もぐささんは食欲と闘う

もぐささんは食欲と闘う

大竹利朋の『もぐささん』の続編。前作から約1年半後、百草みのりは大学進学のため上京し、一人暮らしをスタートさせる。食の誘惑に満ち溢れた東京で、襲い来る食欲と戦う姿を描いた物語。集英社「週刊ヤングジャンプ」2016年31号から2017年35号まで連載。

正式名称
もぐささんは食欲と闘う
ふりがな
もぐささんはしょくよくとたたかう
作者
ジャンル
グルメ
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概要・あらすじ

大学進学のため栃木県から上京し、吉祥寺で独り暮らしを始めることになった百草みのりには、誰もがドン引きするほど食い意地が張っているという秘密があった。そんな自分にコンプレックスを抱いていたみのりは、夢に向かってひた走る遠距離恋愛中の彼・小口虎雄のためにも、食欲のままに食べることを止め、1日3食間食なしにすることを決意する。

食の誘惑に満ちた東京で、自分自身からあふれ出る食欲と戦うみのりは、節度ある普通の女の子としてキャンパスライフを送ろうと努力するものの、食べ物の匂いや存在に気付くと、ついつい欲望のままに自らを見失ってしまい、なかなか決まりを守ることができない。新しい環境のもと、新しい友達もでき、憧れのカフェでのアルバイトも始めるが、みのりは食い意地の張った自分を隠しながら、苦労の絶えない毎日を送ることになる。

登場人物・キャラクター

百草 みのり (もぐさ みのり)

栃木から上京して、一人暮らしを始めた女子大学生。通っている熟成大学ではグルメサークル「くいしんぼう」に所属し、以前から憧れていたコーヒーチェーン店「PARADISE COFFEE」で接客のアルバイトをしている。小口虎雄とは高校生の時から付き合っており、現在は遠距離恋愛中。おとなしく気が小さいが、誰もがドン引きするほど食い意地が張っている。 百草みのり自身も、自分の異常なまでの食欲と食い意地にコンプレックスを感じているため、上京したら1日3食、間食はしないことを心に決めた。だが、食べ物の匂いや存在に気付くと、自身から湧き出る食欲が暴走してしまう。それを周囲に気取られないように、持ち歩いている食べ物を隠し食いして、ピンチをやり過ごしている。 不器用だが、最近は小口のためにと料理にも挑戦し始めている。

小口 虎雄 (こぐち とらお)

百草みのりと高校時代から付き合っている彼氏。将来は実家が営んでいる「小口食堂」の後を継ごうと考えており、料理人になる夢をかなえるため、栃木を離れて京都で料理人修行をしている。みのりの人並み外れた食欲の良き理解者であり、よく食べる彼女が大好き。

水戸 忍 (みと しのぶ)

熟成大学に通う女子大学生で、百草みのりの友人。茨城の田舎出身で、ポニーテールがトレードマークの元ヤンキー。普通のキャンパスライフに憧れて、やっとの思いで熟成大学に入学した。地元にはラーメン屋で働く兄がいて、その兄からは何かと大量のつけ麺が送られてくる。食欲旺盛で、お腹が空いたら好きな時に好きなだけ食べてしまう。女子力を高めたいと思ってはいるものの、何に対しても控えめに、女らしくすることができず、また素に戻ると一人称が「オレ」となり、ヤンキー臭さが出てしまう。 大学ではグルメサークル「くいしんぼう」に所属しており、サークル仲間の細井に想いを寄せている。将来の夢は地元の茨城で学校の先生になること。

島原 まり (しまばら まり)

熟成大学の国際文化学科1年生の女子。百草みのりや水戸忍と、学食で偶然知り合い友達になった。長崎出身で、実家はカステラ屋の老舗「凰明堂」を営んでいる生粋のお嬢様。外見も性格もおっとりしており、言葉遣いも丁寧。また所作が上品で美しく、特にテーブルマナーに厳しい父親に躾けられたため、どんなものでも上品に食べる「上品の極み食い女子」。 その上品さとテーブルマナーは止まるところを知らず、バナナは必ずナイフとフォークで食べ、カップ焼きそばは皿にのせてフォークで巻いて食べるほど。将来はいろいろな国に行ける職業に就きたいと思っているが、家業との兼ね合いもあり、自分の希望は通らないのではないかと心配している。

神下 (かみした)

