あらすじ
第1巻
中学1年生になった木之本桜は、香港から戻って来た恋人の李小狼と再び同じ学校に通えるようになって喜んでいた。中学校生活を満喫していた桜は、ある日、暗闇の中で全身をすっぽりフードでかぶった謎の人物に見つめられる中、複数の透明なカードが浮き、それが砕けていくという不思議な夢を見る。桜は嫌な予感がしてさくらカードの仕舞われた本を開くと、なんとさくらカードが透明になっていた。魔力の感じられなくなってしまったカードの扱いに困った桜は、ケルベロスと月、小狼に相談するが、解決方法は見つからない。落ち込む桜が、その日眠りに落ちると、フードをかぶった謎の人物が再び現れ、今度は桜に向かって攻撃を仕掛ける。危機迫る桜の前には、光と共に新たな鍵が現れ、目覚めた桜の手の中には、新たな鍵が握られていたのだった。その日の朝の登校途中に、不思議な夢と新たな鍵の出現に戸惑う桜を、魔力を伴った風が襲う。新たな鍵の封印を解除した桜は、夢の杖を構え、胸のうちに浮かんだ呪文を唱えて新たに「疾風」のカードを得る。昼休みに小狼に新たに得たカードを見せるが、新たなカードからはさくらの魔力しか感じられない。これまでのクロウ・リードの魔力をもとに創られていたカードとの違いに戸惑う桜は元気をなくし、そんな桜を励ますために、大道寺知世が泊りがけで桜宅に遊びに来た。知世のお手製衣装を着て遊んでいた桜、知世、ケルベロスは、突如扉も窓もない空間に囚われてしまう。摑もうとすると風船のように手をすり抜けてしまう壁を、知世の機転で裁縫用の針で壁を刺し、空間を破裂させたところを封印する事に成功。桜が新たに「包囲」のカードを得た、ちょうどその頃、遠いイギリスの地では、クロウ・リードの生まれ変わりである柊沢エリオルが、桜が新たな困難に遭っている事を知りながら、時期が来るまでは新たなカードの暴走を静観する事を決め込んでいた。
第2巻
ある日、木之本桜は降水確率0%であるにもかかわらず、降り続ける豪雨をいぶかしんでいた。新たな鍵が光ったため、夢の杖を構えた桜に、豪雨が水のロープとなって襲い掛かる。「疾風」のカードと「包囲」のカードを駆使して豪雨をなだめた桜は、新たに「水源」のカードを手に入れる。後日、友枝小学校時代に引き続き、友枝中学校でもチアリーディング部に所属する事を決めた桜は、さっそく放課後の部活動で汗を流していた。活動を終えて、校舎に戻ろうとした桜は、ほどけた靴ひもを直すうちに人気のなくなった校庭を不審に思い、新たなカードの気配を感じる。夢の杖を構え、「水源」のカードを使った桜は、新たなカードの在りかを特定する事に成功。無事にカードを封印し、桜は新たに「反射」のカードを得るのだった。4枚のカードを揃えた桜は、久しぶりに不思議な夢を見る。夢の中では、フードを目深にかぶった謎の人物に、桜の持つ新たな鍵が引き寄せられていく。それを食いとめようとした桜は、謎の人物の至近距離まで近づき、その人物が自分と同じくらいの背丈である事に気づくのだった。翌日、桜のクラスに転校生がやって来た。その転校生、詩之本秋穂は、海外を転々として来たと語り、すぐにみんなと打ち解ける。穏やかな秋穂に好感を持った桜は、苗字も背丈も似ている秋穂となかよくなれそうな予感に喜ぶのだった。そんなある日、理科の授業中に校庭に目をやった桜は、校庭の木が動き出すのを目撃。大道寺知世の機転で授業を抜け出した桜は、夢の杖を構え、新たに「行動」のカードを封印する事に成功するのだった。
第3巻
夕食当番のため買い出しに向かった木之本桜は、大道寺知世と詩之本秋穂の上手な歌を聞きながら、みんなで騒いだお花見の事を思い出していた。そんな事を考えていると、どこからともなく撮影時の電子音のような音が聞こえてくる。不思議に思う桜だが、周囲を見回しても何もない。その後、李小狼と共に知世宅を訪れた桜は、知世宅で、目の前に布のようなものが横切るのを目撃する。その布が魔力を帯びていた事に気づいた小狼は捕まえようとするが、桜はそのすばしっこいカードに悪意を感じず、動きを止めてなかよしになってほしいと語り掛ける。すると、布は透明で大きなリボンのような形となって桜の背中に宿る。それは「飛翔」のカードで、桜はこれを用いて大空を自由に飛ぶ力を得たのだった。大空を旋回中、また撮影時の電子音のような音を聞いた桜は周囲を調査し、付近で瞬く「記録」のカードを捕らえる事にも成功する。
