概要・あらすじ
プロラグビーリーグであるジャパンラグビープレミアリーグ(JPL)。「北九州小倉ホワイツ」は、アマチュアリーグ時代を含めて、17度もの優勝実績を誇り「インビンシブル=絶対無敵」と呼ばれる、日本最強のラグビーチームであった。しかし、巨額の移籍金を投じて、選手を補強し続けたため、経営は赤字に転落。経営改善に取り組んだクラブのコスト削減が原因で、中心選手数名とヘッドコーチが他チームに流出。その結果、昨シーズンは最下位に転落してしまう。しかも、今シーズン開幕直前、チームの司令塔にして日本最高のスタンドオフ、黒木大和のライバルチームへの移籍が発表される。凋落(ちょうらく)したホワイツは、マスコミの糾弾を受け、ファンからも見放されつつある状態であった。シーズン開幕まであと1か月。ホワイツは、プレシーズンマッチ初戦、VS船橋レッズ戦を迎えた。大方の予想通り、ホワイツの見せ場はまったくなく、残り8分で0対37で負けていた。そこに突然、一人の青年がグラウンドに姿を表す。彼の名は原田・スコット・春介。日本人とフランス人のハーフであり、留学先のニュージランドからホワイツに移籍したルーキーであった。春介は、驚異的な身体能力と、味方をも欺く頭脳プレーでトライに成功。大敗ながら、レッズに一矢報いることに成功した春介は、控室でホワイツの再生をみんなに強く訴える。しかし、親の七光りや元犯罪者、満身創痍(そうい)の中年など、癖の強い寄せ集め集団が再び王座に返り咲くのは並大抵のことではなかった。
登場人物・キャラクター
原田・スコット・春介 (はらだ すこっと しゅんすけ)
留学先のニュージランドから帰国し、「北九州小倉ホワイツ」に移籍したラグビー選手。ポジションはSH(スクラムハーフ)。日本人とフランス人のハーフの男性。23歳で、高校時代に、ホワイツのGMである中岡良市の家に居候しており、ホワイツへの想いは誰よりも強い。自己中心的な性格だが、頭脳は明晰(めいせき)で身体能力も高い。
中岡 良市 (なかおか りょういち)
ジャパンラグビープレミアリーグに所属する「北九州小倉ホワイツ」のGM。オールバックと口ひげが特徴の中年男性で、元ラグビー日本代表の司令塔を務めたレジェンド。中心選手と有能なヘッドコーチを失う中、常勝ホワイツの復活を目指すという、辛い立場に置かれる。原田・スコット・春介をホワイツに呼び寄せた他、謎の外国人、ロバート・ハレルソンを新ヘッドコーチに据える。「チーム造りはウイスキー造りに似ている」が口癖。
中岡 虎居 (なかおか とらい)
「北九州小倉ホワイツ」のラグビー選手。ポジションはSO(スタンドオフ)。26歳の男性で、小心者。中岡良市の息子であり、「Jr.(ジュニア)」と呼ばれる。高校時代、中岡家に居候していた原田・スコット・春介は、弟のような存在。料理が得意。
室浪 浩二 (むろなみ こうじ)
「北九州小倉ホワイツ」のラグビー選手。キャプテンを務める。ポジションはNO.8(ナンバーエイト)で、28歳の男性。ホワイツが5連覇していた年、鳴り物入りで移籍してくるが、椎間板ヘルニアの手術以降、実力を発揮できないでいる。
町田 翔 (まちだ しょう)
「北九州小倉ホワイツ」のラグビー選手。副キャプテンを務める。ポジションはLO(ロック)で、28歳の男性。ホワイツの黄金時代を経験しており、チームに対する想いは強い。怒りっぽい性格。
黒木 大和 (くろき やまと)
「府中イエローズ」のラグビー選手。ポジションはSO(スタンドオフ)で、29歳の男性。元「北九州小倉ホワイツ」の選手で、ホワイツの黄金期を支えた。今シーズンの開幕直前にイエローズに電撃移籍する。日本最高の司令塔で、最高のキッカーである。プロであることに誇りを持っており、ラグビーに対して非常にストイックである。
書誌情報
インビンシブル 5巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2021-06-23発行、 978-4065236246)
第2巻
(2021-08-23発行、 978-4065245040)
第3巻
(2021-11-22発行、 978-4065251720)
第4巻
(2022-02-22発行、 978-4065269169)
第5巻
(2022-06-22発行、 978-4065282403)