕太との馴れ初めを聞きつつ、スラガやモモヒメと共に呪文字の実証実験をする事になる。3種類の魔法を同時に発動するスラガ、モモヒメ、ルシカだったが、それらの魔法はお互いに干渉し、事故を引き起こしてしまう。
第3巻
スラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJ、ルシカ・フェルトの三人は呪文字の魔法の暴走によって2年前の過去へとタイムスリップする。そのうえ、体は小人のように小さくなり、暴走のショックで言ノ葉の書も紛失してしまい、魔法を使う事もできなくなってしまう。その2年前の世界でチロに見つかり、柴木耕太の家の床下を拠点として一息ついた一行は、言ノ葉の書を探し出して元の時代に戻る事を決意する。しかしルシカは相も変わらずマイペースで、大変な状況にもかかわらず、チロといっしょに大騒ぎし、2年前のマジ=モジルカ・ルルモと耕太の関係を知って満足する。一方、モモヒメは地上に来てからずっと探していた行方不明の「おばあちゃん」の手がかりが、2年前なら見つかるのではないかと考えていた。ルシカがチロの変身許可証を使って大きな姿に変身したのを知ったモモヒメは、変身許可証を使い、祖母が消息を絶った廃工場へと行く。そこで森野伊鈴と出会ったモモヒメは、ついに祖母であるマ・リース・ラ・リリスと再会を果たすが、同時にリリスが余命幾ばくもない事を知る。
第4巻
マ・リース・モモヒメ・PJは祖母であるマ・リース・ラ・リリスの命を救うため、延命薬の調合を始める。祖母との温かな時間に心癒やされながらも、モモヒメは遂に調合薬を完成させる。モモヒメは薬を手に意気揚々とリリスのもとを訪れるが、そこで目にしたのはリリスが息を引き取る瞬間だった。希望を失って呆然とするモモヒメは、仲間達の温かな気遣い、そして同じ境遇の森野伊鈴と心通わせる時間によって立ち直る事に成功する。気を取り直した一行は、改めて行方不明になった言ノ葉の書を探し始める。しかしそこに偶然、地上に遊びに来ていたワルラ・ハルリリが現れ、彼女達の存在に気づくのだった。ルシカ・フェルト達に興味を持ったハルリリは探索魔法を使い、言ノ葉の書の在り処を突き止める。柴木耕太の同級生である井上澄子の家に言の葉ノ書がある事を突き止めた一行は、耕太とマジ=モジルカ・ルルモに変装してスラガ・キュアリの言ノ葉の書を取り戻す事に成功する。さらに井上に学校の図書室にもう1冊ある事を教えてもらった一行は、図書室に潜入し、モモヒメの言ノ葉の書を回収する事に成功するのだった。
第5巻
2冊の言ノ葉の書を回収したスラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJ、ルシカ・フェルトだったが、ルシカの言ノ葉の書だけ依然として行方不明のままだった。時同じくして町では、鉄骨や電柱がハート型に曲がるという怪奇現象が起きていた。異常を察知した柴木耕太やマジ=モジルカ・ルルモもルシカ達とは別口で犯人を追い、遂に事件を引き起こしていた少女の清河桃果を発見する。恨み、辛みを晴らすため魔法を使ったため、桃果は魔獣へと変貌しつつあった。桃果を助けるため、彼女から言ノ葉の書を取り上げようとする耕太とルルモだったが、強力な桃果の魔法の前に危機に陥ってしまう。しかしそこにスラガ、モモヒメ、ルシカが駆けつけた事で言ノ葉の書を取り上げる事に成功する。事件はこれで解決に見えたが、ルシカの言ノ葉の書にはJJの魂が宿っており、記憶を失ったJJは桃果を助けるためルシカ達と敵対する。さらに桃果の魔獣化も最終段階へと入り、魔獣の存在を感知した「魔界の眼」が現れる。魔界の眼が魔獣の存在に気づけば討伐命令が下ってしまうため、ルシカ達は予断を許さない状況の中、必死に頭を働かせる。
第6巻
