ショートケーキケーキ

ショートケーキケーキ

通学のため、下宿する事になった女子高校生が、下宿先で二人の男子高生と親しくなり、恋愛を通じて精神的に成長していく青春ラブストーリー。「マーガレット」2015年No.23から連載の作品。

正式名称
ショートケーキケーキ
ふりがな
しょーとけーきけーき
作者
ジャンル
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あらすじ

第1巻

高校1年生の芹沢天は、高校まで2時間かけてバスで通っている。不便ではあるものの、特に不満は感じずにいた天だったが、ある日、友人の春野あげはの下宿先「星野下宿所」を訪れた際、下宿生活に強い魅力を感じる。さらに、そこで出会った笠寺千秋に背中を押された事もあり、「星野下宿所」への入居を決意するのだった。しかしその直後、天は入居者の一人である水原理久の不可解な行動に直面する。理久は大の女性好きで、天を含め、女性であれば誰にでも親切な男性であった。そのため女性に人気があるのだが、理久自身は特定の女性と交際する意思はなく、女性をその気にさせてはふる、という行為を繰り返していたのである。そんな理久の態度に腹を立てた天は理久に一言物申すが、理久自身は、たとえ好意を持たれたからといって簡単には流されず、本当に好きになった女性とのみ交際したい、という考えの人物であった事が発覚する。これによって天は、下宿生活とは、価値観の違う人間と協調しながら行うものなのだと気づくのだった。一方、その頃理久は、臆さず正直な気持ちをぶつけてくる天に惹かれ始めていた。そこである日、入居者達で出かけた際、理久は千秋と天に関する話をする。しかしその話は、なんと天に聞かれてしまっていた。

第2巻

芹沢天は、笠寺千秋水原理久の会話の内容から、理久は自分の事が好きなのかと、本人に率直に尋ねてしまう。理久の女性好きを知る天は、多数の女性の中の一人として好意を持っているという意味で、好きだと言われたのだと考えたのである。しかし理久はそれを否定し、天に告白する。だが、特に理久に惹かれていない天は、交際に意欲が持てず、理久をふるのだった。この件に責任を感じた千秋は理久を励まし、自分も天に惹かれている事は隠して、理久を応援すると決めるのだった。そんなある日、天は以前千秋達といっしょに出かけた際に出会った、謎の少年に交際を迫られる。理久と因縁があるらしい彼は、とにかく理久に嫌がらせがしたいらしく、理久から天を奪おうと考えたのである。その直後、星野蘭から、少年が理久の兄弟の水原鈴であると知った天は「星野下宿所」までやって来た鈴を、改めてふる。しかし鈴は引き下がらず、そこに事態を察した千秋がやって来る。鈴の態度にとうとう腹を立てた千秋は、鈴をあきらめさせるため、自分と天が交際しているという噓をつくのだった。

第3巻

梅雨の時期。芹沢天は、笠寺千秋がとっさについた噓により、当面のあいだ千秋と交際しているふりをする事になった。そんなある日、天は星野蘭から、なぜ水原理久をふったのかと訊ねられる。世話焼きな蘭は、下宿内では恋愛非推奨と言いつつ、先日水原鈴が「星野下宿所」までやって来た一件から、天、千秋、理久の関係を案じていたのである。天は、当時はまだ理久の事を何も知らなかったので、交際は考えられなかったと答えるが、その直後、千秋にまで理久をどう思っているのかと聞かれる。千秋曰く、理久はふられたあとも変わらず天を思っているので、千秋は現在の天の気持ちを知りたくなったのだという。そこに話を聞いていた理久が現れた事で、天は答えずに去るが、理久は千秋におせっかいはやめろと激怒し、千秋はショックを受けるのだった。しかし、これがきっかけで、天は理久を強く意識するようになっていた。そして大雨の日、雷による停電で不安を感じていた天は、自分を気遣う優しい理久の態度に安堵し、復旧作業中、行動を共にする事になる。しかし、暗闇で天がスマートフォンを落としたのがきっかけで二人は急接近し、理久は天に、衝動的にキスをする。

