まんが倶楽部

まんが倶楽部

さくらももこが独特の感性で描く、集英社を中心とした漫画作品をネタにした、シュールかつブラックなパロディ漫画。「グランドジャンプ」2015年22号から2016年22号にかけて掲載されたほか、「漫画倶楽部 創刊号」にも掲載された。

正式名称
まんが倶楽部
ふりがな
まんがくらぶ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

山の中で暮らす少年のウヒィと小さな友達のチョロパーは、これといった事件に遭遇する事もなく、平穏な日々を過ごしていた。そんな二人の目下の悩みは、肉を食べられない事。弱虫で狩りができず、魚釣りも下手な二人は、山菜と木の実のスープで空腹を満たしており、肉を捕ってくれるアクティブな性格をした仲間を欲していた。そんなある日、二人が住んでいるポンコツ小屋を、謎の人物が訪れる。山賊かもしれないと恐れる二人の前に姿を見せたのは、木こりのボロだった。なんとなく優しそうなボロを見た二人はすっかり安心し、さっそくボロを自分達の仲間に引き入れるのだった。(第1話「ツーピース vol.1」。ほか、23エピソード収録)

登場人物・キャラクター

ウヒィ

古ぼけた山小屋で暮らしている少年。葉っぱの飾りが付いたバケットハットをかぶっている。友人のチョロパーと山菜や木の実を集めるなどをして、いっしょに生活している。おとなしく弱気な性格で、蛇が大の苦手。肉をガツガツ食べたいと思っているが、狩りや釣りが下手なため、なかなか肉にはありつけないでいる。とある夜の日に、小屋にやって来た木こりのボロを仲間に迎え、三人で暮らす事になった。

チョロパー

古ぼけた山小屋で暮らしている少年。頭の側面から動物のようなたれ耳が生えている。友人のウヒィと、山菜や木の実を集めるなどをして、いっしょに生活している。ウヒィとは似た者同士で、かなり弱気な性格をしている。常日頃から肉を食べたいと思っているが、なにもできずにいる。生活力がありそうな木こりのボロが仲間になった事で、肉が食べられると喜んでいた。

ボロ

木こりの少年。継ぎはぎだらけの服を着ている。ウヒィとチョロパーが住んでいる小屋を訪問した際に、彼らの願いを聞き入れて、仲間となった。釣りを得意としている。「木こりの与作」にあこがれを抱いており、仕事前には与作の真似をして「ホイホイホーイ」という掛け声を連呼していた。しかし、ウヒィ達から与作の本当の掛け声が「ヘイヘイホー」である事を聞かされ、長年にわたって勘違いをしていたショックによって体が爆発してしまう。おっぱいが大好きで、どんな女性のおっぱいでもいいから見てみたいと常々思っている。

ゴシゴシ

緑色のたてがみのような毛を持つ小さな謎の生き物。性別は不詳。ヘンめるの国でダラダラと暮らしている。人を食ったような言動を繰り返し、本心がまるでわからない。62番から、現状のつまらなさを打開するアイディアはないかという相談を受け、役に立つのか立たないのかよくわからない、ふわふわしたアドバイスをしていた。

62番

顔の周りが花びらのようになっている謎の男性。ヘンめるの国の住人。ここ最近、すべてがつまらなく感じてしまう事を嘆いており、その事をゴシゴシに相談するが、ゴシゴシから世界に83人しかいない「よっぽどのアレ」であると、意味がよくわからない不明瞭なアドバイスを受けた事で、さらに不安に陥ってしまう。ゴシゴシによれば「よっぽどのアレ」の中では62番に位置するとの事。

ボケモン

いつもボケーっとしているオス猿。「ボケっとしているモンキー」が名前の由来となっている。ほかの仲間といっしょにサル山に住んでおり、本名は「エテ吉」。自分が何もせず、ボケーっとしているあいだも世の中がどんどん変わっていく事に対し、勝手に感銘を受けている。のちにサル山に住むサル達の愛も存在も、すべてが人間次第という無情な事実を知ってしまい、諦観していた。

一体 (いったい)

お寺に住んでいる小坊主の少年。無口な暗い性格をしている。とんちを得意としているが、武士の古右衛門から、とんち絡みの相談を持ち掛けられる事が多く、少々うんざりしている。屛風の中の虎を退治してくれと古右衛門から相談された際に、とんちを働かせて虎を屛風から出せと言ったが、本当に屛風から虎が出て来たため腰を抜かしてしまう。

古右衛門 (ふるえもん)

武士の男性。うだつの上がらない風貌をしている。馴染みの小坊主である一体に対し、度々無理のあるとんちの相談を持ち掛けている。屛風の中にいる虎を退治する依頼を一体に持ち掛けた際、本当に屛風から虎が飛び出したため、一体を置いて脱兎のごとく逃げ出していた。

せいや

明るい性格の少年。「立派な存在」になるために日々学校で勉強している。便秘気味なのが目下の悩み。遅刻が多く、その度に先生に対し、便秘で遅刻した事を報告していた。それを先生に咎められ、「ちゃんとせいや」と叱られた事で精神のスイッチが入り、全身が光り輝くようになった。

先生

せいやの指導役を務める中年の男性。便秘で遅刻を繰り返すせいやに対し、偏った食事が便秘の原因であると看破し、そんな事では立派な人間になれないと諭していた。行動が読めないせいやには、いつも悩まされている。