後日、秋穂の家に招かれた桜は、書庫で透明な本として隠れていた「透過」のカードを捕まえる事に成功。日曜日、友枝植物園に小狼とデートに訪れた桜は、お弁当を広げたところで凄まじい風にあおられ、螺旋階段が上昇していくような空間に閉じ込められてしまう。だが、小狼が外から術をやぶってくれたおかげで脱出し、新たに「螺旋」のカードを捕獲する事に成功するのだった。帰宅した桜は、波乱万丈だった1日を振り返る。今日は、父親の木之本藤隆も兄の木之本桃矢もおらず、一人で夕食を取る事になる。独りでの夕食を寂しく思っていたところに秋穂から連絡が入り、桜は秋穂を夕食に招待する事にした。秋穂との食事中、秋穂が突然眠り込んでしまう。カードの気配に気づいた桜はカードを追いかけるが、カードは開いた窓から外に飛び出して行ってしまう。
第4巻
詩之本秋穂を眠らせたカードを追いかける木之本桜は、「飛翔」のカードを使い、大空を舞う。素早い動きで翻弄する「転寝」のカードをなんとか捕まえた桜は、目覚めた秋穂を迎えに来たユナ・D・海渡に預け、ほっと息をつくのだった。翌日の放課後、木之本桃矢の忘れ物を届けにアルバイト先の洋菓子店を訪れた桜は、仕事上がりの月城雪兎と偶然出会い、おすそ分けされた洋菓子を食べていかないかと誘われる。快諾する桜を連れて店の裏手に回った雪兎が扉を開けると、なんとそこには妙な景色が広がっていた。不可思議な状況に桜の鞄の中から飛び出て来たケルベロスと、雪兎と意識を交代して姿を現した月。月が、目の前に広がる岩肌のものものしい景色がどこまで続くのか矢を射って確かめてみたところ、矢は月の背後から戻って来てしまう。どうやら空間がループしているらしいと気づいたケルベロスと月は、慎重にその場を切り抜ける方法を考えるが、桜は迷いなく一つの道を選び、進んでいく。やがて出口にたどり着いた桜は、あっさりと「迷宮」のカードを捕える事に成功するのだった。何かが「違う」から出口がわかったと言う桜にケルベロスが首をかしげていると、そこに李小狼が通りすがる。桜は小狼に会えた事を喜ぶが、小狼はそこに通りかかった海渡を見て、彼の持つ強力な魔力に警戒心をあらわにするのだった。後日、調理実習の時間に、「顕現」のカードによりお菓子が動き出してしまうハプニングが起こる。「転寝」のカードを使い、うまく場をおさめて新たなカードを得た桜は、その夜、自宅で新たなカードの気配を感じる。外に出た桜は、大きな火の鳥が空を舞うのを目撃する。小狼の協力で火の鳥を諫めた桜は、新たに「火焔」のカードを得るのだった。さくらカードと同じように「水」「火」「風」の属性のカードを集め終えた事に気がついた桜は、翌朝いつものように亡き母の木之本撫子の遺影に微笑みかける。すると、翼の生えた撫子が桜の目の前に現れる。
メディアミックス
テレビアニメ
2018年1月7日よりNHK BSプレミアム、2018年4月4日よりNHK Eテレにて、本作『カードキャプターさくら クリアカード編』のテレビアニメ版が放送。前作『カードキャプターさくら』のテレビアニメ版から引き続き、監督は浅香守生が担当し、脚本とシリーズ構成をCLAMPの大川七瀬が、作中コスチュームとカードデザインを同じくCLAMPのもこなが担当している。木之本桜ほか主要登場人物を担当する声優陣は前作から変更がなく、本作から新登場となった詩之本秋穂を鈴木みのりが、ユナ・D・海渡を花江夏樹が、モモを寿美菜子が演じている。原作漫画版との相違点として、『カードキャプターさくら』のテレビアニメ版オリジナルキャラクター・李苺鈴が、本作テレビアニメ版にも登場している事が挙げられる。
登場人物・キャラクター
木之本 桜 (きのもと さくら)
