概要・あらすじ
海辺の街に住む歌川喜世は、中学2年生の女の子。1年の秋、歌のテストでペアになったクラスメイトが、自分の声で気絶した事件以来、みんなの目を恐れ、不登校を続けていた。そんな彼女のもとに、長須勇魚という男子が訪ねてきた。彼は春からの転校生で、喜世の隣の席になったのだという。自然体で喜世のペースに合わせてくれる勇魚に親近感を持った喜世は、彼と一緒に東京湾に現れたというクジラの群れを見に行くことにする。しかし、ニュースでも話題になっていたため人だかりがものすごく、クジラを見ることはできなかった。近所のイベントに立ち寄った帰り道、勇魚が何かの声を聞きつけ走り出す。そこには、海辺に打ち上げられているクジラの子供がいた。どうやら群れと離れてしまったらしい。グッタリして元気のない子クジラだったが、喜世の声に反応する。声をかけ続けるようにという勇魚に従い、喜世は「花」を歌う。それは、人がいないときに、海岸で何度も歌っていた大好きな曲だった。喜世の歌声で、子クジラは元気を取り戻し、海に帰っていった。それはまさに奇跡の歌声だった。東京湾に集まってきたクジラの群れも、特殊な周波数を持つ喜世の声に誘われてきていたのだ。喜世の声は、人や高等生物の心を支配する力を持つ。クジラの調査をしていた少年の鯱野オルカは、喜世の存在を知り、彼女に「ローレライ」というコードネームをつける。彼は、全国から天才を集める学園都市エデンのトップであった。
登場人物・キャラクター
歌川 喜世 (うたがわ きせ)
海鯨学園中学校2年生の女子。身長153センチ。ツインテールとリボンが特徴。中学1年生の秋、歌のテストでペアになった子を、自分の歌声で気絶させてしまって以来、不登校を続ける。普段は祖母が経営するカフェの手伝いをし、授業はネット動画で受けている。実は特殊な周波数の声の持ち主で、その声は人間やクジラなどの高等動物の心を支配する奇跡の力を持つ。
長須 勇魚 (ながす いさな)
2年生の春に、海鯨学園中学校に転校してきた少年。身長170センチ。不登校を続ける歌川喜世のクラスメイト。淡いブルーグレイの瞳が特徴。ある日突然、喜世を訪ねてきて彼女と親しくなる。自然体で喜世のペースに合わせてくれる優しい性格。何をやらせても器用にこなす天才肌。
鯱野 オルカ (しゃちの おるか)
全国から天才を集める学園都市エデンのトップの少年。長須勇魚と同じ、淡いブルーグレイの瞳が特徴。歌川喜世の存在を知り、奇跡の歌声を持つ彼女を「ローレライ」と名付ける。喜世を自分のものにしようとしている。
書誌情報
キセキのローレライ 3巻 小学館〈ちゃおコミックス〉
第1巻
(2019-08-01発行、 978-4098705863)
第2巻
(2020-02-28発行、 978-4098707454)
第3巻
(2020-09-01発行、 978-4098710959)