東京タラレバ娘 シーズン2

東京タラレバ娘 シーズン2

東村アキコの『東京タラレバ娘』シリーズの一つ。『東京タラレバ娘』とは異なる新たな主人公、廣田令菜が恋愛や将来の夢に悩みながら人生を模索し、最終的に結婚して楽しい家庭を持つことを目指す姿を描いたラブコメディ。令和を生きる30代の女性の葛藤がリアルに描かれているのが特徴で、令菜には作者である東村アキコの周りにいる25~30歳くらいの女性の日常がそのまま反映されている。「Kiss」2019年6月号から連載の作品。

正式名称
東京タラレバ娘 シーズン2
ふりがな
とうきょうたらればむすめ しーずんつー
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
既刊6巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

令和の時代こそ夢を持とう

短大卒業以来フリーターとして職を転々としてきた30歳の廣田令菜は、とある区立図書館で図書館司書のパートを始めることにした。新しい仕事はつまらないものの、ほかにやりたいこともなく、適当な毎日を過ごしていたある日、令菜は先輩の森田昭子に「よしおバー」という一風変わったバーに連れていかれる。そのバーは、人生を通しての夢を語り合う場所だった。そこで、取り立てて幸せではないけれど不幸とも感じていない令菜は、夢を持たない覇気のない自分にがっかりしてしまう。だが後日、令菜は小学校の同窓会でタイムカプセルを掘り起こし、自らが子供の頃に抱いていた夢はお嫁さんになって楽しい家庭を築くというものだったことを思い出す。子供を持つ同級生の美香の、家族がいれば家族行事を再び楽しめるという言葉にも後押しされ、令菜は婚活を始めることを決意し、よしおバーでそのことを宣言。すると、よしお1号に試しによしおバーの従業員の中から誰か選んで交際をしてみないかと提案される。

まずは自分に恋したい

よしお1号にそそのかされた廣田令菜は、とりあえずよしお3号と同伴デートに繰り出すことにした。気軽な雰囲気の居酒屋でよしお3号と飲んだ令菜は、自分の日常に相手を楽しませるネタが一つもないことに気づき、愕然とする。日常生活に話題がまったくない令菜に合わせて、次のデート相手のよしお5号はいっしょに映画鑑賞することを提案。映画館でシリーズものの最新作を見たが、前作の内容をろくに覚えていない自分に寒気を覚えた令菜は、中身のある人間に生まれ変わろうと決意する。そんなある日、令菜は勤め先の図書館に偶然やって来たよしお2号に一目ぼれしてしまう。森田昭子の手を借りてなんとかよしお2号と連絡先を交換することに成功した令菜だが、よしお1号はそんな彼女に対し、よしお2号は結婚願望をまったく持っていないため、婚活の相手には不向きだと警鐘を鳴らす。楽しい家庭をつくるという夢を叶えるためには、別の男性を探すべきかと苦悩する令菜だが、タラレバの後押しもあり、よしお2号を思い切ってデートに誘ってしまう。デート中、よしお2号の中にあざとさと軽薄さを見た令菜は恋に落ちないように抵抗するが、どうしても惹かれてしまうのだった。

求められる女になろう

よしお2号への恋心を認めた廣田令菜は職場でも色めき立ち、森田昭子によしお2号との幸せな結婚を目指して猛進することを宣言する。熱く語る令菜を前にして、昭子は思い描く幸せな結婚がよしお2号相手に叶うのかと疑問をぶつけるが、恋愛を経た結婚に執着する令菜は聞く耳を持たなかった。ある日、令菜は谷崎与志雄という小学生と知り合う。どこか達観した雰囲気のクールな与志雄は、母親に厳しく外食を禁止されているため、令菜にタピオカミルクティーなどの甘味を調達してもらう代わりによしお2号との恋愛相談に乗ることを快諾。令和の恋愛や結婚観に精通している与志雄にもらったアドバイスを基に、令菜はよしお2号をデートに誘い、勢いで告白することに成功する。よしお1号の乱入により、令菜の告白はうやむやにされてしまうが、再度よしお2号への告白を試みようとする令菜を、今度は与志雄が制する。脈があるならば、今度はよしお2号からのアプローチがあるはずだという与志雄の意見に賛同した令菜は、よしお2号の出方をうかがうことにするが、そのスキによしお1号が令菜にせまり、その唇を奪ってしまった。