友枝中学校に通う1年生の女子。ショートヘアで笑顔が可愛いらしく、口癖は「はにゃーん」。家事が当番制ということもあり、料理上手。運動神経が抜群に良く、チアリーディング部に所属している。李小狼とは恋仲であり、香港にいた彼が友枝町に戻って来たことを喜んでいる。さくらカードの持ち主にしてカードの魔法の使い手で、カードの守護神であるケルベロスと月の主人。 不思議な夢を見た後から、さくらカードの魔力がなくなって使えなくなったことに不安を覚えている。手に入れた新たな鍵を使い、友枝町に次々と起こる不思議な現象を食い止めている。
ケルベロス
さくらカードの2体の守護神のうちの1体。普段は黄色くて愛らしいぬいぐるみのような風貌だが、本来の姿は「封印の獣」と称される、ライオンのように凛々しい四足の獣である。大阪弁を使う、コミカルで陽気な性格。主人である木之本桜の家に住んでおり、桜の良きサポート役でもある。大のゲーム好きで、最近では仲良しのスピネル=サンとオンラインゲームにハマっている。 食べ物への執着心が強く、食い意地が張っており、特に甘いものには目がない。
李 小狼 (り しゃおらん)
香港から来た中学1年生の男子。木之本桜がクロウカードの新たな主人となり、すべてのカードを新たなさくらカードとして集め終えたため、香港に帰国していた。だが、やるべきことを果たすために、再び友枝町へと戻り、桜と同じ友枝中学校に通うこととなる。桜とは恋仲であり、常に彼女のことを想っている。また、彼女を守るため、日々鍛錬を積み重ねている。 武術の達人で、格闘術はもちろん、呪文を使うこともできる。必殺技は「雷帝招来」と呼ばれる電撃波。真面目で素直な性格で、クラスメイトの山崎貴史のちょっとした噓もすぐ信じてしまう。
大道寺 知世 (だいどうじ ともよ)
友枝中学校に通う1年生の女子。木之本桜の親友。黒髪ロングヘアで、品性のよい女の子。美声の持ち主で、コーラス部に所属している。趣味は自分が縫った洋服を桜に着せ、ビデオで撮影すること。友枝町に起こる不思議な現象に立ち向かう桜の勇姿を撮るために、常にビデオを持ち歩いている。玩具メーカー「大道寺トイズ」の一人娘で、携帯電話やビデオ機器など、必要とするものは、すべて会社で開発してもらっている。
木之本 桃矢 (きのもと とうや)
木之本桜の兄。大学1年生。黒髪で長身、おまけに卓越した料理の腕前を持つ。桜に対しては「怪獣」と呼ぶなど意地悪なところを見せるが、これは可愛い子ほど意地悪したくなる性格によるもので、実際には溺愛している。月城雪兎とは付き合いが長く、彼の本当の姿が月であることも知っているほどの深い仲。
月城 雪兎 (つきしろ ゆきと)
木之本桃矢の友人。銀髪で眼鏡をかけた、優し気な雰囲気を持つ大学1年生の美青年。月の仮の姿であり、月として活動している時の記憶はないものの、察しが良く、ある程度の状況を把握している。かなりの大食いで、普通の人の2倍くらいの量は軽くたいらげる。
月 (ゆえ)
さくらカードの2体の守護神のうちの1体。銀色の長い髪を1つに束ねた、とても神秘的で美しい青年。普段は仮の姿である月城雪兎として生活をしているが、主人の木之本桜に危険が及びそうな時には、月となって駆けつける。淡白で無口、素直でないところがあり、性格は同じ守護神であるケルベロスの真逆といっていいほどだが、主人である桜を想う気持ちは誰よりも強い。
詩之本 秋穂 (しのもと あきほ)
友枝中学校に転校して来た1年生の女子。木之本桜のクラスメイト。ユナ・D・海渡と一緒に、かつて柊沢エリオルが住んでいた家で暮らしている。巻き髪でおっとりした雰囲気の、とても可愛らしい少女。日本に来る前は香港やドイツ、イギリスなど海外を転々としていた。日本語は勉強して身につけたため敬語であり、クラスメイトとの会話にも敬語を使う。 お花見で大道寺知世と合唱し、その歌の上手さからコーラス部に誘われて入部する。
柊沢 エリオル (ひいらぎざわ えりおる)