百草みのりが通う熟成大学のグルメサークル「くいしんぼう」で幹事長を務めるイケメン男子大学生。変わり者で、ちょっと強引なタイプ。「食は冒険であり、挑戦してこそ今までにない味を見つけられる」を理念として、さまざまなオリジナル料理を作っては人に食べさせているが、際どい組み合わせのためドン引きされることが多い。食に関する探究心が尋常ではなく、交際相手にもそれを求めるため、なかなか女性とは長続きしない。 新入生歓迎会でみのりを見てから興味を持つようになる。のちに、みのりの人並み外れた食い意地を目撃するが、それを飼い犬の「パグミ」に似てかわいいからと、みのりを「モグミ」と呼び、こっそりいじってはからかい始める。実家では、母親が1人で弁当屋を営んでいる。

細井 (ほそい)

熟成大学の法学部に通う男子大学生。百草みのりとは、グルメサークル「くいしんぼう」の新入生歓迎会で知り合った。胃が小さいためか、ガッツリ食べることができず、いつもチビチビ食べているため、女子っぽいといわれることが多い。

御手洗 (みたらい)

コーヒーチェーン店「PARADISE COFFEE」でアルバイトをしている女性。キッチンでの作業がメインのため、接客担当の百草みのりとは接点が少ない。ロングヘアを大きな2つのお団子にまとめた髪型をしていることが多いため、名前と掛けて「みたらし」と呼ばれている。明るく気さくな性格で、合コンの達人。また女子力が高く、ダイエットに命を懸けている。

猫井 (ねこい)

コーヒーチェーン店「PARADISE COFFEE」でアルバイトをしている18歳の女性。猫舌のため熱いものは苦手だが、実は冷たいものも苦手。店では百草みのりの先輩にあたり、みのりの指導係となって仕事の手ほどきをする。家でごろごろするのが好きで、夏は部屋でクーラーをガンガンにきかせて、大好きなソファに座って映画やドラマを朝まで観ることを一番の楽しみとしている。

藤見岡 (ふじみおか)

熟成大学のグルメサークル「くいしんぼう」と、他のアウトドアサークルを掛け持ちしている男子大学生。アウトドアに関する知識に長けており、「くいしんぼう」のメンバーで開催されたサマーキャンプでもその手腕を発揮する。神下もその実力を認めており、「藤見岡の作るキャンプ料理は完璧」と評価している。

鯖島 (さばしま)

コーヒーチェーン店「PARADISE COFFEE」に勤めている男性。ホール、キッチン双方の仕事を巧みにこなし、仕事でわからないことがある場合は鯖島に聞くのが暗黙の了解となっている。一見強面だが、気さくで優しい性格の持ち主。趣味は登山で、綿密な計画を立てたり仲間と一緒に登ることを楽しみ、頂上に着いた時の達成感に無上の喜びを感じると語る。

牛山 (うしやま)

百草みのり、水戸忍、御手洗、猫井が参加した合コンで同席した社会人男性。ぽっちゃり体形にマッシュルームヘアで、「肉」の字柄のネクタイを締めている。何かと女性に惚れっぽい性格。無類の肉好きで、実家が金持ちなためさまざまな肉の店に精通しており、合コンの席では同席した女性に対して、肉に関する知識をひけらかす。 加えて美味しい肉を食べた自慢話を一方的にするため、女性からはあまり相手にされなかった。

苦木 (にがき)

コーヒーチェーン店「PARADISE COFFEE」の店長を務める男性。左目の下にあるほくろが特徴で、おしゃれ感があふれ出るいかにも東京人なタイプ。百草みのりが面接に訪れた際に担当し、採用を決めた。

尾島 三太

原宿でタウン誌を作っている男性。百草みのり、水戸忍、島原まりの3人に、街角スナップ写真を撮るためにモデルになって欲しいと声をかけた。立派なあごひげを蓄え、丸眼鏡に帽子という古風でおしゃれな出で立ち。

集団・組織

くいしんぼう

百草みのりが通う熟成大学のグルメサークル。神下が代表として幹事長を務めている。活動内容は、主においしい店を訪問することや、自分たちで料理を作って新たな味に挑戦すること。他にも毎年の恒例行事として、学食の新メニューの、発売前の試食などを行っている。

前作

もぐささん

大竹利朋の代表作。地味で控えめな性格の女子高校生・百草みのりが通う片久里高校を舞台にしている。その見た目からは想像できないほど食い意地が張っているが必死に少食を装う百草と、彼女の食べっぷりに幸せを感じ... 関連ページ:もぐささん

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