あらすじ
第1巻
入学式当日に自転車との接触事故を起こした古屋広呂は、ケガを負いながらもなんとか学校にたどり着く。初日から遅刻したことを落ち込む広呂だったが、ケガを負った広呂を朝木日摩裏が保健室へと案内する。この出来事がきっかけで広呂は日摩裏に思いを寄せるようになり、人の目も気にせずに猛アプローチを開始する。そんなある日、広呂は携帯電話を落としてしまい、偶然にも日摩裏が拾っていた。明日は休日のため、日摩裏が広呂の自宅に届けてくれることとなり、広呂は大いに浮かれていた。迎えた当日、日摩裏と姉の古屋舞が中学時代の同級生だった縁もあり、日摩裏は広呂の自宅にしばし滞在することになる。そして不可抗力ながらも広呂は日摩裏を押し倒してしまい、日摩裏は険しい顔をして逃げ出す。そして広呂は舞から、日摩裏が父親から日常的に暴力を受けていた過去を知る。男性恐怖症の日摩裏に対し、自分勝手なアプローチをして怖がらせていたことを反省した広呂は、もう日摩裏のことはあきらめることにする。(1結び「泣かないで 先輩!」。ほか、3エピソード収録)
第2巻
空手では名の知れた存在である古屋舞は、中学時代に起こした人間関係のトラウマによって、進学後は空手をやめてしまう。目立っていたから嫌な思いをしたのだと考えている舞だったが、その特殊な経歴から、何もしなくても注目されてしまう悩みを抱えていた。そのため、舞は親友の成海綾乃以外とは親しくすることなく、消極的な日々を過ごしていた。そんな中、高校生活最後の文化祭が間近に迫る。舞が在籍するクラスでは里見英二を中心に「メイドコスプレ喫茶」が企画され、接客の目玉として舞がスカウトされる。目立ちたくない舞はそれを拒否し、文化祭自体をボイコットしようとする。はっきりと拒絶する舞だったが、里見はあきらめることなく、説得を繰り返す。不本意ながらも里見との接点が増えていく中で、舞は里見が自分をクラスのみんなに馴染ませようと配慮してくれていることに気づく。そして、舞は少しずつ他人に心を開いていくが、そんな中、奇しくも中学時代のトラウマの要因となる吉岡圭輔と再会してしまう。(5結び「殻のやぶり方(前編)」、6結び「殻のやぶり方(後編)」。ほか、3エピソード収録)
第3巻
周囲にマンガ家になりたいという夢を打ち明けた牧原理央は、以前よりも他人とコミュニケーションが取れるようになっていた。そんな中、理央はずっとあこがれていた澤村夏に勇気を出して声をかけ、遊びに行こうと誘う。こうして二人はテーマパークへと遊びに行き、親睦を深めていく。しかし、理央は夏と話していく中で、彼女が明智桂に好意を抱いていることを知ってしまう。そしてその時に初めて、理央も明智を異性として意識していることに気づく。一方、理央と夏の動向が気になる明智は、こっそり二人を尾行していた。(10結び「とまどいの初恋」ほか、4エピソード収録)
第4巻
朝木日摩裏は夏祭りの日、橘柚が古屋広呂に対して、必死に自分の気持ちを伝えている場面を偶然目撃する。日摩裏は広呂のことを男性の中でも特別な存在だと認識していながらも、友達以上恋人未満の関係のままでいる自分は、彼の優しさに甘えているだけなのではないかと感じていた。そんな中、日摩裏は女友達と図書館で勉強をした帰り道、猿山聡からナンパされる。いつもは逃げ出してしまう日摩裏だったが、これも男性に慣れる練習なのだと気合いを入れ、なんとか笑顔で会話をつなげようとする。一方の猿山は日摩裏が自分に気があるのではないかとカン違いし、強引に自宅へと連れ込もうとする。(15結び「たゆたう心」ほか、4エピソード収録)
第5巻