落ち着いた雰囲気を持つ不思議な少年。黒髪のショートヘアで眼鏡をかけている。木之本桜と同い年。実は前世はクロウカードを作ったクロウ=リードの魂の転生者であり、桜の父親である木之本藤隆と対になって誕生した。能力や前世の記憶は全て柊沢エリオルが引き継いでいたため、クロウ=リード自身が持つ膨大な魔力を分散させたいと願っていた。 そこで、日本にいた頃はクロウカードをさくらカードとして桜に託し、自分以上の魔力を身につけさせるために、さまざまな試練を出していた。現在はイギリスに帰国しており、桜の良き相談相手として、手紙や電話で連絡を取り合っている。スピネル=サンとルビー=ムーンの主人であり、観月歌帆と一緒に暮らしている。
観月 歌帆 (みづき かほ)
月峯神社の巫女。木之本桜が小学生の頃、一時算数の先生として担任を受け持ったことがある。ロングヘアで美しく、不思議な雰囲気を持つ女性。かつて巫女としての力を用い、桜をさくらカードの主人として導く手助けを行なった。現在は大好きな柊沢エリオルとともに生活するためイギリスに移住し、柊沢エリオルと2人で桜を遠くからサポートしている。
スピネル=サン
柊沢エリオルによって創られた従者。ルビー=ムーンと対を成す存在で、ルビーには気軽に「スッピー」というあだ名で呼ばれている。普段は目付きの悪い黒猫のぬいぐるみのような風貌をしているが、これは仮の姿であり、真の姿は蝶のような羽根の生えた豹に似た生き物。慇懃無礼なしゃべり方をするが、甘いものを食べると酔っ払って、甘えたしゃべり方になる。 ケルベロスとは永遠のライバルにして良き友達で、頻繁にオンラインゲームをしたり、互いの国のスイーツの情報交換をしたりと、連絡を取り合っている。
ルビー=ムーン
柊沢エリオルによって創られた従者。スピネル=サンと対を成す存在。普段は仮の姿である人間の男性「秋月奈久留」として生活している。「女性の方が可愛い」という理由で、髪はロングヘア、いつもスカートを穿いて過ごしている。本来の姿は、蝶をモチーフにした衣装を身にまとう妖艶な女性で、相当な呪術の使い手でもある。スピネルのことを気軽に「スッピー」というあだ名で呼んでいる。 木之本桜を可愛がっており、友枝町で起こる不思議な出来事の話を聞いた時には、今いるイギリスからすぐに日本に飛んで行こうと考えたほど。
木之本 藤隆 (きのもと ふじたか)
木之本桜の父親。桜を常に温かい目で見守る子煩悩な人物。大学で考古学の先生をしている。身長が高く、眼鏡をかけた上品で優しい雰囲気の男性。料理も上手で、家庭内でも丁寧語を話すなど、言葉遣いも非常に綺麗。クロウカードの創設者クロウ=リードの魂の転生者であり、柊沢エリオルと対になって誕生した。記憶や魔力はすべてエリオルが授かったため、特別な力は持っていない。 早くに妻の撫子を亡くしてしまったが、日本に来たエリオルから強い魔力を与えられたことによって、天国から木之本家にたびたび訪れる撫子の姿が見えるようになった。そのため、寂しくは思っていない。
三原 千春 (みはら ちはる)
友枝中学校に通う1年生の女子。木之本桜とクラスメイトで、同じチアリーディング部に所属している。三つ編みをお下げにした、明るくて可愛い少女。クラスは違うが、山崎貴史とは幼なじみ。彼の言う噓や冗談に、いつもツッコミを入れるなど仲が良い。お菓子作りが得意。
柳沢 奈緒子 (やなぎさわ なおこ)
友枝中学校に通う1年生の女子。ボブヘアで眼鏡をかけている。おっとりしたマイペースな性格で、ファンタジーやオカルトが大好き。また、自分で物語を書くのが好きなため、演劇部に所属し脚本を書いている。山崎貴史の言う噓や冗談に乗っかって、真に受ける人を見て楽しむような、ノリのいい一面もある。
佐々木 利佳 (ささき りか)
木之本桜と同じ友枝小学校出身だが、別の中学に通う1年生の女子。内巻きのボブヘアで、大人っぽい落ち着いた雰囲気の持ち主。小学校の担任だった寺田先生と恋仲となったりと、大人な恋愛経験も持っている。学校が違うので、直接会う機会は少ないが、桜とは今でも連絡を取り合う仲である。
山崎 貴史 (やまざき たかし)
友枝中学校に通う1年生の男子。黒髪のショートヘアで身長が高く、いつもにこやかな表情をしている。博学でありながら、話の内容に噓や冗談を混ぜることがあり、素直な木之本桜や李小狼は騙されてしまうことが多い。三原千春とは幼なじみで、クラスは違うが、登校時や休憩時間を一緒に過ごすことが多い。自分の噓嘘や冗談にもツッコミを入れてもらうなど、気心の知れた関係。