清河桃果は母親と死別し、多忙な父親とは触れ合えず、学校ではいじめに遭うという孤独に苛まれていた。その中でたまたま拾った言ノ葉の書に宿っていたJJの魂と友情を育んだのだ。桃果を助けたいJJの思いを知ったルシカ・フェルトは魔界の眼を誤魔化し、魔獣化の原因となっている言ノ葉の書の呪文字を消費する事で桃果を助ける事を思いつく。JJと力を合わせる事で桃果を助ける事に成功した一行は、遂にすべての言ノ葉の書の回収を終えるのだった。騒ぎに駆けつけたワルラ・ハルリリが事件の後始末をし、JJも記憶を取り戻し、桃果と再会の約束を交わしつつ、彼女の記憶を消してルシカのもとへと戻る。そして一行は、2年後の現代へと戻ろうと決意する。ハルリリの助言を受け、ルシカ達は実証実験の時の再現をして、現代への時間移動を試みる。一方、2年後のチロは彼女達が再び戻って来るのを確信して待っていた。別れの言葉もなく急にいなくなった一行が、無事に未来へと時間移動した事をチロは知っていたのだ。そしてルシカ達が無事に現在に戻って来たのを見届けたチロは、お互いに再会を喜び合う。
第7巻
2年後の現代に無事に戻って来たスラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJ、ルシカ・フェルトは、人の多い場所で効率よく呪文字を集める、という名目でボーナスで水着を買い、夏を満喫していた。以前までは周囲に対して壁があったモモヒメも、2年前の世界での経験から他者に歩み寄るようになり、騒がしい夏の日常の中、一行は着々と絆を深めていく。しかし、JJも含めた四人でプールに遊びに行ったある日、彼女達のもとにミミが現れ、大騒ぎを巻き起こす。強力な泥人形を使ってプールを破壊し、人々を襲うミミを止めるため、ルシカ達は戦う。多彩な泥人形に苦戦する一行だったが、本気を出したスラガ、息ぴったりの連携を見せるルシカ、JJが対抗し、ミミを追い詰める事に成功するのだった。そして現れたワルラ・ハルリリの言葉によって、事態はすべてミミの勘違いによるもので、騒動は意味のないものだと知り、事態はあっさり解決に向かう。騒動の後始末をしたハルリリは、ルシカ達に魔王との謁見が決まったと告げるのだった。そして言ノ葉の書を用いた新しい魔法の経過報告を魔王にするため、ルシカ達は久しぶりの魔界へと足を踏み入れる。
登場人物・キャラクター
ルシカ・フェルト (るしかふぇると)
魔界の第十三級魔女。地上のかわいい物が大好きな赤毛の少女で、陽気で楽天的な性格をしている。言ノ葉の書に呪文字を定着するべく地上勤務が言い渡され、地上を訪れた。目的を忘れてすぐ脱線するため任務も失敗続きで、まじめな性格をしている使い魔のJJからはいつも苦言を呈されている。自分のやりたい事を優先する享楽的な部分が目立つが、実は天才肌でやる気になれば大概の事はそつなくこなす事ができる。 呪文字集めの一環で南野原中学校に「笛戸るしか」として転入した際も、スポーツでも勉強でも活躍し、一躍注目されたほど。ただし魔界に男がいなかった事から男子の存在には免疫がなく、近づかれると怖がってしまう弱点がある。ふだんはマイペースな言動が目立つが、通り魔事件の際には犯人がマ・リース・モモヒメ・PJではないとあっさり見抜いたり、清河桃果を魔獣から助ける方法を窮地で思いついたり、頭の回転も速い。 中学校で最初の友人となった田部優子の恋を応援して以降、恋に興味津々。マジ=モジルカ・ルルモの恋人である柴木耕太に興味本位で接触して以降、耕太に淡い思いを抱くが、ルルモと耕太の仲睦まじい姿を見てすぐに失恋する事となった。
JJ (じぇいじぇい)