村田雄成への恨みが自分のカン違いだったと気づき、雄成と和解した雨宮ありすは、もっと彼と親しくなりたいと思うようになっていた。しかし、これまで恋人はもちろん親しい友達もいなかったありすは、他人との距離の縮め方がよくわからないでいた。そんな中、ありすは村田雛乃と雄成の母親から、自宅に遊びに来ないかと誘われる。ありすは雄成と親しくなるチャンスだと考え、張り切って手作りのケーキを持参するが、そこで予期せぬトラブルに遭ってしまう。(20結び「もう一度、始めたい」。ほか、4エピソード収録)
第6巻
牧原理央は明智桂に恋心を抱きながらも、同じく明智に思いを寄せている澤村夏の手前、何もできずにいた。さらにここ最近の理央は、明智にどう接していいのかわからなくなり、あからさまに彼を避けるようになっていた。そんな中、夏は自宅で女子だけのクリスマスパーティーを計画し、理央にも声をかける。しかし当日次々と参加者の都合が悪くなり、パーティーは夏と理央だけになってしまうが、二人で盛り上がっていたところにマンションの隣室から明智が現れる。明智も古屋広呂、西野友樹とクリスマスを過ごしており、どうせならとみんなで過ごすことになる。そして理央は、クリスマスケーキを予約した店まで明智と二人きりで受け取りに行くことになるが、どんな顔をしていいのかと戸惑ってしまう。(29結び「二律背反の片思い」。ほか、4エピソード収録)
第7巻
高校3年生の朝木日摩裏は受験のために登校日が減り、古屋広呂とも顔を合わせる機会が減っていた。そんな中、日摩裏は広呂に特別な感情を抱いているにもかかわらず、告白の返事をあいまいなままにしていた。卒業を間近に控えた日摩裏は、広呂にきちんと告白の返事をしようと覚悟を決める。そして日摩裏は、恋のライバルでありながらも自分を叱咤激励してくれた橘柚に会いに行くのだった。(34結び「むすんでひらいて」。ほか、4エピソード収録)
第8巻(番外編)
成海綾乃は過去のトラブルで傷つき、人と距離を置くようになった親友の古屋舞のことを心配していた。引きこもりがちな舞に対して、成海はなんとか前を向いて欲しいと外に連れ出そうとするものの、なかなかうまくいかない。そんな中、成海はアルバイト先のファーストフード店で、先輩の武井となかよくなる。武井の優しさに心を惹かれていく成海だったが、舞を差し置いて自分だけが幸せにはなれないと、恋心に気づかないふりをして過ごしていた。一方の武井も成海に思いを寄せており、勇気を出して成海に告白する。(番外編1「トモダチには秘密の恋」。ほか、2エピソード収録)
登場人物・キャラクター
古屋 広呂 (ふるや ひろ)
春ノ浦高校に通う1年生の男子。年齢は16歳。入学式の日に自転車との接触事故に遭い、ケガを負ったところを朝木日摩裏に助けてもらう。その出来事をきっかけに日摩裏に恋心を抱き、人の目も気にせずに猛アプローチを繰り返すようになる。何事にも一生懸命で、真っすぐな性格をしている。それゆえに一人で暴走することもあるが、周囲からそれも長所だと受け入れられている。誕生日は5月16日で、血液型はO型。
朝木 日摩裏 (あさき ひまり)
春ノ浦高校に通う3年生の女子。美化委員を務めている。入学式に自転車との接触事故に遭い、遅刻してきた古屋広呂を保健室に連れて行ったことがきっかけで、広呂から猛アプローチを受けている。学校では美少女として知られており、スタイルもグラビアアイドル並みであることから、異性に非常にモテる。しかし、父親から暴力を受けていた過去から男性恐怖症に陥っており、年齢を問わず男性と話すことを苦手としている。そのため、猛アプローチを繰り返す広呂とも一線を引いている。誕生日は10月23日で、血液型はA型。
明智 桂 (あけち けい)
