あらすじ
第1巻
高校3年生になった桜井りのは、進路に美大を選ぶ。しかし、りのは描いている絵の完成が近づくと、頭が真っ白になって自分の絵をぐちゃぐちゃにしてしまう、自称「未完症」という問題を抱えていた。りのは密かに思いを寄せるクラスメイトの男子・月成と、同じクラスで絵ばかり描いている少女・斉藤が通っている〇×美術予備校へ入学。りのは斉藤と友達になりたいとアプローチするが、リア充はお断りと拒絶されてしまう。予備校でも未完症のせいで絵を描き上げる事ができないりのだったが、仲間も増え、調子のいい時なら絵を完成させる事もできるようになった。斉藤とも徐々に話ができるようになり、楽しい美術予備校ライフを過ごす。
第2巻
桜井りのは、〇×美術予備校で知り合ったひなこと写真撮影に出かけたり、黒田の通うお嬢様学院に制服を借りて潜入したりと、予備校以外でも楽しい日々を送っていた。しかし、りのの未完症は治らず、絵の実力も伸び悩んでいた。りのの未完症は、小学生の頃に絵が得意だったりのが友達から絵の事で意地悪された事が原因だった。りのは未完症を克服するために、原因となった友人と数年ぶりに再会して和解をする。一方、中学時代に絵の事で同じようなトラウマを抱えていた斉藤は、りのが絵にたいして興味もないリア充だという偏見を改め、りのの未完症克服を応援するのだった。
登場人物・キャラクター
桜井 りの (さくらい りの)
高校3年生の女の子。美大受験を目指しているのだが、描いている絵の完成が近づくと、頭が真っ白になって意思とは無関係に絵をぐちゃぐちゃにしてしまう。本人はこれを「未完症」と呼んでおり、未完症のせいで絵を最後まで描き上げる事ができない。未完症が発症しても、そこから冷静さを取り戻して絵を完成させる事もあり、未完症を克服できるパターンの事は「突き抜け症」と呼んでいる。 クラスメイトの男子・月成に好意を抱いている。また、同じくクラスメイトである斉藤ともなかよくなりたいと思っており、月成と斉藤が通っている〇×美術予備校へ通う。絵の実力は普通。
斉藤 (さいとう)
桜井りののクラスメイトで、高校3年生の女の子。月成とは同じ中学校の出身。教室の隅の席で、いつも下を向いて絵を描いており、話し掛けづらい雰囲気を持っている。前髪で顔が隠れる事が多いが、素顔はかわいらしい。リア充を嫌っており、友達になりたいと近づいて来た桜井りのの事をリア充認定して拒絶する。〇×美術予備校のコンテストでは、よく上位に入るほど絵がうまい。
月成 (つきなり)
桜井りののクラスメイトで、高校3年生の男の子。まじめな性格で、桜井りのから好意を寄せられているが、気づいていない。美大志望な事から、〇×美術予備校へ通っており、予備校の絵の講評では一番の評価を得るほど実力がある。
加川 (かがわ)
桜井りののクラスメイトで、高校3年生の男の子。りのの幼なじみ。茶髪をポニーテールにしている。りのの「未完症」の事はよく知っており、りのが月成を好きな事も知っている。勉強が嫌いで、美術にも興味はないが、かわいい女の子目当てでのちに〇×美術予備校へ通うようになる。性格は月成に比べると、チャラい。
みずちん
高校3年生の女の子で、桜井りのの友人。高校は別だが、〇×美術予備校でいっしょになる。長い黒髪をツインテールにした元気いっぱいな性格。りのの「未完症」の事は知っており、りのの事を「不感症女」と呼ぶ。
ひなこ
〇×美術予備校に通う高校3年生の女の子。桜井りのと高校は別だが、なかよくなり、写真撮影に誘う。長い黒髪をセンター分けにして、ヘアピンで留めている。普段はコンタクトレンズをしているスレンダーな美少女。
黒田 (くろだ)
〇×美術予備校に通う高校3年生の女の子。お嬢様学校である山手女学院に通っている。予備校で桜井りのと親しくなり、りのに制服を貸して山手女学院の学生に変装させ、学院に潜入させた。男子に免疫がないため、加川達から食事に誘われた際は断ってしまう。
斉藤先生 (さいとうせんせい)
〇×美術予備校の講師を務める男性。ボサボサの髪に無精ひげを生やしたオジサン。桜井りのら予備校生に絵の指導をし、生徒達の絵を壁に貼り出して全員の前で講評していく。りのは予備校見学初日にクラスメイトの斉藤と同じ姓である事に気づく。
若林先生 (わかばやしせんせい)
〇×美術予備校の講師を務める女性。派手な美人で、生徒達に熱心に絵の指導を行う。桜井りのに対して時に厳しい事も言うが、りのの事をほかの生徒達と同様に応援している。