ユナ・D・海渡 (ゆなでぃーかいと)
黒髪ショートカットで笑顔が素敵な好青年。詩之本秋穂が小さい頃から面倒を見ている兄のような存在だが、秋穂とは血は繋がっていない。お菓子も弁当もすべて手作りという、優れた料理の腕前の持ち主。
謎の人物 (なぞのじんぶつ)
木之本桜の予知夢にたびたび現れる謎の人物。フードとマントで顔も体も隠している。身長は桜と同じくらい。友枝町で起こる不思議な出来事に関わりがある様子で、クリアカードや新しい鍵とも深い関係があると目される。
クロウ・リード (くろうりーど)
強大な魔力を持つ魔術師兼占い師で、李小狼の遠い親戚にあたる男性。クロウカードの製作者でもあり、ケルベロスと月を生み出した、親のような存在。死後、転生して柊沢エリオルとして生まれ変わってからは、木之本桜が自身の作り出したクロウカードをうまく扱えるように導いていった。
木之本 撫子 (きのもと なでしこ)
木之本桜の母親で、桜が3歳の時に亡くなった。整った容姿を活かして、中学生の頃からモデルをしていた。亡くなったあとは、愛妻家の木之本藤隆により、毎日食卓にモデル時代に撮影した写真が日替わりで飾られている。さくらカードをすべて集めた結果、クロウ・リードの転生した魂の片割れである藤隆にも多少の霊感が備わり、遺影の近くで微笑む木之本撫子の姿が見えるようになった。 しかし、さくらカードから魔力が消えうせる頃には、藤隆にはその姿を確認する事ができなくなった。
その他キーワード
さくらカード
かつてクロウリードが作ったクロウカードが、新たな主人である木之本桜の力で作り変えられたもの。見た目はピンク色。カード1枚1枚が生きており、名前・姿がカードに描かれている。その名前通りの呪文を使うことが可能だが、呪文を使う時は桜が持っている封印の鍵で召喚しないと使えないため、桜にしか扱えない。桜が予知夢で謎の人物を見てからは、カードから魔力が消失し、透明になってしまった。
クリアカード
友枝町に起こる不思議な出来事の発端となっているもの。木之本桜が新たな鍵を用いて呪文を唱えると、カードに封印することが可能。この状態のものも「クリアカード」という。なおクリアカードは、さくらカードとは見た目が異なり、透き通っている。一枚一枚生きており、名前・姿がカードに描かれている。一時的に封印を解くことも可能で、その際には、カードに記されている名前通りの能力を発揮することが出来る。 新しいクリアカードを封印するために、別のカードの能力を利用することもあるが、カードの捕獲者である桜の言うことに従うので、スムーズに捕獲がすることが出来る。
新たな鍵 (あらたなかぎ)
羽根が付いた小さな鍵。木之本桜が謎の人物の現れる予知夢を見た後、目が覚めた時に手元にあった。桜が「封印解除(レリーズ)」と言うと、魔法の杖と化す。これによって、クリアカードを封印する他、クリアカードの封印を一時的に解いて、能力を使うこともできる。
「疾風」のカード (しっぷうのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「GALE」と表記されている。桜が登校途中に捕らえたもので、最初に手に入れたクリアカードとなる。使うと、凄まじい風を発生させる事ができる。
「包囲」のカード (ほういのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「SIEGE」と表記されている。桜が二番目に手に入れたクリアカード。桜の自室に現れ、扉も窓もなく、触ろうとすると逃げてしまう壁に囲まれた空間に桜を閉じ込めたが、風船の中にいるような感覚である事に気づいた大道寺知世が裁縫針で壁を刺し、「包囲」のカードの作った空間を破裂させたところを桜に封印された。 桜には、居場所を特定したカードを逃がさないために使用される事が多く、状況に応じ、その形状を柔らかくして尖ったものでも逃さず包み込む事ができる。
