作品の概要
基本情報
黒丸の連載デビュー作にして代表作の一つ。夏原武が原案を務めた初の長期連載作品でもある。
要旨と舞台設定
現代日本を舞台に、詐欺師を標的とする詐欺師「クロサギ」を生業とする青年、黒崎の活動を描いた物語。本作では一般人から金銭を騙し取るシロサギ、異性を標的に心と体を弄ぶアカサギ、そしてシロサギとアカサギのみを標的とするクロサギという3種類の詐欺師が登場し、黒崎は「フィクサー」と呼ばれる男、桂木から情報を得て詐欺師たちを狙う。
ストーリー展開
黒崎は、父親が詐欺被害に遭って一家心中を図り、家族の中で唯一生き残ったという過去を持つ。家族を死に追いやった詐欺師に復讐すべくクロサギとなった黒崎は、桂木から詐欺師の情報を入手、あらゆる手段を駆使して詐欺師たちを追い詰めていく。各エピソードでは訪問販売詐欺や投資詐欺、結婚詐欺などさまざまな手口の詐欺師が登場し、黒崎がそれらを上回る手法で騙し返していく。同時に、黒崎と警視庁のキャリア男性官僚、神志名や検事志望の女子大学生、吉川との関係を通じて、法と正義、復讐と救済の狭間(はざま)で葛藤する登場人物たちのジレンマが描かれる。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、詐欺をテーマにしたサスペンス漫画で、現代社会における詐欺犯罪の実態や詐欺の手口が詳細に描写されている。復讐ものの要素も併せ持ち、1話完結を基本としながら黒崎の過去と復讐が物語全体を貫く構成となっている。
作品固有の表現技法と特徴
本作は、黒崎と詐欺師たちとの心理戦を中心とした駆け引きを詳細に描写しているのが特徴で、黒崎が標的とする詐欺師の手法を分析し、それを上回る詐欺で反撃する過程を段階的に見せる展開が基本となっている。また、被害者と加害者の立場の逆転や法的正義と個人的復讐の対立といった、善悪の境界線を曖昧にする演出も用いられている。
世界観の構築と設定
本作では、表面的には平穏な日常が続いているように見えるが、その裏側では詐欺犯罪が横行しているという二重構造の現代日本が舞台となっており、詐欺師たちのネットワークや警察・検察の捜査体制、被害者救済の限界といった社会的な問題が描かれている。さらに、桂木を頂点とする詐欺師の階層構造と、そこから情報を得る黒崎の立場という独特な関係性も作品の核となっている。
連載状況
小学館「週刊ヤングサンデー」2003年50号から2008年26号まで連載。
受賞歴
2008年第53回「小学館漫画賞」一般向け部門。
メディアミックス情報
テレビドラマ
第1作:2006年4月から2006年6月まで放送。主演は山下智久。
第2作:2022年10月から2022年12月まで放送。主演は平野紫耀。
実写映画(劇場)
『映画 クロサギ』:2008年3月8日公開。監督は石井康晴。テレビドラマ版第1作の映画版。
あらすじ
登場人物・キャラクター
黒崎 (くろさきこうしろう)
21歳。法律や話術を巧みに操り詐欺師を騙し、詐欺師業界ではクロサギと呼ばれ噂されている。詐欺師に騙された父親が一家心中を図り、家族を失った過去を持つ。外見は短髪で、ごく普通の青年。アパートの大家もやっている。フルネームは漫画『クロサギ』の時点では不明。
吉川 氷柱 (よしかわ つらら)
主人公である黒崎が大家をやっているアパートに住んでいる。正義感が強く、検事を目指して政和大学の法学部に通う。ふとしたきっかけで黒崎の過去を知り、犯罪を通して詐欺師に復讐する黒崎のやり方に反発しつつも、徐々に彼に惹かれていく。おせっかい焼きで、黒崎にはやや迷惑がられている。
クロサギ
『クロサギ』に登場する主人公黒崎の詐欺師業界での異名。一般人は標的とせず他の詐欺師のみを標的とする。法律や話術、演技力などを駆使して詐欺師たちから巧みに金を騙し取っていく。
神志名 将 (かしな まさる)