ルシカ・フェルトの使い魔の黒猫。耳の部分がストライプ模様になっており、ピンクのリボンを付けている。まじめで堅実な性格をしており、いつも奔放なルシカに振り回され、小言をこぼしている。語尾に「シ」と付ける特徴的なしゃべり方をする。変身許可証で人間に変身した際には、ロングヘアの巨乳美少女の姿になる。実は頭がよく、手先も器用な秀才。 気遣いもできる優秀な使い魔で、周囲からは「ルシカにはもったいない」と評されるほど。そのためケーキ屋でアルバイトを始めた時は、あっという間に人気の看板娘になった。2年前の過去世界に置いては時間移動の際のショックで肉体と魂が分離し、肉体はこん睡状態に陥っていた。魂はルシカの言ノ葉の書に宿り、記憶喪失状態となっていた。 自らの名前も忘れており、清河桃果に拾われて以降は本の妖精「ベニー」として彼女と友情を育んだ。ルシカの助言で桃果を魔獣化から助けて以降、記憶を取り戻し、彼女と再会の約束を交わして別れた。
マジ=モジルカ・ルルモ
魔界管理局地上魔女管理係の特区管理官を務める黒髪の魔女。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』の主人公で、魔界でのクーデターで活躍した事で二級魔女へと昇格し、新魔法システムの監督役としてルシカ・フェルト達のサポートをしている。仲間内からは「るるも」の名で呼ばれる。柴木耕太はかつての契約者で、現在は恋仲となっている。 ふだんは無表情で通しているが、耕太の事を聞かれると照れて赤くなる。おっちょこちょいな性格は相変わらずで、未だに通い慣れた道ですら道に迷ったりしている。南野原中学校には学生として編入されたルシカ・フェルト達とは別に、化学教師として就任。魔法研究部を設立し、その顧問に就いた。2年前の世界では、契約者の耕太と生活しており、ルルモはタイムスリップしたルシカ達の存在に気づいていなかった。 清河桃果が言ノ葉の書で事件を引き起こした際には、その危険性をいち早く察知し、対処しようと考える。
チロ
マジ=モジルカ・ルルモの使い魔の黒猫。人間の姿に変身する事ができ、その際には褐色肌の少女の姿になる。本来は明るい性格で、関西弁交じりの言葉でしゃべっているが、なぜかルシカ・フェルト達とは一言も言葉を交わさず、無口な風に振る舞っている。実は2年前に過去に飛んで来たルシカ達と出会っており、断片的に未来の事を彼女達から聞いていた。 最初は半信半疑だったが、彼女達の言葉通りに出来事が起きた事で彼女達の言葉を信じるようになり、チロ自身のおしゃべりな性格を自覚して、過去を変えないよう彼女達に対しては無口に振る舞っていた。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。
スラガ・キュアリ (すらがきゅあり)
魔界の第十三級魔女。金髪の少女で、元は六級の優秀な魔女だったが、前作『まじもじるるも 魔界編』の騒動でミスを犯してしまい、十三階級に降格させられた。ルシカ・フェルトと共に言ノ葉の書に呪文字を集める任務に就き、南野原中学校に「宮里駿河」の名前で学生として通っている。活発で前向きな性格をしているが、大雑把なところがあり、経済観念も薄い。 そのためルシカと共にトラブルメーカーになる事もしばしばある。ルシカと違って任務に対してはまじめに取り組んでいるものの、その性格ゆえに空回りして失敗する事も多く、呪文字集めは三人の中で最も遅れていた。クリアーヌという仔猫を使い魔としているが、彼女の身を案じて魔界の留守を任せ、現在は離れ離れとなっている。 魔女としての能力は折り紙つきで、特に戦闘能力は魔界剣武大会で2度も優勝を飾るほどの剣の達人。愛剣である「魔剣スロバク」を振るう際は、あまりの剣筋の速さに「翼の生えた剣」という異名が付いたほどである。ただし肝心の戦闘の場に、剣を忘れて来たり、剣の持込が禁止されたり、剣がない場所で戦う事になったりと、なかなかその実力を発揮できずにいる。
