作品の概要
基本情報
作者、地主の代表作で、元はSNSにて『スーパーの裏でヤニ吸う話』のタイトルで公開していた作品。
要旨と舞台設定
現代日本のスーパーとその周辺を舞台に、社畜として働く46歳の独身男性、佐々木とスーパー店員、山田との特殊な関係性を描いた物語。夜の喫煙所という限定された空間での交流を通じて、現代社会における孤独感と、人と人とのつながりがテーマとして展開される。
ストーリー展開
社畜として働く佐々木は、行きつけのスーパーのレジで働く女性、山田の好感度あふれる接客に日々の癒しを求めていた。そんなある夜、喫煙場所を探していた佐々木の前に「田山」と名乗る女性が現れ、スーパーの裏にある従業員用喫煙所に案内する。田山は実は山田だったが、その事実に気づかない佐々木の前では、あえて「レジの山田」と「喫煙所の田山」という一人二役を使い分けながら彼と接するようになる。こうして喫煙所での会話を重ねる中で、佐々木と田山こと山田は互いの内面や本音を知り、特別な関係性が構築されていく。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、大人の男女の微妙な距離感と心理的な駆け引きを描いた日常系漫画。現代社会における喫煙をテーマにしつつ、中年男性の心境や働く女性の複雑な環境が表現されている。
作品固有の表現技法と特徴
作中では、山田が佐々木の前で二つの人格を使い分ける設定を用いて、人間の内面の複雑さを描写している。物語は夜の喫煙所という静寂な空間での会話シーンを中心に構成されており、限られた時間と場所での交流を通じて登場人物たちの心理的な距離感が示されている。
世界観の構築と設定
本作の舞台は、身近な商業施設であるスーパーと、従業員用喫煙所という非常に限定された空間に設定されている。社会システムにおける社畜という働き方や、現代の喫煙環境の変化が描かれており、これらは佐々木や山田の言動や心理描写を通じて物語に組み込まれている。また、現代社会における人間関係の希薄さと、意外な形で生まれるつながりも描かれている。
連載状況
スクウェア・エニックス「月刊ビッグガンガン」2022年vol.09から連載。
受賞歴
2022年「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門第1位。
2022年「このマンガがすごい!2023」オトコ編第7位。
2023年「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」第4位。
2023年「マンガ大賞2023」第8位。
2023年第7回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」第4位。
メディアミックス情報
テレビアニメ
2026年7月から放送。
相手の正体に気づかないまま続く二人だけの時間
疲れた社畜中年の佐々木が、行きつけのスーパーの店員、山田に癒される何気ない日常が物語の中心となる。ある日、佐々木はいつものように仕事帰りにスーパーに立ち寄るが、山田は不在で落胆しながら思わずタバコを咥(くわ)える。しかし、そこは禁煙エリアでオロオロしながら喫煙所を探していると、見知らぬ女性・田山から手招きされてスーパーの裏にある喫煙所に誘われる。その女性とたわいもない会話をしながらタバコを吸うが、実はこの田山こそが退勤後の山田だった。しかし勤務中の山田とは服装や言葉使いが違うため、佐々木は山田が田山と同一人物だと知らぬまま喫煙所で会話していた。二人のとりとめのない会話が、日常の中にあるささやかな幸せ、温かさを感じさせてくれる。
不憫なくたびれ社畜中年×実は不愛想な謎の女性店員
主人公の佐々木はブラック企業勤めの中年サラリーマンで、仕事で何かと不憫(ふびん)な扱いを受けており、ストレスが溜まっている。そんな佐々木は会社帰りに、行きつけのスーパーの2番レジを担当する山田の笑顔にいつも癒されていた。客の前では営業スマイルを振りまく清楚(せいそ)系の山田だが、スーパーの裏で喫煙する時は不愛想なうえにロック好きのため奇抜な服装を身につけていた。この姿こそが本来の山田ではあるが、店の常連である佐々木に対してはとっさに「田山」と名乗る。
鈍感な佐々木に対する田山の変化
佐々木は田山の正体に気づかぬまま、たびたびスーパーの喫煙所に訪れるようになり、喫煙仲間として彼女とさまざまな会話をするようになる。田山は自分が山田だと気づかない様子の佐々木の鈍感さにあきれながらも、自分の正体をほのめかすなど佐々木をからかって楽しんでいた。一方の佐々木は田山と山田の言動を不思議に思いながらも、その真相に気づくことはなかった。しかし、さまざまな会話を通して田山は佐々木のことが気になる存在となり、二人のじれったい関係は少しずつ変化しながらもハートウォーミングな物語が展開される。
登場人物・キャラクター
佐々木 (ささき)
ブラック企業に勤務する男性。年齢は45歳。独身でアパートに住んでいる。気遣いに長(た)けた心優しい性格の一方で、どこか犬に似た愛嬌と不憫(ふびん)な雰囲気を醸し出している。目敏大学文学部日本文学科の出身で、国文先生のゼミ生だった。大学生時代に付き合っていた遠野先輩の影響から喫煙の習慣がある。現在の職場がブラックな環境で、よく利用するスーパーの2番レジで働く山田のことをひそかに癒やしの対象にすることで、日常のストレスに耐える日々を送っている。しかし、連日の会議に辟易(へきえき)していたある日、煙草(たばこ)でストレスを発散しようとしたところ、スーパーの裏にある職員用スペースで喫煙していた「田山」と名乗る女性に誘われ、いっしょに吸うことになる。この時の出来事をきっかけに、その後もスーパーの買い物後や帰り道に喫煙を共にするようになり、親しくなっていく。一方で、田山が実は自分のあこがれである山田本人であることにはまったく気づいていない。そのため、田山からは「にぶす木」という愛称で呼ばれることもある。
山田 (やまだ)
スーパーで働く女性店員。年齢は24歳。スーパーには8年以上勤めているベテランで、喫煙習慣がある。二番レジを担当しており、その清楚な外見と笑顔からファンとなった男性客が数多くいる。しかし、実際は無愛想で蓮っ葉な性格で、ふだんは革ジャンとピアスにチョーカーを付け、清楚さとはかけ離れたセンスをしている。ある日、喫煙スペースを探していた佐々木に、スーパー裏にある職員用の喫煙スペースを紹介し、喫煙に誘った。その後、なにかと喫煙スペースで時間を共にするようになり、次第に佐々木の心根に惹かれていく。佐々木のことは店員の山田にあこがれるファンの一人として以前から知っており、喫煙に誘った際には「田山」という偽名を名乗っている。しかし、幾度も時間を共にしながら自分の正体にまったく気づかない佐々木に対して複雑な感情を抱き、「にぶす木」という愛称で勝手に呼んでいる。
書誌情報
スーパーの裏でヤニ吸うふたり 8巻 スクウェア・エニックス〈ビッグガンガンコミックス〉
第1巻
(2022-08-25発行、978-4757580947)
第2巻
(2023-01-25発行、978-4757583627)
第3巻
(2023-07-25発行、978-4757586949)
第4巻
(2024-01-25発行、978-4757587090)
第5巻
(2024-07-25発行、978-4757593145)
第6巻
(2025-01-24発行、978-4757595422)
第7巻
(2025-07-25発行、978-4757599758)
第8巻
(2026-01-23発行、978-4301002017)
スーパーの裏でヤニ吸うふたり 特装版 6巻 スクウェア・エニックス〈SEコミックスプレミアム〉
第3巻
(2023-07-25発行、978-4757586956)
第4巻
(2024-01-25発行、978-4757587106)
第6巻
(2025-01-24発行、978-4757595439)