第4巻

停電の夜、突如水原理久にキスをされた芹沢天は、理久の真意が読めず、混乱していた。その直後、ケガをした「黒木商店」の店主の代わりに水原邸へ配達へ行く事になった天は、そこで水原鈴に再会する。相変わらずの鈴の態度に天は辟易するが、そこに笠寺千秋が現れ、恋人のふりをするために天に接近する。直後、思わず千秋は天に告白しかけるが、恋愛に疎い天には伝わらず、代わりに千秋は、自分は今片思いをしていると打ち明ける。そして、その相手が自分だと知らない天は、千秋の恋を応援すると言ってしまうのだった。その後、千秋はとうとう理久に自分も天が好きだと打ち明け、天、千秋、理久の三人は、いっしょに海へ行ったのを最後に、別々の夏休みを過ごす事になる。しかし、休み中も理久の事が頭から離れない天は、ついに自分の思いを自覚し、理久に会うため、予定を早めに切り上げて「星野下宿所」へと戻る。

第5巻

夏休みを迎え、水原理久への思いを自覚した芹沢天は、理久を意識するあまり、以前のように自然に振る舞う事ができなくなっていた。自分は理久を一度ふっているうえ、自分達は下宿仲間でもあるため、下手な行動を取っては理久に気を遣わせてしまうと考えたのである。そして2学期が始まり、遠足に向けて準備を進めていた天は、笠寺千秋から、自分の片思い相手には思い人がいるらしく、この恋は苦しいものになりそうだが、頑張りたいと打ち明けられる。そんな千秋を応援するため、天は遠足当日、千秋の片思い相手へのお土産をいっしょに選ぶ。しかし千秋はそれを天に渡す事はできず、その直後のある日、噓をついて理久を買い物に誘う。千秋は天に恋しているが、理久の事も大切なため、二人で過ごす時間を持ちたかったのである。だが、その後すぐに訪れた猫千谷商業高校の体育祭で、千秋は天から、理久に片思いしていると告げられ、深く傷つく。そして、どうすれば天が自分の事を思ってくれるのだろうと考えた千秋は、人気のない場所で、突如天にキスをする。

第6巻

秋になり、芹沢天は、笠寺千秋の片思い相手とは自分の事であったと知り、すぐさま千秋の事をふる。天は水原理久に恋しているため、千秋が期待するような行動は厳禁と考えたのである。しかし、同じ「星野下宿所」で暮らしている以上、千秋から完全に距離を置く事はできず、悩むあまり、日に日にやつれていってしまう。そんなある日、天は現状を打破するため、勇気を出して理久をデートに誘う。そこで天は理久へ好意を伝えるが届かず、二人の関係は実際は両思いなのに、お互いにその確信が得られないという状況が続いてしまう。悩む天を見た千秋は、天が自身の恋愛を成就させようとするのは自然な事なので、自分に遠慮する必要はないし、応援していると伝える。そして千秋に背中を押された天は再び理久をデートに誘い、以前自分は理久を冷たくふってしまったが、理久の人柄を知っていたらあんな事はしなかったと謝罪する。その言葉に理久は、もしかすると自分達は両思いなのではと感じ、天に自分の事が好きなのかと訊ねる。

第7巻

芹沢天はついに水原理久に告白したが、ささいな行き違いから両思いである事に気づかず、これから理久を振り向かせられるよう努力すると宣言してしまった。その日から天は、春野あげはの協力のもと、外面においても、内面においても、理久の目に少しでも魅力的に映るよう努力し始める。一方その頃、理久は笠寺千秋に呼び出されていた。千秋は天と理久が、本人達は自覚がないものの実質的に両思いになった事を知っていたため、猫千谷商業高校の体育祭での一件を、理久に謝罪しようと考えたのである。そんな千秋の誠意を理久は受けとめ、直後理久は、今度は天に呼び出される。そしてお互いの気持ちを正直に打ち明けた二人は、とうとう交際する事になるのだった。これにより天と理久は、二人の会話を話を盗み聞きしていた千秋も交えて、まずは下宿所の管理人である星野蘭へ報告に行く。「星野下宿所」は入居者間の恋愛非推奨であるため、天は理久と交際するためであれば「星野下宿所」を去る事も考えていた。しかし千秋の後押しと、蘭自身も過去入居者の恋愛を制限して締めつけた結果、退去者が絶えなかった事を後悔していた事から、条件付きで天の入居継続を許可する。それは、天は男性入居者の暮らすフロアには極力立ち入らない事と、天と理久の関係を知らない入居者、つまり山口有人大野葵には秘密のまま暮らすというものであった。

