概要・あらすじ
16世紀のフィレンツェに住む貴族の少女アルテは、絵を描くことが何よりも好き。母親に反対されても諦めきれず、画家になるため工房への弟子入りを志願する。しかし、女性の彼女を受け入れる者はなく、唯一話を聞いてくれたレオは彼女に弟子入りのための厳しい条件を持ちかける。
登場人物・キャラクター
アルテ
16歳の貴族の少女。金髪に碧い瞳のボブヘアをしている。猪突猛進で素直な性格の持ち主。絵を描くことが何より好きで、画家になることが夢。しかし、母親に反対されたことから家出を決意し、レオの工房へ弟子入りする。職人になることは目的ではなく手段と考えており、工房で学ぶことで、女性一人で生きられる力を得たいと思っている。
レオ
アルテの親方となった若い男性。ふんわりした黒髪のくせっ毛に顎ひげを生やし、顔に傷があるのが特徴。ぶっきらぼうで冷たく見えるが、アルテの強い想いを認め弟子入りを許可する。職人を志した理由は、泥水をすすることなく、自分の力で真っ当に暮らしたいと考えたから。工房入りする前は物乞いをしており、工房に入った後もトラブル続きの問題児だった。 しかし当時の親方に丁寧な指導を受け、現在の技術を得た。
アンジェロ・パーカー (あんじぇろぱーかー)
アルテが街で出会った少年。ダニロの工房で徒弟職人として働いている。可愛らしい雰囲気の親しみやすい人物。女性中心の家庭で育ったため、女性に親切で扱いにも慣れており、女性にモテる。女性はか弱く、男性が手助けしなくてはならない存在と捉えている。しかしアルテには親切を拒否され、次第に彼女に関心を持つようになる。
ヴェロニカ
レオのパトロンで、高級娼婦の若い女性。短い前髪に、胸のあたりまで伸ばした長いウェーヴヘアをしている。左目の下にほくろがある。穏やかな性格の、豊富な知識と柔和な語り口を持つ教養豊かな人物。レオの紹介でアルテと知り合い、意気投合する。男性の庇護なしに生きる女性に恋愛はご法度と考えており、レオが気になるあまり仕事がおろそかになりそうなアルテを案じている。
ナンナ
元高級娼婦の女性。すかすかに抜け落ちた歯と髪、ぼろぼろの肌の、老婆のような姿をした人物。かつては美しく、流行の服をまとい、取り巻きの男に囲まれて歩く華やかな存在だった。しかし恋に落ち、男性にうつつを抜かした結果没落。現在では女衒が連れてきた客の相手をして日銭を稼ぐ日々を送っている。
アルテの母親 (あるてのははおや)
アルテの母親。厳しく頑固な性格の人物。女性は男性に好かれることが最も大切で、結婚しなければ幸せになれないと考えている。そのためアルテの画家になる夢には反対しており、アルテの書いた絵を勝手に燃やしてしまうなど、極端な行動をとる。夫を亡くしてからは、アルテをはじめとする屋敷の女性の持参金のことばかり心配している。
ダーチャ
お針子をして働く農家の娘。前髪を上げてお団子に結い、サイドの髪を垂らした髪型をしている。太目の眉と、鼻のあたりのそばかすが特徴。生真面目でクールな性格で、結婚時の持参金を自力で稼ぐため、毎日懸命に働いている。アルテのことは、苦労知らずの貴族の娘だと考えていた。しかし体調を崩して立ち上がれなくなっていたところを助けられたのがきっかけで知り合い、彼女に文字を習うようになる。 現在の職場には、11歳の頃から勤めている。
ウベルティーノ
レオと腐れ縁のある、昔なじみの年老いた男性。禿げた頭頂部に、ウェーヴがかった髪を肩のあたりまで伸ばし、顎ひげを蓄えている。街の地区一帯を取り仕切る大金持ちで、新しい仕事を持ってレオの工房にやってくる。しかしその注文書が適切とは言えなかったのがきっかけで、アルテは彼との交渉に臨むことになる。元々は貧乏商人の家の出だったが、一代で莫大な財を築きあげ、現在は毛織物・塩・香辛料の売買、鉱山や不動産の所有など手広く手掛けている。
アロルド
芸術家組合の役員長を務める中年の男性。前髪を左寄りの位置で分け、髪を襟足のあたりまで伸ばし、顎ひげを蓄えている。新設宮殿の大広間に装飾用フレスコ画を描く共同作業計画の責任者でもある。女性のアルテが画家工房の徒弟として働き続けるにふさわしいか、フレスコ画の作業で見極めようとしている。
ユーリ・ファリエル (ゆーりふぁりえる)
ヴェネツィアからやってきた名門貴族の男性。小綺麗な身なりをした、柔和な雰囲気の人物。新設宮殿で見たアルテの描いた絵を気に入り、彼女に家族の肖像画の制作と姪の家庭教師を依頼する。アルテにとっては千載一遇のチャンスであったが、彼女を選んだ理由が「女性貴族だから」というもので、その選ばれた基準にアルテは悩むことになる。
ルザンナ
レオの友人で、シエナからやってきた妊娠中の女性。ふんわりした短い前髪とロングウェーヴヘアをしている。レオの師匠の一人娘で、結婚後、フィレンツェからシエナに渡り、そちらで暮らしていた。しかし、流行り病で夫を亡くし未亡人となり、夫の家族と持参金のトラブルに見舞われている。
書誌情報
アルテ 20巻 コアミックス〈ゼノンコミックス〉
第17巻
(2022-11-18発行、 978-4867204412)
第18巻
(2023-08-19発行、 978-4867205334)
第19巻
(2024-04-19発行、 978-4867206362)
第20巻
(2024-10-19発行、 978-4867206973)