概要・あらすじ
1人森を彷徨っている男。名はダンテ・アリギエーリ。森を抜けた先で、ダンテは詩人ヴィルギリウスと出会う。そして彼から地獄を巡り、そこで見たものすべてを記憶するのだと聞かされる。ダンテは人間である自分が死後の世界である地獄を巡ることはできないと語るが、ヴィルギリウスはある女性の命でダンテを導くのだという。
その女性こそ、ダンテの想い人ベアトリーチェであった。彼女が見守っていてくれる事を知り、ダンテは地獄への一歩を踏み出す。
登場人物・キャラクター
ダンテ・アリギエーリ (だんてありぎえーり)
詩人。イタリアのフィレンツェで起きた政治的抗争において、市民代表である白派のリーダーの1人だったが、貴族や金持ちが支持する黒派の軍事クーデターによってフィレンツェを永久追放された。詩人としての才能が芽生えたきっかけはベアトリーチェとの出会いであった。彼女に対する思いを詩に乗せて書き、それを当時の有名な詩人グイド・カバルカンティに見出される。 地獄巡りの中で様々な罪、罪人を見るが、その内に罪とは、人とは何かを考え、その答えを探すためにも地獄巡りを続ける。実在の詩人であり「神曲」の作者であるダンテ・アリギエーリがモデル。
ヴィルギリウス
古代ローマ時代に実在した「アイネイアス」を代表作とする詩人。ダンテ・アリギエーリが影響を受けた人物であり、正体がわかってからはダンテから師(マエストロ)と呼ばれ慕われる。煉獄にいたところを天国から降りてきたベアトリーチェに呼び出され、ダンテの導き役として任命される。その後ダンテに地獄巡りの旅を命じ、ダンテと共に旅立つ。 その途中何度もくじけそうになるダンテに対し、激励、発破をかけ共に進んでいく。実在の詩人、ヴィルギリウスがモデル。
ベアトリーチェ
ダンテ・アリギエーリにとって生涯を通じての理想となった女性。ダンテと初めて会ったのは8歳の時で、その時ダンテの心は感動に奮えた。その後ダンテが18歳になった時に再会し、ダンテにとって詩人としての才能を目覚めさせるきっかけになる。だが1290年に25歳の若さでこの世を去った。死後は天上に上り、森を彷徨っていたダンテの姿に心を傷め、煉獄にいたヴィルギリウスにダンテを導く任を与える。
場所
地獄 (じごく)
生前に罪を犯した者が死後連れて行かれる場所。10からなる圏によって構成されていて、地獄の裁判官ミノスにより罪の種類、大きさによってそれぞれの圏へ運ばれる。連れて行かれた後は、永劫ともいえる時間に渡りさまざまな責めを受けることとなる。