やんちゃギャルの安城さん

やんちゃギャルの安城さん

地味で目立たない男子高校生の瀬戸は、クラスメートの安城アンナにその誠実な人柄を気に入られ、何かにつけて構われるようになる。進展しそうで進展しない、そんな二人のもどかしい恋模様を描く青春セクシーラブコメディ。少年画報社「ヤングキング」2017年17号から連載の作品。第4回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で第8位に選出。

正式名称
やんちゃギャルの安城さん
ふりがな
やんちゃぎゃるのあんじょうさん
作者
ジャンル
ラブコメ
 
学園
レーベル
YKコミックス(少年画報社)
巻数
既刊13巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

地味で目立たない高校2年生の瀬戸は、クラスメートには便利屋扱いされ、さえない日常を送っていた。しかし最近、クラスメートの安城アンナが、なぜか頻繁に話し掛けてくるようになる。アンナは瀬戸とは対照的にクラスの中心的な人物で友人も多く、特別瀬戸と親しいわけでもなかった。それでもアンナは毎日のように、瀬戸を構ってはからかってくる。一方の瀬戸は、アンナに気に入られた理由がまったく理解できず、ヒマつぶしに構ってくるだけなのだろうと解釈する。しかしアンナは、以前から瀬戸がクラスの仕事を押し付けられても嫌な顔一つせずにまじめにこなしている姿を見て、好感を抱いていたのだ。さらにある日、アンナは自分の陰口を叩いていたクラスの男子を、瀬戸が注意しているところを目撃し、さらに思いを募らせていく。こうしてアンナは瀬戸と何かとかかわるようになるのだが、肝心の瀬戸は、この事実をまったく知らなかった。

第2巻

一学期の期末テストが終わり、安城アンナ瀬戸のおかげで無事に補講を受けずに済む。一方の瀬戸は、テスト当日に体調を崩したために心配だった通知表の成績が良好で、二人は満足した気分で夏休みを迎える。そんなある夜、瀬戸は突然アンナに呼び出され、そのまま安城家に招かれる。そこでアンナの母親に気に入られた瀬戸は、夏休みのあいだ、アンナといっしょにアンナの母親が経営する美容院でアルバイトをすることになる。夏休み中、瀬戸はアンナの家に泊めてもらったり、夏祭りに行ったりと、楽しい時間を過ごすのだった。しかし新学期初日、なぜかアンナは学校を休んでいた。瀬戸は心配になるが、翌日その理由が判明する。安城家で飼っている猫のマサムネが家出をしてしまい、アンナはその行方を捜していたのだ。そこで瀬戸はいっしょに捜すことにし、マサムネはすぐに見つかるが、家出する前からすでに弱っていたマサムネは、自宅に戻ってすぐに息を引き取ってしまう。悲しむアンナの姿を見た瀬戸は、翌日豊田知多も交えて食事会を開き、アンナを励ますのだった。

第3巻

瀬戸安城アンナは、学校を無断欠席した罰として、文化祭実行委員を務めることになる。そして瀬戸とアンナを中心とした話し合いで、出し物はお化け屋敷カフェにすることが決まる。さらに二人は、交際していないにもかかわらず、クラス対抗のカップルコンテストに出場することになってしまう。自分に自信のない瀬戸は、アンナの足を引っ張るのではないかと不安になるが、一方のアンナはひそかにはりきっていた。クラスメートから瀬戸を馬鹿にされたアンナは、彼らを見返すべく作戦を練っていたのである。そんなことはつゆ知らず、瀬戸は当日も緊張してつい弱音を吐いてしまう。そんな瀬戸をアンナは優しく励まし、とうとう二人の出番となる。そしてアンナのスタイリングを受けた瀬戸は、別人のようにかっこよく変身して生徒たちを驚かせる。瀬戸が恥ずかしがったために一部パフォーマンスができないトラブルはあったものの、最終的に二人は審査員特別賞を受賞。アンナは安堵する瀬戸に、来年こそは優勝しようと笑いかける。