第8巻

クリスマスの日、芹沢天水原理久に自分の事をより知ってもらうため、故郷の竜乃原町(りゅうのはらちょう)を案内し、家族に理久を紹介する。そこで楽しい1日を過ごした二人だったが、二人の関係を知らない山口有人にはこの事を話せないうえ、悩み事でもあるのかと心配させてしまい、罪悪感を覚えるのだった。それからすぐに年末が訪れ、「星野下宿所」の入居者達は、続々と帰省していた。しかし、家庭に複雑な事情を抱える理久だけは実家に戻らず、星野蘭と二人で下宿に残る事となる。さらに大みそかの夜、蘭は友人達に呼び出され、理久は一人で年を越す事になってしまう。そんな理久を案じた天は、急遽帰省日を変更すると、「星野下宿所」に戻り、天と理久は、二人きりで年を越すのだった。そして新年。天は理久に内緒で、笠寺千秋と共に鈴の世話係である白岡信玄と会う。理久と水原鈴の、単なる兄弟というには複雑すぎる関係が気になってならない天は、信玄に詳細を教えてくれないかと頼んでいたのである。そこで天と千秋は、信玄が用意した雑用をこなす事を条件に、水原兄弟の件について教えてもらえる事になる。しかし後日、天と千秋が指定された場所に向かうと、そこでは理久と鈴が、両親の墓前の前でもめていた。信玄曰く、二人はなんと血のつながりのない義兄弟であり、もう長い事兄弟げんかをし続けているのだという。驚く天と千秋だったが、自分達が理久のために一体何ができるのかを模索し始める。

登場人物・キャラクター

芹沢 天 (せりざわ てん)

猫千谷高校1年1組に在籍する女子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、腰まで伸ばした水色のロングヘアを、耳の高さでツインテールにしている。のちに髪を切り、胸の高さ程度の長さになる。小柄で猫目で、仕草や表情が猫っぽい。岩のように肝が据わっており、落ち着いていると評される性格で、歯に衣着せぬ正直な言動をする。そのため「岩」「岩女」と呼ばれる事もある。 また、水原鈴からは「ブス」呼ばわりされている。自宅は竜乃原町(りゅうのはらちょう)という猫千谷からバスで2時間かかる地域にあり、猫千谷高校入学当初は家計の事もあり、長時間のバス通学をしていた。しかし、ある日、友人の春野あげはの下宿先である「星野下宿所」を訪れた際、下宿をすれば大幅に通学時間を短縮でき、友人と遊んだりアルバイトをする時間が作れると考える。 さらに「星野下宿所」の雰囲気自体にも心惹かれていたところ、建物内で出会った笠寺千秋に、ツルゲーネフの「乗りかけた船にはためらわず乗ってしまえ」という言葉の引用で背中を押され、入居を決意する。入居当初は恋愛に関心がなく、水原理久に告白されても、心が動かず断ってしまっていた。 しかし、その後いっしょに暮らすうちに、次第に理久に思いを寄せるようになっていき、高校1年生の夏休みに理久への思いを自覚する。だが、一度交際を断ってしまった手前、思うように行動できず、また、下宿内恋愛は推奨されていないというのも手伝い、悩むようになる。しかし、高校1年生の秋に理久に告白し、その後紆余曲折を経て交際を始める。 また、その際に「星野下宿所」の管理人の星野蘭に関係を打ち明け、条件付きで、理久と交際を続けたまま、引き続き下宿所で暮らす許可を得る。理久と水原鈴の、単なる兄弟というには複雑すぎる関係をかねてから疑問に思っており、理久と交際を始めたのを機に、鈴の世話係である白岡信玄とコンタクトを取る。 そこで信玄から知らされた、理久と鈴がつながっていないという事実に衝撃を受けつつ、少しでも理久の力になるため奔走する事になる。高校1年生の夏、「黒木商店」の配達を手伝ったのがきっかけで「黒木商店」でのアルバイトを始めた。

水原 理久 (みずはら りく)

猫千谷商業高校経営情報科に通う1年生の男子。芹沢天の恋人で、「星野下宿所」の一員でもあり、水原鈴の義理の弟でもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、緑色のウルフカットヘアにしている。いつも笑顔を絶やさない、明るく分け隔てない親切な性格。そのため町内でも顔が広く、人気がある。特に女性全般が大好きで、女性であれば誰に対しても親切で距離が近いため、非常にもてる。 しかし中学時代、交際相手に、自分以外の女性には優しくしないでほしいと頼まれたが、結局それを守れなかった事が理由で別れてしまった経験がある。そこで、高校1年生の現在は、本当に好きだと思える女性と出会うまでは、誰とも交際せず、不特定多数の女性達と親しく過ごすという方法を取っていた。 そのため軽薄な印象を持たれる事が多く、高校1年生の春に天と出会った当初は、快く思われていなかった。しかし水原理久の方は、天の歯に衣着せぬ正直な言動に、出会って早々に強く惹かれ、高校1年生の春の時点で恋に落ちる。しかしすぐにふられてしまい、それ以降は天を困らせる事がないよう、親しい友人として接していた。だが、高校1年生の夏に天が理久への思いを自覚したのを機に、次第に距離が近づき、高校1年生の秋に、今度は天から告白する形で両思いになる。 地元は猫千谷にあり、本来であれば下宿する必要のない距離に実家と高校がある。しかし、義理の兄である鈴との複雑な関係から、実家を離れて「星野下宿所」にやって来た。実家の水原家は地域一帯の土地を所有する大地主で、理久は御曹司と考えられるが、その点については語りたがらない。