春ノ浦高校に通う1年生の男子。年齢は16歳。すべての男子に一度しかない青春を謳歌してもらうべく、学校内の女子の情報を集めた「ヒミツノート」を作成している。その内容は非常にプライベートなことも記されており、一部の女子生徒からは反感を抱かれているが、明智桂自身はまったく気にしていない。マイペースな性格でデリカシーに欠けた一面があるものの、情に厚く憎めないところがある。「ヒミツノート」にまだデータのない牧原理央に接近して情報を集めようとした際に、彼女がマンガ家になりたいという夢を持っていることを知り、応援するようになる。いっしょに過ごす時間が増えていく中で、次第に理央を異性として意識するようになる。澤村夏とは住んでいるマンションが同じで、隣室の幼なじみでもある。夏のことは気のいい友達だと認識しているが、恋愛対象としては見ていない。
澤村 夏 (さわむら なつ)
春ノ浦高校に通う1年生の女子。年齢は15歳。クラスでは学級委員長を務めており、バスケットボール部に所属している。明智桂と住んでいるマンションが同じで、隣室の幼なじみでもある。10年前から明智に片思いをしているが、異性として意識されないことに悩んでいる。勝気な性格の面倒見のいい姉御肌タイプだが、恋愛ごとには消極的で、考え込んでしまうところがある。明智が牧原理央に心惹かれていく様子を間近で見ており、切なさを募らせていく。西野友樹とは届かない片思い同士として、親しくしている。恋敵であるはずの理央からは「なっちゃん」と呼ばれ、あこがれられている。誕生日は8月15日で、血液型はA型。
牧原 理央 (まきはら りお)
春ノ浦高校に通う1年生の女子。年齢は16歳。明智桂が学校内の女子の情報を集めた「ヒミツノート」を作成しているが、まだ牧原理央のデータがないことから話しかけられる。その際にマンガ家になりたいという夢を知られてしまうが、明智がそれを応援してくれたことで異性として意識するようになる。清楚でかわいらしい容姿の持ち主だが、まじめでおとなしい性格のため、誰にも声を掛けられず、親しい友達もいない。そのため、同じクラスの一部の女子からは「暗くて話す気になれない」と陰口を叩かれている。のちにずっとあこがれていた澤村夏と親しくなるが、彼女も明智が好きだと知ってしまい苦悩する。誕生日は4月20日で、血液型はO型。
西野 友樹 (にしの ともき)
春ノ浦高校に通う1年生の男子。年齢は16歳。成績優秀に加えて何もしなくても目立つ美男子で、女子から一方的に好意を抱かれることが多い。塾講師の葉山愛に片思いをしているが、夢を追う彼女に気持ちを伝えても、どうせ受け入れてくれないだろうとあきらめている。澤村夏とは届かない片思い同士として、親しくしている。誕生日は4月15日で、血液型はA型。
雨宮 ありす (あまみや ありす)
春ノ浦高校に通う1年生の女子。年齢は16歳。5年前に村田雄成とかかわりがあり、それ以来ずっと恨みを抱いている。その恨みを晴らすべく同じ高校に入学した。オカルト研究部に所属しており、黒魔術の研究をしている。進学後に雄成と再会したものの、彼が自分を覚えていないことに苛立ちを覚える。雄成への恨みを晴らすことが原動力になっているため、他人と必要以上に接点を持とうとしない。裕福な家庭に育ち、通学もじいが車で送り迎えをしている。村田雛乃からは「ありちゃ」と呼ばれ、胸がないことをたびたび指摘されている。誕生日は7月1日で、血液型はA型。
橘 柚 (たちばな ゆず)
