概要・あらすじ
1900年代初頭のイギリス。両親を亡くし、親戚の間をたらいまわしにされていた8歳の少年ビリー・バンは、父親の義兄である銀行家スタンレィ氏の家に引き取られることになった。スタンレィ氏の娘で、同い年のヴィクトーリアに淡い初恋を覚えるビリー。エルシー、ジョン、マーカスといった友人たちもでき、楽しく過ごす。
しかしスタンレィ氏が飛行機事故で植物状態となったことから家は没落、ビリーとヴィクトーリアは13歳で働き始めることとなる。
登場人物・キャラクター
ヴィクトーリア
『ゴールデンライラック』の主人公のひとり。金髪で華やかな美貌を持つ少女。銀行家スタンレィ氏の娘で、何不自由のない幼少期を過ごすがスタンレィが事故によって植物状態となったことから、13歳で働きに出ることになる。下町の市場から高級ホテルの住み込みメイド、クラブの踊り子へと職を変え、ハーバート・スティーブンスと出会う。 従兄弟のビリー・バンとは3歳の時に初めて会っており、後に彼が家に引き取られた時もそのことを覚えていた。エルシー、ジョン、マーカスとは幼馴染。
ビリー・バン (びりーばん)
『ゴールデンライラック』の主人公のひとり。両親を亡くし、親戚の間をたらいまわしにされていた少年。8歳の時、父親の義兄である銀行家スタンレィ氏の家に引き取られ、いとこのヴィクトーリア、そしてエルシー、ジョン、マーカスといった友人たちとであう。初めて見た飛行機に心を奪われ、飛行機のパイロットと研究開発者を目指すようになる。 第一次世界大戦では空軍に入隊。
ハーバート・スティーブンス (はーばーとすてぃーぶんす)
裕福な男爵。独身主義者だったが、16も年下のヴィクトーリアに出会い、考えを変える。熱烈な求愛で、生活苦の中にいたヴィクトーリアを射止めた。心臓に持病がある。
スタンレィ
ヴィクトーリアの父親。裕福な銀行家。死んだ義弟夫婦の息子だったビリー・バンを引き取る。軽飛行機の着陸時のショックで脳の血管が切れてしまうという事故に遭い、植物状態となる。ちょうど事故と借金の期日が重なったため一家は没落を余儀なくされてしまう。その後意識を回復し、妻のスタンレィ夫人やヴィクトーリアの看病によって、何年もかけてリハビリを行い、筆談などによって会話ができるまでになる。
スタンレィ夫人
ヴィクトーリアの母親。銀行家スタンレィの妻。引き取ったビリー・バンを、我が子同様に可愛がって育てた。夫が事故で寝たきりになってからは、家でいくつも内職をし、献身的な看病を行う。
エルシー
ヴィクトーリアとビリー・バンの幼馴染の女の子。落ち着いた性格。ビリーに片思いをしており、何かと彼のことを心配している。ジョンからのプロポーズを相談しに行った時、初めてビリーへ告白するが友人関係を保とうと言われ、彼を諦めてジョンと結婚する。
ジョン
ヴィクトーリアとビリー・バンの幼馴染の男の子。食いしん坊で何かというと食べ物のことを考えている。第一次世界大戦では陸軍に入隊。生還の後、エルシーにプロポーズする。
マーカス
ヴィクトーリアとビリー・バンの幼馴染の男の子。お金持ちの家の育ちで、貧しい人々を馬鹿にしたところがあったが、ヴィクトーリアの家が没落し、縁が切れた後に再会したときは、再び友情を結んだ。第一次世界大戦で陸軍に入隊し、戦死。
コーンスターンス・スティーブンス (こーんすたーんすすてぃーぶんす)
ヴィクトーリアとハーバート・スティーブンスの間に生まれた一人娘。お産に立ち会った主治医はドクター・ベルで、高熱を発したときも再び命を救われる。
ドクター・ベル (どくたーべる)
老年の医師。ヴィクトーリアとハーバート・スティーブンスの間に生まれた一人娘コニーの主治医。