猫千谷高校1年3組に在籍する男子。芹沢天の友人で「星野下宿所」の一員でもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、赤毛のストレートショートカットヘアにしている。入学式の日から注目されるほどの美形だが、無... 関連ページ:笠寺 千秋

水原 鈴 (みずはら れい)

高校2年生の男子。水原理久の義理の兄。長い前髪を目が隠れないようにM字に分け、肩につきそうなほど伸ばした、癖のある明るい茶色のショートカットヘアにしている。三白眼で、目の下に大きなクマがあり、目つきが悪い。白岡信玄からは「鈴お坊ちゃま」、芹沢天からは、いつも和服を着ており、まるで座敷童子のように見える事から「座敷童子」、あるいはそれを縮めて「座敷」と呼ばれている。 また、語尾に「~じゃ」と付けるなど、独特の口調で話す。純粋だが幼稚でわがままな性格で、非常に口が悪く、周囲に対していつも攻撃的に振る舞う困った人物。また、水原家が非常に裕福である事から、自分の財力を誇示すれば、どんな女性も振り向くと考えている。理久の事を毛嫌いしており、つねに理久への嫌がらせを考えている。 天とは、天が高校1年生の春に外出先で知り合い、その際、理久が天に思いを寄せているらしい事を知る。そこで、天を自分のものにすれば、理久が傷つくのではないかと考え、天に突然交際を迫ったり、大量の贈り物をしたり、「星野下宿所」まで訪問したりするようになる。しかし「星野下宿所」に訪問した際、鈴の行動に腹を立てた笠寺千秋により、天は自分と交際しているので、近寄らないでほしいと噓をつかれて信じる。 だが天をあきらめたわけではなく、会えば執拗に絡む。学校では静かに、不愛想に振る舞っているためか、本来の性格を知られておらず、女性から人気がある。ココアという名前の錦鯉を飼っており、とてもかわいがっている。 また駄菓子など、安価なお菓子や飲み物が好き。

春野 あげは (はるの あげは)

猫千谷高校1年1組に在籍する女子。芹沢天の友人で、「星野下宿所」の一員でもある。前髪を左寄りの位置で斜めに分けて、胸まで伸ばした、ゆるくウェーブがかったロングヘアにしている。目が小さく、面長なおしゃれな人物。明るく世話焼きな性格で、美容やファッション、メイクについて非常に関心が高い。反面、勉強が苦手で、山口有人に教わる事が多い。 天とは昔からの付き合いで、特に親しい。地元は天と同じ、猫千谷からバスで2時間の竜乃原町(りゅうのはらちょう)で、猫千谷高校進学時に、通学を考えて「星野下宿所」にやって来た。のちにパン屋でアルバイトを始める。福岡県に住んでいる姉がいる。

山口 有人 (やまぐち ゆうと)

猫千谷高校に通う2年生の男子。芹沢天の友人で、「星野下宿所」の一員でもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、癖のあるショートカットヘアに、真四角の眼鏡をかけている。小柄で、容姿も話し方も中性的な雰囲気だが、山口有人自身は、女性から男として意識されにくい事を悩んでいる。生まじめで面倒見のいい性格で、学校の成績もよく、つねに学年トップ5に入るほどの秀才。 特に数学が得意で、春野あげはをはじめとする下宿仲間に、よく勉強を教えている。そのため、本来「星野下宿所」の入居者達は、男女間の部屋を行き来する事は禁止されているのだが、有人だけはその人柄も手伝い、家庭教師としてであればという条件で許可されている。一見恋愛に関心がないように振る舞っているが、実際は恋人がほしいと考えている。 しかし、自分の容姿に自信がないため積極的になれず、また容姿のいい男性に対してコンプレックスがある。地元は大野葵と同じ影川。

大野 葵 (おおの あおい)