クリアーヌ
スラガ・キュアリの使い魔の黒猫。スラガに危機を救ってもらったのをきっかけとして彼女に懐き、契約した。仔猫ながら手先が器用で、家事が壊滅的なスラガの部屋を掃除し、料理が得意なため毎日、彼女の食事を用意していた。仔猫であるため、彼女の身を案じたスラガは地上に行く際に、クリアーヌの反対を押し切って留守を頼んで去って行った。 寂しがり屋で、クリアーヌのいない日々が我慢できず、3日間だけという約束で地上に出て来た。その際にはスラガの言いつけを破って地上に来たため変身許可証を使い、ウェーブのかかった長髪の少女の姿となり、「さすらいの料理人」と正体を隠してスラガの世話をする。
マ・リース・モモヒメ・PJ (まりーすももひめぴーじぇー)
魔界の第十三級魔女。黒のロングヘアをした三白眼の少女。背中の部分に棒に挿した星をつねに背負うという独特のセンスを持つ。ルシカ・フェルトと共に言ノ葉の書に呪文字を集める任務に就き、南野原中学校に「毬沢桃姫」の名前で学生として通っている。暗い性格で、他者を寄せ付けない雰囲気を持つが、頭がよく、物事を効率的に進める合理主義者。 そのため効率的に呪文字を集める方法をすぐに考え出し、着々と成果を上げている。実は『まじもじるるも』に登場したマ・リース・ラ・リリスの孫娘。家族からも敬遠されがちだったが、唯一やさしくしてくれた祖母に懐いており、地上勤務になった機会を活かして行方不明になった祖母を探していた。呪文字の暴走で2年前にタイムスリップした際に、遂にリリスと再会。 余命幾ばくもない状態と知って、薬を作るが、間に合わず死別した。その後、意気消沈したが同じ境遇の森野伊鈴との交流で立ち直った。祖母の件以降は雰囲気がやわらかくなり、周囲とも関係を持とうと、少し前向きな性格へと変化している。優秀な魔女であるワルラ・ハルリリにあこがれている。
清河 桃果 (きよか ももか)
南楓小学校4年4組に通う少女。年齢は10歳。長い髪をポニーテールにしている。母親と死別し、父親は仕事で忙しく疎遠気味、さらに学校でもいじめに遭っていた事から孤独に苛まれていた。しかし学校帰りに偶然、言ノ葉の書を拾い、記憶を失ったJJと出会った事で友人となる。一時はJJのお陰で明るくなったが、再びいじめに遭い、仕返しに魔法を使った事で精神の均衡が崩れ、不安定になってしまう。 その後、魔法を使い続けた事で侵食が進み、魔獣化を引き起こしてしまったが、ルシカ・フェルトが魔法の源である言ノ葉の書の呪文字を使い切った事でかろうじて救われる。事件後は、記憶を取り戻したJJと別れと再会の約束を交わし、記憶を消される事となった。
井上 澄子 (いのうえ すみこ)
柴木耕太の幼なじみの女子大学生。眼鏡をかけた知的美人で、『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。大学生になったため風紀委員ではなくなったが、耕太と同じ大学に通っているため相変わらず耕太のセクハラを諌めている。2年前の世界では偶然、2冊の言ノ葉の書を拾っていた。耕太に変装したスラガ・キュアリ達に1冊を返還し、もう1冊は図書室に置いて来た事を教えた。
鯨井 棚子 (くじらい たなこ)
柴木耕太の後輩の女子高校生。才色兼備の美少女で、『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。現在は3年生に進級して「FHK(不思議発見クラブ)」を部活動へと昇格させ、部長に就任している。マジ=モジルカ・ルルモとは友人で、魔女の事情も知っているためルシカ・フェルトの正体も一目で見抜いた。 耕太の先輩に未だに片思い中だが、先輩は南米に行ってて会えない模様。
飯田 (いいだ)