第4巻

秋になり、模試が近づいてきた。絶対にいい成績を取りたい瀬戸は緊張するが、安城アンナはまったく気にすることなく、悪い成績を取っても死ぬわけじゃないと瀬戸を励ます。しかしその直後、アンナは衝撃の事実を知る。瀬戸は現在の高校は志望校ではなく、もっと高偏差値の高校を受験していたのだ。だが、本番に弱い性格が災いして受験に失敗し、仕方なく今の高校の二次募集を経て入学していた。知らなかったとはいえ、アンナは瀬戸を無理に遊びに誘ったり、無責任な励ましをしたりしたことを深く反省し、自分にできることはないか考える。そして模試が始まり、マークシートの記入する位置をまちがえたことに気づいて混乱する瀬戸は、手前の席の椅子にあるものを見つける。それはアンナが書いた瀬戸への励ましのメッセージで、これによって瀬戸は気持ちを落ち着かせ、いい成績をおさめることに成功する。しかしその直後、なぜかアンナが元気をなくしてしまう。心配になった瀬戸が知多に相談すると、瀬戸にはアンナを幸せにする義務があるのに、彼女への理解が足りないと指摘されてしまう。これを重く受け留めた瀬戸は、初めて自分からアンナをデートに誘う。

登場人物・キャラクター

瀬戸 (せと)

愛知県春日井市にある高校の2年2組に在籍する男子。前髪を眉の上で切りそろえた短髪に、眼鏡をかけている。身長は高めで、瘦せていることから「モヤシ」と評されることにコンプレックスを抱いている。ファッションセンスはないものの、安城アンナからは磨けば光ることを見抜かれている。まじめで心優しい性格ながら、やや気弱で本番に弱いことから実力を思うように発揮できないことが多い。成績は非常によく、中学時代は難関高校を目指して勉強に励んでいた。しかし本番で失敗してしまい、二次募集をしていた現在の高校に仕方なく入学したという経緯がある。自分に自信がなく、取り得は勉強しかないと考えているため、高校に入学してからも勉強ばかりしている。さらに周囲からは掃除当番を押し付けられたり、宿題を代わりにさせられたりと、さえない日常を送っていた。そんなある日、不名誉な噂を立てられているクラスメートのアンナをかばったことがきっかけで彼女に気に入られ、アンナの友人である豊田や知多とも親しくなっていく。アンナのことは友人以上の感情を持っているが、非常に奥手なことと自分に自信が持てないことが原因で、なかなか関係を進展させられずにいる。たびたび掃除当番を押し付けられているが、実は掃除が好きなためにあまり苦にしていない。

安城 アンナ (あんじょう あんな)

愛知県春日井市にある高校の2年2組に在籍する女子。前髪を顎の高さまで伸ばして右寄りの位置で分け、右側の一部の髪の毛だけを垂らした、金色の外ハネのセミロングヘアにしている。露出度の高い服装を好み、下着の一部くらいなら別に見えても構わないと思っている。その派手さとセクシーな外見から、軽薄で遊んでいると誤解を受けやすい。しかし実際はそんなことはなく、明るく無邪気で誰とでも分け隔てなく接するごくふつうの少女。ある日、クラスの男子に根も葉もないうわさ話をされて辟易していたところ、瀬戸が反論してかばってくれたことをきっかけに、彼に関心を持つようになる。以来、瀬戸に頻繁に話し掛けてはからかったり、遊びに誘ったりと交流を深めていく。母親は美容師で、実家は美容室を経営している。子供の頃から母親の姿にあこがれており、将来の夢はスタイリストになること。美容師としての勉強もすでに始めているが、母親には資格を取るまでは、人の髪を切ってはいけないと指導されている。特技は料理。好きなものは猫で、苦手なものは雷と歌。特に歌に関しては、歌うことは好きだが極度の音痴なうえ、流行歌を知らないという自覚があるため、カラオケにはあまり行かない。怖がりながらホラー全般は好きで、ついホラー映画を見たり、お化け屋敷に行ったりしてしまう。つねに補講を受けるすれすれの成績ながら、これは単に学習意欲に欠けているだけで、瀬戸に勉強を教えてもらった直後のテストではいい成績を残すなど、やればできるタイプ。

