概要・あらすじ
アダルト漫画を描いて生計を立てている24歳の漫画家、坂本陸は、自分一人が暮らしていくのもやっとの、非常に厳しい生活を送っていた。そんなある日、離れて暮らしていた妹の坂本空が、陸のもとへ突然やって来る。父親を亡くした空は、陸を頼ってきたのだという。陸は、兄として空を助けようと決意。しかし、空の高校編入手続き中、陸は空が実の妹ではなく、養女であったことを知る。
こうして、実は他人同士だった2人の、同居生活が始まる。
登場人物・キャラクター
坂本 陸 (さかもと りく)
漫画家として働く24歳の男性。主にアダルト漫画を描いて生計を立てている。妹の坂本空からは「お兄ちゃん」、アシスタントの岡田海には「先生」、徳武キョウヤからは「センパイ」と呼ばれている。前髪を目の上で切った癖のあるショートカットヘアにしている。ややぶっきらぼうだが、生真面目で一生懸命な性格。8歳の時に母親を亡くし、18歳の時に漫画家になると宣言したのを理由に、父親から勘当された。 それ以来、1人で生活しながら漫画を描いていた。しかし、父親が亡くなったのを機に空と暮らすことになる。さらに空の高校の編入手続きの際、自分と空は血が繋がっていないことを知ってしまう。しかし、それでもたった1人の家族として、空の保護者となることを決める。
坂本 空 (さかもと そら)
坂本陸の義妹で、高校1年生の女子。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた、癖のあるショートカットヘアにしている。明るく素直で、ややヤキモチ焼きな性格。父親が亡くなったのを機に陸のもとを訪れ、一緒に暮らすことになる。陸を心から尊敬しており、アダルト漫画の仕事も積極的に応援している。そのため、イラストは描けないが、料理を作る「メシスタント」として陸をサポートしている。 その腕を買われて他作家のもとへ出かけて、料理を作ることもある。
岡田 海 (おかだ うみ)
坂本陸の臨時アシスタントとしてやって来た若い女性。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、肩につかない長さのボブヘアにしている。容姿端麗なのに加えて画力も高く、性格も穏やか。そのため陸は、ぜひレギュラーアシスタントとして働いてほしいと願うが、自分の職場は岡田海にふさわしくないと考え、勇気を出せずにいた。しかし、沢村マサヒコの計らいにより、レギュラーアシスタントとして長期的に一緒に働くことになる。 やがて陸の真面目で妹想いな人柄に触れ、想いを寄せるようになる。
沢村 マサヒコ (さわむら まさひこ)
坂本陸の友人で、陸のもとでアシスタントとして働く若い男性。前髪をバンダナで上げ、肩につくほどのセミロングヘアにしている。たらこ唇で、やや太目の体格。漫画やアニメに加え、フィギュアやコスプレが大好きで、メイド喫茶にも通い詰めるオタク気質。陸とは漫画家とアシスタントというよりは友人関係に近く、臆病な陸の代わりに岡田海をレギュラーアシスタントとして誘うなど、世話焼きな一面もある。 マキアに想いを寄せている。
岡田 コウイチ (おかだ こういち)
岡田海の弟。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた、ストレートショートカットヘアにしている。まだ幼く、本当は海に甘えたいと思っているが、なかなか素直になれずにいる。そのため、わざと海にちょっかいをかけては困らせることが多い。坂本陸とは、陸が岡田家を訪れた際に知り合った。
今日子 (きょうこ)
坂本陸と坂本空が、銭湯で知り合った少女。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。母親と、兄のノリアキの3人で銭湯を訪れ、空と知り合う。しかし入浴中におぼれて意識不明になってしまい、陸に人工呼吸される形で一命をとりとめる。
武 半平太 (たけ はんぺいた)
坂本空が公園で知り合った年老いた男性。坂本陸と空が住むアパートの所有者でもある「武コンツェルン」の会長を務めている。スキンヘッドに口ひげを蓄え、小柄で目が細く、いつも笑っているように見える。公園で空と話して以来空を気に入り、坂本兄妹が生活に困っているところに目をつける。そして「陸に資金援助する代わりに、空を養女に迎えさせてほしい」と持ち掛ける。 結果的には断られるが、その後も坂本兄妹を気にかけており、のちに空の実の母親である夕子の存在を知り、夕子に陸を紹介する。
徳武 キョウヤ (とくたけ きょうや)
坂本陸の知り合いで、以前出版社で一緒にアルバイトをしていた若い男性。前髪を真ん中で分けて額を見せ、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。三白眼が特徴。陸のことを「センパイ」と呼びつつ見下した態度を取り、陸をもてないと思い込んでいる嫌味な性格。ある日、お祭り会場で再会し、陸に意地悪をする。
市川 マサオ (いちかわ まさお)
人気漫画家の男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪に、カイゼル髭を生やしている。もみあげがクルンとカールしており、目が細くいつも目を閉じているように見える。作品がヒットして非常に羽振りがよく、アシスタントにも高額の給与を支払っている。しかし、女性アシスタントには過激なコスプレをさせたり、肌の露出を強要したりと、セクハラがひどいことでも知られる困った作家でもある。 そのため、女性スタッフは入ってすぐにやめてしまい、職場には女性が一切いない。しかし、ある日、坂本空と岡田海は、それを知らないまま臨時アシスタントとして市川家に行くことになってしまう。
高杉 翔太 (たかすぎ しょうた)
坂本陸の臨時アシスタントとしてやって来た少年。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、ふんわりとしたショートカットヘアに眼鏡をかけている。中性的でかわいらしい顔立ちをしている。自身も漫画家で、人気雑誌「週刊ジャンボ」に連載経験がある上、画力も非常に高い。現在は連載が終了しているため、臨時アシスタントとして陸のもとで一時的に働くことになり、すぐに坂本空と岡田海とも仲良くなる。 そのため、陸は自分よりも優秀な高杉翔太にやや嫉妬することになる。
ミハル
坂本空の友人で、同じ高校に通う女子。前髪を右寄りの位置で斜めに分けて、眉上で短く切ったショートカットヘアにしている。長身でほっそりとした体型の、中性的な容姿をしている。そのため自分を女性らしくないと捉え、コンプレックスに感じている。坂本陸とは、ある日坂本家に遊びに来たのがきっかけで知り合った。その際陸から、女性らしく見せるには、たとえば仕草から女性らしさを意識してみると良いなど、漫画家ならではのアドバイスを受けることになる。
夕子 (ゆうこ)
坂本空の実の母親の中年女性。前髪を眉上で短く切ったベリーショートカットヘアにしている。空が生まれてすぐに夫を亡くし、経済的にも精神的にも空を育てる自信をなくしてしまった。そのため友人であった坂本陸の母親に預ける形で空のもとを離れた。その後、空には自分の存在すら知らせないまま暮らしていたが、再婚してカナダに引っ越すことが決まり、引っ越す前に一度空に会いたいと、陸のもとを訪ねて来る。
マキア
沢村マサヒコの想い人で、メイド喫茶で働く若い女性。本名は不明。前髪を目の上で切りそろえ、胸まで伸ばしたロングヘアを高い位置でツインテールにし、縦ロールにしている。一見明るく可愛らしい雰囲気だが、実際は計算高く腹黒い性格。さらに重度の買い物依存症で、多額の借金がある。そのためマサヒコの想いを利用し、援助させようとする。