関連作品

漫画

本作の関連作品として東村アキコの『東京タラレバ娘』『東京タラレバ娘 リターンズ』『東京タラレバ娘番外編 タラレBar』がある。『東京タラレバ娘』は本作と異なる主人公の三人組である鎌田倫子、香、小雪が自らの幸せを求めて恋愛や仕事に奔走する姿を描く。『東京タラレバ娘 リターンズ』は『東京タラレバ娘』の続編で、本編終了後の香の結婚前後が描かれた作品となっている。『東京タラレバ娘番外編 タラレBar』は、シリーズを通して登場しているマスコットキャラクターのタラレバが、主人公を諭すのと同様に辛辣な語り口で読者の悩みにコメントしていくQ&A形式の作品。これは、『東京タラレバ娘』のコミックス第三巻からスタートした読者投稿型のおまけコーナー「タラレBAR」を原型としているが、『東京タラレバ娘』連載終了後も手紙が届き続けるなど、好評だったためにコミックス化された。

登場人物・キャラクター

廣田 令菜 (ひろた れいな)

東京のとある区立図書館で司書のパートをしている女性。誕生日は1989年(昭和64年)1月5日で、年齢は30歳。東京都生まれの一人っ子。都立高校卒業後に短大に進学したが、就職活動で失敗して短大を卒業してからはずっとフリーターをしている。司書になるまでは派遣社員としてショップ店員やライブスタッフ、ポスティング等さまざまな仕事に従事したが、立ち仕事がつらくなってきたため、事務的作業の多めな司書を志望した。服装にこだわりがなく、若い頃に友達にもらったオーバーオールにスニーカーという気楽なファッションで日々を過ごしている。既婚の友人や森田昭子に連れていかれたよしおバーに感化されて、結婚して子供を設けて家族行事を復活させるという夢を胸に婚活を開始。結婚に不向きだと頭でわかっていても、恋愛ありきの結婚をしたいがために一目ぼれしたよしお2号に恋心を寄せ、振り向かせようと迷走する。昭子には海外ドラマの影響で「レイチェル」とあだ名を付けられているが、廣田令菜自身は気に入っておらず、呼ばれるのを嫌がっている。

森田 昭子 (もりた しょうこ)

東京のとある区立図書館に勤務している公務員の女性。1978年(昭和53年)生まれで、年齢は40歳。特別本が好きというわけではないが、結果的にヒマで楽な業務の多い今の職場を気に入っている。なお、読書するのは歴史小説のみである。親父ギャグのような寒い冗談を好み、昼休憩を引き延ばしたいがために職場の時計を遅らせるなど、大胆な行動に出ることがある。実家住まいの独身で、職場に新しくやって来た廣田令菜が珍しく自分より年下の女性だったために喜び、足しげく通っているよしおバーに誘った。なお、よしおバーには彼氏がいない酒好きの女性しか誘わないと決めている。よしおバーのよしお5号がお気に入りで、本気で恋をしていると本人にさりげなく伝えては無視されるが、めげずに告白を繰り返している。大好きな海外ドラマ『フレンズ』由来で令菜のあだ名が「レイチェル」に落ち着き、森田昭子自身を「モニカ」と呼んでもらいたがるが、それは令菜に却下された。婚活はしたことがないが、紺一向の婚活する様子を間近で見ていたため、大変困難なものという印象を持っている。それでもめげずに婚活に励む令菜を陰に日なたに応援する。

沼袋 (ぬまぶくろ)

東京のとある区立図書館に勤務している男性で、廣田令菜と森田昭子の上司。重度の人見知りで、目を合わせて人と会話することはほとんどない。大の蛙好きで、その蛙愛は昼食を取りながらグロテスクな蛙の図鑑を見られるほどに強い。なお、水槽に入れられている姿を見るのがかわいそうに感じるという理由から、自分では飼わず、ふだんはペットショップで蛙の姿を愛でるにとどめている。生涯の夢はアマゾンに蛙を見に行くこと。