元刑事の婦人警官。制服の上からでもわかるほどの巨乳が特徴の美女。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。相変わらず柴木耕太を見かけてはからかって遊んでいる。
森野 伊鈴 (もりの いすず)
柴木耕太の後輩の女子高校生。長い黒髪の少女で、人のオーラを見る事のできる不思議な能力を持つ。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場しており、マ・リース・モモヒメ・PJと2年前の世界で出会った。初対面にもかかわらずモモヒメとは不思議とシンパシーを感じ、彼女を家に招いた。実はモモヒメとは祖母を同じくする従姉妹同士で、祖母であるマ・リース・ラ・リリスの命が残り少ない事を理解しており、彼女の最期を気遣っていた。 リリスの死後、モモヒメと交流する事でお互いに立ち直った。
マ・リース・ラ・リリス (まりーすらりりす)
マ・リース・モモヒメ・PJと森野伊鈴の祖母。元魔女。髪を三つ編みにして眼鏡をかけた女性で、若々しい容姿をしているが、年齢はかなりの高齢となっている。魔女として地上で勤務中に恋に落ち、そのまま公式には死亡したと見せかけて消息を絶った。このため彼女の死は、大変な不名誉扱いを受けているが、モモヒメは唯一家族の中で自分にやさしくしてくれた存在として彼女を追っていた。 長らく地上で生活していたため地上の寿命に縛られており、余命幾ばくもない状態だった。最期はモモヒメとの再会を喜びながら幸せな日々を過ごし、伊鈴に看取られて死亡した。意気消沈したモモヒメの夢に現れ、命のあり方と別れの言葉を伝えた。『まじもじるるも』にも登場している。
柴木 耕太 (しばき こうた)
女好きの陽気な青年。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場し、当時はマジ=モジルカ・ルルモの契約者だった。契約の完了に伴って一度死亡したが、魔王を偶然助けた事で、お礼に復活させてもらった。現在は大学生となり、ルルモとは恋仲となっている。周囲の女子に対しては相変わらずセクハラを行っており、今でも付き合いのある女性から折檻を受けている。 魔界ではルシカ・フェルトをモデルにした魂晶入腹式人形を使っていたため、ルシカが魔女だとすぐに気づいた。その後、ルシカを危機から助けたため彼女に好意を抱かれた。2年前の世界では、契約者としてルルモと騒がしい日々を送っていた。
田部 優子 (たべ ゆうこ)
南野原中学校の2年2組に通う女子中学生。眼鏡をかけた黒いセミロングヘアの少女で、まじめな性格をしている。学級委員長を任されており、転校して来たルシカ・フェルトに学校案内をしたのをきっかけにして友情を育んだ。「モコ」という小型の室内犬を愛犬としてかわいがっている。本好きで図書館に通っているうちに図書館に勤める司書の青年に恋するようになる。 しかしおしゃれには詳しくないため、ルシカに事情を話し、おしゃれについて助言を受けた。彼女の行動はすべて真剣でまっすぐであるため、言ノ葉の書に呪文字を定着させるには思いの強さが大事だ、とルシカ達が気づく大きなきっかけとなった。
ワルラ・ハルリリ (わるらはるりり)
魔界の魔女。オレンジ色の長い髪をツインテールにした少女。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。マジ=モジルカ・ルルモとは友人で、彼女と共に魔界で起きたクーデターを活躍に導いた。その功績で一級魔女から最上級の「0級魔女(ぜろきゅうまじょ)」に昇格した。現在は魔王と共に新たな魔法システム「呪文字」を作り、その試験運用を行っている。 実は2年前の世界ではルルモに会いに来た際に、ルシカ・フェルト達と出会っている。彼女達から未来の事を聞き、面白半分に彼女達に協力したが、未来の知識がワルラ・ハルリリ自身を破滅させる力を持つものだとも自覚しており、彼女達が未来へと帰ったのを見送ったあと、自らの記憶を魔法で消した。