「水源」のカード (すいげんのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「AQUA」と表記されている。桜が三番目に手に入れたクリアカードで、豪雨をもたらし、雨垂れを水のロープに変えて桜に襲い掛かった。桜のみならず、近くにいた大道寺知世までをも襲った「水源」のカードは、非常に攻撃性のあるカードだが、「疾風」のカードで勢いを削がれ、「包囲」のカードにより自由を奪われたうえで、桜に捕らえられた。 広範囲に渡り雨を降らせる事ができる特性から、桜には魔力の源を特定したい時に頻繁に使用される。
「反射」のカード (はんしゃのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「REFLECT」と表記されている。桜が四番目に手に入れたクリアカードで、広範囲を網羅できる「水源」のカードで桜に居場所を特定され、捕らわれた。名前のとおり、魔法を跳ね返す事ができるカードである。
「行動」のカード (こうどうのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「ACTION」と表記されている。桜が五番目に手に入れたクリアカードで、友枝中学校の校庭の木々をあやつり、学校の敷地内から逃亡させようとしていたところを桜に見つかって捕らえられた。多量の木々を諌めるために「包囲」のカードを使い、校庭から出られなくしたあと、「水源」のカードで木々の足元をすくい、おとなしくなったところを桜に封印された。 大小問わず、対象物を動かす事のできるカードである。
「飛翔」のカード (ひしょうのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「FLIGHT」と表記されている。桜が六番目に手に入れたクリアカードで、大きな透明なリボンのような翼となって背中に宿る事で、桜は自由に空を飛ぶ事ができる。大道寺知世の家で現れ、李小狼の放った雷でも捕まえられないほどの素早さで動き、桜を翻弄した。 桜が攻撃カードの使用をやめ、傷つけない事を示すと安心して姿を現した。桜の背中に宿り、桜の翼になったあとはおとなしく桜に捕らえられた。桜の捕らえ方が非常にスマートだったため、その後桜に非常に懐き、使用するたびに桜にすり寄り、精いっぱい役に立てるように頑張ろうとする健気なカード。
「記録」のカード (きろくのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「RECORD」と表記されている。桜が七番目に手に入れたクリアカード。桜の心に反応し、桜が思い出に記録しておきたいと感じたものを、桜の代わりに記録してくれていたところ、撮影音から桜に気づかれ、封印された。命令すれば桜の望むものを記録してくれ、記録したものはホログラムのような立体映像として映し出す事ができる。
「透過」のカード (とうかのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「LUCID」と表記されている。桜が八番目に手に入れたクリアカードで、詩之本秋穂宅の書庫で本に紛れていたところを捕らえられた。使用すると、対象のものを透明にして見えなくする事ができる。
「螺旋」のカード (らせんのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「SPIRAL」と表記されている。桜が九番目に手に入れたクリアカードで、李小狼と共に訪れた友枝植物園で桜に襲い掛かって来たところを小狼の術で動きを止め、そのスキをついて桜に捕らえられた。使うと、突風と共に襲った相手を閉じ込める事ができる。
「転寝」のカード (てんねのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「SNOOZE」と表記されている。桜が十番目に手に入れたクリアカードで、桜宅を訪れた詩之本秋穂を眠らせた事でその存在を知られ、桜に封印された。実体は、非常にすばしっこい光の球のような姿であるが、家の外に逃げ出したところを「飛翔」のカードを使った桜に追いつかれ、捕らえられた。 使うと、周囲にいる人間を眠らせる事ができる。