桜葉高校に通う1年生の女子。年齢は15歳。古屋広呂と中学校がいっしょで、2年生の時から猛アプローチを繰り返している。一方的に広呂の自宅を訪れ、とりあえず既成事実を作ろうと誘惑する。かわいらしい容姿で、自分でもルックスに絶対的な自信を持つ。わざと甘えた声を出すいわゆるぶりっ子で、広呂の姉である古屋舞からは嫌われている。中学時代もまるでお姫様のように振る舞い、栗原春雪をはじめとする男子を都合よく扱い、女子から非常に嫌われていたが、橘柚自身はまったく気にしていない。しかし、広呂から振る舞いを注意され、それをきっかけに恋に落ちる。広呂が朝木日摩裏に片思いをしていると知り、絶対に渡さないと闘志を燃やす。誕生日は3月3日で、血液型はB型。
古屋 舞 (ふるや まい)
古屋広呂の姉。広呂とは別の今市東高校に通う3年生の女子。年齢は18歳。空手の経験者で中学時代から名が知られており、目立つ存在であることから人間関係のトラブルに遭遇し、高校に進学してからは空手をやめている。抜群のスタイルを持つ美人ながら、気が強く勝気な性格で、男子生徒からからかわれるとすぐに手が出てしまう。自分の殻に閉じこもりがちで、目立たないように親友の成海綾乃以外とは極力かかわらないように学校生活を送っている。しかし空手の経歴から、何もしなくても注目を集めてしまうことで葛藤している。里見英二から学園祭の出し物である「メイドコスプレ喫茶」で働いて欲しいとスカウトされた際も当然拒絶したものの、なかなかあきらめてくれない里見に苛立ちを覚える。朝木日摩裏と同じ中学校の出身で、卒業後は疎遠になっていたが、広呂を介して再会する。広呂が日摩裏に恋心を抱いていることに気づいており、さりげなく応援している。誕生日は7月9日で、血液型はO型。
青山 翼 (あおやま つばさ)
双野大学に在籍する3年生の男性。年齢は21歳。就職活動をしているものの、自分のやりたいことを見つけられずに悩んでいる。非常に整った顔立ちで、猿山聡からはアイドルグループにも加入できると評されている。ふだんはクールで冷静沈着な性格ながら、演劇のことになるとつい熱くなってしまう。芸能界の仕事に嫌気がさして逃げ出してきた山田実宇が、偶然にも青山翼自身の部屋に入り込んできたことで奇妙な交流が始まる。誕生日は8月16日で、血液型はAB型。
葉山 愛 (はやま あい)
西野友樹が通っている塾で講師を務める独身女性。年齢は24歳。担当科目は数学で、西野が在籍するクラスを受け持っている。明るく親しみやすい性格で、男女問わず生徒から人気がある。特に女子生徒からはたびたび恋愛相談を受けており、みんなのお姉さん的な存在となっている。西野からは先生ではなく異性として好意を抱かれているが、葉山愛自身は気づいていない。プロのカメラマンを目指しており、塾講師のアルバイトで目標金額が貯まったら、海外へ撮影の旅に出ようと計画している。誕生日は11月30日で、血液型はB型。
里見 英二 (さとみ えいじ)
今市東高校に通う3年生の男子。古屋舞と同じクラスに在籍している。学園祭の出し物で「メイドコスプレ喫茶」を計画しており、学校でも有名人の舞に接客係になってもらえないかと声をかける。明るく社交的な性格のため、軟派なタイプに見えるが、実は人の気持ちを敏感に感じ取ることができる心の優しさを持つ。最初は舞をあくまで接客の目玉としてスカウトしていたが、目立つことを避けるあまりに学校生活を楽しんでいないことを知る。誕生日は1月3日で、血液型はO型。
成海 綾乃 (なるみ あやの)
今市東高校に通う3年生の女子。古屋舞と同じクラスに在籍している。中学時代から舞と親しくしており、目立つことを嫌うあまりに空手をやめてしまったことを知っている。友達思いの性格で、クラスメートと距離を置いている舞を心配している。先輩の武井に片思いをしているが、過去に囚われて前向きになれない舞を差し置いて、自分だけが交際できないと返事をせずにいる。ファーストフード店でアルバイトをしている。番外編のエピソード「トモダチには秘密の恋」では主役を務める。