よしお1号 (よしおいちごう)

よしおバーで店長兼責任者を務める男性。いつも煌(きら)びやかな服に身を包んでおり、初対面の客には必ず夢は何か、と聞くことにしている。夢がないと人生はつまらないという考え方を持っているが、ここでの夢とはなりたい職業のことではなく、人生を通して叶えたい、希望の詰まった願望を指す。ちなみによしお1号自身の夢は「生涯愛し合える女性を見つけて、愛にあふれた人生を送ること」だが、かつて恋した女性の麻里香をよしお2号に奪われたことがトラウマとなり、なかなか次の恋に踏み出せずにいる。客と夢について語り合うことが大好きで、夢を語った客に注文してもらったシャンパンを「夢シャン」と呼び、場を盛り上げることに長ける。廣田令菜の夢が「お嫁さん」だと知ってからは、令和に相応しい夢だと絶賛し、温かく見守って背中を押す存在となったが、よしお2号に惹かれていく令菜にやきもちを焼いたことで、よしお1号自身の令菜への恋心に気づく。ロマンチストな性格で、少し前のハリウッド女優のようなゴージャスな雰囲気の女性が好みだと公言している。

よしお2号 (よしおにごう)

かつて、よしおバーで従業員をしていた男性。表向きの退職理由はよしお1号が好きになった女性、麻里香の心を奪ったためということになっているが、真剣に交際する気がないのにほかの常連客の心を奪ってしまう人たらしな性質が、よしおバーにそぐわないとよしお1号が判断したために解雇されたというのが実情。つねにパーカーを深めにかぶっており、その姿やひょうひょうとした雰囲気が短大生の時に付き合った男性と似ていたため、廣田令菜に一目ぼれされる。子供好きで、婚活アプリを利用する程度には家族を持つことにあこがれているが、基本は根無し草でひょうひょうと生きていきたいと思っている。よしおバーを退職したあとは、好きな時間に働けるからという理由で飲食物の個人配送業のアルバイトに従事するなど拘束されずに自由に生きたい願望が強いが、自宅では多数の観葉植物の世話をするなど、マメな部分も持ち合わせている。祖父の代からの資産家で、三兄弟の末っ子として何不自由なく育ったため、何かを強く望み熱い意志を持って行動することが苦手で、人生の夢も、持たなければ叶わず苦しむこともないという風に考えている。

よしお3号 (よしおさんごう)

よしおバーで従業員をしている20代前半の男性。眼鏡を掛けており、従業員の中では群を抜いて紳士的な見た目で口調も穏やかである。廣田令菜の婚活に付き合って同伴デートした際、リーズナブルで堅苦しくない酒処呑んべえに連れて行くなど、相手の懐具合を考えたスマートな提案ができるのが魅力。旅行が趣味で、一人で海外旅行に行くことにも躊躇しない。東南アジアやヨーロッパの田舎の村や北欧に好きな街があるが、海外旅行はお金がかかるため、昼間はフリーの家庭教師を、夜はよしおバーの従業員をしている。かつては医師を志し、某大学医学部に進学したが、医者の縦社会や日本の医療の現状に納得できずに研修医時代にドロップアウトしてしまい、現在に至る。心が疲れている時に訪れたアイルランドのアイベラ半島の星空が大のお気に入り。

よしお5号 (よしおごごう)

よしおバーで従業員をしている20代前半の男性。少年のように小柄でかわいらしいルックスをしており、森田昭子に非常に気に入られている。昭子に本気で恋していると伝えられても、何事もなかったように振る舞うなど、人あしらいのうまさが目立つ。甘い物が好きで、特にシュークリームが大好き。見た目は幼く見えるが考え方は大人びており、自分だけ夢を持っていないと絶望する廣田令菜に、自分もよしおバーに来るまでは夢などなかったから大丈夫だとなぐさめるなど、気のきいた声掛けをする。人懐っこいキャラクターで、よしおバーのマスコット的な存在となっている。

