デスレス

デスレス

ひょんなことからその身に妖を宿してしまった女子大生・宮森水城。妖を外へ出そうと行動を起こすなか、奇妙な事件に巻き込まれていく水城の姿を描く和風ファンタジー。「月刊ヤングキング」「月刊ヤングキングアワーズGH」に、2011年から2016年にかけて掲載された作品。

正式名称
デスレス
ふりがな
ですれす
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

女子大生の宮森水城は、3人の祖父母たちの留守中に地上げ屋に殺されてしまう。すぐに妖であるスザクによって生き返らされるも、スザクの食事のために、またもや命を奪われそうになる。しかしどういうことか、スザクが水城を捕食するその瞬間、水城がスザクのことを食らい返してしまう。突然の出来事に混乱する水城だったが、自分の意識の中にスザクの意識が存在していること、同時に容姿がスザクに似通った美人になっていることを知る。

そこに帰宅した祖父母は、完全に別人になってしまった水城を盗人と思い込み、襲い掛かるのだった。

登場人物・キャラクター

宮森 水城 (みやのもり みずき)

とある大学の法学部に通う女子大生。小心者で小動物のようにおどおどしている。比較的地味な容姿をしているが、本人はまったく気にしていない。普通であることを信条に日々を過ごしていたが、ある日、襲ってきたスザクを返り討ちにし、その身に宿したことで美人になったことを、少し焦っている。

スザク

自分が何者なのかわからない妖。「しだ」と呼ばれる人間の寿命を食らって生き長らえている。宮森瑞樹に近付いたのも、「しだ」を奪うためだった。昔は生きた人間の「しだ」を奪っていたが、とある坊主との約束で、現在では死ぬ運命にある人間と人殺しの「しだ」しか奪っていない。

(かまど)

スザクの妹分の妖。家事全般が得意で、宮森家の台所を見るなり、台所を占拠して料理係を自ら進んで買って出るほどの、大の料理好き。運命を変えられたせいで、死んでしまう者、死んでしまった者の匂いがわかる力を持っている。

宮森 武蔵 (みやのもり むさし)

宮森水城の祖父を名乗っているが、実際の血の繋がりはない。宮森延寿と宮森ミカサとは兄弟の関係。行方不明の水城の両親の代わりに水城を育てた。剣の心得があり、ことあるごとに日本刀を振り回している。3人の祖父母のなかでは、水城のことを特に可愛がっており、水城の引っ込み思案な性格の原因を作った。小動物が好きで、フェレットのような姿になってしまった不空を可愛がっている。

宮森 ミカサ (みやのもり みかさ)

宮森水城の祖母を名乗っているが、実際の血の繋がりはない。宮森武蔵と宮森延寿とは兄弟の関係。行方不明の水城の両親の代わりに水城を育てた。水城たちと海へ遊びに行った際に、モリを使って魚を捕まえるなど、さまざまな技能に長じている。過去には「千里眼のミカサ」の名を持ち、人捜しや物探しでは百発百中の能力を誇った。

宮森 延寿 (みやのもり えんじゅ)

宮森水城の祖父を名乗っているが、実際の血の繋がりはない。宮森武蔵と宮森ミカサとは兄弟の関係。行方不明の水城の両親の代わりに水城を育てた。老人でありながら多くの恋人がおり、その恋人を部屋に連れ込んでは刃傷沙汰を起こしている。宮森延寿と付き合った女性はことごとく不幸になるが、当の女性たちは幸せそうにしている。 剣の心得がある。

松川 小鳥 (まつかわ ことり)

宮森水城の友人の女性。水城と同じ法学部に通っている。水城のことを可愛いオモチャだと思っており、ことあるごとにちょっかいを出している。非常に肝が据わっており、自らが命の危機にさらされても平然としている。「小鳥」と名前で呼ばれることを嫌う。

大町 (おおまち)

宮森水城の友人の女性。水城と同じ法学部に通っている。礼儀正しい性格が行き過ぎ、口調が非常に堅い。自分が見たモノしか信じないという信条を持っているが、逆に自分が信じるかぎり、どのような出来事にも順応してみせる対応力を持っている。その名字と身長が高いことから、身内からは「デカマチ」と呼ばれている。

不空 (ふくう)

人間の「しだ」を食らって生きている妖。時を操る能力を持っており、自分の時の流れを遅らせることで、周囲より素早く動くことができる。無口で何を考えているのかわからない性格。しかし嘘は苦手で、図星を突かれるとすぐに動揺してしまう。

植安 秋葉 (はにやす あきは)

誰もが美少女と見紛うほどの美少年。宮森水城に一目惚れをして「お姉様」と慕いはじめる。本能に従順で、「お姉様と肉欲でつながりたい」と無邪気な顔で言い放つ。資産家である植安家の財産を相続しており、親戚に命を狙われている。

旦月 (たんげつ)

地上げ屋の男性。宮森水城の住む宮森の土地を買い叩こうとしている。いわゆるインテリヤクザで、比較的正常な常識を持っている。身体に「話すイレズミ」を飼っており、そのイレズミの助言を聞き入れる形で、これまでの人生を歩んできた。

乙金 まどか (おとがね)

新興宗教「実済智の光」の狂信者の女性。一見すると美人だが、四白眼であることに加えて口にする言葉はすべて棒読み。何を考えているのかわからない人物。実済智のあるじを至高の存在と考え、それに仇なす者はすべて敵である、という偏った考えを持っている。

青山 匠 (あおやま たくみ)

松川小鳥の父親。娘と同じく童顔で、小鳥の兄か、下手をすれば弟と間違えられることがある。合気道の達人。宮森武蔵と対峙するだけで互いの強さを認め合ったほど。親バカの気があるが、娘との距離感を計りかねている。

実済智のあるじ (みづちのあるじ)

新興宗教「実済智の光」の教祖の女性。とある理由から、宮森水城の住む宮森の地を狙っている。他人の身体に憑依する力を持っており、普段は他者の身体を借りて過ごしている。あるじの本体は幼女のような姿をしている。他者を見下すような態度をとることが多い。

慧来 (えのき)

スザクの最初の恋人の男性。まだ名前のなかった頃のスザクと戦い、無闇な殺生はしないと約束させ、「スザク」と名付けた。自らの寿命をまっとうして死ぬとスザクに別れを告げる。意外に大雑把で、殺人や盗みを禁止する理由は、ただ「面倒だから」だと語る。

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