ナルトゥ

とある村に住んでいる超能力者の女性。見た目はごくふつうで、年齢は55~60歳。3000~4000年前の人物で、風の力を感じる事ができる。ご神託を受けた際は、村の衆を集めてからその予言を披露していた。水や空気、小さいゴミを取ってくれる「炭」が大事になるという、非常に庶民的な予言を未来に残す。

ボン吉 (ぼんきち)

小さなオスガエル。まるで根性がなく、そのうえ心配性な性格をしている。友達から名前を呼ばれて驚き、葉っぱから川に落ちてしまったらどうしようと心配するなど、つねに最悪なケースへ思考が飛んでしまう。のちに本当に川に落ちて海まで流され、そこで出会ったカニから、海にカエルがいるなんて変だと散々笑われてしまう。恥を忍んで海で生きていくアドバイスをカニに請うが、ヒフが弱いというその一点で不可能だと断言されてしまった。

ネコの幽霊 (ねこのゆうれい)

幽霊となった猫。性別は不詳。人間を恨んだまま死んでおり、とある家の古時計に取り憑いて、人間を怖がらせるために日々活動している。しかし、住人の老夫婦に無視され続けたため、お金持ちの家へと引っ越した。そこで高価な壺に取り憑いたが、誰も壺を気にしないヒマな生活に耐え兼ね、再び老夫婦の家へと戻っていった。

カアべえ

仮面をかぶっているオスガラス。光り物に目がない。自ら不気味な姿をしているためか、妙な自信を抱いており、自身の鳴き声で赤ん坊は泣き止まなくなり、幽霊すら蘇ると思っている。周りのカラスからはかかわらない方がいいと思われているため、友達はいない。夜な夜な周囲を飛び回り、脅迫まがいの行為で人々から500円を集めている。素顔はまじめなため、それを隠すために仮面をかぶっている。

ウォン・リー

ボーダーのシャツを着た謎の青年。丸眼鏡をかけている。長身でひょろっとした体格をしている。漫画上のコマの中に群衆に紛れて登場し、自分がどこにいるかを当てるゲームを読者に対し挑んでいた。国籍・年齢・職業は一切不明との事。

カニ

小さなオスガニ。海辺に住んでいる。川に落ち、海まで流されてしまったボン吉と出会った際は、ボン吉の事を散々に嘲笑していた。ボン吉に対し、早く元いた場所に帰るようアドバイスをするが、ボロボロになりながらも海辺にい続けるボン吉に腹を立て、何処かへと去ってしまう。

くさみ男

唇が非常に大きな男性。ヘンめるの国の住人。ゴシゴシが、自分とは友達ではないと言ったという噂を聞きつけて、真偽を確認するためにゴシゴシのもとへ出向いていた。ゴシゴシから直々に「友達ではない」と言われて、大きなショックを受けてしまう。

バカ屋の店主 (ばかやのてんしゅ)

奇抜で派手な格好をした中年の男性。「バカ屋」という、日本で唯一バカを売り物にしているという謎の店を営んでいる。「学問に王道ナシ。バカのみぞそれを知る!!」というのが信条で、バカをやっては100円をもらっている。TVのインタビュアーの質問に対しても、支離滅裂な回答をしていた。

ミナ

太った女性。自分の容姿とスタイルに絶対の自信を持っている。自意識過剰な性格をしている。ブラジャーを川に落とし、それをウヒィに拾ってもらった事で彼らと知り合った。お礼としてウヒィ達に胸を見せてもいいと挑発していたが、おっぱいに執着するボロ以外はふつうに嫌がっていた。それ以降も、度々ウヒィ達を性的に挑発する。

ゼぶラ

シマウマのような姿をした生物。性別はオス。ヘンめるの国の住人。「しまうま」と「ゼブラ」は同じ意味ではないかという疑念を抱いており、その事をゴシゴシに尋ねるが、絶対に違うと断言されてしまう。さらに、ゴシゴシから名前に入った「ぶ」の字が平仮名である事がすでにふつうじゃないから、ゼぶラくんは特別だと言われ、感涙する。

とン田林 (とんだばやし)

すかした雰囲気を漂わせた少年。ヘンめるの国の住人。名前に入った平仮名の「ぶ」にこだわるゼぶラの事をバカ扱いしていた。バカと言われても気にしなければいいと嘯(うそぶ)いていたが、怒ったゼぶラから逆にバカ扱いされた時は、身体を震わせてやせ我慢していた。

あじお

馬のような姿をした伝説の生物。性別はオス。ヘンめるの国の住人。頭の上に角が1本生えているが、それ以外は非常にしょぼくれた姿をしている。名前があじおという理由だけで「塩のキャンペーン」に自分が使われた事を悩んでいる。それが27年ぶりの悩みだったため、ゴシゴシに相談していた。

デブ

丸々と太った恰幅のいい青年。つねに食べ物を欲しており、町をさまよい歩いている。丸くなった体からはつねに「ミシ」「ブリリ」といった異音がする。暴飲暴食をしていた際に限界を超えた体が突然破裂し、人並に小さくなってしまった。「DEBU NOTE」という謎のノートを所持している。

場所

ヘンめるの国 (へんめるのくに)

どことなくおかしな住人が、なんとなくダラダラと暮らしている国。非常に牧歌的な雰囲気を醸し出した空間で、だいたい晴れており、温度は25度と快適な環境が維持されている。ゴシゴシや62番、ゼぶラなどが暮らしている。

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