政和大学法学部の卒業生で、現在は警察庁のキャリア官僚。上野東署で知能犯係の警部補を務めている。詐欺事件に関し強い関心を抱いており、黒崎に対しては特に敵意を持っている。
三島 ゆかり (みしま ゆかり)
ヒロインである吉川氷柱の友人で同じ政和大学の文学部に通っている。美容品詐欺に遭った際、主人公である黒崎に被害金額を取り返してもらって以降、周囲の人間のさまざまな詐欺被害についての依頼を黒崎にするようになる。
白石陽一 (しらいしよういち)
主人公である黒崎と同様、過去の経験から金銭以上の目的をもって詐欺を行う詐欺師。不正を行った大企業のみをターゲットとし、金銭的損害は勿論、社会的な信頼の失墜を目論む。
桂木 敏夫 (かつらぎ としお)
表向きは東京の御徒町にあるスナック「桂」のオーナーであるが、実際には詐欺師に情報や詐欺の道具を売りつけ、詐欺師達の頂点に君臨するフィクサーである。主人公である黒崎の家族を破滅に追いやった詐欺をプランニングした張本人であるが、黒崎とは単に仕事上の関係とは割り切れない複雑な関係が続いている。 黒崎からは親爺と呼ばれている。
御木本 (みきもと)
かつて詐欺師界の大物桂木の詐欺グループに所属し、主人公である黒崎の父親をチェーン店詐欺にかけた。黒崎は常に御木本の名前を追い続けていた。
藤見 智 (ふじみ さとし)
主人公である黒崎の高校時代の友人。黒崎と同様高校は中退した。ある日街で黒崎と久しぶりに再会するが、その際に家賃詐欺に加担していることをクロサギである黒崎に話してしまう。
その他キーワード
詐欺師 (さぎし)
『クロサギ』に登場する、一般人(カモ)を騙して金銭を巻き上げる詐欺師たちはシロサギと呼ばれる。また異性を標的として結婚詐欺などで金を騙し取る詐欺師はアカサギと呼ばれる。
クレジット
- 原案
-
夏原 武
続編
新クロサギ (しんくろさぎ)
詐欺師のみをターゲットとする詐欺師「クロサギ」の青年・黒崎が様々な詐欺事件の黒幕を追い詰める社会派サスペンス。前作『クロサギ』の直接的な続編。『週刊ヤングサンデー』が休刊するにあたり『ビッグコミックス... 関連ページ:新クロサギ
書誌情報
クロサギ 20巻 小学館〈ヤングサンデーコミックス〉
第1巻
(2004-05-01発行、978-4091531414)
第2巻
(2004-08-01発行、978-4091531421)
第3巻
(2004-11-01発行、978-4091531438)
第4巻
(2005-02-01発行、978-4091531445)
第5巻
(2005-05-01発行、978-4091531452)
第6巻
(2005-08-01発行、978-4091531469)
第7巻
(2005-11-01発行、978-4091531476)
第8巻
(2006-02-01発行、978-4091510280)
第9巻
(2006-05-01発行、978-4091510730)
第10巻
(2006-08-01発行、978-4091510976)
第11巻
(2006-11-01発行、978-4091511256)
第12巻
(2007-02-01発行、978-4091511546)
第13巻
(2007-04-01発行、978-4091511942)
第14巻
(2007-07-01発行、978-4091512130)
第15巻
(2007-10-01発行、978-4091512383)
第16巻
(2008-01-01発行、978-4091512581)
第17巻
(2008-02-01発行、978-4091512703)
第18巻
(2008-03-01発行、978-4091512956)
第19巻
(2008-06-01発行、978-4091513342)
第20巻
(2008-09-01発行、978-4091513762)







