概要・あらすじ
近年、突如地球に変異遺伝子が発生し、これまでの人類とかけ離れた能力を持つ新人類が誕生した。彼らは自らを「ジーニアス」と呼んだ。ある日、ジーニアスの一人、不破勝弦(ふえどうげん)が、たった一人で警察署を襲撃して火の海にしてしまう。不破勝は「劣った種を駆逐せよ」という地球の「声」が聞こえると主張。ほかのジーニアスへ蜂起を呼びかけながら大暴れする。友人・鈴木ハジメは、不破勝に電話をかけ、やめるように説得するが無駄だった。不破勝は、ライフルで頭を撃ち抜かれて倒れてしまう。この事件がきっかけで、日本政府はジーニアスへの対策を強化する。大規模な血液検査を実施し「変異種」を特定。ジーニアスと見なされた者に、定められた衣服とバッジの着用を義務付けた。また、危険分子のジーニアスには、対ジーニアス特別捜査隊が出動。非人道的な方法で捕獲し、研究・収容施設で拷問を行うようになったのだ。こういった政府の動きに対し、龍神根呂(ネロ)という人物が、秘密結社「フォルセティ」を設立。ジーニアスを保護して匿う。しかし、ネロはただの救世主ではなかった。ジーニアスの保護とは別の意図を持っており、鈴木ハジメと深い因縁があったのだ。
登場人物・キャラクター
鈴木 ハジメ (すずき はじめ)
引きこもりの男子高校生。不破勝弦(ふえどうげん)や甲斐神十郎など、ジーニアスの友達が多いが、鈴木自身は一般人を自称している。引きこもりらしからぬ素直で明るい性格。マイペースながら、いつの間にか相手を味方にする不思議な男。秘密結社「フォルセティ」の長・龍神根呂とは深い因縁がある。
不破勝 弦 (ふえどう げん)
長髪、作務衣姿が特徴の男子高校生。鈴木ハジメの友達。変異遺伝子によって異能力を得たジーニアスで、先天性無痛無感覚を最大限に生かし、超人的な力を発揮する。「劣った種を駆逐せよ」という地球の「声」を聞いたと主張し、一人で警察署を襲撃。大勢の警察官を相手に大暴れするが、ライフルで頭部を撃たれて倒れる。
甲斐 神十郎 (かい しんじゅうろう)
貧しい母子家庭で育った男子高校生。鈴木ハジメの親友。七三分けと眼鏡が特徴。変異遺伝子によって異能力を得たジーニアスで、他者の心の奥底に眠るサディズムの資質を最大限引き出す、特質のフェロモンを分泌。一方的な暴力を受け続け、弱者をなぶる悪意「業(カルマ)」を蓄積することで、人間離れした攻撃力・治癒力を発揮する。
九十九 法庵 (つくも ほうあん)
長髪、高身長が特徴の青年。変異遺伝子によって異能力を得たジーニアス。肉食動物を憎み、草食動物を愛する温厚な性格。幼少時より、両親から度重なる虐待を受け、何もない部屋に24時間監禁されて育つ。動物図鑑だけをあてがわれたことから、力強い草食動物の逞しい姿にやすらぎを感じるようになる。14歳で、四肢がさまざまな草食動物に変異することに気づき、15歳の夏、その能力で両親を殺害する。
御影 トージ (みえい とーじ)
変異遺伝子によって異能力を得たジーニアスの少年。厘という妹がいる。体に受けた痛みを相手に返す能力を持つ。ある日、ジーニアス狩りに遭い、相手を肉団子のようにしてしまう。そこに現れた龍神根呂に助けられ、妹と共に秘密結社「フォルセティ」に保護される。
龍神 根呂 (りゅうじん ねろ)
ジーニアスを保護する秘密結社「フォルセティ」のリーダーを務める少年。電動式の車いすに乗っている。長髪とパーカー、左目尻の稲妻のような文様が特徴。相手を違う時空に飛ばすなどの、超常的な能力を持つ。鈴木ハジメとは深い因縁がある。
八坂隊長 (やさかたいちょう)
対ジーニアス特別捜査隊隊長。長い黒髪と丸いサングラスが特徴の男性。ジーニアスを絶対悪とみなし、彼らには非人道的な行為を平気で行う。九十九法庵、甲斐神十郎、鈴木ハジメを捕らえ、ジーニアスを研究・収容する「浅間プリズン」に監禁する。
その他キーワード
ジーニアス
突如として地球にまん延した変異遺伝子により、今までの人類とはかけ離れた能力を持つようになった人種。対ジーニアス特別捜査隊は「ストレンジャー」と呼んでいる。血液検査により、ジーニアスの判別が可能。ジーニアスと見なされた者は、定められた衣服の着用が義務付けられる。
書誌情報
ジーニアース 全5巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉
第3巻
(2022-06-08発行、 978-4253281638)
第4巻
(2022-08-08発行、 978-4253281645)
第5巻
(2022-10-06発行、 978-4253281652)