「迷宮」のカード (めいきゅうのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「LABYRINTH」と表記されている。桜が十一番目に手に入れたクリアカードで、木之本桃矢と月城雪兎がアルバイトをしている洋菓子店に現れ、迷宮を作り出して桜とケルベロスと月を惑わせた。惑わした者に壮大な景色を見せるが、景色はループしており、容易に出口にたどり着けない仕組みになっている。
「顕現」のカード (けんげんのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「APPEAR」と表記されている。桜が十二番目に手に入れたクリアカードで、友枝中学校で調理実習をしていた桜の前に現れた。動物の形に象ったお菓子の材料を動かし、暴れさせたが、「螺旋」のカードにより動きを止められ、桜に捕らえられた。
「火焔」のカード (かえんのかーど)
夢の杖で木之本桜に封印されたカードの一つ。カード下部に英語で「BLAZE」と表記されている。桜が十三番目に手に入れたクリアカードで、家の中で桜に気配を気づかれ、姿を現した。実体化すると火の鳥になるが、非常に攻撃力に優れており、水の属性の「水源」のカードも歯が立たない。李小狼の術で抑え込んだところを桜に封印された。
前作
カードキャプターさくら
父の書斎で遊んでいた木之本 桜(通称さくら)は、本棚にある古い本が気になり手に取ってしまう。その瞬間本が激しく光りだし、表紙から何かがいきなり飛び出してきた。それはケルベロスと名乗るかわいいぬいぐるみ... 関連ページ:カードキャプターさくら
書誌情報
カードキャプターさくら クリアカード編 16巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2016-12-02発行、 978-4063930993)
第2巻
(2017-04-01発行、 978-4063931716)
第3巻
(2017-09-13発行、 978-4063932669)
第4巻
(2018-03-30発行、 978-4065113073)
第5巻
(2018-09-03発行、 978-4065130391)
第6巻
(2019-04-03発行、 978-4065149997)
第7巻
(2019-09-03発行、 978-4065170748)
第8巻
(2020-04-01発行、 978-4065179130)
第9巻
(2020-10-13発行、 978-4065210338)
第10巻
(2021-04-01発行、 978-4065228708)
第11巻
(2021-10-13発行、 978-4065249031)
第12巻
(2022-04-01発行、 978-4065271612)
第13巻
(2022-10-13発行、 978-4065292358)
第14巻
(2023-03-31発行、 978-4065311882)
第15巻
(2023-11-13発行、 978-4065331323)
第16巻
(2024-04-01発行、 978-4065349991)
カードキャプターさくら クリアカード編 特装版 2巻 講談社〈講談社キャラクターズA〉
第1巻
(2016-12-02発行、 978-4063588446)
第2巻
(2017-04-01発行、 978-4063588491)
ドラマCD付き カードキャプターさくら クリアカード編 特装版 8巻 講談社〈講談社キャラクターズA〉
第7巻
(2019-09-03発行、 978-4065170755)
第8巻
(2020-04-01発行、 978-4065174210)
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