武井 (たけい)
古屋舞、成海綾乃とは別の高校に通う男子。学年は一つ上。成海と同じファーストフード店でアルバイトをしている。成海よりも少し先に入店したため、彼女から先輩として慕われている。成海の働きぶりを見て好感を抱き、付き合って欲しいと告白をする。
吉岡 圭輔 (よしおか けいすけ)
八城(やしろ)高校に通う3年生の男子。年齢は17歳。古屋舞と同じ中学校に通っており、軽口を叩き合う関係だった。罰ゲームで舞に告白し、そのまま交際をスタートさせる。しかし、罰ゲームのことが舞にばれてしまい、仲違いをしたまま卒業して疎遠になる。当時から舞に恋心を抱いており、罰ゲームでの流れではあったものの、本気の告白だった。舞を傷つけた加害者ではあるが、それからは恋愛に憶病になっている。そのため、本当は気になっている春野美和からの告白も断ってしまう。恋愛以外では社交的な性格で、クラスでも自然と目立つタイプ。朝木日摩裏とも同じ中学校出身で、顔見知りの間柄。誕生日は3月15日で、血液型はO型。
春野 美和 (はるの みわ)
名星(めいせい)女子高校に通う3年生の女子。帰宅途中のバスの中で吉岡圭輔と知り合う。趣味はジョギングで、わざわざバスを使ってお気に入りの公園から登下校している。いっしょにジョギングをするようになった吉岡に対して好意を抱き、告白をするも振られてしまう。
村田 雄成 (むらた ゆうせい)
春ノ浦高校に通う1年生の男子。野球部に所属している。年齢は15歳。5年前に雨宮ありすと接点があり、その際に恨みを抱かれてしまう。しかし村田雄成自身はまったく心当たりがなく、ありすとも高校に進学して初めて出会った女性だと認識している。明るくさっぱりとした性格で、グラビアアイドルの山田実宇の大ファン。妹の村田雛乃を溺愛しており、雛乃には実宇のような巨乳になって欲しいと熱望している。誕生日は12月12日で、血液型はO型。
村田 雛乃 (むらた ひなの)
村田雄成の妹。春ノ浦高校のすぐとなりにある保育園に通っている。年齢は4歳。保育園を脱走し、春ノ浦高校に忍び込んだことで、雨宮ありすと知り合う。ありすのことを気に入っており、頻繁に胸がないことをからかって遊んでいる。明るく無邪気な性格で、雄成から溺愛されている。雄成には常日頃からグラビアアイドルの山田実宇のような巨乳の妹になって欲しいと熱望されており、よく意味は理解していないものの、将来は胸の大きな女性になりたいと思っている。
部長 (ぶちょう)
春ノ浦高校に通う女子。雨宮ありすの先輩にあたる。ありすが所属するオカルト部の部長を務めており、超常現象やUMAを愛している。村田雄成を恨むあまり黒魔術に傾倒するありすに苦言を呈したり、人間関係に悩む彼女にアドバイスを送ったりと、友達のいないありすにとってよき相談相手になっている。
栗原 春雪 (くりはら はるゆき)
桜葉高校に通う1年生の男子。年齢は15歳。橘柚とは中学校時代からの付き合いで、柚の世話役を担っている。柚には都合よく扱われているが、自分の感情を素直に表に出す柚にあこがれている。古屋広呂と朝木日摩裏の二人が接近していく姿を見ているうちに、柚に恋心を抱いている自分に気づく。誕生日は11月26日で、血液型はAB型。
じい
雨宮ありすの屋敷で働く高齢の男性。車で学校への送迎を担当するなど、ありすの身の回りの世話をしている。ありすが村田雄成への恨みを募らせている時は、内心このままでよいのかと心配していた。しかし、雄成と和解してからは、ありすが明るくなったことを喜んでおり、二人を優しく見守っている。