よしお7号 (よしおななごう)

よしおバーで従業員をしている20代前半の男性。よしおバーきっての高身長で、無口で陰のある雰囲気を漂わせているが、暴走しやすいよしお10号を上手になだめることができる特技を持つ。麻雀や競艇、パチンコなどの賭け事が好きで、ほかのレジャーにはまったく興味がなく、知ろうともしない。仕事を転々としていたところ、よしお3号に誘われてよしおバーに入店したが、不審人物がられて店長のよしお1号には入店後3か月無視され続けた。煙草をつねに携帯する愛煙家である。

よしお10号 (よしおじゅうごう)

よしおバーで従業員をしている20代前半の男性。右の眉毛付近にピアスを開け、長髪を後ろでゆったりと束ねたチャラチャラした格好をしている。食べることが大好きで、食事の話になると周囲が見えなくなるほどはしゃいでしまう。子供の頃から一貫して働きたくないと思っており、王様になりたいと短絡的に考えることもあった。客に一方的にピザの宅配をねだったり、客の注文してくれたシャンパンを飲まずにジュースを飲んだりなど、マイペースに行動し、空気の読めない発言をする。夢は大きく、全世界の共通言語「地球語」を作ることで、ノートに言語を思い付いてはこまめに書き留めている。地球語と称して、意味のわからない単語をしゃべることがある。

馬場 大輔 (ばば だいすけ)

廣田令菜が小学校6年生だった時の同級生の男性。当時は学級委員長を務めていた。ふだんは温厚で面倒見のいいタイプだが、突然激昂する癖が小学生の時から治っていない。小学生の時に、理科の実験中に突然激昂してビーカーをたくさん割った過去を持つ。タイムカプセル掘り起こし同窓会の企画者として、同級生達を引っ張ってタイムカプセルを掘り起こそうとしたが、埋めた場所を覚えていなかったために掘り起こしに失敗した。責任を感じて、後日一人で金属探知機を使ってタイムカプセルを掘り起こし、令菜に小学生時代に抱いていた将来の夢は「お嫁さん」であることを思い出させた。

井上 (いのうえ)

廣田令菜が小学校6年生だった時の同級生の男性。現在は無職で、年上の彼女のヒモ状態にある。現状に嫌気が差しているが現状を変える努力をまったくしておらず、惰性に日々を過ごしている。タイムカプセルには、プロ野球選手になってアメリカに行き、メジャーリーグで活躍したいと記していた。中学校では野球部のエースとして活躍し、高校も名門の野球部に入部するものの高校生の時に野球をやめてしまったため、プロ野球選手になるという夢は叶わなかった。小学生の時はすぐに女子にブスなどと悪口を言うため、嫌われていた。

タラ

よしおバーで、ある日突然廣田令菜に見えるようになった謎の存在。令菜は自分が酔って見る幻覚だと考えている。白子がわたあめのようにふわふわと膨らみ、雲のように漂い、目と口が現れてしゃべるその姿はとてもかわいらしいが、見た目と違って毒舌家である。つねにレバと共に出現し、令菜のだらだらとした生き方を戒め、結婚して楽しく生きるという夢を追うのは生半可な覚悟ではできないことを説く。令菜を子供の頃から知っていると言い、かつては好奇心旺盛で負けず嫌いでがんばり屋で、失敗してもすぐに立ち直る明るく強い子だったと評価し、厳しくも温かく令菜の背中を押し、夢を叶えられるように助言する。

レバ

よしおバーで、ある日突然廣田令菜に見えるようになった謎の存在。令菜は自分が酔って見る幻覚だと考えている。レバーに目と口が現れてしゃべるその姿は非常にかわいらしいが、見た目と違って毒舌家である。つねにタラと共に出現し、令菜のだらだらとした生き方を戒め、結婚して楽しく生きるという夢を追うのは生半可な覚悟ではできないことを説く。令菜を子供の頃から知っていると言い、かつては好奇心旺盛で負けず嫌いでがんばり屋で、失敗してもすぐに立ち直る明るく強い子だったと評価し、厳しくも温かく令菜の背中を押し、夢を叶えられるように助言する。