ミミ
ワルラ・ハルリリの使い魔の黒猫。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場しており、変身許可証でショートヘアの少女の姿となって地上に訪れた。まじめな性格で、優秀ながらやる気が空回りする事があり、ハルリリの命令を勘違いして、強力な泥人形で地上に攻め込むという大騒ぎを引き起こした。実はルシカ・フェルトとは魔界にいた頃に出会っており、柴木耕太の使った魂晶入腹式人形のモデルにアルバイトで雇った彼女を採用している。
魔王 (まおう)
魔界を統べる王にして、現在の魔法システムを作った人物。髪型をツインテールにした幼い少女の姿をしているが、実年齢は5011歳と非常に高齢。魔界でも謎多き人物で、ほとんどの人は姿さえ知らない。かつて無分別に地上から命を搾取して魔法を使うシステムを危険視し、現在の願いの代償として命を得るシステムを作り出したが、現在ではそれも限界が来ていると考えていた。 そのため、ワルラ・ハルリリと共に命に依らない新たな魔法システムとして呪文字システムを設計し、そのテストをマジ=モジルカ・ルルモ達に任せている。風船が好きで、つねに風船を持っている。『まじもじるるも』『まじもじるるも 魔界編』にも登場している。
集団・組織
魔法研究部 (まほうけんきゅうぶ)
南野原中学校でマジ=モジルカ・ルルモが作った部活動。ルルモが顧問として就任し、部員はルシカ・フェルト、スラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJの三人となっている。理科準備室を部室として使っており、言ノ葉の書に呪文字を集めるのを目的としている。
場所
魔界 (まかい)
魔女達が住まう異なる世界。契約によって得た地上の人間の魂を燃料として魔法を使う技術が発達しており、魔法の力によって大いなる繁栄を得ている。魔法の技術は魔界管理局と呼ばれる組織によって厳重に管理されており、ルールを破った者には厳罰が下される事となっている。また魔界には男や犬がおらず、猫はふつうにしゃべるなど地上とは大きな差異が存在する。 魔界と地上の行き来には「魔界の門」という場所を通る必要があり、ここを通る際には魔女入管手続所できちんと手続きをしなければならない。無断で地上に出たり、任務を放棄したりするのは重罪とされ、魔女は無闇に地上に干渉してはならないと決められている。魔界の中心には魔界管理局本棟にして魔王の住む宮殿である「皇幣宮(こうへいきゅう)」が存在する。
その他キーワード
言ノ葉の書 (ことのはのしょ)
呪文字を収集する特別な本。言葉を集める集言魔法がかけられた本で、自動的に周囲から言葉を集める機能を持つ。言葉の持つ言霊の力を使って魔法を使うのを目的としているが、すべての言葉が魔法の力の源になる訳ではなく、思いのこもった「呪ひ文字(まじなひもじ)」である事が重要とされる。それ以外の言葉は言ノ葉の書に定着せず、「こと葉(ことは)」となって零(こぼ)れ落ちてしまう。 呪文字を定着させる方法を見つけるため、ルシカ・フェルト、スラガ・キュアリ、マ・リース・モモヒメ・PJに与えられており、それぞれルシカの本は紅色、スラガの本はきなり色、モモヒメの本は藍色となっている。また魔法を使う際にも重要な働きがあり、魔法陣を形成したあと、言ノ葉の書を使って呪文字を消費して魔法を使う必要がある。
呪文字 (まじもじ)