猫千谷商業高校商業科に通う3年生の女子。芹沢天の友人で、「星野下宿所」の一員でもある。前髪を左寄りの位置で分け、額が見えるほど短く切ったベリーショートカットヘアにしている。明るく穏やかな性格で、「星野下宿所」の中では唯一の高校3年生で、最年長。恋愛に関する話が好きで、入居者達にも積極に恋愛の話をふる。地元は山口有人と同じ影川。

星野 蘭 (ほしの らん)

「星野下宿所」の管理人を務める若い女性。白岡信玄の元恋人。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸まで伸ばしたロングヘアをしている。普段は生え際の黒いプリン頭をしているが、入居者達の高校へ行く時などは、髪をしっかり染めて出かけている。また、やや乱暴な、男性のような口調で話す。明るくノリのいい世話焼きな性格で、入居者達には密かに「姐御」と呼び慕われている。 実は元ヤンキーで、信玄とはその頃からの付き合い。また、水原理久の複雑な家庭事情を知る数少ない人物で、理久が絡むと、普段に増して世話を焼きがちになる傾向がある。趣味は料理と車。

白岡 信玄 (しらおか しんげん)

水原鈴の世話係を務める若い男性。星野蘭の元恋人。前髪を真ん中で分けて額を見せた、ストレートショートカットヘアにしている。一見穏やかで人当たりもいいが、実際は皮肉屋で、やや意地悪な性格。水原兄弟の事は、二人が幼い頃からよく知っており、現在ではあまりにも険悪になってしまった二人の関係を、どうにか改善したいと考えている。 しかし自分では手が出せず、理久が「星野下宿所」に入居した際、理久がこれから知り合うであろう誰かが、自分の協力者になってくれないだろうかと願っていた。そこで理久が水原家を去ったあとも、理久の周囲をよく見ており、やがて芹沢天と笠寺千秋に目をつける。そこで天が高校1年生の冬、改めて天に声を掛け、もし理久の家庭の事情が知りたいのなら連絡してほしいと連絡先を渡す。 これに天が応じ、千秋も連れて来た事から、二人を協力者と認め、水原家の事情について話す事を決意する。蘭と同様に元ヤンキーで、蘭とはその頃からの付き合い。酒に酔うとキス魔になり、周囲を困らせている。

山崎 (やまざき)

猫千谷高校1年1組に在籍する女子。芹沢天の友人。前髪を眉が見えるようにラウンド状に切り、顎の高さまで伸ばした内巻きボブヘアにしている。天とは高校1年生の春に、春野あげはと田中も交えて四人ですぐに親しくなった。特に田中とは仲がよく、いっしょに行動している。

田中 (たなか)

猫千谷高校1年1組に在籍する女子。芹沢天の友人。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、ロングヘアを頭の後ろでお団子を作って一つにまとめている。天とは高校1年生の春に、春野あげはと山崎も交えて四人ですぐに親しくなった。特に山崎とは仲がよく、いっしょに行動している。

瑛太 (えいた)

猫千谷高校1年3組に在籍する男子。笠寺千秋の友人。前髪を左寄りの位置で分け、眉が見えるほど短く切ったベリーショートカットヘアにしている。三白眼で、八重歯があるのが特徴。明るく素直な性格の持ち主。猫千谷でずっと暮らしているが、猫千谷高校進学後は、同じクラスに知り合いが少なく、そこで千秋と親しくなった。しかし、よくいっしょに過ごしているものの、千秋には友人と認識されておらず、わざとそっけなく、意地悪な態度を取られる事が多い。 妹がおり、その影響で少女漫画をよく読む。

花園 (はなぞの)

猫千谷商業高校に通う女子。前髪を右寄りの位置で分け、左目が完全に隠れるほど伸ばした、胸までのロングウェーブヘアにしている。三白眼で目つきが悪く、猫背のため、周囲からは不気味な印象の女性として認識されている。しかし水原理久とは親しく、周囲から怖がられる自分とも自然に会話する理久にあこがれている。そのため、理久の幸せを誰よりも強く願っており、理久が想いを寄せる人と幸せになってほしいと考えている。 理久の事をつねに観察しており、ある日、理久が思いを寄せているらしいのは芹沢天であると気づく。そこで天に声を掛け、二人は両思いなので、天はもっと積極的になっても問題ないと伝える。学生鞄に大量の心願成就のお守りをつけているが、これは自分ではなく、理久の幸せを願ってのもの。 また、学生鞄を持つ時は、つねに両手で抱いて歩くのが癖。

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