美香 (みか)

廣田令菜が小学校6年生だった時の同級生の女性。既婚で、家族構成は夫と一人娘のみわがいる。タイムカプセル掘り起こし同窓会で再会したのが縁で、令菜と再び交流するようになった。小学生の時はクラス一の美少女と言われており、美香自身も自分の容姿に自信を持っていたため、タイムカプセルには「アイドルになりたい」と書いていた。現在はパートをしながら主婦として家庭を支えている。結婚は大変なことも多いけれど、自分が子供の頃に楽しいと思っていたイベントを、今度は親目線で再び楽しめるのが醍醐味だと考えている。

紺一向 (こんいっこう)

森田昭子の元同僚で、廣田令菜の前に区立図書館に勤めていた女性。苗字は「紺一向」で、下の名前は不明。32歳で婚活を始めたがうまくいかず、身も心もボロボロになり、貯金も尽き果てて故郷の名古屋に帰った。30歳過ぎで始める婚活の厳しさを、間近で見ていた昭子に言葉がなくてもその姿で物語った。

お母さん (おかあさん)

廣田令菜の母親。フリーターで恋愛もせずにだらだらしている娘を案じており、令菜が婚活を始めると宣言した際は手放しで喜び、婚活用洋服代として10万円を家計から捻出して渡した。さらに、令菜の婚活用に家計簿に「婚活費」という費目を新たに立てるなど、令菜を全面的にバックアップする姿勢を示す。令菜が小さい頃には家族行事にも熱心だったため、令菜は早く結婚して、祖母目線でお母さんに再び家族行事の楽しさを味わってもらいたいと思っている。

谷崎 与志雄 (たにざき よしお)

廣田令菜の勤める区立図書館によく本を借りに来る男子。小学5年生だが非常にクールで、よく言えば達観したものの見方をし、年齢の割に夏目漱石などの難しい著書を好んで読んでいる。母親がしつけに厳しくてインターネットやスマホも禁止されているため、知的好奇心を埋めるために図書館に通い、読書家になった。母親に外食も禁止されているため、区立図書館で知り合った令菜に頼んでタピオカミルクティーや、そのほかのスイーツを代わりに注文してもらうようになった。令菜は与志雄の注文により、宅配に来てくれるよしお2号に会え、また与志雄に恋愛相談できる利点から二人の利害は一致している。森田昭子には、タピオカミルクティーのタピオカはタピオカガエルの卵かと質問したことから、不気味な小学生と認識されている。名前が「よしお」であることから、よしおバーの従業員になぞらえて令菜と昭子には「よしお11号」とあだ名されている。夢は一冊でもいいので自分の本を出版して、大好きな図書館の大きな本棚に並べてもらうこと。令菜には、夏目漱石やシェイクスピアなどの著名人の名言を引き合いに出して恋愛についてのアドバイスをすることが多い。

麻里香 (まりか)

よしお1号が、かつて思いを寄せていた女性。冊子のクーポンを見てよしおバーに来て、そのままよしおバーの常連客になった。夢は南仏で好きな人と暮らすことで、そうなったときのために会社帰りにフランス語のレッスンを受けている。伊豆に連れて行ってくれたよしお1号に好意を抱き、恋仲に発展するかと思えたが、よしお2号と出会うや否や、あっさりとよしお2号に心を奪われてしまう。だが、よしお2号と出会った1か月後、つれないよしお2号へ募る恋心で情緒不安定になり、いつかフランスで暮らすために継続していたフランス語のレッスンをやめてしまうほど、精神的に追い込まれてしまった。

