概要・あらすじ
自分を浦島太郎の子孫と信じる釣り好きの少年・浦島ピン太郎は、幼なじみの地引あみがブラックバスに奪われたルアーを取り返すため家に伝わる玉手箱を開け、リュウグウノツカイオットー45世(リグー)と名乗るルアーと出会う。ピン太郎は、リグーに釣りの技術を教わりながら様々な魚にチャレンジしていく。さらに、浦島太郎の子孫と結婚する慣わしに従って地上に来た龍宮乙女を始め、ピン太郎の周囲に釣り仲間が増えていく。
登場人物・キャラクター
浦島 ピン太郎 (うらしま ぴんたろう)
釣り好きの腕白な少年。小学6年生。語尾が「~っち」となる口調、ちょんまげと左右にはね上がった髪型、八重歯が特徴。祖父から自分が浦島太郎の子孫と言われており、代々伝わる玉手箱を受け取っていた。玉手箱の中から出てきたリュウグウノツカイオットー45世(リグー)と出会い、協力し合って様々な釣りに挑むようになる。元々釣り自慢だったが技術は拙く、リグーの助言を受けて腕を上げていく。 リグー曰く「真の釣りバカのみがもつ魚に対する闘気」、すなわち「釣気(ちょうき)」を持っており、ルアー操作に天性のセンスを発揮する。基本的に、釣った魚は記録を取ってからリリースしている。
リュウグウノツカイオットー45世 (りゅうぐうのつかいおっとーよんじゅうごせい)
浦島ピン太郎の100年前の先祖が得たという玉手箱の中にいた、自我を持って自ら動くルアー。「龍宮の超一級お宝アイテム」を自称し、普段はタツノオトシゴに似た姿だが、釣りの状況に応じて最適のルアーに変型する。口うるさく、ピン太郎とはよく衝突するが、ピン太郎が持つ「魚に対する闘気」、すなわち「釣気(ちょうき)」や才能を認めている。 釣りに関する知識に長けているが、玉手箱の中に100年間いたため現代のことには無知。好物はシュークリームで「シュー・アラ・クレム」と呼ぶ。
地引 あみ (じびき あみ)
浦島ピン太郎の幼なじみの少女。小学6年生。ルアーショップの娘で、ピン太郎ほど釣りに積極的ではないが、ルアーに関する知識は豊富。ピン太郎が玉手箱から出したルアー・リュウグウノツカイオットー45世に「リグー」という通称をつけた。連載終了後に描かれた番外編によると、将来の夢はスチュワーデスで、最終回のあとアメリカに留学。 4年ぶりに帰国してピン太郎たちと再会した。
龍宮 乙女 (たつみや おとめ)
初代浦島太郎以来、その子孫と結婚するしきたりとなっていた龍宮城王族の少女。第156代目の乙姫。婚約者である浦島ピン太郎に会うため、ピン太郎のクラスに転校する。美少女だが性格はワガママで、常に執事を伴い、教室でも専用の豪華な椅子に座っている。一人称は「わらわ」。小学生ばなれしたプロポーションだが、泣くと水分が抜けて体が縮み、幼児のような体型になってしまう。 当初は龍宮城の姫であること、体が縮むことは秘密にしていたが、後にピン太郎に知られる。
ビン坊 (びんぼう)
浦島ピン太郎と同じクラスの少年。身なりが粗末で汚く、クラスでも孤立していたが、ザリガニ釣りをきっかけにピン太郎と仲良くなる。かつては大きな屋敷に住む社長令息だったが、父の会社が潰れて貧乏になった途端周囲の態度が変わったことで人間不信となり、自ら周囲を遠ざける態度を取っていた。連載終了後に描かれた番外編によると、中学では一流企業就職を目指して猛勉強しており、模試で全国3位の秀才に成長している。
音母毛 伽羅 (おとぼけ きゃら)
浦島ピン太郎たちが住む町の近所にある神社の娘。13歳。普段から巫女の装束に身を包んでいる。神社の池で御神体として飼われていた大ナマズが増水で逃げ、回収するため地引あみの家のルアーショップを訪れた。穏やかな性格だが間が抜けており、表情を変えずにとぼけた言動を連発する。大ナマズを逃がしたことで大地震が起きるのを恐れており、地震への恐怖が募ると、神社に伝わる儀式として「オナマズ様オナマズ様」と唱えながら半裸になり股間に大根を挟んで揺さぶる行為をくり返す。
真壁 (まかべ)
浦島ピン太郎と別のクラスの少年。ハンドメイドのルアーコレクターであり、リュウグウノツカイオットー45世に興味を示す。黒マントを着用しており、その下は半裸で貧相な痩せ型。マントの裏地には大量のルアーコレクションをぶら下げている。地引あみの父が作ったルアーを駄作と決めつけて破壊したため、怒ったピン太郎とバス釣り勝負をする。 ピン太郎に敗れて改心し、釣り仲間となった。ルアー以外に、壺の蒐集にも熱心。
海原 はるか (うなばら はるか)
浦島太郎の子孫であり、浦島ピン太郎とは遠い親戚にあたる少年。幼い頃にリュウグウノツカイオットー45世と同様の生きるルアー・「ポセイドン」を譲り受けており、龍宮城の姫である龍宮乙女との結婚を夢見ていた。釣りの腕はピン太郎を遥かにしのぎ、自らを正統な浦島太郎の後継者と公言してはばからない。後継者の座をかけてピン太郎とバス釣りで勝負し、優勢だったが事故により勝負は無効となる。 以後はピン太郎の良きライバルとなり、連載終了後に描かれた番外編では二人でレッドバックに挑んだ。
レッドバック
浦島ピン太郎たちが住む町の川に住む、60センチ以上の巨大ブラックバス。成長して背中が青銅色になる通常のバスに対し、なぜか赤みをおびた赤銅色になっていることから「レッドバック」とと呼ばれている。周辺のバスたちのボスであり、強い力と高い知能で釣り人を翻弄する。さらに、身を挺して仲間のバスを釣り人から守っており、それを知ったピン太郎が敬意を抱くほどの魚。 連載終了後に描かれた番外編で、中学生のピン太郎にとうとう釣られてしまう。
ケロヨ
リュウグウノツカイオットー45世(リグー)がカエル型ルアー(フロッグ)に変型した際、カエルの村に迷い込んで出会った雌のカエル。村の脅威となっている巨大なライギョを倒すため、自ら呑まれようとしていた。そこをリグーに救われたため彼を勇者と慕い、後に村を出て浦島ピン太郎の通う学校でリグーとの再会を果たした。
浦島太郎 (うらしまたろう)
おとぎ話の『浦島太郎』のモデルとなった、西暦825年の人物。後の子孫が代々「浦島太郎」の名を継承しているため、「初代」をつけて呼ばれる。人間の魂を食う妖魚を釣り上げて玉手箱に封印し、その管理を龍宮城に託したが、話が間違って伝わったことでおとぎ話の『浦島太郎』になった、とされている。妖魚が玉手箱から解放された時、その中で僅かに残っていた初代の力が現れ、浦島ピン太郎に力を貸した。
クレジット
- 原作