山田 実宇 (やまだ みう)
人気グラビアアイドルとして第一線で活躍している女性。年齢は25歳。デビュー当初からずっと男性に媚びた妹キャラクターで売っているが、山田実宇自身は本当にやりたいことなのかと悩んでいる。休みもまともに与えてもらえなかったために限界を越え、仕事中に現場から逃亡し、偶然にも青山翼が住む部屋に不法侵入したことで彼と知り合う。まるで中学生のような童顔で、華奢な身体つきながらも、バストはHカップというアンバランスさが人気となっている。プライベートでも妹キャラである設定を壊さないようにしているが、実際は年相応の考え方を持つ大人の女性。ただし、翼の前では毒舌を吐いたり、喫煙をしたりするなど素の自分を見せている。グラビアアイドルとして活動している際には「MIU」と名乗り、年齢は非公表にしている。誕生日は3月15日で、血液型はO型。
猿山 聡 (さるやま さとる)
双野大学に在籍する3年生の男性。青山翼のルックスのよさをダシに、さまざまな女性と合コンの約束を取りつけている。学生のうちだけしか遊べないからと、出会いのチャンスをどん欲に求めている。卒業後は地元に戻り、父親が経営する温泉地の花屋を継ぎ、初恋の人である笹々御友加とその妹の笹々御真奈と再会する。以前図書館で朝木日摩裏をナンパしたことがあり、日摩裏とは顔見知りの間柄。番外編のエピソード「おかえり」では主役を務める。
笹々御 友加 (ささがみ ともか)
笹々御真奈の姉。実家が経営している温泉旅館の女将を務めている。年齢は27歳。猿山聡とは幼なじみで、彼の初恋の人でもある。大人の魅力にあふれる美女で、優しく上品な大和撫子。猿山が大学を卒業して家業を継ぐために戻ってきた際も、明るく迎え入れた。真奈からは「友姉」と呼ばれている。
笹々御 真奈 (ささがみ まな)
笹々御友加の妹。実家が経営している温泉旅館の中居を務めている。年齢は22歳。猿山聡とは幼なじみ。見た目は姉の友加に似ているが、非常に男勝りな性格をしている。気に入らない相手に対しては、すぐに手が出てしまう。しかし、それらはすべて姉の友加へのコンプレックスの裏返しで、本当はもっと素直で素敵な女性になりたいと思っている。幼い頃から聡に淡い恋心を抱いていたが、彼は今でも友加しか見えていないために何もできずにいる。
朝木 洋子 (あさき ようこ)
朝木日摩裏の母親。シングルマザーで、日摩裏の父親である前夫とは、彼の暴力が原因で離婚している。古屋広呂に対して日摩裏のごくプライベートな情報を流し、反応を見て楽しんでいる。高校生の子供がいると思えないほど若々しい外見をしている。どちらかというと内向的な日摩裏とは対照的に、気が強い性格で言いたいことははっきりと言葉にするタイプ。岩田と交際しているが、男性恐怖症の日摩裏が彼を受け入れないこともあり、再婚は考えていない。
岩田 (いわた)
朝木洋子と交際している男性。古屋広呂とは、朝木家に忍び込もうとしている変質者だとカン違いされたことをきっかけに知り合う。酒好きで情けない一面もあるが、穏やかな性格で人情を大切にしている。洋子との再婚を望んでいるが、日摩裏が男性恐怖症のために話が進まずにいる。
書誌情報
むすんでひらいて 新装版 4巻 双葉社〈アクションコミックス〉
第1巻
(2024-08-28発行、 978-4575860030)
第2巻
(2024-08-28発行、 978-4575860047)
第3巻
(2024-09-26発行、 978-4575860122)
第4巻
(2024-09-26発行、 978-4575860139)