現行の魔法システムとは違う新しい魔法システム。言霊の力を利用して魔法を使うという性質なため、人の命を使わずに魔法を使う事ができる。ワルラ・ハルリリと魔王の共同設計によって作られたが、「呪文字の定着」や「不具合・反動」など未知な部分が多いため、300日という期限のあいだルシカ・フェルト達が試験運用する事となった。 魔法を使う際には魔法陣を描いて、呪文字を消費する必要がある。呪文字を使う事で現行の魔法を使う事もできるが、実証実験ではお互いの魔法が干渉し合って暴走。その結果、現行の魔法では不可能だとされる時間移動が偶発的に発動した。
魔界の眼 (まかいのめ)
魔獣の反応を検地する魔界管理局の監視装置。巨大な垂れ幕に一つ目の模様が描かれており、ふだんは目が閉じているが、魔獣の反応を検地して開ききった場合、即座に周囲の魔女や修行魔に討伐用の装備を送り、討伐命令を下す仕組みを持つ。清河桃果が魔獣化した際に現れたが、目で見て確認するという仕組みであるため、ルシカ・フェルトは目の向きを逸らすという機転で魔界の眼の検地を誤魔化した。
魔女 (まじょ)
魔界に住む魔法を使う者達の総称。魔法を使うには魔獣化をはじめさまざまなリスクが存在するため、魔女になるためには魔法学校で厳しい訓練を受けなければならない。また地上では自由に魔法が使えないなど規則も厳しい。基本的に一級から最下級までの十三級の階級があり、実力や任務の達成率によって階級が割り振られる。またスラガ・キュアリのように任務に失敗した場合、階級を下げられる場合も存在する。 一級の上には最上級として「0級魔女(ぜろきゅうまじょ)」が存在するが、0級魔女は名誉職という面が強く、特別な手柄を上げなければなる事はできない。現在はワルラ・ハルリリがクーデター阻止の功績で0級魔女に就任している。
変身許可証 (へんしんきょかしょう)
表紙に「可」の文字が印刷された折りたたみ式の紙の札で、魔界管理局に申請すれば発行してもらえる。主に使い魔が人間の姿に変身する際に使い、JJやチロが人の姿になるために使っている。また、使い魔以外が使用する事も可能で、ルシカ・フェルトとマ・リース・モモヒメ・PJは過去に行って姿が小さくなった際に、チロの変身許可証を借りて元の大きさの姿に変身した。 ただし変身には制限時間があり、制限時間が過ぎ去ると強制的に元の姿へと戻ってしまう。
魔獣 (まじゅう)
魔法の反動で精神を侵された者が成り果てた存在。魔法は巨大なエネルギーをあやつるが、そのエネルギーは逆流の危険性があるため、精神が「安定」した状態で使う事が義務付けられている。しかし「恨みごと」など精神が負の面に傾いた状態で魔法を使った場合、精神に魔力が逆流し、汚染されてしまう。汚染された場合、破壊衝動が激しくなり、それを止めようとする周囲と戦闘すると、この負のスパイラルがさらに加速して行く事となる。 最終的に魔力そのものが闇と化して術者を包み込む「闇幕(キュフサト)」を引き起こし、身も心も破壊を望む魔獣と化してしまう。こうなってしまうと救出するのは不可能で、魔界の眼で発見次第、魔女によって討伐される決まりとなっている。
魔法 (まほう)
魔界で使われる技術。「魔力の門」と呼ばれる場所からエネルギーを取り出し、杖を媒介としてエネルギーをあやつり、任意の現象を引き起こす事ができる。この技術によって魔界は繁栄して来たが、実は「魔力の門」から取り出されているエネルギーとは地上人の魂そのものだった。魔王は無分別に地上人から命を搾取する状況を打破するため、現在の契約者の魂を代価として得るシステムを作り出した。 しかし、現状のシステムも限界に来ていると魔王は感じており、新たな魔法システムとして呪文字を作り、試験運用している。また魔法は不安定な心で使うと、魔獣化の現象を引き起こす危険な技術でもあるため、その使用には厳しいルールが設けられている。