豊田 (とよだ)

愛知県春日井市にある高校の2年2組に在籍する女子。安城アンナと知多の友人で、美化委員会に所属している。前髪を長く伸ばして左寄りの位置で分け、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。容姿端麗で、体形は細めだが巨乳の持ち主。あだ名は「トヨ」で、関西弁で話す。クールで落ち着いた性格で、やや毒舌家なところがある。そのため周囲にはやや近寄りがたい女性と見られているが、実はかわいらしいものが大好き。特に「ソーダくん」という兎のキャラクターが大好きで、そんな趣味が自分に似合わないことを自覚しており、アンナたちにも隠している。しかし夏にソーダくんのガチャガチャに挑戦していたところ、偶然現れた犬山も同じ目的だったこともあり、これを機に犬山にだけは自分の趣味を打ち明けた。以来、犬山とは以前よりも親しくなったが、特に恋愛感情を抱いているわけではない。かわいいと感じるものの範囲は広く、瀬戸とアンナの進展しそうでしない関係や、瀬戸と犬山、アンナと知多といった同性間の友情もかわいらしいと感じ、微笑ましく思っている。将来の夢は、ファンシーキャラクターを作る会社の社長になること。

知多 (ちた)

愛知県春日井市にある高校の2年2組に在籍する女子。安城アンナと知多の友人で、美化委員会に所属している。前髪を眉の上で切ったショートヘアにしている。太眉で小柄な体形のため、実年齢よりも幼く見える。あだ名は「チー」。無口で表情の変化に乏しいため、一見何を考えているのかよくわからないと評されることがある。しかし友達思いで、今一つアンナの気持ちを理解していない瀬戸に対して、厳しいアドバイスをすることがある。食べることが大好きで、雑学に詳しい。

犬山 (いぬやま)

愛知県春日井市にある高校の2年2組に在籍する男子。瀬戸とは、中学時代からの友人。前髪を完全に目が隠れるほど伸ばし、後ろの髪を肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアにしている。三白眼で目つきが悪く、鮫歯が特徴。漫画やアニメが大好きなオタク気質で、特に胸の大きな女性が大好き。また、手先が非常に器用で絵を描くのがうまく、高品質の美少女フィギュアやコスプレ衣装も自作できる。この趣味は特に隠しておらず、豊田にはそんなよくも悪くも堂々としたところを羨ましがられている。春に瀬戸が安城アンナたちとなかよくなったことがきっかけで、アンナと豊田、知多とも話すようになった。夏にフィギュア目的でガチャガチャをしてたところで豊田に出くわし、彼女がかわいいもの好きであることを知って親しくなる。その後はこっそり彼女の似顔絵を描いたり、豊田にかわいいと思われたくて女装をしたりするなど、豊田への思いを強めていくが、犬山自身はそんな自分の思いを自覚していない。それどころか、最初は豊田の方が自分に思いを寄せているとカンちがいしていた。

小牧 (こまき)

瀬戸たちが通う高校の養護教諭を務める若い女性。前髪を眉の高さで切りそろえて巻き、顎の高さまで伸ばした内巻きボブヘアにしている。胸が非常に大きく、いつも眠そうな目をしており、下まつげが長い。マイペースな性格の変わり者で、男性のような口調で話す。本来ならば生徒のみが受ける安全講習もいっしょに受けるなど自由な振る舞いをしているが、いざというときは頼りになる存在として評価されている。漫画が好きで、好みの合う瀬戸とは漫画の貸し借りをする関係。そのため、安城アンナからはひそかに嫉妬されている。

書誌情報

やんちゃギャルの安城さん 13巻 少年画報社〈YKコミックス〉

第10巻

(2022-05-23発行、 978-4785971403)

第11巻

(2022-12-12発行、 978-4785972882)

第12巻

(2023-08-07発行、 978-4785974527)

第13巻

(2023-12-14発行、 978-4785975586)

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