概要・あらすじ
三枚目な玉五郎の住むアパートに、ある日セックス用アンドロイド・セクサドールが届く。一体誰が何のために届けたのかと思いつつも、玉五郎はドールとのセックスに溺れていく。そしてドールが精液を集めるために未来から送り込まれたと判明。だが未来人に送り込まれたベビイにより、左乳房が損傷し、その痛々しい姿に玉五郎は性欲を失う。
登場人物・キャラクター
三枚目 玉五郎 (さんまいめ たまごろう)
貧相な三枚目。イチモツだけは突出して優れている。オンボロアパート・タイム荘の2階中央の部屋に住んでいる、売れないエロ漫画家。誤配された荷物を開けてしまい、目覚めたドールとセックスをしてしまう。ドールの出自に疑問を抱くが、決め手がないままセックス三昧の日々を送る。一方、経験を積んだことで漫画の評価もあがり、仕事は少し増えた。 ドール以外の女性とも関係を持とうとするが、ほとんどが未来からの陰謀で破局。ベビイに左乳房を食い千切られたドールを抱けなくなるが、愛おしさは増していた。未来から送られたドールと同型のセクサドールも退け、ドールを大切にしていく。
二枚目 菊エ門 (にまいめ きくえもん)
オジャオジャ髪に大きな口で、丸いメガネをかけた長い鼻毛と無精髭の男。オンボロアパート・タイム荘の2階に住んでいる、それなりに活躍している少年漫画家。特に怪獣漫画が得意。やや性格はおかしいが女にもてて、よくアパートに連れ込んで隣室の三枚目玉五郎を興奮させていた。ドールにも手を出そうとしたが拒絶される。 ただし、性癖はおかしく、男や動物もイケるらしい。何度かドール回収のために未来から送られたメカやロボットで酷い目にあわされて正気を失った結果、ギャグ漫画家として人気作家となる。1億円の豪邸を建ててタイム荘を出る。その後、得意の怪獣漫画が流行らなくなって人気が低迷しているらしい。
警察官 (けいさつかん)
三枚目玉五郎の部屋の二枚目菊エ門と反対側の隣に妻子と住んでいる。ハダカで廊下をうろつくことがある玉五郎を叱ることはあるが、隣人として大目に見てくれる。子供はまだ小さい男子で、玉五郎の漫画を燃やしたこともある。メガネをかけた妻とはラブラブで、帰宅するとすぐに抱き合うほど。
未来人 (みらいじん)
1999年7月、超光化学スモッグ一億tが恐怖の大王として地上に降り注ぎ、人間社会は滅亡した。わずかに生き残った人間も、もはや姿形は別のものとなり、やがて男は無精子となってしまった。そのため、快楽のために無駄に消費されている健常な精子を収集するためにセクサドールが送り込まれていた。また、人的・物的資源も乏しく優秀なセクサドールの製造は困難で、一体たりとも無駄にはできず、ドールを回収して多くの男を相手にする本来のセクサドール任務に戻す必要があった。 そのため、回収役が次々に送られていたのだ。現代に現れたのは、部屋の明かりにも耐えられない貧弱な生物だった。
場所
タイム荘 (たいむそう)
木造2階建てのオンボロアパート。全6室。風呂なし、トイレ共同。隣室の音は筒抜けで雨漏りもする。2階に三枚目玉五郎が住んでいる。当初は二枚目菊エ門も住んでいたが、後に転居。玉五郎の隣室には、しばしば未来人が送り込んでくるロボットが入居する。
その他キーワード
ドール
『セクサドール』の登場メカ。ショートボブの豊満な女性型アンドロイド。未来から精液収集のために送り込まれたが、三枚目玉五郎のもとに誤配され、そのイチモツによって電子頭脳が故障してしまった。そのため、玉五郎だけを愛し、とことん尽くすようになる。配送されたときの木箱を個室代わりに愛用。基本的に全裸で過ごす。一方、電子頭脳の異常のため、精液収集の目的やどこから送り込まれたかなどの記憶が混乱。 未来から送り込まれたことは思い出すが、未来世界が女性社会になっているというのは誤りだった。両乳房から破壊光線を発射でき、未来からの回収ロボを多数葬った。集めた精子を未来に送らないため廃棄しているが、精液を固めて人形にしたりもできる。ベビイによって母性本能を強力に刺激され、左乳房を食い千切られても世話をしつづけようとしたが玉五郎が強引にベビイを破壞したことで我に返った。 ただ、痛々しい姿が玉五郎の性欲を減退させるため、自分はただの壊れたアンドロイドだと思いつめている。
ベビイ
『セクサドール』の登場メカ。三枚目玉五郎とドールを別れさせるために、未来から送り込まれた乳児型アンドロイド。ドールの電子頭脳に同調して、母性本能を強力に刺激し、世話をしないではいられなくした。そのため、ドールは玉五郎とのセックスよりベビイの世話に専念。同時にセクサドールも送り込まれて、玉五郎のアパートの隣室に入居し、玉五郎の浮気相手となる。 だが、浮気は許さないドールによりセクサドールは破壊され、左乳房を食い千切られてもベビイの世話をしようとするドールを救うために玉五郎が強引に廃棄した。
小包 (こづつみ)
『セクサドール』でよく利用される。作品発表当時はまだ宅配便が一般化されていなかったため、未来からのアイテムのほとんどは小包で送られている。ドールは運送屋が送ってきたが、ベビイや同時に送られたセクサドールは大型だが小包。木箱も多く登場。三枚目玉五郎も二枚目菊エ門もなぜか送り主を確認しない。
セクサドール
『セクサドール』の登場メカ。未来から現代の快楽のために消費されている精子を集めるために送られてきた女性型アンドロイド。精子を収集後、未来に送り込む。胸からスーパー・ホルモン・ドリンク、お尻からは興奮ガスを出すことができる。また、緊急時には破壊光線を胸から出すことも可能。政財界の大物のもとに送り込まれ、間接的に風俗産業をコントロールさせる役目も担っている。 電子頭脳は股間にある。
興奮ガス (えきさいと・がす)
『セクサドール』の用語。男性を性的に興奮させるガス。未来から送り込まれたスパイによって、工場などの排ガスに紛れ込まされている。