カペラの眩光

カペラの眩光

27歳を目前に、焦りと諦めを感じ始めているバンドマンの日辻青色。そんな日辻は、もう一つの顔である「画家」として一躍有名人となる。しかし実際に絵を描いていたのは、幼なじみで引きこもりの夜木であった。売れないバンドマンと引きこもりの天才画家を主人公にした青春ドラマ。白泉社「ヤングアニマルZERO」2020年12/1増刊号より連載を開始。

正式名称
カペラの眩光
ふりがな
かぺらのげんこう
作者
ジャンル
職人・芸術家
 
青春
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概要・あらすじ

日辻青色は、売れないバンドマンである。「いつか誰かに見つけてもらえる」と思いながら音楽を続けてきた日辻だが、来月にはもう27歳になる。たくさんの後輩を見送ってきたし、多くの仲間がバンドを辞めた。日辻は焦りと諦めを覚え始めていた。そんな彼のもう一つの顔は「画家」であった。音楽と違って、絵は定期的に仕事になっていたのだ。ある日、公開しているホームページに、小さなギャラリーから連絡があった。来月個展を開く作家が急病で、代わりを探しているという。ギャラリーのオーナーは、カフェで見かけた日辻の絵に惚(ほ)れ込んでいた。交渉が成立した後、日辻は同居している夜木に、ギャラリーの様子を事細かく報告する。実は日辻の絵は自分で描いたものではなかった。幼なじみで、家から一歩も出ることができない夜木がゴーストペインターを務めていたのだ。翌月、完成した絵をギャラリーに収めると、オーナーはその絵をこれまでで一番だと絶賛した。日辻はその絵の写真を撮り、SNSにアップ。すると、あるアイドルがその絵をブログで褒めたことで、またたく間にバズった。ネットでは「ピカソの生まれ変わり」などと絶賛され、テレビなどメディアの取材が殺到。日辻は「天才画家」として超有名人になり、同時にミュージシャンとしても注目されはじめるのだった。

登場人物・キャラクター

日辻 青色 (ひつじ あおいろ)

27歳の青年。いつか誰かに見つけてもらえると思いながらバンドを続けるが、売れないまま27歳を迎ようとしている。幼なじみで画家の夜木と同居。ひきこもりの夜木に代わり、彼のふりをして人と合う仕事を引き受けており、その分家賃を無料にしてもらっている。バンドマンとしての活動を諦めかけていたところ、日辻名義で発表されている絵画が注目を集め、時の人となる。

夜木 (やぎ)

日辻青色の幼なじみで同級生の男性。金髪のロングヘアーが特徴の天才画家。天真爛漫で言動が少し子供じみている。ひきこもりで家から一歩も出ることができないため、同居する日辻に、人と合う仕事を任せている。絵画は日辻名義であるため、彼のゴーストペインターという立場だが、名声などには一切興味がない様子である。

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