場所

よしおバー

店長であるよしお1号をはじめ、従業員全員が「よしお」という名前のコンセプトバー。従業員は全員蝶ネクタイを締めてタキシードを着用している。従業員は男性しかいないが、ボーイズバーではなく、会話を楽しむ目的で客が訪れる健全なバーである。そのため、従業員は接客中の飲酒は原則として禁止となっている。従業員が全員「よしお」という名前のため、従業員一人一人が「よしお〇号」と番号付けされ、客は店員を番号で呼ぶことになっている。夜間のみの営業で、平均予算は一人だいたい5000円ほどで、それなりに高価である。なお、店に看板はなく正式な店名もない状況だが、それはよしお1号がいつか連れ添う女性ができたときに、その人の名前を店名にしたいと考えているからである。

練馬区立満進第一小学校 (ねりまくりつまんしんだいいちしょうがっこう)

廣田令菜の通っていた小学校。毎年小学6年生が校庭にタイムカプセルを埋めるため、校内のあちこちにタイムカプセルがたくさん埋まっている。校庭は近所の住民にも解放されており、既婚の卒業生が子供を連れて遊びに来たりする憩いの場となっている。

酒処呑んべえ (さけどころのんべえ)

よしお3号が廣田令菜を連れて行った居酒屋。安くておいしいと評判で、新メニューも次々と開発されている。地元の常連さんでにぎわうことが多いが、新規の客も入りやすい明るい雰囲気の店である。リーズナブルで豊富なメニューはよしお2号もお気に入りで、足しげく通っている。令菜とよしお2号のデートでも頻繁に使われている。

その他キーワード

タイムカプセル掘り起こし同窓会 (たいむかぷせるほりおこしどうそうかい)

練馬区立満進第一小学校の6年2組に在籍していた卒業生たちが、30歳を機に小学校の中庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こす目的で集った懇親会。タイムカプセルには、卒業生一人一人が30歳の自分へ今の自分の抱く夢を自由に記す形式の手紙を入れていた。当時の学級委員の馬場大輔を筆頭に、廣田令菜たちはみんなでスコップを持ち、中庭の複数箇所を掘ってみたが、埋めた場所がうろ覚えだったために同窓会当日はタイムカプセルを見つけることはできなかった。そのため、卒業生たちは居酒屋で打ち上げをして手ぶらで帰ることになった。後日、馬場が金属探知機で探し当てたタイムカプセルから出てきた手紙は、生徒一人一人のもとに馬場からの写メールで届いた。

よしおスペシャルカクテル

よしお10号が考案したオリジナルカクテル。よしおバーで提供されるアルコール飲料の一つ。カクテルの上に大胆にわたあめを乗せた一品で、お洒落な見た目で女子に人気がある。わたあめの上からストローを刺してカクテルを飲むことは可能だが、わたあめが食べにくいのが難点。

夢シャン (ゆめしゃん)

よしおバーで夢を語った客が注文するシャンパン。よしおバーの従業員たちは、シャンパンを飲みながら客の希望に満ちた夢を楽しく聞くのが務めとなっている。客は、夢シャンの泡が消えないうちに夢を語り出すのが習わしとなっている。

ベース

東京タラレバ娘 (とうきょうたらればむすめ)

33歳の独身女性3人組が、「結婚していない」という事実に悩みながらも、それぞれの幸せを模索して恋と仕事に生きる大人のラブストーリー。「Kiss」'14年5月号から連載の作品。 関連ページ:東京タラレバ娘

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東京タラレバ娘 リターンズ (とうきょうたらればむすめ りたーんず)

東村アキコの『東京タラレバ娘』の続編。ある日、自身の幸せの形に悩みながらも仕事に邁進する鎌田倫子のもとに、親友の香から電撃結婚するとの報告が入る。30代女性の仕事や恋愛、結婚に対する葛藤をリアルに描い... 関連ページ:東京タラレバ娘 リターンズ

東京タラレバ娘番外編 タラレBar (とうきょうたらればむすめばんがいへん たらればー)

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書誌情報

東京タラレバ娘 シーズン2 6巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2019-10-11発行、 978-4065172285)

第2巻

(2020-02-13発行、 978-4065186213)

第3巻

(2020-08-12発行、 978-4065206041)

第4巻

(2021-02-12発行、 978-4065220559)

第5巻

(2021-06-11発行、 978-4065236277)

第6巻

(2021-11-12発行、 978-4065260906)

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